クランクシャフト回らない原因と修理費用・対処法

クランクシャフト回らない原因と修理費用・対処法

クランクシャフトが回らない原因と対処法まとめ

オイル交換をしていても、クランクシャフトは突然回らなくなることがあります。


この記事でわかること
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クランクシャフトとは何か

ピストンの上下運動をタイヤへの回転力に変える、エンジンの核心部品。これが動かなければ車は走れません。

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回らなくなる主な原因

エンジン焼き付き・クランク角センサー故障・異物混入など複数あり。「セルは回るのにかからない」場合はセンサー系を疑うのが鉄則です。

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修理費用の現実

軽度なセンサー交換で1.5〜5万円。クランクシャフト本体交換になると平均約13万円〜、エンジン載せ替えなら30〜50万円超えも珍しくありません。


クランクシャフトが回らない仕組みとエンジンへの影響





クランクシャフトとは、エンジン内部でピストンの往復運動をタイヤを動かす回転運動へと変換する主軸部品です。自転車のペダル部分にあたるクランク機構と同じ原理で、エンジンが燃焼するたびにピストンが押し下げられ、その力がクランクシャフトをぐるぐると回します。この回転がトランスミッションを経由して最終的にタイヤへ伝わるわけです。


クランクシャフトが停止・固着している状態では、セルモーターがいくら動作しようとしてもエンジンは始動しません。つまり「エンジンをかける気配が全くない」「キュルキュルという音すら鳴らない」という状態は、クランクシャフト本体もしくはその周辺部品のトラブルを示している可能性が高いといえます。


クランクシャフト本体には、メインジャーナルとクランクピンという2つの回転軸があります。これらはプレーンベアリング(メタル)と呼ばれる薄い金属製のすべり軸受けで支えられており、エンジンオイルがその表面に油膜を形成することでスムーズな回転を実現しています。つまり油膜が消えた瞬間から、金属同士が直接接触し始めます。


これが基本です。


クランクシャフトはエンジンが稼働している間、常に高回転・高荷重にさらされます。アイドリング中でもエンジン回転数は約700〜800rpmほど、つまり1分間に700回以上回り続けているわけです。その状態で油膜が切れると、1秒にも満たない時間でメタルが傷つき始め、最終的にはシャフトが固着(ロック)してしまいます。


部位 役割 損傷時の影響
メインジャーナル クランクシャフト本体の支持軸 シャフト固着・エンジン始動不能
クランクピン コンロッドとの接続部 コンロッド破断・異音発生
プレーンベアリング(メタル) 油膜を保持してスムーズに回転 摩耗・焼き付き・シャフトロック


クランクシャフトが固着すると、エンジン分解を伴う大掛かりな修理が必要になります。カープレミアのデータによると、クランクシャフト交換の平均費用は約129,000円です。これは部品代と工賃を含む目安であり、損傷範囲が広ければさらに費用が膨らみます。痛いですね。


参考:クランクシャフトの故障原因と修理費用相場(権威性ある整備情報)


クランクシャフトが回らない主な原因5つ

クランクシャフトが回らなくなる原因は一つではありません。原因を正しく見極めることが、最短・最安の修理につながります。


① エンジンオイルの油膜切れ(焼き付き)


最も多い原因がこれです。オイル交換を怠ったり、オイル量が減っているのに補充しないまま走行を続けると、プレーンベアリング部分の油膜が失われます。油温が100℃でも、クランクシャフト大端ベアリング付近の実温度は200℃を超えることがあります。その温度でオイルが供給されなければ、金属同士が溶着する焼き付きが発生し、シャフトはロックします。


焼き付きが基本です。


オイル交換の推奨インターバルは、一般的な乗用車で約5,000〜15,000kmとされています。ただし、短距離走行を繰り返す市街地メインの使い方では、オイルの劣化が早く進みます。距離だけでなく時間(半年〜1年)も目安にするのが原則です。


クランク角センサー(クランクシャフトポジションセンサー)の故障


意外と見落とされがちな原因の一つです。このセンサーはクランクシャフトの回転角度・回転数をリアルタイムで検出し、ECU(エンジンコントロールユニット)に伝える役割を担っています。センサーが故障すると、ECUは点火タイミングや燃料噴射タイミングを決定できなくなり、「セルモーターは回るのにエンジンがかからない」という症状が現れます。


この場合、クランクシャフト本体は正常であることが多く、センサー交換だけで解決できることも多いです。費用はディーラーで約20,000〜50,000円、整備工場で約15,000〜35,000円が目安です。つまり早期に気づけば出費を最小限に抑えられます。


