ハブベアリング異音を放置すると走行中にタイヤが外れる危険

ハブベアリング異音を放置すると走行中にタイヤが外れる危険

ハブベアリングの異音を放置すると起こるリスクと対処法

「まだ走れるから大丈夫」と思っている間に、修理費が10万円を超えることがあります。


この記事でわかること
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異音の正体と初期症状

「ゴーッ」「ウォンウォン」の音の原因と、見逃してはいけない初期サインを解説します。

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放置するとどうなる?

タイヤ脱落・車検不合格・修理費10万円超えなど、放置が招く具体的なリスクを整理します。

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費用と対処のポイント

早期発見なら1万〜3万円で済む修理が、放置で5万〜10万円以上に膨らむ理由と対策を紹介します。


ハブベアリングの異音とはどんな音か?初期症状を見逃すな





走行中に「ゴーッ」「ウォンウォン」「ゴロゴロ」といった音が聞こえてきたら、ハブベアリングの劣化を疑う必要があります。ハブベアリングとは、タイヤの回転をスムーズに支える部品で、ホイールを取り付ける「ハブ」の内部に組み込まれています。車の前後4輪すべてに装着されており、走行の静粛性と安定性に直結する消耗部品です。


ハブベアリングの異音には、はっきりした特徴があります。エンジン回転数ではなく、車速に比例して音が大きくなる点が最大のヒントです。時速40〜60km程度の直進走行時にこもった「うなり音」が続くようであれば、ハブベアリングの初期不良である可能性が高いといえます。


初期症状は主に3つです。


症状 内容
走行中の異音 「ゴーッ」「ゴロゴロ」「ウォンウォン」など速度に連動したうなり音
ハンドル操作時の違和感 ハンドルを切ったときに「ゴトゴト」「ガタガタ」という音や引っかかり感
タイヤのガタつき・振動 ジャッキアップしてタイヤを揺らすと遊びやガタを感じる


カーブを曲がるときだけ音が大きくなる、または消える場合は片側のハブベアリングに問題がある可能性が高いです。右カーブで左側に荷重がかかるときだけ音が大きくなるなら左側、左カーブで右側に音が強まるなら右側が疑わしい、というように判断材料になります。


音の聞き分けが難しい場合は、窓を開けて走行すると外からの音として聞きやすくなります。スマートフォンのボイスメモ機能で録音し、整備士に聞かせるのも非常に有効な方法です。


タイヤ由来のノイズやブレーキパッドの摩耗音と混同しやすい点も注意が必要です。ブレーキパッドの音はブレーキを踏んだときだけ高い金属音が出るのに対し、ハブベアリングの異音はブレーキ操作に関係なく走行中ずっと続くのが大きな違いです。少しでも判断に迷ったら、自己判断をせず整備工場に相談するのが最も安全です。


ハブベアリングの交換時期・費用・異音の原因と対処法をプロが詳しく解説(グーネット)


ハブベアリングの異音を放置するとどうなる?進行段階ごとのリスク

「まだ走れる」という感覚は、ハブベアリングの異常において非常に危険な判断です。異音が出ている時点で、すでにベアリング内部の劣化は進行しています。放置によって故障がどのように進行するかを段階的に理解しておくことが重要です。


初期段階では、走行速度に合わせたゴーッという軽いうなり音が片側から聞こえる程度で、ハンドル操作への影響はほとんどありません。この段階での交換が最も費用を抑えられます。早期対応なら、片側の修理費用は1万5千〜3万円程度が一般的な相場です。


中期になると、ベアリング内部のボールや金属部品が欠損し始め、ジャリジャリした周期的な音に変化します。ジャッキアップしてタイヤを手で揺すると、わずかなガタつきが感じられるようになります。ハンドルに微細な振動が伝わることもあり、この段階では既に運転への影響が出始めています。


末期まで進行すると、状況は一気に危険になります。


- ハンドルや車体全体に明らかな振動が出る
- 直進性が悪化して車線キープが難しくなる
- ホイール付近が異常に熱くなる
- ABS警告灯や横滑り防止装置の警告灯が点灯する


