カム角センサー故障の症状と原因・修理費用の目安

カム角センサー故障の症状と原因・修理費用の目安

カム角センサー故障の症状・原因・修理費用を徹底解説

カム角センサーが故障しても、エンジン警告灯が点灯しないケースが約3割存在します。


🔧 カム角センサー故障:この記事でわかること
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故障の主な症状

エンジン警告灯の点灯・アイドリング不安定・エンスト・始動不良など、複数の症状が同時または単独で現れます。

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故障の本当の原因

センサー本体の劣化だけでなく、オイル汚れ・タイミングチェーン伸び・配線ハーネスの断線など複数の原因があります。

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修理費用の目安

センサー単体交換なら平均約19,000円。放置してエンジン本体まで波及すると、修理費が10倍以上になるリスクがあります。


カム角センサーの故障による主な症状とチェック方法





カム角センサーが不具合を起こすと、エンジン全体の制御が乱れ始めます。これは、このセンサーがカムシャフトの回転角度を検知してECU(エンジンコントロールユニット)に信号を送り、燃料噴射タイミングと点火タイミングを決定するという、エンジン動作の根幹を担っているためです。


最も代表的な症状は「エンジン警告灯(チェックエンジンランプ)の点灯」です。ただし、警告灯が点灯しない状態でも実際にはセンサーが誤動作している場合があります。これは後の章で詳しく解説します。


症状は主に以下の形で現れます。


  • 🔴 アイドリングが不安定になる(回転数がハンチングする):エンジンが「ブルブル」と振動したり、回転数が上下に揺れたりする状態です。信号待ちで車体が揺れるように感じたら要注意です。
  • 🔴 エンジンの始動性が悪くなる(特に冷間時):朝一番のエンジン始動でセルモーターが長く回り、なかなかかからないケースが増えます。気温が低いほど症状が顕著に出やすいのが特徴です。
  • 🔴 走行中のエンスト・突然のパワーダウン:信号待ちや低速走行中にエンジンが止まったり、加速しようとしてもアクセルに反応せず失速する感覚が生じます。
  • 🔴 燃費が急に悪化する:ECUが正確な噴射量を計算できなくなるため、燃料が濃くなったり薄くなったりして燃費が10〜20%ほど悪化することがあります。
  • 🔴 エンジンの「失火(ミスファイア)」が起こる:特定の気筒で点火が正しく行われず、「ドドッ、ドドッ」という不規則なエンジン音や振動が出ます。


つまり、「エンジンが何となく調子悪い」と感じたら注意が必要です。


これらの症状は点火系(イグニッションコイルスパークプラグ)の劣化と非常に似ており、整備士でも最初の診断では区別が難しいケースが多くあります。注意すべき違いがあります。点火系の不具合ではアクセルを強く踏んだときに症状が悪化しやすいのに対し、カム角センサー不良では「突然まとめて失火する」「アクセルの踏み込みとは無関係にガクッとなる」という特徴があります。


整備専門情報サービスのみんカラでも、点火系と誤診されたまま数万円かけてプラグやコイルを交換しても症状が改善せず、最終的にカム角センサーが原因だったという事例が複数報告されています。


また、特定の車種(スズキK6Aエンジン搭載のアルト・ラパン・ワゴンR等)では、カム角センサー不良の症状として「エンジンが完全にかからなくなり不動になる」というケースも確認されています。これが条件です。


大分県自動車整備振興会 技術相談事例:冷機時だけの始動不能(カム角センサーの温度特性による不良の診断手順)


カム角センサーが故障する原因とオイル管理の深い関係

カム角センサーの故障は「センサー本体が壊れた」という単純な話ではないことが少なくありません。意外ですね。


原因として真っ先に疑われるのはセンサー本体の劣化ですが、実際の整備現場では別の要因が絡んでいるケースも多く報告されています。


最も見落とされがちな原因が「エンジンオイルの汚れ・スラッジの堆積」です。カム角センサーはエンジン内部に設置されており、オイルに常に接触しています。オイル交換を怠ると汚れたオイルがセンサー先端にスラッジとして付着し、正確な信号を読み取れなくなります。東京オートラボの実際の整備事例では、スクラム(エブリィOEM)のカム角センサーを外したところ、センサー先端にスラッジが大量に付着しており、オイルコントロールバルブまで詰まっていたことが確認されています。


