

バンプラバーをカットすると車検に落ちると思っているドライバーは少なくありません。
バンプラバーとは、ショックアブソーバーが縮みきる(底付きする)直前に当たるゴム製またはウレタン製の緩衝材のことです。サスペンションがストロークして限界に近づいたとき、金属同士が直接ぶつかることを防ぐクッションの役割を持っています。
取り付け位置は車種によって異なります。ショックアブソーバーの内部に組み込まれているタイプと、リアサスペンションのバネの内側にセットされているタイプの2種類が主流です。後者は外側から見えるため、ローダウン車のカスタムでよく話題になります。
バンプラバーを装着していない状態でショックが底付きすると、鉄と鉄が衝突する「ガンガン・ゴンゴン」という異音と強い衝撃が発生します。最悪の場合、ショックアブソーバー本体が破損し、部品代だけで1本あたり1〜2万円、4本交換ならサスペンション全体で修理費が10〜20万円以上になることもあります。これは見過ごせないリスクです。
バンプタッチとは、走行中にサスペンションが縮んでバンプラバーに接触する現象のことです。本来はそう頻繁に起きる現象ではありません。しかしローダウンすると車高が下がり、バンプラバーと当たる面(バンプタッチまでの距離)が著しく短くなります。結果として、少しの段差でもバンプタッチが発生しやすくなり、乗り心地の悪化につながります。
ストローク不足によって頻繁にバンプタッチが起きると、バンプラバー自体も固くなっていきます。固くなるほど接触時の衝撃は大きくなり、突き上げ感がさらに強まるという悪循環に陥ります。これが原因です。
バンプタッチが頻繁に発生していると、底付きと勘違いしてしまう方も多くいます。ただし底付きはショックが完全に機能しない状態なのに対し、バンプタッチはまだバンプラバーが仕事をしている段階です。切り分けて理解しておくことが大切です。
参考:バンプラバーをカットする前に知っておくべきこと(DIYラボ)
https://www.diylabo.jp/column/column-149.html
バンプラバーをカットすると車検に落ちると思っているドライバーは多いですが、実際には正反対です。バンプラバーはカットしても、短くしても、完全に取り外しても、車検の合否とは関係がありません。
道路運送車両の保安基準第14条は「緩衝装置」について定めており、ばねやショックアブソーバーが「地面からの衝撃に対し十分な容量を有し、安全な運行を確保できること」を求めています。この規定はあくまでもサスペンション全体の性能に関するものであり、バンプラバー単体の有無や長さは検査項目に含まれていません。
つまり保安基準上、バンプラバーは保安部品ではないということです。
実際の車検現場でも、バンプラバーが短くなっていること、あるいはない状態であることを理由に不合格にされることはありません。ショックアブソーバーに内蔵されているタイプに至っては、ダストブーツに覆われているため、検査官が目視で確認することすらできない構造になっています。
| 状態 | 車検への影響 | 備考 |
|---|---|---|
| 純正のまま(カットなし) | ✅ 問題なし | ローダウン車はバンプタッチしやすい |
| 一部カット(短く切った) | ✅ 問題なし | 適切にカットすれば乗り心地が改善 |
| 完全に取り外し | ✅ 問題なし | ただし底付きリスクが生じる |
| ボロボロに劣化している | ✅ 問題なし | 機能的には交換を推奨 |
ただし「車検に通る」こととは別に、「安全に走れるか」という問題は残ります。バンプラバーが全くない状態でローダウン車を走らせれば、底付きのリスクが高まります。車検はあくまでも法的な基準への適合確認です。走行安全性という観点からは、適切な長さのバンプラバーを維持することが原則です。
参考:バンプラバーはカットしても外していても、車検には通りますか?(send-freedom)
https://www.send-freedom.com/entry/12983
参考:道路運送車両の保安基準 第14条 緩衝装置(e-Gov法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800067
正しいカット量の算出方法は、以下の手順で行います。
つまり隙間が15mmだったとしても、バンプラバーを15mmに合わせて切ってはいけません。潰れる分を考えると最低でも20〜25mm程度残すのが適切です。また車体はコーナリング時にロールもするため、そのマージンも考えると、少し多めに残す方向で判断しましょう。これが条件です。
バンプラバー自体の切り方はカッターで十分対応できます。ゴム製もウレタン製も、よく切れるカッターで一気に切るときれいな断面になります。「お団子状のふくらみ1個分ずつ」という感覚でカットすると、過剰に切りすぎるリスクが減ります。
カットした後は実際に走行テストを行い、段差や悪路でのバウンド時に異音や引っかかりがないか確認することが重要です。試走で問題がなければ、そのセッティングで継続使用して大丈夫です。
なお、ショックアブソーバー内蔵型のバンプラバーは構造的に切ることができません。この場合はショック本体の全長調整(全長調整式車高調の場合)で対応するか、ショートバンプラバーへの交換という選択肢になります。
参考:バンプラバーの正しい切り方(カットする長さ)とは?(DIYラボ)
https://www.diylabo.jp/column/column-152.html
バンプラバーをカットすると乗り心地が改善するという情報だけが先行して、切りすぎるケースが後を絶ちません。ここには大きなリスクがあります。
切りすぎた場合の代表的なトラブルは以下の通りです。
