スプリングスペーサー効果で乗り心地と車高を同時改善する方法

スプリングスペーサー効果で乗り心地と車高を同時改善する方法

スプリングスペーサーの効果と正しい使い方を徹底解説

乗り心地を改善しようとスプリングスペーサーを付けると、逆に走りが悪化して2万円以上の修理費が発生することがあります。


📋 この記事で分かること
🔧
スプリングスペーサーの仕組みと種類

ラバースペーサーの構造と、乗り心地改善・車高アップそれぞれの効果のメカニズムを解説します。

📏
取り付け位置で変わる効果の違い

上に付けるか下に付けるかで効果が大きく異なります。目的別の正しい取り付け位置を解説します。

⚠️
車検・法規制と知っておくべき注意点

コイルスペーサー装着時の構造等変更検査の要否、車高変化量の上限など、法的リスクをわかりやすく説明します。


スプリングスペーサーとは何か?ラバースペーサーの仕組みを理解する





スプリングスペーサー(ラバースペーサー)とは、サスペンションのコイルスプリングのコイルとコイルの間に噛ませるゴム製またはウレタン製のリング状部品です。輪ゴムをバネに挟んだようなイメージで、厚みがおよそ20〜35mm程度のものが市販されています。


この部品の役割は大きく2つあります。ひとつは路面からの突き上げや振動をゴムが吸収して和らげる「乗り心地の改善」、もうひとつはスプリングが縮む量を物理的に制限することで車高を5〜15mm程度持ち上げる「車高アップ」です。スプリング交換や車高調のセッティング変更よりも圧倒的に安く、工具さえあれば自分で取り付けられる手軽さが大きな魅力です。


値段の目安はAmazonや楽天市場で2個1組が1,500〜2,500円程度。車4輪分用意しても5,000〜10,000円以内に収まるケースがほとんどです。つまり費用対効果の点では、カーパーツの中でも特にコストパフォーマンスが高い部類に入ります。


ただし、構造を理解せずに装着すると「乗り心地が悪化した」「変な音が出た」という失敗も起こります。これが基本です。まず仕組みをしっかり把握してから取り付けに臨むのが最善の手順です。


スプリングには純正の「純正スプリング」と、車高を下げるための「ダウンスプリング(ダウンサス)」、そして幅広い調整ができる「車高調」の3種類があります。スプリングスペーサーはどの種類にも取り付けられますが、適合するサイズが異なる点に注意が必要です。純正スプリングやダウンスプリングはコイルの内径が大きめなのでLサイズが合うことが多く、車高調のスプリングは内径が60〜70mm程度と細いためSサイズを選びます。


購入前にスプリングの内径(直径)をメジャーや定規で計測しておくと、サイズ選びで迷わずに済みます。


スプリングスペーサーの効果①乗り心地改善のメカニズムと実感できる場面

乗り心地を改善したい場面でスプリングスペーサーが最も威力を発揮するのは、「コイルの線間密着」が起きているケースです。線間密着とは、スプリングが大きく縮んだときにコイル同士が触れ合い「ガツン」や「ギシッ」という衝撃音・衝撃感が発生する現象です。スプリングスペーサーを挟むことでこの密着が起きにくくなり、突き上げ感が和らぎます。


実際の体感量としては、乗り心地がおよそ1〜2割マイルドになる程度が現実的な範囲です。意外ですね。半分になるわけではないため、「劇的に柔らかくなる」という期待は少し控えておく必要があります。それでも、荒れた路面や段差越えの際に「ゴツゴツ感が明らかに減った」と感じられるケースはよく報告されています。


特に効果を感じやすいのは次のような場面です。


  • 🚗 ダウンサスに交換してから段差での突き上げがひどくなった車
  • 🚙 純正ショックアブソーバーの経年劣化でバタつきが増した車
  • 🚐 軽バン・商用ベース車など、もともと乗り心地が硬めに設定されている車
  • 🚌 多人数乗車や荷物積載時にリアが沈み込みやすい車


反対に注意が必要なのは、「ショックアブソーバーが完全に抜けている(ガス・オイルが抜けた状態)」ケースです。この状態でスプリングスペーサーを付けても根本解決にはならず、かえって不安定な乗り心地が続きます。つまり「ショックアブソーバーの状態確認」が条件です。異常な揺れや大きな段差での底突きが頻発している場合は、まずショックアブソーバーの状態を専門店でチェックしてもらうのが先決です。