特に近年の車はハブベアリングとABSセンサーが一体化した構造のものが多く、ベアリングの破損がABSや横滑り防止装置の誤作動を引き起こすことがあります。これは制動力に直結する重大な問題です。


修理を先送りにするほど、修理範囲が広がります。ハブボルトやハブ本体、ナックル側の取り付け部が変形・摩耗すると、それらごとの交換が必要になり、費用は5万〜10万円以上に跳ね上がることがあります。さらに走行中に完全破損した場合は、レッカー搬送費用や代車費用も加算されます。放置は得にならないということですね。


ハブベアリングの異音を放置した場合の危険性と進行段階をプロ整備士が解説(BigOn)


ハブベアリング異音の放置が招く最悪のケース:タイヤ脱落と車検不合格

放置が招く最も深刻なリスクが、走行中のタイヤ脱落です。これは「起こる可能性がある」ではなく、実際に報告されている事故です。ベアリングが完全に破断すると、走行中にホイールごとタイヤが外れ、対向車線や歩道に飛んでしまうことがあります。


ベアリングの焼き付きによりホイールがロックした場合も非常に危険です。急激なスピンや横転の危険が生じるだけでなく、ブレーキを踏んでもホイールがロックしたままになり、運転者の意図した通りに車が動かない制御不能状態になることがあります。


車検においても、ハブベアリングの異常は見逃されません。保安基準では「著しい異音がするもの」「著しいガタが認められるもの」は不適合と定められています。ただし注意が必要な点があります。車検では軽度な摩耗や初期症状は見逃されるケースもあるのです。これは逆に言えば「車検に通ったから安全」とは限らない、ということでもあります。


状態 リスク 修理費用の目安
初期(軽い異音のみ) 低〜中 片側1.5万〜3万円
中期(ガタつき・振動あり) 中〜高 片側3万〜6万円
末期(警告灯・大きな振動) 極めて高い 5万〜10万円以上


整備不良を知りながら走行を続けた場合、万が一の事故では民事・刑事の両面で責任を問われる可能性があります。日常点検義務を怠ったと判断されれば、保険での対応にも影響が出ることがあります。


同乗者を乗せて走行している場合は特に注意が必要です。家族や子どもを乗せた状態で重大事故を引き起こすリスクを、「まだ大丈夫」の一言で見過ごしてはいけません。


車検でのベアリング異音の判定基準・放置した場合の修理費用増大の実例(若林自動車工業)


ハブベアリング異音のセルフチェック方法と整備工場への相談タイミング

「ハブベアリングが原因かどうか確認したい」と思ったら、まず自分でできる簡単なチェックから始めることができます。ただし、あくまで整備工場受診の判断材料にとどめ、自己診断での断定は避けてください。


セルフチェックの手順は以下の通りです。


- 走行中の音の確認:窓を開けて低速から中速で走行し、タイヤ付近からの連続したうなり音がないか確認する
- カーブでの変化確認:左右のゆるいカーブを走り、曲がる方向によって音の大きさが変わるか確認する
- ジャッキアップ確認:安全な場所でジャッキアップし、タイヤを上下左右に揺すってガタつきがないか確認する
- 手回し確認:ジャッキアップ状態でタイヤをゆっくり手で回し、ゴリゴリした抵抗感や異音がないか確認する


ジャッキアップ作業は平坦な安全な場所で行うことが大前提です。作業に不安がある場合は無理をせず、整備工場に任せることが条件です。


以下の状態になったら、即座に整備工場に連絡してください。


- ハンドルや車体全体に明らかな振動が出ている
- 低速でも大きなゴロゴロ・ガタガタ音がする
- ABS警告灯・横滑り防止装置の警告灯が点灯している
- ホイール付近が走行後に異常に熱い


これらの症状が一つでも当てはまる場合は、自走を続けるべきではありません。すぐにロードサービスを呼ぶ判断が極めて重要です。


整備工場に相談する際は、「いつから」「どんな音が」「どんな状況で聞こえるか」を事前にメモしておきましょう。スマートフォンで録音した異音を聞かせると、原因特定が格段にスムーズになります。異音が出たらすぐに記録、が基本です。