特にハイゼットなどの軽トラック系は、バンプラバーの先端がテーパー状(タケノコ型)になっている車種があります。このテーパー部分を切ることで「当たりにくくなる」のは確かですが、当たったときの衝撃の緩和性能が大幅に落ちます。乗り心地を改善しようとして、かえって悪化させてしまうパターンです。
ショックアブソーバーが底付きして破損してしまうと、交換費用はかなりまとまった金額になります。部品代は1本あたり1〜2万円、工賃を含めた修理費は4本すべてを交換する場合に10〜20万円規模になることも珍しくありません。バンプラバーを適当に切ったことによる代償としては大きすぎます。
適切にカットするのが難しいと感じたときや、ショック内蔵型でカットできないときは、「ショートバンプラバー」という選択肢があります。SPIEGELや玄武(GENBU)などのメーカーから、車種別の専用品が販売されており、純正よりも最初から短く設計されています。玄武製のものには5mm・10mmのスペーサーが付属し、3段階の高さ調整ができる製品もあります。価格は車種や製品にもよりますが、2個セットで2,000〜4,000円程度が相場です。カットという作業が不要になるため、DIY初心者にも安心です。
参考:車高調のバンプラバーとは|バンプタッチや交換方法も解説(グーネット)
https://www.goo-net.com/magazine/carmaintenance/parts/229103/
バンプラバーには、ショックアブソーバーに内蔵されているタイプと、バネのところに外付けされているタイプの2種類があります。この違いを理解しておくことで、適切な対処ができるようになります。
内蔵型(ショック内蔵タイプ)は、アッパーマウントとスプリングの間に組み込まれており、外から見えません。ダストブーツの中に隠れているため、車検の際にも目視確認すら困難な構造です。このタイプはカッターで切るという作業ができません。対策は、全長調整式(フルタップ式)の車高調の場合はショック本体の全長を調整することで対応します。旧型の車高調など全長調整機能がない場合は、内蔵型の短いバンプラバーへの交換が必要になります。
外付け型(バネ内バンプラバー)は、リアサスペンションのコイルスプリングの中に収まっているタイプです。軽自動車に多く見られ、バネを外せばバンプラバーを手で取り出せる構造になっています。このタイプは本記事で解説してきたようなカット作業が可能です。
ローダウン車がバンプラバーを選ぶ際の目安をまとめると、次のように整理できます。
ウレタン製のバンプラバーはゴム製よりも耐久性・クッション性に優れているとされています。純正がゴム製である場合、社外品のウレタン製ショートバンプラバーに替えることで、乗り心地の向上とストローク確保を同時に実現できることもあります。純正の硬度は一般的に70程度とされており、柔らかすぎず硬すぎないバランスが求められます。これは使えそうです。
なお、RS-R(アールエスアール)のような足まわりメーカーは公式FAQで「バンプラバーは第2のスプリングとしての機能があるため、むやみに切らないでほしい」と明言しています。バネレートの設計とバンプラバーの長さはセットで考えられている場合があるため、特にメーカー推奨値の足まわりをセットで使っている場合は注意が必要です。
参考:RS-R サスペンションFAQ(RS-R公式)
https://www.rs-r.co.jp/faq_sus
バンプラバーをカットした後は、そのまま放置ではなく、定期的な状態確認が必要です。多くの方がカット自体に集中してしまい、その後のフォローを怠りがちですが、ここが実は重要なポイントです。
カット直後に必ず確認すべきことは3点あります。1点目はカット面が均一かどうか(斜めに切れているとタッチ時に偏荷重が生じる)。2点目は試走での異音(コトコト・ガンガン音)がないかどうか。3点目は段差乗り越え時の突き上げが改善されているかどうかです。
ゴム製・ウレタン製ともに、バンプラバーは使用するうちに劣化・硬化・ひび割れが進みます。純正品は「車検ではチェック不要」とはいえ、機能的に劣化してくると本来の底付き防止性能が発揮されなくなります。カット後に残した量が少ない場合はさらに劣化が早く進むため、2〜3年に一度は状態を目視確認することをお勧めします。
なお、ダウンサスを入れている場合には注意が必要な点があります。ダウンサスを装着する際、純正ショックアブソーバーをそのまま流用するとショックがすでに縮んだ状態でセットされるため、ストロークできる量が純正時よりも大幅に短くなります。この状態で純正長のバンプラバーが残っていると、ちょっとした段差でもすぐにバンプタッチしてしまいます。バンプラバーのカットやショートタイプへの変更は、ダウンサス装着とセットで検討すべき作業といえます。
長期的なメンテナンスの観点でいうと、バンプラバーの交換費用は部品代のみなら数百円〜数千円と安価です。業者に依頼する場合でも、工賃は5,000〜7,000円程度が相場とされています。これは前述のショックアブソーバー破損時の修理費(10〜20万円以上)と比べると大きな差です。バンプラバーの状態を定期的に確認し、劣化が進んでいれば早めに交換することが、長い目で見た節約につながります。
また、車高調を使用している場合は、車高調メーカーが純正(専用)バンプラバーを推奨しているケースがあります。汎用品を使うと車高調との相性が悪く、バンプタッチ時の衝撃が正確にコントロールされないことがあります。メーカー推奨品かどうかを事前に確認することが条件です。
参考:独立行政法人自動車技術総合機構 審査事務規程 緩衝装置(NALTEC)
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/hbh5ss0000002mk7-att/gtg5d20000002iy5.pdf

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