
車のサスペンションに使われるダンパーは、乗り心地や走行性能を左右する重要な部品です。ダンパーの種類を理解することで、自分の車に最適な選択ができるようになります。ダンパーには大きく分けて「単筒式」と「複筒式」の2種類があり、それぞれ内部構造が異なります。
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単筒式ダンパーは、シングルチューブとも呼ばれ、1本の筒の中にオイルとガスが入っている構造です。シンプルな構造で、シリンダー自体が外気に直接触れるため放熱性が高く、長時間の走行でも温度が上がりにくく安定した減衰力を維持できます。オイルの容量が多く、ピストン径も大きく取れるため、ハードな走りにも耐えるリニアな減衰力を発揮しやすいという特徴があります。
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単筒式のメリットは小さな動きにも対応できる応答性の高さと耐久性です。スポーツ走行や高速走行を目的とした車に適しており、特にサーキット走行など温度が上昇しやすい環境では単筒式が有利になります。また、倒立式として使用できるため、剛性確保の面で大きなアドバンテージを持っています。
参考)単筒式のメリット
一方で、単筒式は高いガス圧が必要なため、各部品への圧力が高くなり余計なフリクションにつながる可能性があります。また、複筒式と比較してストローク確保が難しく、加工精度の要求から価格が高くなりがちです。
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複筒式ダンパーは、ツインチューブとも呼ばれ、シリンダーとアウターシェルという2つの筒形状部品で構成されています。市販車のサスペンションで最も採用されることの多いダンパー形式です。ピストンロッドが縮み込むと、内筒のオイルが外筒の空間部分へと流れる構造になっています。
参考)自分に合ったサスペンションの探し方
複筒式の大きなメリットは、注入するガスの圧力が低くて済むため乗り心地が良くなりやすく、価格が単筒式と比較して安価なことです。二重構造のため筒が傷などに強く、レイアウト上ストロークを確保しやすい構造です。街中や高速道路でゆったりと普通に運転する人に向いており、一般的な乗用車に広く採用されています。
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デメリットとして、高速でピストンが動く際にキャビテーション(オイル中に気泡が発生する現象)が発生しやすく、減衰力が低下する可能性があります。また、複筒式はピストン面積が狭いため、減衰力のセッティングがシビアになります。倒立式として使用できないため、サスペンションのレイアウトに制限がある場合もあります。
減衰力調整機能付きのダンパーは、走行状況や好みに応じて乗り心地を変更できる便利な機能です。減衰力とは、サスペンションがバネの動きを抑える力のことで、これを調整することでハンドリング特性や乗り心地を変えることができます。
参考)減衰力調整のススメ - フォーバイフォーエンジニアリングサー…
調整段数は製品によって異なり、16段階から96段階まで幅広く設定されています。段数が多いほど細かい調整が可能ですが、初心者の場合は調整幅が広すぎると逆に迷ってしまうこともあります。街乗りメインであれば柔らかめのセッティング、スポーツ走行や峠道を楽しみたい場合は硬めのセッティングが適しています。
参考)TEIN.co.jp: 減衰力調整 - よくあるご質問
最新の車高調には、車内から電子制御で減衰力を調整できるモデルも登場しており、走行中でもボタン操作で設定を変更できます。減衰力調整機能があるタイプは、乗り心地を好みに合わせて調整できるため、迷った場合はこの機能があるものを選ぶのがおすすめです。
参考)車高調のおすすめメーカー7選!選び方と特徴を比較 - タイヤ…
ダンパーの寿命は使用環境や走行距離によって異なりますが、一般的には走行距離5万km~10万kmが交換の目安とされています。最新の国産車の場合、ダンパーの耐久性が向上しており、10万km程度まで使用できるケースも増えています。
参考)【クルマの足回りの寿命は?】最新車なら10万km ダンパー無…
ダンパーのヘタリを見分ける方法として、以下のような症状が挙げられます。段差を越えた後の揺れが収まりにくい、コーナリング時の車体の沈み込みが大きい、異音が発生する、オイル漏れが見られるなどの症状が出た場合は交換を検討すべきです。
参考)車の足回りって要交換?ダンパーのヘタリを見分ける方法や交換時…
定期的な点検も重要で、半年に1回程度の目視点検と作動点検が推奨されています。ダンパー本体や周辺部品に変形や損傷がないか、手動操作が正常に行えるかなどを確認します。早期発見により、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
参考)サスペンションの寿命は?交換の目安と費用を説明します! - …
オーバーホールとは、ダンパーを分解してガスシールやオイルシール、オイル、ガスなどの消耗部品を交換し、新品同様の性能に回復させる作業です。高性能な車高調の多くはオーバーホール対応しており、定期的にメンテナンスすることで長く使い続けることができます。
参考)オーバーホールご案内
オーバーホールの基本料金は1本あたり約12,000円~18,000円程度で、消耗部品の交換費用は別途3,000円~5,000円程度かかります。ダンパーは左右のバランスが重要なため、オーバーホールは必ず左右セットで行うことが推奨されています。
参考)HKS製ダンパーO/H業務|株式会社 Kansaiサービスオ…
オーバーホール時には減衰力の変更も可能で、使用状況や好みに応じてセッティングを変更できます。ただし、生産終了から3年以上経過した製品は、部品供給の関係でオーバーホールが受け付けられない場合もあります。長く使いたい場合は、購入時にオーバーホール可能なタイプを選ぶことがポイントです。
参考)https://uppit.upgarage.com/column/harmonic-ride-comfort/
高性能なダンパーは初期投資が高くなりますが、オーバーホールによって長期間使用できるため、トータルコストでは経済的になる場合もあります。メーカーによってオーバーホール対応の可否や料金体系が異なるため、購入前に確認しておくことをおすすめします。
参考)オーバーホールサービス│HYPERPRO Overhaul
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