
pa-man DPINE マルチクリーナー 1000ml ディーゼルエンジン専用 DP1000
ディーゼル車の燃料タンクには、時間の経過とともにスラッジ(汚泥)や水分が蓄積していきます。スラッジは軽油の燃え残りや酸化によって生成される固形・半固形の異物で、タンク底部に沈殿していくのが特徴です。この汚れを放置すると、燃料フィルターの目詰まりを引き起こし、最悪の場合エンジンが始動しなくなる恐れがあります。
参考)究極のガイド: ディーゼル移送タンクの掃除方法
燃料タンク内に水分が混入する原因は主に結露です。ガソリンや軽油が減少すると、タンク内に空間ができて水分を含んだ空気が入り込み、寒暖差によって結露が発生します。水は燃料より重いためタンク底部に溜まり、金属製タンクの場合は錆の原因となります。錆が発生すると、錆びた部分から生成された固形粒子が燃料内を通過してエンジンの摩耗を引き起こすため、定期的な洗浄が不可欠です。
参考)車の燃料タンク(ガソリンタンク)が錆びる原因と修理の必要性
定期的にタンク洗浄を行うことで、スラッジや水分の沈殿を防ぎ、設備の正常な作動と耐久性の向上が期待できます。消防法では燃料貯蔵タンクの定期点検が原則として1年以内に1回と定められており、法令遵守の観点からも計画的なメンテナンスが求められます。
参考)タンク内の燃料劣化!メンテナンスの頻度や方法とは?
燃料タンクの洗浄方法は大きく分けて自分で行う方法と専門業者に依頼する方法があります。自分で洗浄する場合は、まずタンク内の燃料を完全に抜き取る必要があります。車両から燃料タンクを取り外し、残った燃料を安全に処理してから作業を開始します。
参考)https://www.monotaro.com/s/q-%E7%87%83%E6%96%99%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF%E6%B4%97%E6%B5%84/
具体的な洗浄手順として、タンクを取り外した後に付属パーツ(燃料コック、キャップ、燃料ゲージ等)を取り外し、液漏れしないようゴム栓などでしっかり栓をします。次にタンク内の油分を洗浄・水洗いし、専用の洗浄剤を10倍~20倍に希釈した溶液を注入します。そのまま半日から2~3日放置することで、タンク内の汚れや錆が除去できます。作業中は火気厳禁で、静電気による引火にも十分注意が必要です。
参考)「予備タンクの掃除について」 - webCG
業者に依頼する場合は、作業員がタンク内部に入る「進入式」と、燃料を抜かずに清掃できる「循環ろ過方式」があります。進入式では酸素濃度をチェックしながら安全に作業を行い、タンク底部のスラッジ除去、洗浄機による洗浄、拭きあげなどを実施します。循環ろ過方式は燃料を抜く必要がなく、工期の短縮や費用の低減につながる効果的な方法です。
参考)燃料タンクの洗浄はどのような点に気を付けるべき?
