

軽自動車で「ジープっぽい」中古を探すと、実際の候補はジムニー系(特にJB23など)に寄ります。そこで最初に決めるべきは、年式や走行距離より「フレーム・下回りが生きているか」です。外装は板金で整いますが、骨格の腐食は直し方も費用も一気に重くなります。
車検目線で重要なのは、“錆があるか”ではなく“腐食で穴が開いているか”です。表面が赤くなっている程度なら直ちに不合格とは限りませんが、腐食で穴が開くとNGになり得ます。さらに検査現場では、下側から検査員がハンマーで叩いて腐食をチェックするため、見た目だけの補修(パテや塗装で塞ぐ)は通用しにくいと考えるべきです。
また、錆が進むと車台番号や原動機型式の刻印が読めなくなり、職権打刻の手続きが必要になるケースもあります。これが起きると「直せばOK」だけでなく、手続きや持ち込みの手間まで発生するため、購入前に刻印周辺まで確認したいところです。
「雪国や海沿いを走るなら、購入時に防錆施工をしてもらう」「融雪剤散布路や海沿い走行後は下回り洗浄で錆を予防する」など、予防が最重要という整理はブレません。錆はいったん発生すると、完全に食い止めるのが難しい性質だからです。
下回り・腐食の車検可否や、腐食が進んだ場合の考え方(職権打刻の話含む)は、整備士にも説明しやすい根拠になるので一度目を通しておくと便利です。
下回り腐食と車検の基準・職権打刻の注意点(根拠の部分)
錆で車体が腐食していたりフレームに腐食がある場合でも車検に通…
中古の「当たり・外れ」を分ける材料として、定期点検整備記録簿は非常に強いです。記録簿を先に読んでから現車を見ると、現物の汚れやにじみの意味(放置なのか、最近直したのか)が判断しやすくなります。
記録簿・現車でセット確認したいポイントを、現場向けにまとめます。
特にジムニーのような車両では、オフロード走行やカスタム歴が絡むことが多く、「直してある=悪」ではありません。一方で、フレームやメンバーなど重要部位にダメージがある個体は、後から整備費が跳ね上がるため、購入前の情報取りが効きます。
ジムニーを例にした“中古車のチェック手順(外装→エンジンルーム→床下→試走)”は、現車確認の段取りとしてそのまま使いやすいです。
ジムニーの中古車チェックポイント(点検記録簿・塗装・溶接/シーラー・床下確認の部分)
https://www.goo-net.com/magazine/contents/check-point/22635/
軽自動車でジープ風を狙う読者は「4WDで雪道も行ける」「アウトドアに使いたい」など用途が明確なことが多いです。だからこそ、購入前の試乗で“駆動系が気持ちよく働くか”を確認しておく価値が大きいです。
中古車の現場では、次のような「短時間でも拾える症状」に注目します。
ここで効くのが「先に点検記録簿を見て、次に現車、その後に試乗」という順番です。例えば、整備記録上は最近交換していないはずの部品が新しく見えるなら理由を掘れますし、逆に記録簿が厚い個体は“次に壊れそうなところ”の予測が立ちます。
また、タイヤの偏摩耗はアライメント不良だけでなく、ダメージで車体が歪んでいる可能性も疑うべき所見です。見た目のカッコよさ(リフトアップ、太いタイヤ)に引っ張られやすい車種だからこそ、整備目線のルーティンで冷静に拾っていきます。
「ジープ風にしたい」中古選びは、購入後のカスタム前提になりがちです。しかし整備士目線で優先順位を付けるなら、ドレスアップより先に“腐食を増やさない”が最上位になります。理由は単純で、錆が進行してからの完全停止は難しく、穴・腐食まで行くと車検や修理費に直結するからです。
現実的な優先順位(おすすめ)はこうです。
ここで意外と効くのが「防錆施工=万能ではない」という視点です。防錆は有効な一方、すでに腐食が進んだ個体に上塗りしても根治になりません。だから購入前は、施工の有無よりも“フレームに穴がないか”“叩かれたら終わる弱り方をしていないか”を優先して確認します。
また、カスタム(バンパーや外装パーツ追加)を考える読者には、錆を呼びやすい「固定部の傷」「合わせ目の水溜まり化」も注意点として伝えると親切です。固定ボルト周辺の塗装欠けが増えるほど、局所的に錆の起点が増えるためです。
検索上位の記事は「年式・走行距離・相場・人気グレード」へ寄りやすい一方で、現場で痛いのは“見た目が良いのに中身が荒れている個体”です。整備士の独自視点として強調したいのは、ピカピカの中古ほど「裏側の違和感」を拾うべき、という点です。
具体的には、次の“ギャップ”があるときに要注意です。
ここで役に立つのが、「角度を変えてボディ面を観察する」「パネルの隙間(チリ)幅を見る」「溶接・シーラーの不自然さを左右比較する」といった基本動作です。これらは経験者ほど短時間で判断でき、しかも“写真だけでは分かりにくい”領域なので、現車確認を強く推す理由にもなります。
軽自動車でジープ風の中古を探す読者にとって、最終的に効くのは“総額の納得感”です。購入時に多少高くても、フレームが健全で記録簿が揃い、試乗で違和感が少ない個体は、後から修理や車検で削られにくい。整備士としては、そういう「維持できる中古」を推したいところです。