

荷台に固定していない荷物を積んで走ると、実は5万円以下の罰金になることがある。
「オープンデッキ」という言葉を耳にしたとき、エンジン内部の構造を思い浮かべる人と、車体後部に屋根のない荷台を持つ車を思い浮かべる人の2パターンに分かれます。実はどちらも正解で、文脈によって意味が異なります。
この記事では主に「荷台部分がオープンになっている車のスタイル」としてのオープンデッキを扱います。つまり、車体の後方が屋根のない荷台になっており、大きな荷物を気軽に積み降ろしできる車のことです。ピックアップトラック的な感覚で使いながら、前席や後席は通常の乗用車・バンと変わらない居住空間を持つのが最大の特徴です。
代表的な車種を挙げると、以下の3台が国内では広く知られています。
- トヨタ bBオープンデッキ(2001〜2003年):コンパクトカーのbBをベースに後部を荷台化した個性派モデル
- ダイハツ ハイゼットデッキバン(1988年〜現在):軽自動車でありながら4人乗りを実現したロングセラー
- トヨタ ハイラックス(2017年に約13年ぶり国内復活):フルサイズのピックアップトラックで最大積載量500kg
これらはいずれも「濡れたもの・汚れたものは荷台に、乗員や貴重品は室内に」という使い分けができる点が共通の魅力です。これが基本です。
アウトドアやDIY、農作業など、「とにかく荷物を気兼ねなく積みたい」というシーンでは、通常のハッチバックやミニバンとは比べものにならない利便性があります。車内を汚したくないという心理的なストレスがほぼゼロになるのは、日常使いでも大きなメリットです。
なお、エンジン用語としての「オープンデッキ」については別途後の見出しで触れます。意外なところで知識が役に立つかもしれません。
グーネット自動車用語集「オープンデッキ」:エンジン構造としてのオープンデッキの解説。荷台の概念との違いを理解するための参考情報。
トヨタ bBオープンデッキは、2001年6月に発売された非常に個性的な一台です。ベースとなったbBは2000年登場の若者向けコンパクトカーでしたが、そこからCピラー以降のルーフをすっかり切り取り、ショートデッキと呼ばれる荷台を作り出したモデルです。その発想の大胆さは、現在でも語り継がれています。
デッキ(荷台)のサイズは決して広大ではないものの、深さがあるのが特徴です。ビールケースなら2段重ねで4箱、20リットルのポリタンクなら7個積載できます。ポリタンク7個というのはちょうど140リットル分、つまり家庭用の浴槽1杯分に相当するイメージです。サーフボードも縦向きに積載できるため、海好きの若者には刺さるスペックでした。
最大の特徴は「デッキスルードア」です。荷台と室内を隔てるパネルとリアウインドウが上下に開放できる構造になっており、これを開ければ室内と荷台が一体化します。つまり実質的な積載長を大幅に延ばせるということです。これは便利ですね。
ドアの構成も独特で、右側1枚、左側は観音開きの2枚という3ドア構成になっており、荷物の出し入れでは観音開き側から大きく開口できます。乗車定員は5名(後席3名)で、軽自動車のデッキバンが最大4名なのに対してアドバンテージがありました。
搭載エンジンは1.5L直列4気筒のみ(ベースのbBには1.3Lもあり)で、最高出力は81kW(110ps)。同じオープンデッキスタイルのハイゼットデッキバンの660cc NAエンジンと比べると、積載時の余裕は段違いです。
残念ながら販売期間は2001〜2003年とわずか2年間。人気が伸び悩んで生産終了となりましたが、その希少性と個性的なキャラクターから、中古市場では今でも根強い人気があります。現在の中古車流通台数は非常に少なく、グーネットでは平均価格約53.6万円、最安値12万円〜最高値290万円という幅のある相場です。流通台数が極めて少ないため、気になる個体を見つけたら早めの問い合わせが鉄則です。
ダイハツ ハイゼットデッキバンは、1988年の登場から現在まで続くロングセラーモデルです。軽トラックと軽バンの「いいとこ取り」という表現がぴったりで、現在でも唯一無二のポジションを持っています。意外ですね。
荷台(デッキ)のサイズは荷台長880mm×荷台幅1,360mm×荷台高610mmで、後席と合わせて最大乗車定員は4名。通常の軽トラックが2名乗りなのに対し、4名乗りを実現したことが最大の差別化ポイントです。荷台長880mmというのは、ちょうど幼児用自転車1台をそのまま横に寝かせられる長さに相当します。
アウトドア用途での活用がとくに便利です。釣りやキャンプで濡れたり汚れたりした道具類は気兼ねなく荷台へ、高価な道具や着替えはロックのかかる後席へ、と完璧に使い分けられます。魚の臭いや泥が車内に残る心配がないのは、アウトドア好きにとっては相当なメリットです。
荷台が汚れたときは水洗いできるのもポイントです。シートやカーペットを丸洗いするような手間とは無縁で済みます。これは時間の節約になりますね。
最大積載量は250kgで、キャンプ道具一式はもちろん、薪や炭、農作業用の資材まで幅広く対応できます。現行モデルの「アトレーデッキバン」はターボエンジン搭載で、自然吸気のみだった旧型ハイゼットデッキバンより走行性能が向上しています。新車価格は最安グレードで137万円前後(2026年2月現在)です。
商用車のイメージが強かったデッキバンですが、ダイハツが東京オートサロン2018にアウトドア向けのコンセプトカーを出展したことで、レジャー用途への認知が一気に広がりました。オプションのカラーパックを選べば、ライトローズメタリックやオフビートカーキメタリックなど、商用車には似合わないおしゃれなカラーも選択可能です。つまりデザイン面でも妥協不要ということです。
カーセンサー「ガンガンアウトドアレジャーを楽しみたいからデッキバンが最適」:ハイゼットデッキバンとbBオープンデッキのアウトドア活用比較記事。