ハブベアリングの初期症状・異音の種類・セルフチェック方法を詳しく解説


ハブベアリングの交換費用と修理を安く抑えるための知識

ハブベアリングの交換費用は、車種・駆動方式・依頼先によって大きく変わります。費用の基本構成は「部品代」と「工賃」の2つです。部品代の目安はおよそ5,000〜8,000円ですが、車種によってはベアリング単体での交換ができず、「ハブアッセンブリー」全体を交換する必要があり、その場合は部品代だけで数万円に達することもあります。


依頼先による費用の違いは下表の通りです。


依頼先 費用の目安(片側) 特徴
ディーラー 1.5万〜3万円 純正部品・安心感が高い。部品代・工賃ともに高め
整備工場 1.5万〜2万円 費用を抑えやすい。汎用品使用で部品代が安い傾向
カー用品店 店舗により異なる 手軽に相談できる。対応の可否は事前確認が必須


輸入車や高級車、4WD車では作業工数が増えやすく、片側で5万〜10万円以上になる例も珍しくありません。正確な金額は車検証情報をもとに各工場で見積もりを取ることが確実です。


「左右のうち片側だけ交換すればいいのでは?」と考える方は多いですが、整備士が両側同時交換を勧める理由には根拠があります。片側が劣化している場合、もう片方も同程度の走行距離を経ているため、近い将来もう一方も交換が必要になる可能性が高いのです。工賃の節約を考えると、同時交換の方がトータルコストで有利になるケースが多くあります。


DIYでの交換はおすすめできません。油圧プレスなどの専用工具が必要で、締め付けトルクの管理やグリスの扱いも車種ごとに正確な知識が求められます。これを誤ると走行中のホイール脱落という最悪の事態につながりかねないため、安全性を重視してプロに任せることが原則です。


なお、ローダウン車やスペーサー装着車、大径ホイール装着車はハブベアリングへの負荷が増すため、交換目安の10万kmより早めに点検を受けることが推奨されます。これは条件次第で変わります。


ハブベアリング交換費用の相場・節約方法・車種別目安を徹底解説


【独自視点】ハブベアリングの寿命を縮める「日常の運転習慣」とは

ハブベアリングの寿命は「走行距離10万km程度」が目安とよく言われますが、同じ走行距離でも劣化の進み方には大きな差があります。その差を生んでいる要因の一つが、普段の運転習慣です。「特別な悪路を走っているわけでもないのに早く劣化した」という場合、無意識の運転スタイルが影響しているケースが少なくありません。


まず、段差や縁石への乗り上げ方です。速度を落とさずに段差を越えると、タイヤとハブに強い衝撃が加わり、ベアリング内部の金属部品に打撃的なダメージを与えます。コンビニの駐車場や立体駐車場への入り口など、日常的に通る場所での繰り返し衝撃が積み重なります。


高速道路での長時間走行も見逃せません。速度が上がるほどハブベアリングへの負荷と発熱が増大し、グリスの劣化を加速させます。これが、「異音を抱えたままの高速走行が特に危険な理由」でもあります。


タイヤの空気圧管理も関係します。空気圧が低い状態は、タイヤが潰れ気味になりホイールへの横方向の力が増えるため、ハブベアリングへの負荷が上がります。月に一度のタイヤ空気圧チェックが、ベアリングの寿命を守ることにもつながります。


さらに、カーウォッシュの高圧洗浄や悪路走行後の水気は、ハブベアリングのシール部に水分を侵入させるリスクがあります。グリスが乳化(水分と混ざって白濁した状態)すると潤滑性能が急激に落ち、摩耗が一気に進みます。


こうした点を踏まえると、ハブベアリングのケアは「壊れてから対処する」ものではなく、「日常の運転で負荷を減らし、定期点検で早期発見する」ことが理想です。タイヤの空気圧確認と合わせて、足回りの状態を意識する習慣をつけることが、長期的な安全と節約につながります。月に一度の確認、それだけで十分です。




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