これは「エンジンオイルをきちんと交換していれば防げた故障」とも言えます。オイル交換サイクルを守ることが原則です。


次に多い原因が「タイミングチェーンの伸び」です。カム角センサーはカムシャフトの位置を検知しますが、タイミングチェーンが伸びるとカムシャフトとクランクシャフトの位相がずれ、センサー自体は正常なのに「カム角異常」のエラーコードが出てしまいます。このケースではセンサーを交換しても症状は改善しません。タイミングチェーン交換が必要になります。


また、センサー本体は正常でも「ハーネス(配線)の断線や接触不良」が原因となるケースも確認されています。故障コードP0340(カムポジションセンサー回路異常)はセンサー本体の異常だけでなく、配線・コネクター・ECU側の問題でも同じコードが出ます。「センサーを換えたのに直らない」という事態を防ぐためにも、配線系統の確認は欠かせません。


  • 🛢️ エンジンオイルの汚れ・スラッジ付着:オイル交換怠慢が最大の誘因のひとつ
  • ⛓️ タイミングチェーンの伸び:センサー正常でもエラーコードが出る
  • 🔌 ハーネス(配線)の断線・コネクターの腐食:センサー交換だけでは直らない
  • ❄️ センサー素子の温度特性劣化:冷間時のみ異常を起こすケースあり
  • 🔩 センサー取付部のオイルにじみ:センサーのOリング劣化が原因


なお、社外品のカム角センサーに交換しても症状が改善しないケースが報告されています。大分県自動車整備振興会の技術相談事例では、純正品に見えた新品センサーが実は社外品であり、冷間時の温度特性が純正と異なっていたため不具合が再発したという実例が記録されています。これは使えそうな情報です。純正品を優先することが基本です。


東京オートラボ:マツダスクラム カムポジションセンサー交換+オイルコントロールバルブ詰まり事例


カム角センサー故障の診断方法とエンジン警告灯が点灯しないケース

「エンジン警告灯が点いていないから大丈夫」という判断は危険です。


カム角センサーの不具合は、エンジン警告灯(エンジンチェックランプ)の点灯を伴わないことがあります。Yahoo!知恵袋でも「カム角センサー・クランク角センサーが壊れていてもチェックランプが点灯しない場合はあるか?」という質問に対し、「ある」との回答が整備士から寄せられています。特に間欠的な不具合(時々だけ症状が出る)の場合、ECUが故障と判断しきれずにコードを記録しないことがあります。


つまり、「いつもより何となく調子が悪い」という感覚だけが手がかりになることもあります。


診断方法として最も確実なのが「OBD2スキャンツールによるエラーコードの読み出し」です。P0340(カムポジションセンサー回路/バンク1)やP0341(カムポジションセンサー性能/バンク1)、あるいはP0016(クランク/カム相関)などのコードが記録されていれば、カム角系統に異常があると判断できます。


  • 📱 スマートフォン接続型OBD2スキャナー(3,000〜10,000円程度):OBD2ポートに接続するだけでエラーコードを読み出せます。Bluetooth接続のものが使いやすく、一般ドライバーでも自宅で確認可能です。
  • 🔬 オシロスコープによる波形確認:センサーが出力する電気信号の波形を確認する方法で、確度が高い診断が可能です。整備工場での診断に使われます。
  • 🌡️ 温度差を利用した再現試験:冷機時のみ症状が出る場合、センサーを冷凍庫で冷やして車に取り付けることで不具合を再現する手法です(整備士向けの方法)。


市販のOBD2スキャナーは「エンジン不調の原因を自分で調べたい場面」に役立ちます。ただし、コードを読み出せても「そのコードが本当にセンサー本体の故障を意味するかどうか」の判断には整備の知識が必要です。「コードが出たからセンサーを換えた」だけでは根本原因を見落とす可能性があります。読み出し→工場での診断確認、という二段階が条件です。


グーネットピットに掲載された整備事例でも、故障コードP0340について「カムポジションセンサー異常ではなく、カムポジションセンサー系統異常を示すコード」であり、センサー本体だけでなく配線系統全体を疑うべきという指摘があります。


グーネット:エンジン警告灯を点灯させるセンサーの種類と症状解説


カム角センサー交換の費用相場と修理の進め方

修理費用には「早期対応」と「放置後対応」で大きな差があります。


カープレミアのデータによると、カム角センサー単体交換の費用平均は約19,110円(一般パーツ使用・部品代+工賃込み)です。カム角センサーとクランク角センサーを同時交換する場合は平均約29,180円になります。部品代だけ見ると、スズキK6Aエンジン用の社外品センサーは2,600円前後、純正品はその倍程度が相場です。交換作業自体は、センサーの取り付け場所がアクセスしやすい車種では工賃5,000〜9,000円程度で済むケースもあります。


