

スプリンターはASSYST(アクティブ・サービス・システム)が運転条件を加味して点検時期を表示する考え方で、ストップ&ゴー、長いアイドリング、短距離、冷間始動が多いと点検表示が早まります。
一方で「どんな運転条件でも上限として30,000kmまたは12か月を超えてはいけない」と明記されているため、過走行の商用運用ではここを“最後の砦”として管理すると現場判断がブレません。
また、重整備の計画に直結する追加作業として、ATオイル&フィルター交換が初回Service B、その後は120,000kmごと(仕様によりマイル表記の資料もあり)など、車両の世代・市場で表記差が出るため「該当車のサービスブックレット版」を車台番号ベースで揃えるのが安全です。
参考:スプリンターのASSYSTとA/B整備項目、ブレーキフルードやクーラント更新など追加作業の周期が確認できる
Mercedes-Benz公式 Maintenance Booklet(Sprinter)
メーカー資料では、エンジンオイルとオイルフィルターは指定のメンテナンス周期で交換し、オイル消費が増えたら原因究明して是正すること、さらに整備を実施していないのにサービス表示だけをリセットしないことが注意点として書かれています。
燃料フィルターは「ウォーターセパレーター付き」の交換が整備項目に含まれており、年式・資料によって“遅くとも1年”または“遅くとも2年”といった差が見られるため、入庫車のサービス記録が薄い個体ほど、燃料系の水分混入・目詰まりを疑って早めに手当てするのが現実的です。
現場で効く小技としては、ディーゼルの不調を「ターボ/後処理/センサー」と広く見すぎる前に、燃料フィルター交換履歴と、フィルター周辺のにじみ(ホース・クランプ・Oリング起因)を最初に押さえると診断の遠回りを減らせます。
スプリンターのような輸入商用車は、DTC(故障コード)だけで即交換すると高額部品で外すリスクが大きく、専用テスター(DAS等)で拾った情報を「単体点検」と「実測値の正常範囲確認」で裏取りする姿勢が重要です。
実例として、エンジン不調(速度が出ない・パワーがない)でDAS診断からニードルモーションセンサー不良を示唆しつつ、抵抗測定で断線を確認してから交換に進めたケースが紹介されています。
この流れはスプリンターに限らず“商用車の稼働停止コスト”を抑える基本で、症状→DTC→実測/単体→交換→学習/リセット(必要時)という順番を固定化すると、チーム整備でも品質が揃います。
後処理まわりは、DPF(ディーゼル粒子フィルター)の飽和度チェックを所定距離で初回実施し、閾値未満なら以後の各サービスで再チェック、閾値超えなら交換という“状態監視型”の整備ロジックになっています。
DEF(AdBlue)はISO 22241適合品のみ使用し、水で希釈したり添加剤を入れたりしないことが明記されており、誤充填は後処理システム損傷につながり得るため、補給オペレーションこそ整備側で標準化すべきポイントです。
さらに、ブレーキフルードは“2年ごと”の追加作業として示され、クーラント更新も長期スパンの追加作業として定義されているので、車検整備と結びつけて「2年ごとに必ず触る項目」としてメニュー化すると抜け漏れ防止に効きます。
検索上位では“故障事例”や“交換作業”に寄りがちですが、整備士目線で効くのは「ベース車が同じでも、運用が違えば壊れ方が変わる」という切り分けです。
スプリンターはキャンピング架装ベースとして使われることが多く、重量増・電装追加・長時間アイドリング(サブバッテリー充電や空調)・短距離移動が重なると、ASSYSTが想定する“厳しい運転条件”側に寄って点検間隔が詰まりやすいので、オーナーへ運用ヒアリングを取って整備メニューを前倒し提案する価値があります。
意外に盲点になりやすいのは、スライドドアの排水孔チェックが点検項目に含まれている点で、架装で内装が厚くなる個体ほど水の逃げ道が塞がれやすく、電装トラブルや腐食リスクの芽になるため、ドア排水と床下の水経路確認を“毎回の点検ルーチン”に入れると差が出ます。

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