

「ブーツが破れていても、サスペンションのダストブーツは車検に通る」と知っていましたか?
ひとことで「ダストブーツ」といっても、車には複数の種類が装着されています。それぞれ役割や取り付け場所が異なり、交換費用もかなりの差があります。まずは種類ごとの基本情報を整理しましょう。
| 種類 | 場所・役割 | 交換費用の目安(部品代+工賃) | 車検との関係 |
|---|---|---|---|
| タイロッドエンドブーツ | ハンドル操作をタイヤに伝える関節部を保護 | 片側 3,000〜9,900円 両側で6,000〜19,800円 |
破れると車検不合格 |
| ドライブシャフトブーツ(アウター) | エンジンの回転力をタイヤに伝えるシャフトを保護 | 片側 15,000〜35,000円 | 破れると車検不合格 |
| ドライブシャフトブーツ(インナー) | 同上(エンジン側) | 片側 15,000〜30,000円 | 破れると車検不合格 |
| サスペンション(ショック)ダストブーツ | ショックアブソーバーのロッドを砂・泥から保護 | 1カ所 5,000〜10,000円 | ⚡ 破れても車検に影響なし |
| ロアアームボールジョイントブーツ | タイヤを下から支えるアーム関節を保護 | 片側 3,000〜8,000円 | 破れると車検不合格 |
注目すべきは「サスペンション(ショック)ダストブーツ」です。これは車検の保安基準とは直接関係しないため、破れていても車検は通ります。ただし、放置するとショックアブソーバー内部に砂利や泥が侵入し、内部のダストシールを傷つけてしまいます。結果として「ショック抜け」と呼ばれる性能低下を招き、乗り心地の悪化や異音の原因となります。これが基本です。
一方、タイロッドエンドブーツやドライブシャフトブーツは、破れると即座に車検不合格の対象です。車検当日に指摘された場合はその場で交換しなければ車検証が発行されないため、事前点検が非常に重要です。
タイロッドエンドブーツの部品代自体は1個300〜1,000円程度と非常に安価です。ところが店舗によって工賃設定がまったく異なり、ある整備工場では「片側9,900円(工賃込)」、別の店では「片側4,400〜5,000円(工賃込)」と、同じ作業でも2倍近い差が生まれることがあります。金額の違いは工賃の計算方式によるもので、「工数指数表に基づく固定計算」か「実作業時間ベース」かで大きく変わります。金額だけで判断すると損をします。
参考:タイロッドエンドブーツの交換費用とその価格差の理由を解説している記事です。
タイロッドエンドブーツの交換費用って、何でこんなに違うの? — 車検のコバック越谷店
費用を抑えるには、いくつか知っておくべきことがあります。
① 車検時にまとめて交換する
ブーツ類は単独で整備依頼すると「作業台」として別途工賃がかかるケースがあります。車検時に同時依頼すれば、リフトアップや足回りの分解・組み立てを別途行う必要がないため、工賃が安くなる工場が多いです。車検のついでが条件です。
② 分割式ブーツを選択する
ドライブシャフトブーツには「一体式(非分割式)」と「分割式」の2種類があります。一体式はドライブシャフトを一度取り外す大がかりな作業が必要で、工賃が高くなります。分割式は既存のシャフトに切り込みを入れてはめ込むだけなので、シャフトを抜かずに交換できます。この違いは大きいです。
分割式を選ぶと、アウターブーツの場合は工賃込みで1万〜1.5万円程度に抑えられることもあります。ただし耐久性の観点から、使用できない車種や状態もあるため、整備士に確認してから選択しましょう。
③ 複数の業者から見積もりを取る
先ほどの表のとおり、同じ作業でも工賃が店舗によって大きく異なります。1〜2社の見積もりだけで決めず、近隣の整備工場やカー用品店・ディーラーの3カ所程度に問い合わせるのが確実です。高いほうと安いほうで数千円〜1万円以上の差が出ることも珍しくありません。
なお、オートバックスの場合はダストブーツの「工賃は無料」となっており、部品代のみの請求になることがあります(2021年時点の情報)。タイロッドエンドブーツなら左右2箇所で6,300円程度という事例があります。ただし車種によって対応不可の場合もあるため、事前に来店先のピットに問い合わせましょう。
参考:ドライブシャフトブーツの交換費用相場と、費用を安くする方法を詳しく解説しています。
ドライブシャフトブーツの交換費用・工賃は?破れを放置するとヤバい? — haishall
「少し破れているだけだから、しばらく放置しよう」という考えは、実は大きな出費につながる可能性があります。これは見逃せません。
ドライブシャフトブーツが破れると、内部のグリスが外に漏れ出します。グリスとは、関節部分(CVジョイント)の摩耗を防ぐための潤滑剤で、これがなくなると金属同士が直接こすれ合う状態になります。最初は「カタカタ」「ギシギシ」という軽い異音から始まりますが、放置が続くとジョイント自体が損傷し、最終的にはドライブシャフトごとの交換が必要になります。