オープンデッキ車の最大の魅力は荷台に大きな荷物をそのまま積めることですが、実は積み方を誤ると法律違反になるリスクがあります。これを知らずにいると痛い目に遭います。
まず覚えておくべき法律は「道路交通法第75条の10」です。積載している物が転落・飛散しないよう固定する措置を講じる義務があり、これを怠ると「転落等防止措置義務違反」となります。違反点数は1点、反則金は6,000円(普通車)ですが、万が一荷物が実際に道路上に落下して被害が発生した場合には、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金、あるいは10万円以下の罰金が科される可能性があります。金額だけでなく、被害者への損害賠償責任も当然発生します。
荷台に積める荷物のサイズにも制限があります。
- 長さ:車体の長さの1.2倍まで
- 幅:車体の幅の1.2倍まで
- 高さ:地面から積載物上面まで3.8mまで
これを超えた状態で走行すると「積載制限違反」となります。荷台が開いているからといって、何でも無制限に積んでいいわけではありません。オープンデッキが条件です。
また、荷物を固定するロープやラッシングベルト、ネットの選び方も重要です。荷台のフックにしっかりと固定できるかどうかを購入前に確認しましょう。特に高速道路を走行する場合は、走行風で軽い荷物が飛ばされるリスクがあります。
荷台の固定具が不足している場合、ホームセンターや自動車用品店で数百円〜数千円で揃えられるラッシングベルトが有効です。ベルトと荷台フックを合わせて購入しておくと、いざというとき慌てずに済みます。確認する、という一つの行動で対策が完了します。
オープンデッキ車の中古を探す場合、通常の中古車と異なる観点でのチェックが必要です。特にbBオープンデッキは車齢20年超となるため、状態の見極めが重要になってきます。
bBオープンデッキで最優先すべきチェック項目はボディ後部の錆と防水処理です。荷台部分は常に雨ざらしになるため、金属部分に錆が進んでいないかどうかを目視で確認することが必要です。特にデッキと室内の境界部分(デッキスルードア周辺)は水が溜まりやすい構造になっているため、念入りに確認しましょう。
グレードはワングレード「1.5」のみなので、選択肢はコンディションと色のみという点はシンプルです。流通量は現在20台前後と極めて少なく、走行距離は10万km前後のものが多い状況です。カスタム車も散見されるため、状態は必ず実車で確認するのが得策です。カーセンサーやグーネットでは平均価格77万円前後となっています。
ハイゼットデッキバンやアトレーデッキバンを中古で探す場合は、以下の点に注目してください。
| チェック項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 荷台の状態 | 錆・凹み・床面の腐食がないか |
| デッキスルードアの動作 | スムーズに開閉できるか |
| 後席シートの状態 | 汚れ・ヘタリがないか |
| エンジン音 | 異音・白煙・黒煙がないか |
| 走行距離・整備記録 | 定期点検記録簿が残っているか |
ハイゼットデッキバンの最大積載量は250kgですが、過積載が常態化していた個体はサスペンションやフレームへのダメージが蓄積している可能性があります。前オーナーの使用用途を販売店に確認しておくと安心です。これが条件です。
中古市場でオープンデッキ車を探すなら、グーネットやカーセンサーでフリーワード検索するのが一番手軽です。台数が少ないため、定期的に条件を保存しておいてメール通知を受け取る設定にしておくと機会を逃しにくくなります。
グーネット「bBオープンデッキ中古車一覧」:現在流通しているbBオープンデッキの中古価格相場と在庫確認に使える実用的な検索ページ。
実は、bBオープンデッキやハイゼットデッキバン以外にも、オープンデッキスタイルを楽しむ方法があります。それがハイエース200系のオープンデッキ架装です。これは使えそうです。
神奈川のカスタムショップ「T-style Auto Sales」が製作した架装ハイエースは、リア部分をボディ架装によってオープンデッキ化した1台で、2024年の東京国際カスタムカーコンテストで受賞した注目作です。架装費用は構造変更費・予備検査費を含めて253万円と高額ではありますが、公道を走行できる正規の改造車として仕上げられています。
ハイエース自体の積載能力・室内の広さ・耐久性はトップクラスであり、それにオープンデッキという個性が加わることで唯一無二の一台になります。ビジネスでもレジャーでも使える万能性は、通常のピックアップトラックよりも高いと言えるでしょう。
ただし架装車は通常の中古車市場ではほぼ流通していないため、直接専門ショップに依頼するかたちになります。費用面でのハードルは高いものの、「世界に1台の自分専用オープンデッキ車を作りたい」というこだわり派には一考の価値があります。
一方、予算を抑えたい場合には、ピックアップトラックとして復活したトヨタ ハイラックスも選択肢に入ります。荷台の最大床面長は1,565mm(ちょうど平均的な成人男性の身長と同程度)、荷台幅は最大1,380mmで、最大積載量500kgという圧倒的なスペックを持ちます。2017年以降の現行モデルは中古市場にも増えており、程度のよい個体を見つけやすくなっています。
オープンデッキという選択肢が、コンパクトカー・軽自動車・バン・ピックアップトラック・さらには架装カスタムまで幅広いカテゴリに存在していることは、意外と知られていません。自分のライフスタイルに合った1台を探す視野が広がりますね。

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