

フォードブロンコカスタムの相談を受ける際、最初に整理したいのが用途と優先順位です。オフロード重視かクルージング重視か、あるいはショーカー的な見せ方を狙うのかによって、選ぶべきパーツや作業手順が大きく変わります。
新型ブロンコの場合、サスクワッチパッケージ車は純正で35インチクラスのM/Tタイヤとビルシュタイン製ショック、ロッキングデフなどかなり本格的な装備を持っているため、まずはタイヤホイールを自分の好みに合わせて見直すだけでも印象が大きく変わります。
例えばファーストエディションでは純正LT315/70R17タイヤから、同じ35インチ径で銘柄変更やホイール変更を行うだけでも、外観と乗り味の両方に変化を出しつつ、ジオメトリやフェンダー干渉のリスクを抑えられます。
ユーザーの要望をヒアリングしたうえで、整備士としては「安全性と法規適合」を満たす足回り・ブレーキ・灯火類を優先し、その次にバンパーや外装、最後に内装・電子デバイスといった順で提案すると、トラブルの少ないカスタム計画になります。
フォードブロンコカスタムでは、アフターパーツブランドの選定も重要です。新型ブロンコ向けにはアダプティブデザートデザイン(ADD)やDV8オフロード、ARBなど、オフロード界隈で実績のあるメーカーがバンパーやロックレール、ルーフラックなどを多数リリースしています。
参考)フォード ブロンコ - カスタムパーツカタログ
こうしたブランドはアプローチアングル・デパーチャーアングルを大きく損なわない形状になっていることが多く、純正センサーやエアバッグ対応も考慮された製品が増えているため、安心して顧客に勧めやすいのが特徴です。
一方、初代ブロンコなどクラシックモデルの場合、現代スペックのディスクブレーキやパワステキット、現代風シートとシートベルトを組み込む「レストモッド」的なメニューを先に固めてから外装カスタムを足していく流れが、実用性と安全性の両立におすすめです。
参考)新型フォード・ブロンコよりこっちのほうがいい?初代ブロンコを…
フォードブロンコカスタムでオフロード性能を高める場合、サスペンションとタイヤサイズの設計は最重要ポイントです。新型ブロンコでは、純正でもサスクワッチパッケージにより35インチタイヤとロングトラベル寄りのショックが装着され、未舗装路での走破性が高い状態で出荷されています。
ここからさらに踏み込むビルドでは、3インチ程度のリフトと37インチタイヤへのアップサイズがよく行われますが、フェンダークリアランスやステアリング系への負担を理解したうえで提案する必要があります。
リフト量が増えるほど、プロペラシャフト角度やブレーキホースの余長、スタビライザーの動きなど、チェックすべきポイントが増えるため、整備記録として作業前後の寸法やアライメントデータを残しておくと、後のトラブルシュートに役立ちます。
サスペンション交換時は、ショックアブソーバーだけでなくバンプストッパーやリバウンドストッパーのストロークも見直しておくと、ジャンプ着地時や深い段差通過時の底付きダメージを軽減できます。ロングトラベルキットを導入するケースでは、ロアアームやアップライトまで専用品に変更されることがあり、溶接補強やフレーム側マウントのクラックチェックが必須です。
またロッククローリング寄りのビルドでは、電動デフロックやローギアージトランスファーケースを活かすために、タイヤ空気圧管理とビードロックホイールの導入をセットで提案すると、岩場でのタイヤ空転やビード落ちを大幅に減らせます。
参考)Las Vegas Ford Bronco - Americ…
初代ブロンコの場合、リーフスプリングのヘタリやブッシュの劣化が進んでいる個体も多く、単純なリフトアップよりもまずは純正相当のレストアと補強を済ませてから、シャックルやアドオンリーフでのセッティングに進む方が、車体への負担が少なく現実的です。
オフロード向けバンパーとアンダーガードも、フォードブロンコカスタムにおいて走破性と防御力を左右する要素です。スチール製ヘビーデューティバンパーは重量増がある一方で、ウインチマウントやリカバリーポイント、ハイリフトジャッキ用のスロットなどを一体化できるため、本格的なトレイル派には大きなメリットがあります。
アンダーガードはエンジンオイルパン、トランスファー、燃料タンクを優先的に保護し、特に岩場を走る車両ではトランスファーケース前後のアングルに注意してレイアウトを検討します。