以下に、放置した場合の費用比較を示します。
| 状態 | 必要な作業 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| ブーツが破れた直後 | ブーツ交換のみ | 1〜2万円前後 |
| 異音が出始めた段階 | シャフト分解整備またはリビルト品交換 | 2〜5万円前後 |
| ジョイントが完全破損 | ドライブシャフトASSY交換 | 5万〜10万円超 |
ブーツを破れた直後に交換すれば1〜2万円で済む修理が、放置して関節まで壊れると10万円を超える場合があります。つまり10倍近くの費用差になる計算です。痛いですね。
タイロッドエンドブーツが破れたまま放置した場合も同様の構造的リスクがあります。グリスが漏れ出し、関節部に砂・水・ゴミが入ると、タイロッドエンドにガタが生じます。最悪の場合は走行中に関節部が外れてハンドル操作ができなくなる危険性があります。安全に直結する部分です。
ドライブシャフトブーツの破れから走行不能に至るまでの過程と、修理費の増大リスクについて参考にどうぞ。
ドライブシャフトブーツの破れ、放置の危険性と交換費用 — notice-myself media
ダストブーツ類は「見えにくい場所にある」という特性から、多くのドライバーが破損に気づかないまま走り続けているケースが少なくありません。破れを早期に発見するための目安を整理します。
走行距離・年数の目安
ただし、これらはあくまで目安です。走り方・保管環境・路面条件によって劣化速度は大きく変わります。年数や距離に関係なく、定期的な点検での確認が最も確実です。これが条件です。
自分で気づけるサインとは
特に「グリスの飛び散り」はタイヤ交換やセルフ洗車の際に気づくことがあります。もしホイール内側に黒い油汚れを発見したら、ドライブシャフトブーツの破れを疑って早急に整備工場へ持ち込みましょう。グリス飛散が確認できたら動作確認が必須です。
また、車検は2年に1度しかない機会のため、「前回の車検では問題なかった」という安心感は禁物です。ゴム製のブーツは急に劣化・破損することもあり、車検と車検の間で破れが進行することがあります。年1回の12カ月定期点検を受けるか、タイヤ交換時に整備士に足回りの目視チェックをお願いするのが実用的な対策です。
参考:車検で必ずチェックされるブーツの種類と、交換タイミングについて詳しく解説されています。
車検で必ずチェックされる「ブーツ類」とは?役割・交換時期 — carlife.tokyo
ダストブーツの交換をどこに依頼するかで、費用だけでなく、作業品質や対応スピードにも違いが出ます。それぞれの特徴を知ったうえで選ぶのが賢い方法です。
ディーラーの特徴
純正部品を使用してくれるため品質は高い反面、工賃(レバーレート)が最も高く設定されています。ドライブシャフトブーツのアウター交換で2万〜3.5万円というケースも珍しくありません。ブランド・品質重視ならここです。
カー用品店(オートバックス・ジェームス等)の特徴
工賃が比較的リーズナブルで、当日対応可能な場合も多いです。ジェームスでは部品代と工賃込みで12,000〜15,000円程度の事例があります。ただし、対応できる車種や作業内容に制限があることもあります。
地域の整備工場・車検専門店の特徴
実作業時間ベースで工賃を計算しているところが多く、最もコストパフォーマンスが良い場合があります。タイロッドエンドブーツであれば片側4,400〜5,000円程度という工場もあります。車検時に依頼するとさらに割安になるケースがあります。これは使えそうです。
| 依頼先 | 費用感 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ディーラー | 高め | 純正品・高品質 | 工賃が割高 |
| カー用品店 | 中程度 | 当日対応・手軽 | 車種制限あり |
| 地域の整備工場 | 安め〜中程度 | 車検時にまとめて割安 | 店舗によって差がある |
「どこへ行けばいいかわからない」という場合は、グーネットピットのような整備工場検索サービスを使うと、自分のエリアで対応可能な工場の工賃情報や口コミを確認できます。目的は「1カ所だけで決めない」ことです。見積もりを2〜3社比較してから依頼先を決めることで、同じ作業でも数千円〜1万円以上の節約になることがあります。
なお、DIYでのダストブーツ交換を検討している方もいますが、特にドライブシャフトブーツやサスペンション系の交換は車体を支えながらの分解作業を伴います。安全上のリスクが高い作業のため、専門知識と工具が十分に揃っていない場合は整備士への依頼を強くすすめます。安全が最優先です。

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