また、ラバースペーサーは乗り心地をソフトにする一方で、スポーティな接地感・ダイレクト感を求めるドライバーにとってはデメリットになります。路面のインフォメーションが鈍り、カーブでの限界感がわかりにくくなる場合があります。街乗りと高速の流れ乗り程度なら問題はありませんが、サーキットや峠をよく攻める方には向きません。これは使えそうですが、用途を明確にして選ぶことが大切です。


参考:ラバースペーサーの乗り心地改善効果の実例と注意点をまとめた記事


スプリングスペーサーの効果②車高アップの仕組みと取り付け位置の選び方

スプリングスペーサーで車高を上げる場合、「取り付け時にジャッキアップするかどうか」で効果の出方がまったく変わります。ここが多くの人が見落としやすいポイントです。


取り付け方法 主な目的 車高への影響
ジャッキアップして装着 車高アップ 5〜15mm上昇(車重・ゴム厚さ次第)
ジャッキアップせず装着 乗り心地改善 ほとんど変化なし


ジャッキアップしてサスペンションを伸ばした状態でスペーサーを挟むと、スプリングが縮む量が減るため車高が上がります。逆に車を地面に下ろしたまま(1G状態)で取り付けた場合は、すでにスプリングが縮んでいる線間にゴムが噛み込む形になり、衝撃を緩和する効果は得られますが車高はほとんど上がりません。目的によって手順が変わるということですね。


車高アップの効果量は、おおよそ以下のとおりです。


  • ⚖️ 車重1トン未満の軽自動車:最大10mm前後の上昇が見込める
  • ⚖️ 車重1.5トン前後の普通乗用車:5mm程度の上昇が現実的
  • ⚖️ 車重2トン近いSUV・ミニバン:効果が出にくく3mm以下になることも


また、ゴム素材のため時間が経つにつれて少しずつ潰れていきます。装着直後は10mm上がったとしても、半年程度走行を重ねると5mm前後にまで落ち着くと考えておくといいでしょう。車高アップが主目的であれば、取り付け後数か月後に再計測しておくと安心です。


取り付け位置(スプリングのどの部分に挟むか)については、コイルの中央〜下側が作業しやすく、スペーサーが安定しやすいとされています。上側に取り付けると外れやすいリスクがあるため、タイラップ(結束バンド)で固定するのがベストプラクティスです。


参考:コイルスペーサー装着時の構造等変更検査の要否を解説した公式ページ
コイルスペーサー装着時の構造等変更検査について - モンスタースポーツ


スプリングスペーサーの効果③車検・法規制で知らないと損するリスク

ラバースペーサーと「コイルスペーサー(硬質プレート型)」は、法的な扱いが大きく異なります。これは必須の知識です。


まず「ラバースペーサー(ゴム製)」についてですが、スプリングに巻き付けてタイラップで固定する程度の取り付けは「簡易な取付方法」とみなされるケースが多く、構造等変更検査が不要になる場合があります。一方で「コイルスペーサー(剛性の高いブロック型)」を固定的に装着した場合は「指定外部品」の扱いとなります。


国土交通省の通達によると、「指定外部品」を固定的に取り付けた状態で車検証記載の全高から±4cmを超えて変化した場合は「構造等変更検査」が必要になります。厳しいところですね。


  • 📋 全高変化が±4cm以内 → 通常の車検でOK
  • 📋 全高変化が±4cmを超える → 構造等変更検査が必要(受検日から車検有効期間リセット)
  • 📋 最低地上高が9cm未満 → 車検不合格(要注意)


また、見落とされがちなのが「コイルスプリングとコイルスペーサーの組み合わせで±4cmを超えた場合」です。スプリング単体ならどれだけ車高が変わっても構造等変更検査は不要(最低地上高などの基準を満たすことが前提)ですが、そこにコイルスペーサーが加わると組み合わせ全体の変化量で判断されます。


ダウンサスで車高を大幅に下げてからラバースペーサーで補正する使い方は、車検時の最低地上高(9cm以上)確保にも有効です。実際に車高調やダウンサスを使っていて車検が心配になった場合の応急処置としてラバースペーサーを使う方もいます。ただし根本的な解決にはならないため、車検後は適正なサスペンション調整を検討したほうが長期的には安心です。


