ハブキャリアとナックルの違いと役割を徹底解説

ハブキャリアとナックルの違いと役割を徹底解説

ハブキャリアとナックルの違いと構造・役割を解説

実は、ナックルが損傷したまま走ると修理費用が平均48,000円に跳ね上がります。


ハブキャリア・ナックル 3つのポイント
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呼び方が違うだけで同一部品

ハブキャリア・ナックル・アップライトは基本的に同じサスペンション部品。市販車では「ナックル」、レーシングカーでは「アップライト」と呼ばれることが多い。

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サスペンション・ブレーキ・ステアリングをつなぐ要

タイヤのハブを支え、サスペンションアーム・タイロッド・ブレーキキャリパーが集中する複合ハブ。この部品1つが壊れると走行・操舵・制動のすべてに影響が出る。

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損傷放置は平均4〜12万円超の出費に直結

異音・ガタを放置すると、ステアリングナックル交換の費用相場は平均約48,000円。車種によっては左右で12〜20万円を超えるケースも。


ハブキャリアとナックルは実は「同じ部品」の別名だった





「ハブキャリア」と「ナックル」、どちらも聞いたことはあるけれど、別部品だと思っていた方は少なくないでしょう。結論から言うと、この2つは基本的に同一の部品を指しています。


正確には、「ハブ(車軸のホイール取付部分)を保持・支持(carry)する部品」という意味で「ハブキャリア」と呼ばれ、「ハンドル操作による転舵の軸となる節(knuckle)の役割を持つ部品」として「ナックル」や「ステアリングナックル」とも呼ばれます。同じものですね。


さらに、レーシングカーの世界ではこの部品を「アップライト(upright)」と呼ぶことが多く、改造車・チューニング界隈でも「ナックルキャリア」という呼称が使われることがあります。市販乗用車の整備書や部品カタログでは「ナックル」か「ハブキャリア」のどちらかで統一されていることがほとんどです。


つまり「ハブキャリア」が正式名称に近い呼び方で、「ナックル」は機能的な特徴を示した通称、「アップライト」はレース由来の呼び方という整理です。


この部品は車の足回り(サスペンション)の核心に位置し、タイヤ・ホイールを正確な位置に保持しながら、上下方向の衝撃を逃がし、かつハンドル操作に応じてタイヤの向きを変えるという、複数の機能を一手に担っています。車体の四隅に1個ずつ計4個が装着されており、1個でも不具合が出ると走行性能・安全性に直結します。


MotorFan大車林「ハブキャリア」解説(アッパーアーム・ロワアームとの接続構造について詳しく記載)


ハブキャリア(ナックル)の具体的な構造と役割

ハブキャリア(ナックル)は単純な金属ブロックではなく、複数の部品が集結する「ハブ」です。この一点に何が組み合わさるか理解するだけで、足回りの全体像がぐっとクリアになります。


まず中心にあるのがハブ(hub)で、タイヤ・ホイールを取り付けるボルト穴が設けられた円盤状の部品です。ナックル本体はこのハブをベアリング(軸受け)を介して回転可能な状態で保持します。非駆動輪の場合はスピンドル(固定軸)が一体化されており、駆動輪の場合はドライブシャフトが通るための円形の穴が設けられています。


次に、ボールジョイントを介してサスペンションアームと連結しています。ダブルウィッシュボーン式ではアッパーアームとロワアームの2本がナックルの上下に接続され、マクファーソンストラット式ではストラット(ショックアブソーバー)下部にナックルが剛結される構造です。これが重要です。


また、ブレーキキャリパー(ブレーキを作動させる油圧部品)の取付座がナックルに設けられており、ブレーキローターをしっかり挟み込める位置に固定されています。さらにステアリング(ハンドル操作)をタイヤに伝えるタイロッドも、ナックルのナックルアームと呼ばれる突起部分に連結されます。


これだけ多くの部品が集中するため、ナックルに生じた変形や亀裂が走行・制動・操舵のすべてに影響を与えるわけです。普段は目に見えない場所にある部品ですが、まさに「縁の下の力持ち」といえます。


サスペンション形式でハブキャリア(ナックル)の形状はどう変わるか

ハブキャリア(ナックル)は搭載されるサスペンション形式によって形状が大きく異なります。この違いを知っておくと、自分の車の足回りの特性もイメージしやすくなります。


マクファーソンストラット式は日本の市販乗用車で最も普及しているサスペンション形式で、ほとんどのコンパクトカー・ミニバンのフロントに採用されています。この方式ではナックルがストラット(ショックアブソーバー)の下端と剛結されており、ナックル自体がストラットの下部構造を兼ねる一体型設計になっています。部品点数を減らせるため低コストかつ省スペースですが、ストロークに伴うキャンバー変化が大きくなりやすいという特性があります。


ダブルウィッシュボーン式はスポーツカーや上級SUV(例:ホンダオデッセイ、レクサス各車種など)に採用されることが多い形式です。アッパーアームとロワアームの2本でナックルを上下から支えるため、ナックルは上下に2か所のボールジョイント取付点を持つ、独立した単体部品として存在します。これが基本です。ストロークしてもキャンバー変化を精密にコントロールできるため、タイヤの接地性能を高いレベルで維持できます。