ただし、センサーの取り付け位置がエンジンの深い場所にある車種(スクラム・エブリィなど軽バンは運転席・助手席シートの下)では、シートを外す工賃が別途かかることもあります。


修理を依頼する場所ごとの費用目安をまとめると以下のとおりです。


修理場所 費用目安(センサー単体) 特徴
ディーラー 25,000〜50,000円程度 純正部品・保証付き・診断精度が高い
整備工場 15,000〜35,000円程度 社外品利用で安価になる場合あり
カー用品店 10,000〜25,000円程度 工賃が安い場合があるが診断力に差がある


問題は放置した場合のコストです。痛いですね。


カム角センサーの不具合を放置すると、ECUが燃料噴射と点火タイミングを誤制御し続けます。その結果、インジェクターに過負荷がかかったり、燃料が未燃焼のままシリンダー壁を流れて潤滑油を薄めたり(オイル希釈)、最終的にはピストンやシリンダーヘッドへのダメージに発展するリスクがあります。エンジン本体の修理となれば、費用は20万〜100万円以上になることもめずらしくありません。約19,000円で直る修理を後回しにした結果、10倍以上の出費になる構図がここにあります。


また、オイルコントロールバルブの詰まりが同時発生している場合(前述の東京オートラボの事例のように)、カム角センサー交換だけでなくバルブ交換・オイル交換・フィルター交換が同時に必要になることもあります。合わせて点検・交換する姿勢が原則です。


カム角センサーの故障を早期に防ぐ日常管理のポイント(見落とされやすい視点)

「センサーが壊れたら換えればいい」という考え方では、気づいたときには高額修理になっている可能性があります。


多くのドライバーはエンジンオイルを「エンジンを動かすための潤滑剤」としか認識していません。しかし実際は、カム角センサーの寿命を左右するほど重要な役割を担っています。オイルが汚れてスラッジが増えると、センサー先端への付着、オイルコントロールバルブの詰まり、タイミングチェーンの早期摩耗という連鎖が起きます。これらはすべて、カム角センサーに誤動作をさせる直接原因です。


日本自動車連盟(JAF)のロードサービス出動理由で「過去のエンジン不調の多くがオイル管理の不備に起因する」とされているように、定期的なオイル交換が最大の予防策と言えます。


具体的な予防ポイントをまとめると以下のとおりです。


  • 🛢️ エンジンオイルは5,000〜10,000kmまたは6ヶ月ごとに交換:ターボ車・スポーツ走行が多い場合は3,000〜5,000kmが目安。交換を怠ることがカム角センサー不良の最大の誘因です。
  • 🔦 エンジン警告灯が点灯したら即日点検へ:「すぐ消えたから大丈夫」は禁物です。間欠的な警告灯点灯は故障の予兆であることが多く、放置すると次に点灯したときは完全に走行不能になっているケースがあります。
  • 📋 12ヶ月点検・車検時にダイアグ診断を依頼する:症状が出ていなくても、エラーコードが記録されている(ペンディングコード)ことがあります。「気になるので診断機で読んでください」と一言添えるだけで確認できます。
  • ⛓️ タイミングチェーンの伸びを定期確認:特に10万km以上走行した車両はチェーン伸びによるカム/クランク位相ずれが発生しやすくなります。「エンジンスタート直後にカラカラ音がする」場合はチェーンテンショナーの劣化を疑いましょう。


実は「OBD2スキャナーを一本持っておく」だけで、カム角センサー系統の異常を早期に発見できます。これは知ってると得する情報です。市販品は3,000〜10,000円ほどで購入でき、スマートフォンと連携してリアルタイムで車両診断が行えます。「定期的にエラーコードをチェックする」習慣をつけるだけで、突然のエンストや高額修理を未然に回避できる可能性が大幅に高まります。


カム角センサーに関連するトラブルの多くは、「オイル管理を怠らない」「警告灯を無視しない」「早めに整備工場で診断してもらう」という3つの行動で防げます。センサー単体の修理なら平均約19,000円で済むところを、何十万円にもしてしまわないためにも、日常的な習慣が大きな差を生みます。


グーネット:タイミングチェーンが伸びる原因と対処法(オイル管理との関連を詳しく解説)




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