故障コード「P0335」が表示された場合は、このセンサーの異常を真っ先に疑いましょう。


③ 冷却水のエンジン内混入(ウォーターハンマー)


ヘッドガスケットが抜けるなどの理由で冷却水がシリンダー内に入ると、液体は圧縮できないためピストンが動けなくなり、クランクシャフトが急停止します。これをウォーターハンマー現象といいます。最悪の場合、コンロッドが折れてエンジンブロックを突き破ることもあります。


エンジンがかからない状態で無理にセルを回し続けると、この被害が拡大します。要注意です。


タイミングベルトタイミングチェーンの切断


タイミングベルトが切れると、クランクシャフトとカムシャフトの同期が失われます。バルブとピストンが衝突し、エンジン内部で壊滅的なダメージが起こる場合があります。タイミングベルトの交換推奨時期は約100,000kmまたは10年です。交換時期を過ぎた車は要注意です。


⑤ 異物混入・内部破損


金属片などがエンジン内部に混入し、クランクシャフトや軸受け部分に噛み込むと物理的にシャフトが回らなくなります。過去に焼き付きを起こしたエンジンは、金属粉がオイルライン全体に残っていることがあり、修理後も再発するリスクがあります。


原因 主な症状 修理費目安
焼き付き(オイル不足) セルも回らない・異音後停止 10〜50万円以上
クランク角センサー故障 セルは回るがエンジンかからない 1.5〜5万円
ウォーターハンマー 急停止・再始動不可 30万円〜廃車レベル
タイミングベルト切断 突然のエンスト・始動不能 10〜30万円
異物混入・内部破損 異音・完全停止 20万円〜


参考:エンジン焼き付きのメカニズムと油温の影響について
エンジンが回転しない(焼き付き)– engineoilya


クランクシャフトが回らない前兆・早期発見のサイン

クランクシャフトのトラブルは、ある日突然やってくるように感じますが、実際には事前に「サイン」が出ていることが多いです。そのサインを知っておくだけで、高額修理を防げる可能性があります。


エンジンからの異音


「ガラガラ」「カランカラン」という金属音がエンジン回転数に比例して聞こえる場合は、クランクベアリング(メタル)の摩耗が疑われます。アイドリング時は静かで、回転数が上がると音が大きくなるパターンも典型的なサインです。これは使えそうな情報ですね。


この音が聞こえ始めた段階であれば、まだクランクシャフト本体が無傷の可能性があります。すぐにエンジンを止めて点検に出すことで、修理費を最小限に抑えられます。


オイルランプ(油圧警告灯)の点灯


走行中に赤いオイル缶マークが点灯したら、オイル圧力が低下しているサインです。この状態で走り続けることは、わずか数分でクランクシャフトを焼き付かせるリスクがあります。安全な場所に即停車して、オイル量を確認することが鉄則です。


オイルランプが点いたまま走行してはいけません。


冷間始動時のみ発生する異音


エンジンが冷えているときだけ「タタタ」という音がして、暖機後には消える場合、メタルクリアランス(軸受けとシャフトの隙間)が広がっているサインです。オイルが温まって粘度が上がることで音が消えているだけで、根本的な摩耗は進行しています。


燃費の急激な悪化・白煙


クランクシャフト周辺の密閉性が失われると、オイルが燃焼室に入り込み、マフラーから白煙が出ることがあります。燃費も同時に悪化します。白煙が条件です。


アイドリングが不安定・エンジン警告灯の点灯


クランク角センサーが劣化し始めると、アイドリングのブレや突然のエンストが起きることがあります。エンジン警告灯が点灯してOBD2スキャナーで診断すると「P0335」というエラーコードが表示されることが多いです。OBD2スキャナーは通販で3,000〜10,000円ほどで入手でき、スマホと連携して手軽に自己診断できます。


早期発見が条件です。症状が出たら迷わず整備工場へ持ち込みましょう。


修理か廃車か?クランクシャフト故障時の費用対効果と判断基準

クランクシャフトが回らなくなったとき、最初に頭をよぎるのが「修理すべきか、乗り換えるべきか」という判断です。この判断を誤ると、数十万円を修理費に投じた直後に別のトラブルが発生し、さらに費用がかかるという最悪のパターンに陥ることがあります。