マルチリンク式はダブルウィッシュボーンをさらに発展させた形式で、リアサスペンションに多く採用されます。複数のリンクによってナックル(ハブキャリア)を多方向から支持するため、接地性・乗り心地・操縦安定性を高い次元で両立できます。ただし、部品点数が多く、コストとスペースの確保が課題です。


なお、軽トラックや一部のSUVのリジッドアクスル式では、左右の車軸が一本のアクスルハウジングでつながっており、ナックルはそのアクスルハウジングにキングピンを介して接続する構造になります。この場合のナックルは、独立懸架式のものより大型・頑丈な形状が特徴です。


朝日オートパーツ「サスペンションの仕組み(その2)」(ストラット式・ダブルウィッシュボーン式それぞれでのナックルの位置づけを図解で解説)


ハブキャリア(ナックル)の損傷サインと放置すると起きること

ナックルは頑丈な鋳鉄・鋳造アルミ製ですが、経年劣化や縁石への強い接触、事故による衝撃などで損傷することがあります。損傷を見逃したまま走り続けると、修理費用が平均48,000円(ステアリングナックル単体交換の場合)に跳ね上がります。痛いですね。


代表的な異常サインとして、次のようなものが挙げられます。


| 症状 | 考えられる原因 |
|------|--------------|
| ハンドルを切ると「ゴトゴト」「ガコガコ」と異音がする | ボールジョイントのガタ、ナックル取付部の変形 |
| 直進時にハンドルが左右どちらかに流れる | ナックル変形によるアライメント異常 |
| ブレーキ時に車体が振れる | ナックルのブレーキキャリパー取付座の歪み |
| タイヤの内側だけ極端に摩耗している | 過度なネガキャンバーによる片減り(ナックル変形が原因の場合あり) |


特に注意したいのが「縁石への強い接触・段差への高速乗り上げ」の後に発生する変形です。外見では傷一つなくても、内部のナックル本体や取付部に微細な亀裂が入っていることがあります。このような場合、整備工場でのリフトアップ点検を受けることをおすすめします。


ナックルは「重要保安部品」に準じる部品で、車検時にも亀裂・変形・ガタが発見された場合は整備を求められます。放置すると車検不合格になるだけでなく、走行中の突然の操舵不能につながるリスクもあります。これは避けたいですね。


足回りの異音が気になる場合、カーディーラーや整備工場での「足回り無料点検」を活用するのが一番早い対処法です。国産ディーラーはもちろん、カー用品店(イエローハット・オートバックスなど)でも実施している店舗があります。1つの行動で確認が完了します。


ナックルとハブキャリアを「別物」と混同しがちな理由と独自視点での整理

「ハブキャリア」と「ナックル」が別の部品だという誤解が生まれやすい理由の一つは、メーカーや車種によって同一部品を異なる名称でパーツリストに掲載しているからです。意外ですね。


例えばスバル・インプレッサ(2018年型)では、フロント・リア両方のナックルがアルミ製へ変更されたことが発表されていますが、メーカーの資料によっては「フロントナックル」「リアハブキャリア」と呼び分けているケースもあります。これはフロント(転舵機能あり)はステアリングナックルとして機能しつつハブを支えるため「ナックル」、リア(転舵しない)はハブを保持するだけの機能に近いため「ハブキャリア」と使い分けやすい、という背景があります。つまり機能の重点が違うということですね。


さらに混乱を招くのが、ハブベアリング(ホイールベアリング)やハブフランジといった「ハブ」が付く部品が複数存在することです。これらはナックル(ハブキャリア)に組み合わさる「別部品」ですが、まとめて「ハブ周り」と呼ばれることが多く、セットで交換されるため混同されがちです。


整理すると以下のようになります。


| 部品名 | 主な役割 | 備考 |
|--------|--------|------|
| ナックル(ステアリングナックル) | 転舵・ハブ保持・各部品の取付 | フロントに多い呼称。転舵機能が強調される |
| ハブキャリア | ハブ保持・サスペンションとの連結 | リアや、転舵機能を持たない車軸側に多い呼称 |
| アップライト | 上記と同一 | レーシングカーや輸入車の文献で多用される |
| ハブ(ハブフランジ) | ホイール取付・ドライブシャフト連結 | ナックルに組み込まれる「別部品」 |
| ハブベアリング | ハブをナックル内で回転させる軸受 | 消耗部品。定期交換対象 |


ハブベアリングの交換費用は部品代5,000〜8,000円程度ですが、ナックルを外してベアリングを打ち替える工賃が別途かかり、合計で2〜5万円程度になるのが一般的な相場です。ハブキャリア(ナックル)本体に問題がなければ、ベアリング交換のみで済みます。ハブベアリングの異音(走行中の「ゴー」という低い音)が出たら早めに整備工場へ持ち込むと、ナックル本体の交換まで話が大きくなるのを防げます。


グーネット「ハブキャリアとは」(ハブキャリアの定義・サスペンション方式による取り付けの違いを解説)


クルマの大辞典「ナックルの役割・構造・素材」(ナックルの素材進化やアルミ製ナックルの軽量化効果について詳しく解説)




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