整備士としては、バンパーやガード類の装着前後で車両重量と前後軸重の変化を測定し、必要に応じてスプリングレートや減衰力を補正する提案まで行えると、ワンランク上の専門性を示すことができます。
フォードブロンコカスタムの見た目を決定づけるのがホイールとタイヤです。新型ブロンコでは、17インチのビードロック対応ホイールに35インチM/Tタイヤを組み合わせたスタイルが定番で、日本ではディーン・コロラドなどクラシック系デザインのホイールを合わせることで、レトロオフローダー的な雰囲気を出す事例もあります。
一方で20インチホイールに37インチタイヤを組み合わせるスタイルは、迫力のあるルックスとオンロードでの応答性を両立しつつ、リフト量やフェンダーカットを前提としたビルドになります。
整備士としては、タイヤ外径の変化に伴うスピードメーター誤差や、バンプ時のフェンダー干渉リスクを事前に説明し、必要であればインナーフェンダーの加工やバンプストップ延長を併せて提案することが重要です。
外装カスタムでは、バンパーとグリル、ライト類の一体感がフォードブロンコカスタムの完成度を大きく左右します。LEDヘッドライトやLEDバー、フォグランプの追加によって夜間や悪天候時の視認性を向上できる一方で、配線の取り回しやリレー・ヒューズ容量を適切に設計しないと、電装トラブルの原因となります。
初代ブロンコのレストモッドでは、ヴィンテージルックを保ちながらLEDライト化を行った事例が多く、RMDガレージが手掛けた1969年モデルでは、クラシックボディに現代的なLEDランプとウインチ付きバンパーを組み合わせるなど、デザイン性と実用性を両立したカスタムが特徴です。
またルーフラックやサイドラダーの追加は、キャンプやサーフィンなどアウトドア用途での積載性を高めるだけでなく、全高の変化による立体駐車場の制限や重心位置の変化も伴うため、顧客の使用環境をヒアリングした上で提案することが求められます。
ボディカラーとラッピングも、フォードブロンコカスタムならではの楽しみ方です。新型ブロンコにはクラシックな単色ボディだけでなく、グラフィックストライプやツートーンラッピングを施したデモカーも多く、カウルパネルやドア部分だけ色を変えて、簡易的にイメージチェンジを図る例も見られます。
参考)ブロンコで海へ!山へ! 200以上のアクセサリーでカスタムで…
整備工場で提案する場合は、ラッピング前の塗装状態チェックや錆の有無を確認し、下地処理をどこまで行うかを明確にしておくとクレーム防止につながります。
さらに、ホイールナットやエンブレム、トーイングフックなど小物のカラーコーディネートを行うことで、同じ足回りでも全く違う印象を与えられるため、予算が限られた顧客に対しても満足度の高い提案が可能です。
フォードブロンコカスタムを前提に中古車を探す場合、車両の素性と既存カスタムの質を見極めることが重要です。カーセンサーなどの中古車サイトでは、カスタム済みブロンコの情報が掲載されており、フルエアロやローダウン、アルミホイールなどの装着状況を確認できますが、写真だけでは足回りの状態や補強状況までは読み取れません。
そのため整備士としては、試乗時の直進安定性やブレーキタッチ、フルバンプ時の干渉音、リフトアップ車であればプロペラシャフトの振動の有無などを重点的にチェックし、顧客に対して「追加整備にどの程度の費用が掛かりそうか」を具体的に伝えられると信頼感が高まります。
日本国内でフォードブロンコを扱うショップとしては、輸入車専門店やアメ車ショップがカスタムパーツカタログや車両販売を行っており、CALIFORNIA CUSTOM JAPANなどはフォードブロンコ用のパーツカテゴリを用意しています。
参考)FORD,ブロンコ
こうしたショップの在庫状況や対応可能な年式を把握しておくと、顧客から「どこでパーツを頼めばいいか」と聞かれた際にスムーズに案内できます。
また、国産車と比較してリードタイムが長く、輸送状況によって納期が変動しやすいため、カスタム計画の段階で余裕を持ったスケジュールを提示しておくことが現実的です。
カスタム事例としては、新型ブロンコのオフロード特化ビルドから、初代ブロンコのショーカー仕上げまで幅広いスタイルが存在します。RMDガレージが手掛けた初代ブロンコは、1969年モデルをベースに現代風の外装とLEDヘッドライト、ウインチ付バンパー、ロールバーなどを備え、クラシックさと最新パーツの融合が特徴です。