参考:ジムニーのコイルスペーサー装着時の構造等変更検査について具体的な確認手順まで記載
コイルスペーサー装着時の構造等変更検査について - モンスタースポーツ


スプリングスペーサーの効果を最大化する選び方と失敗しない装着手順

スプリングスペーサーを購入するときに失敗しやすいのが「サイズ選び」です。購入前にスプリングのコイル内径を計測することが絶対条件です。内径60〜70mm程度の車高調スプリングにLサイズ(対応内径100mm以下)を取り付けると余りが出て干渉し、カット加工が必要になります。


おおよその目安は以下のとおりです。


  • 🔩 純正スプリング・ダウンサス → 内径が大きめ(80〜120mm)なのでLサイズ
  • 🔩 車高調のスプリング → 内径60〜70mmが多いためSサイズ
  • 🔩 コイルのピッチ(隙間の幅) → スペーサーの太さと一致しているか確認


装着手順は以下の流れが基本です。


  1. フロアジャッキで車をジャッキアップし、タイヤを外す(または隙間からアプローチ)
  2. コイルスプリングのピッチが広い部分(通常は中央〜下部)にスペーサーを差し込む
  3. タイラップ(結束バンド)でスペーサーが動かないよう固定する
  4. ジャッキをゆっくり下げて荷重をかけ、スペーサーが正しく噛み合っているか確認する
  5. 試走して異音・異常な振動がないか確認する


脱落防止のタイラップは半年程度で劣化することが多いため、定期的な点検を忘れずに行いましょう。スペーサーがしっかりコイルに噛み込んでいる場合はタイラップがなくても脱落しにくいですが、念のため付けておくと安心です。


また、1種類のサイズで迷った場合は薄め(20〜23mm)から試してみることをおすすめします。いきなり厚いものを4輪全部に付けると乗り心地が逆に硬くなりすぎたり、バウンドが大きくなったりするケースがあるためです。フロント2個だけ付けてみて変化を確認してから、リアにも追加するという順序が失敗しにくい進め方です。


ダウンサスユーザー必見!スプリングスペーサーの効果と組み合わせ活用術

ダウンサスに交換した後の「跳ね・ゴツゴツ感」に悩む方は多いです。これはダウンサスのバネレートが純正より高く設定されていることや、ショックアブソーバーのストロークが短くなって底突きしやすい状態になっていることが原因として挙げられます。


こうした場面でラバースペーサーを追加すると、以下のような複合効果が得られます。


  • 🛞 スプリングの線間密着を防いで衝撃音を低減
  • 🛞 わずかに車高が持ち上がることで底突きの頻度が下がる
  • 🛞 前後のバランスが整い、走行時の安定感が増す場合がある


ただし、ダウンサスと組み合わせる際に気をつけたいのが「プリロードの変化」です。ラバースペーサーを取り付けることでスプリングのプリロードが弱まり(プリロードを抜いた状態に近くなり)、路面の接地感が鈍くなることがあります。乗り心地はマイルドになるということですね。一方で高速走行時のロードホールディングやカーブでの安定感は若干低下します。街乗りメインなら気にならない程度ですが、高速を頻繁に使う方は感じる可能性があります。


みんカラをはじめとするカーオーナーコミュニティでも「ダウンサスのリア側だけ跳ねがひどかったのに、ラバースペーサーを付けたら走行時の衝撃がかなり減った」という声が多く見られます。リア側に限定して装着するだけでも体感差があるという点は、一度試す価値があります。


スプリング交換やショックアブソーバーのオーバーホールは数万円〜の出費になりますが、ラバースペーサーなら2,000円前後で効果を確認できます。費用対効果で言えばまず試してみる価値が大きいパーツです。ダウンサスのバネレートや車高ダウン量によっては効果が薄い場合もあるため、「完全な解決策」ではなく「補助的なチューニングパーツ」として位置づけることが重要です。


参考:ダウンサスのリア跳ねに対するラバースペーサーの効果が多数報告されているカーオーナーコミュニティ
ゴム ラバースペーサー 効果 - みんカラ




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