

スープラ70の「ターボA」は、グループA参戦のホモロゲ取得のために500台限定で用意された“エボリューションモデル”という位置づけが核です。
この「500台」という数字自体が、当時のグループAで高性能版の公認を得るために追加生産が必要だった事情と直結します。
現場の入庫対応では、オーナーの認識が「70スープラ=全部同じ」になっていることがあるため、最初に“ターボAは別物”と共有しないと見積もりの前提が崩れます。
・有用:ターボAの成り立ち(ホモロゲ、500台条件、主要諸元)がまとまっている
https://driver-web.jp/articles/detail/19474
ターボAはエンジン型式自体は7M-GTEUのままでも、タービンとインタークーラー容量アップ、専用カム、大径スロットルなど吸気・過給系に手が入っているのがポイントです。
その結果、ベース比でパワー30ps・トルク1.5kgmの上積みを得た、という説明がされています。
また、CT26タービンはターボA用が風量アップの専用品で、コンプレッサーハウジングに“E”刻印がある、という識別情報が残っているのは整備士的にありがたい「現車確認の手掛かり」です。
・有用:ターボAの専用装備(タービン識別“E”、吸気系変更点、専用内外装)が詳しい
https://motor-fan.jp/article/1332575/
70スープラの維持で避けづらい論点として、ECU内部のコンデンサ液漏れや、エアコン操作パネルの半田割れといった経年劣化トラブルが挙げられています。
ここが厄介なのは、失火や始動不良のような“いかにもエンジン”の症状に見えても、根が電源品質や基板劣化だった、というパターンが普通に起きる点です。
診断の段取りとしては、機械側の圧縮や燃圧へ突っ込む前に、バッテリー電圧の実測・アース電位差・ECU電源系の電圧降下を押さえ、症状再現時のログ(回転信号・噴射/点火の有無)を“先に”取りに行くと手戻りが減ります。
70スープラで深刻化しやすい問題として、ホイールアーチやシル(サイドステップ下)など泥水が溜まりやすい部位のサビ進行が指摘されています。
加えて、脱着式ルーフのエアロトップは雨漏りを起こしやすく、室内腐食や電装系故障の原因になり得る、という整理もされています。
さらに実務的には「雨漏り=内装の問題」で済まず、ECUやリレー、コネクタに“じわじわ効く”ため、入庫時はフロアカーペット裏の湿り・カビ臭・ヒューズボックス周辺の白サビ(端子腐食)まで含めて確認し、オーナーに写真で見せて合意形成しておくと揉めにくいです。
ターボAは「走りに特化した割り切り」として、電子制御サスペンションTEMSや4輪ESCが未装着とされ、専用の足回りやLSD標準など“仕様の意図”が明確です。
この“レース由来の意図”を整備説明に組み込むと、単なる劣化や故障ではなく「当時そう作られた」前提が共有でき、試乗評価(乗り心地・ロードノイズ・トラクションの出方)での行き違いが減ります。
とくに現代の基準で静粛性や快適性を求めるオーナーには、当時のホモロゲ背景と仕様(ブラックのみ等)を踏まえた上で、どこまで現代化(ブッシュ・ダンパー・制振)するかを“整備計画”として提案すると、不要なクレームを予防できます。
70スープラは部品供給が大きな難関になり得る一方で、トヨタのGRヘリテージパーツで一部部品が復刻されている、という現状が述べられています。
ただし復刻は万能ではなく、供給範囲が限定的で、納期が長い・仕様が異なる場合がある点も指摘されており、ここを見積時に言語化しないと整備側のリスクが跳ねます。
整備士向けの実務ヒントとしては、(1)純正新品(復刻含む)(2)中古良品 (3)リビルト (4)社外互換 (5)修理(基板・ハーネス補修)(6)ワンオフ製作、の順で「保証・納期・再現性」が変わるため、作業開始前に“どの層の部品で直すか”をオーナーに選んでもらう運用が現実的です。
購入前・入庫前のチェックポイントとして、ストラットタワー周辺のサビ進行など、力がかかる上に水が溜まりやすい箇所は念入りな確認が必要とされています。
そのため受け入れ点検では、リフトアップしての構造部確認(左右差・板金跡・シーラー割れ)を“必須メニュー化”し、問題があれば先に止める判断がコスト最適になります。
加えてターボAのように「価値のある個体」ほど、過去の修復歴や改造履歴が複雑になりがちなので、ECU・燃調機器・ブースト制御の有無だけでも先に棚卸しし、ノーマル復帰か現仕様維持かを初回打ち合わせで確定させるのが安全です。

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