燃料添加剤は燃料タンクに注入するだけで、エンジン内部やタンク内の汚れを除去できる便利なメンテナンス用品です。ディーゼル車用の燃料添加剤には、軽油を最高の状態に保持する目的で開発された製品があり、古くなった軽油を復活させ、タンク内の水分を蒸発させる効果があります。また、インジェクターのクリーニングやエンジン内のカーボン蓄積の軽減にも役立ちます。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E7%87%83%E6%96%99%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF%E6%B4%97%E6%B5%84%E5%89%A4/
添加剤の使用方法は非常に簡単で、燃料タンクに直接注入するだけです。使用量の目安は、軽油16ガロン(60L)に対して1オンス(30ml)を初回投与し、2回目以降は32ガロン(120L)に対して1オンス(30ml)を添加します。常に各燃料満量直前に添加剤を追加することで、より効果的な洗浄が期待できます。
参考)【燃料添加剤】ディーゼルとガソリンの違いは?メリット・デメリ…
燃料添加剤を使用するメリットとして、インジェクターの目詰まり解消、DPF内の洗浄、強制再生の減少などが挙げられます。特にBG製品などの高品質な添加剤は、部品の交換や取り外し洗浄などを行わなくても約8~9割の不具合が直るという実績があります。ただし、スラッジが大量に溜まっている場合は、まず専用のタンククリーナーで清掃した後に添加剤を使用することが推奨されます。
参考)https://bg-item.shop/blogs/blog/diesel_additive_difference
ディーゼル車に添加剤を使う効果について詳しく解説した専門記事(添加剤の具体的な効果と使用方法)
スラッジは燃料タンクの長期使用によって発生する固形や半固形の異物で、主に燃料の酸化や燃焼残渣が原因で生成されます。スラッジが蓄積すると燃料フィルターの目詰まりを引き起こし、エンジンの作動不良や燃料効率の低下につながります。特に非常用発電機など、長時間使用しない設備では、底部に溜まったスラッジが給油時や地震などの揺れで撹拌され、燃料フィルターを詰まらせるリスクが高まります。
参考)スラッジ除去装置
スラッジ除去には専用の装置を使用する方法が効果的です。ロカクリーンなどのスラッジ除去装置は、タンク内の重油を吸引し、フィルターで粗めのスラッジと水分を除去した後、遠心分離機で微細なスラッジや水分を取り除きます。この方法であれば、タンク内の燃料を抜くことなく洗浄作業が可能で、作業中でも機械を作動させられるため、緊急時の対応も安心です。
参考)燃料タンクの目詰まりの原因となるスラッジの除去方法
水抜き対策としては、専用の水抜き剤を使用する方法が一般的です。水抜き剤は燃料タンク内の水分や湿気を溶解し、凍結を防ぐとともに、防錆剤の配合により錆の発生を抑制します。ディーゼル車には燃料フィルターに水分が溜まると警告灯で知らせる機能が備わっている車種もあり、警告灯が点灯した際は速やかに水抜きメンテナンスを実施する必要があります。定期的な水抜き作業により、燃料系統の水分によるトラブルを防ぎ、インジェクションノズルの腐食や燃料系統の凍結を予防できます。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E8%BB%BD%E6%B2%B9%20%E6%B0%B4%E6%8A%9C%E3%81%8D%E5%89%A4/
建設機械メーカーによる燃料タンクの水抜き重要性の解説(定期的な水抜きの必要性と具体的な方法)
燃料タンクの洗浄費用は、自分で行う場合と業者に依頼する場合で大きく異なります。自分で洗浄する場合、専用の洗浄剤は1リットルで数千円程度から購入でき、繰り返し使用できるため経済的です。燃料添加剤を使用したメンテナンスでは、1回あたり約9,000円~20,000円程度で実施可能で、大がかりな分解作業が不要なため手軽に取り組めます。
参考)https://bg-item.shop/blogs/blog/diesel_additive_demerit
業者に洗浄を依頼する場合、燃料タンク交換となると国産車で部品代25,000円~50,000円、工賃10,000円~30,000円が目安で、合計4万円~10万円弱程度かかります。作業時間は車種によって1.5時間~6時間程度と変動するため、事前に見積もりを取ることが重要です。バイクのタンク錆取りの場合は、専門業者で約15,000円~30,000円が相場となっています。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/254/
業者選びでは、危険物取扱者(乙4等)や酸素欠乏危険作業主任者などの資格保有者が在籍しているか確認しましょう。一般財団法人全国危険物安全協会が認定する「地下タンク等定期点検認定事業者」であれば、地下タンクの取り扱いに熟知した信頼できる業者といえます。また、過去の実績や経験値、評判なども重要な判断材料となります。費用だけでなく、安全性や作業品質を総合的に評価して業者を選定することで、長期的なコスト削減と安全なメンテナンスが実現できます。
燃料タンク洗浄の専門業者による安全な洗浄方法と注意点の詳細解説