一方で北米のショップでは、40インチクラスのタイヤとロングトラベルサスペンション、カスタムペイントを組み合わせた「フルビルド」の新型ブロンコも登場しており、カーボンパーツや専用ステアリングホイールで内装まで作り込まれています。
こうした事例を写真付きで顧客に提示し、「ここまでは日本でも現実的にできる」「ここから先は輸入や公認のハードルが高い」といった線引きを説明することが、プロとしての提案力につながります。
また、日本国内のユーザーコミュニティやSNS投稿も、フォードブロンコカスタムの実例を知るうえで有用です。カスタム・ドレスアップ情報サイトでは、ブロンコのカスタム画像や動画が投稿されており、実際にどのようなホイール・タイヤ組み合わせや外装パーツが人気かを視覚的に把握できます。
参考)ブロンコのブロンコに関するカスタム・ドレスアップ情報[17件…
整備士としては、こうしたコミュニティでよく見られるパターンを把握しておくことで、「流行を押さえつつも耐久性と整備性を損なわないカスタム」を提案しやすくなります。
さらに、過去に問題になったカスタム内容やトラブル事例(フェンダー干渉、ドラシャ破損、電装トラブルなど)を社内で共有し、チェックリスト化しておくと、今後のフォードブロンコカスタム案件全体の品質向上に役立ちます。
フォードブロンコカスタムにおいて、一般ユーザーと整備士の一番大きな違いは「長期使用とメンテナンス性」を見据えた視点です。見た目優先で大径タイヤやハイリフトを行うと、一時的にはインパクトがありますが、ハブベアリングやタイロッド、ブレーキへの負荷が増大し、結果的に維持費やトラブルが増える可能性があります。
整備士としては、ホイールインセットやタイヤ幅を決める際に、ハンドル全切り・フルバンプ時のクリアランスや、ジャッキアップ時のサスペンション伸び側の挙動まで想定しておくことで、「後から干渉に気付いて再作業」といった事態を避けられます。
また、フォードブロンコカスタムでは電子制御システムとの相性も重要です。新型ブロンコは走行モードやトラクションコントロールが高度に統合されており、タイヤ外径やギア比の大きな変更は、ABS制御や横滑り防止装置に影響を与える可能性があります。
そのため、OBDを利用したスピードメーター補正やタイヤ径設定の変更が可能か、アフターマーケットのチューニングツールで対応するのかを事前に調査し、必要に応じて専門ショップと連携するのが現実的です。
この点を丁寧に説明できる整備士は、「単に部品を付ける人」から「車両全体のシステムを理解している技術者」として評価されやすくなります。
フォードブロンコカスタムでは、内装とユーティリティ面の提案も差別化ポイントになります。オフロード走行を前提とした車両では、防水性の高いフロアマットやカーゴライナー、荷室のタイダウンポイント増設、コンプレッサーやツールボックスの固定方法など、実用性に直結するアイテムが喜ばれます。
さらに、長距離ツーリング派のユーザーには、シートのサポート性向上や静音化対策、追加USBポートやスマホホルダー類のレイアウト改善を提案すると、日々の使い勝手を大きく向上できます。
こうした「派手ではないが毎日効くカスタム」を一緒に提案することで、顧客満足度を高めつつ、リピートや紹介にもつながりやすくなります。
最後に、フォードブロンコカスタムは日本ではまだ情報量が限られている分、整備士が主体的に情報収集し、自身の知見として蓄積していく余地が大きいジャンルです。北米ショップのビルド事例や海外フォーラムを定期的にチェックし、日本の道路事情や車検制度に合わせて「どこまで再現できるか」を翻訳する役割を担うことで、顧客から「ブロンコのことならこの工場」と頼られる存在になれます。
安全性と法規を守りつつ、遊び心のある提案をバランスよく行うことこそが、フォードブロンコカスタムにおける整備士の価値と言えるでしょう。
フォード公式サイトで新型ブロンコの概要やグレード構成、純正アクセサリー構成を確認でき、サスクワッチパッケージの内容や純正でのオフロード志向の設計思想を把握する際に参考になります。
フォード公式 Ford Bronco ページ
日本語でブロンコおよびブロンコスポーツのアクセサリーや、オンライン注文状況など市場の反応を解説しており、新型ブロンコがどれだけ高い人気を集めたか、アクセサリー点数の多さが示すカスタム需要を把握する参考になります。
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