修理費用の目安を整理すると、以下のようになります。


  • 🔧 クランク角センサー交換:約15,000〜50,000円(センサー類で解決できる最軽症)
  • 🔧 プレーンベアリング(メタル)交換のみ:約5〜15万円(エンジン分解が必要)
  • 🔧 クランクシャフト本体交換:平均約129,000円(カープレミア調査)
  • 🔧 エンジンオーバーホール:約30〜50万円(中古・リビルトエンジン載せ替えを含む場合も)
  • 🔧 エンジンブロー・廃車レベル:50万円超も珍しくない


修理か廃車かの判断で使える基準として、業界では「修理費が車両査定額を超えるなら廃車・乗り換えを検討する」というラインが一般的に使われています。


たとえば車齢10年・走行距離12万kmの車の市場価値が10万円未満であれば、クランクシャフト交換に13万円をかけるのは費用対効果が合いません。その場合は中古車・新車への乗り換えを選ぶほうが賢明な判断となります。


乗り換えが条件です。


一方で、走行距離が5万km以下で状態の良い車であれば、クランク角センサー交換などの軽微なトラブルであれば積極的に修理する価値があります。同年式の代替車両の購入費と比較して、修理費のほうが明らかに安い場合は修理一択です。


廃車にする場合でも、「廃車買取業者」に依頼することで、エンジン不動の車でも0円以上で引き取ってもらえることが多いです。修理費を出す前に、まず査定を取っておくことをおすすめします。


参考:エンジン故障時の廃車・修理の判断ポイント
車のエンジン故障で廃車となる5つのパターン!修理か廃車か確認 – 廃車買取ナンバーワン


クランクシャフトを守るための日常メンテナンスと独自視点:「オイル交換より怖いコールドスタートの習慣」

クランクシャフトのトラブルを防ぐために最も効果的な対策は、適切なエンジンオイル管理です。ただし、多くのドライバーが見落としている「もう一つの習慣」があります。それが「コールドスタート直後の急加速」です。


エンジンを始動した直後、オイルはまだエンジン各部に行き渡っていません。オイルが全てのクランクベアリングに届くまでには、始動後10〜30秒程度かかるといわれています。この無防備な時間帯に急加速・高回転操作を行うと、油膜が形成される前にクランクシャフトに大きな負荷がかかり、少しずつメタルを削り取っていきます。


オイル管理が基本です。


多くの焼き付きトラブルは、長年にわたるコールドスタート直後の急加速の積み重ねによって徐々に進行し、ある日突然爆発するパターンをたどります。「いつもオイル交換はちゃんとしていたのに、なぜ焼き付いたのか」という疑問への答えがここにあることが多いです。


以下の習慣を日常に取り入れることで、クランクシャフトの寿命を大幅に延ばすことができます。


  • 🛢️ オイル交換インターバルを守る:一般道メインなら5,000km毎、高速道路メインなら10,000km毎を目安に。ただし半年〜1年を超えたら距離に関わらず交換推奨。
  • 🛢️ オイル量を月1回確認する:レベルゲージでオイル量をチェック。下限(LOW)に近づいたらすぐ補充する。
  • ⏱️ コールドスタート後は30秒〜1分ほどアイドリングする:特に冬場は油温が上がりにくく、油膜形成に時間がかかる。急発進を避けるだけで摩耗が大幅に減る。
  • 🌡️ 水温計が動き始めるまでは穏やかに走る:暖機が完了するまでは高回転・高負荷運転を避けるのが原則。
  • 🔍 走行10万km前後でクランク角センサーの点検を依頼する:センサーは10万kmを超えると故障リスクが急上昇。エラーコードP0335が出る前に点検しておくと安心。


また、エンジンオイルを選ぶ際には、メーカー指定粘度(例:0W-20や5W-30など)を必ず守ることが大切です。粘度が低すぎると油膜が薄くなりメタル摩耗のリスクが高まり、高すぎると流動抵抗が増えてオイル供給が間に合わなくなる場合があります。


オーナーズマニュアルに記載されている指定粘度が条件です。


クランク角センサーについては、走行10万kmを超えた車でアイドリングの乱れや始動の遅さを感じたら、整備工場でコネクタ周辺の劣化チェックと診断機によるエラーコード読み取りを依頼しておくと、突然の始動不能を未然に防ぐことができます。費用は診断のみなら数千円から対応してもらえます。


参考:クランクシャフトポジションセンサーの故障症状・費用・交換時期
クランクシャフトポジションセンサーとは?故障症状・交換時期・修理費用 – モビフルパーツ




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