
オイルフィルターとオイルエレメントは、日常的に同じ意味で使われることが多いですが、厳密には異なる部品を指しています。オイルフィルターは、エンジンオイルをきれいにするカートリッジ全体のことを指し、一方でオイルエレメントはそのカートリッジ内部に設置されている「ろ紙」部分のみを意味します。つまり、オイルエレメントはオイルフィルターの構成部品の一つということになります。
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カーディーラーや整備工場では、この二つの呼び方を区別せず、どちらも「エンジンオイルをきれいにするためのパーツ」として扱うのが一般的です。英語では「Element(エレメント)」は要素や構成部分を意味し、「Filter(フィルター)」は濾過器を意味するため、言葉の本来の意味からも両者の関係性が理解できます。
参考)https://yebisu-tool.jp/blogs/useful/difference-between-oil-filter-and-oil-element
実際の整備現場では、呼び方の違いを気にせず「フィルター交換」と「エレメント交換」のどちらの言い方でも意味が通じるため、交換を依頼する際に言葉の使い分けに神経質になる必要はありません。
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オイルフィルターは、エンジンオイル中に混入する金属粉、カーボン、スラッジなどの不純物を濾過して取り除く重要な役割を担っています。エンジンはピストンやクランクシャフトなどの金属部品が高速で摩擦運動を繰り返すため、どうしても金属片や燃焼によるすすが発生し、オイル内に蓄積されていきます。
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フィルター内部のエレメント(ろ紙)は、ひだ折り構造により広い濾過面積を確保し、微細な異物まで捕捉できる設計になっています。オイルフィルターはエンジンオイルの循環経路に組み込まれており、ポンプで送られるオイルは必ずフィルターを通過してから各部に供給される仕組みです。
参考)オイルフィルターとオイルエレメントの違いとは? - cars…
定期的にオイルフィルターを交換しないと、濾過機能が低下して汚れたオイルがエンジン内部を循環することになり、エンジンの摩耗や故障の原因となります。オイルフィルターとエレメントは、エンジンの寿命を左右する重要なメンテナンス部品なのです。
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オイルフィルターには、主に「スピンオン式(カートリッジ型)」と「カートリッジ式(エレメント交換式)」の2種類があります。スピンオン式は、ろ紙と金属製の容器が一体になったタイプで、車体側のネジ山に回転させて装着する構造です。このタイプは乗用車で広く採用されており、交換時はカートリッジごと丸ごと取り替えるため、比較的簡単に作業できるのが特徴です。
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一方、カートリッジ式(エレメント交換式)は、ろ紙部分のみを交換し、外側のケース(ハウジング)は再利用するタイプです。近年の車両に多く採用されており、廃棄物が少なく環境負荷が低い構造として注目されています。エンジン側に設置された容器にジャバラ状のろ紙をセットし、Oリングで密封する仕組みになっています。
参考)https://www.nitto-kogyo.co.jp/oilfilter.html
スピンオン式の内部には、目詰まり時にオイルの流量を確保するリリーフバルブや、エンジン停止中にオイルの逆流を防ぐアンチドレーン弁などの機能が組み込まれています。これらの安全機構により、フィルターが詰まった場合でもエンジンへのオイル供給が途絶えることを防ぎます。
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オイルフィルターの一般的な交換目安は、エンジンオイル交換2回につき1回のタイミングが推奨されています。具体的には、ガソリンエンジンでは走行距離10,000~30,000kmまたは使用期間2年に1回、ターボエンジンでは10,000~20,000kmまたは1年に1回が目安です。ディーゼルエンジンの場合は、20,000~40,000kmまたは2年に1回が交換時期の基準となります。
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イエローハットでは、オイル交換のタイミングとして3,000~5,000km毎、もしくは3~6ヶ月のどちらか早い方を推奨しており、この基準に合わせてフィルター交換を計画するとよいでしょう。ただし、頻繁な短距離走行、悪路の走行、長時間のアイドリングなど、過酷な使用条件下では汚れが早く蓄積されるため、交換時期を早める必要があります。
参考)オイルエレメントの交換タイミングは?交換の必要性や費用などを…
オイルフィルターはエンジンオイル交換と同じタイミングでしか交換できないため、オイル交換のスケジュールと連動させて管理することが重要です。交換時期を守らないと、フィルターが目詰まりを起こし、リリーフバルブが開いて未濾過のオイルが循環する状態になってしまいます。
参考)オイルフィルター(エレメント)の適切な交換時期は?役割・必要…
オイルフィルターを選ぶ際は、純正品と社外品のどちらを選ぶかが重要なポイントになります。純正品は自動車メーカーが自社の車両に最適化して開発・製造しており、車メーカーが保証する適合性と互換性を確保できるメリットがあります。品質は高く、車両の保証が無効になるリスクも避けられますが、価格は社外品より高めに設定されています。
参考)https://www.yoro-store.com/blogs/useful/oilfilter-aftermarket-product
社外品は多くのメーカーが製造しており、価格が純正品より安い場合が多いのが特徴です。ただし、品質や耐久性にはばらつきがあり、メーカー保証が無い場合も多いため、慎重な選定が必要になります。高性能な社外品の中には、ろ過性能に特化したものや、純正品を上回る性能を持つ製品も存在します。
参考)オイルエレメントとフィルターの違いは?3つのタイプを紹介 -…
車種ごとに装着できるオイルフィルターの種類は決まっているため、必ず自分の車に適合する型番を確認してから購入することが大切です。車の取扱説明書やメーカーの推奨スペックを確認し、適切なろ過性能と耐久性を備えた製品を選びましょう。
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オイルフィルターの交換は、スピンオン式であればDIYに慣れている方なら自分で行うことも可能です。自分で交換する場合の費用は部品代のみで1,000~3,000円程度で済みますが、プロに依頼すると部品代に加えて工賃が1,000~3,000円、オイル代が3,000~10,000円かかります。必要な工具は、オイルフィルターレンチ、ジャッキ、廃油処理用の箱またはビニール袋、軍手やウエスなどです。
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交換手順は、まず車を安全にジャッキアップし、古いフィルターをフィルターレンチで反時計回りに回して取り外します。スピンオン式の場合、フィルター内にオイルが残っているため、取り外す際にオイルがこぼれないよう廃油処理の準備が必要です。新しいフィルターを取り付ける前に、ガスケット(パッキン)部分に薄くエンジンオイルを塗布し、手で締め付けてから専用レンチで適切なトルクで締めます。
参考)https://www.yoro-store.com/blogs/useful/oilfilter-byoneself
交換時の注意点として、締め付けトルクを守ることが非常に重要で、締めすぎるとガスケットが破損し、緩すぎるとオイル漏れの原因になります。また、作業前にエンジンやオイルが冷えていることを確認し、火傷に注意してください。廃棄するオイルやフィルターの処理方法は、自治体のルールに従って適切に処分する必要があります。
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