

サイドステップの傷を放置すると、修理費が20万円を超えることがあります。
サイドステップとは、車のフロントドアとリアドアの下部、地面に近い側面部分に取り付けられているパーツのことです。正確には「サイドシル」と呼ばれる車体骨格部分の外側に装着されます。サイドシルとはドアを開けたときに見える敷居部分のことで、サイドステップはその外側を覆うように取り付けられています。
「サイドスカート」「サイドスポイラー」「サイドシルプロテクター」など、複数の呼び名があります。これらはほぼ同じパーツを指していますが、装着方法や形状によって呼び名が異なるケースもあります。つまり、呼び方が違っても「ドア下のサイド部分に付くパーツ」が基本です。
地面から車体底面まで、一般的な乗用車で約15〜20cmほどの隙間があります。サイドステップはその隙間を埋めるような形で横一列に伸びており、前後タイヤの間、ちょうど乗降口の真下あたりを覆う細長いパーツです。長さはボディサイズによりますが、おおむね1m〜1.5m程度になります。
| 呼び名 | 主な用途 |
|---|---|
| サイドステップ | エアロパーツ全般(乗降ステップも含む) |
| サイドスカート | エアロパーツ(スカート状の形状) |
| サイドスポイラー | エアロパーツ(整流・空力目的) |
| サイドシルプロテクター | サイドシル保護目的のカバー |
参考:グーネット中古車マガジン「車のサイドステップとは?その効果や役割とは?」では、サイドステップの位置や役割についてわかりやすくまとめられています。
車のサイドステップとは?その効果や役割とは? - グーネット中古車
サイドステップには、大きく分けて「ドレスアップ効果」「空力(整流)効果」「乗降補助機能」の3つの役割があります。
まず、ドレスアップ効果について説明します。サイドステップを取り付けると、車体と地面のすき間が視覚的に狭まり、車高が低く見えます。実際に車高を下げなくてもスポーティーな印象や高級感を演出できるため、エアロパーツの中でもとくに人気があります。
次に、空力効果です。これが意外と知られていません。サイドステップは、車体サイドを流れる空気と車体底面を流れる空気を分離する役割があります。この分離によって乱気流が発生しにくくなり、高速走行時のふらつき抑制につながります。
- 整流効果でハンドルが取られにくくなる
- 横風の影響を受けにくくなり、長距離ドライブの疲労が軽減される
- サイドステップがない車は高速走行時にふらつきやすい傾向がある
そして乗降補助機能です。SUVやランドクルーザー、ハイラックスなどの車高が高い車では、サイドステップが実際に足をかける「踏み台」として機能します。ドアの開閉に合わせて自動で出てくる「電動サイドステップ」という製品もあり、子どもや高齢者が楽に乗り降りできると評判です。これは使えそうです。
参考:国土交通省保安基準細目を含む技術解説も掲載されているMOBY記事では、サイドステップの種類と車検条件についても詳しく解説されています。
サイドステップは車体の中でもとくに傷付きやすい場所にあります。地面から近い位置にあるため、日常の何気ない行動でもダメージが蓄積します。
傷がつく代表的なシーンは、段差や縁石への乗り上げ、駐車場のポールや車止め、乗降時に靴や荷物が当たる場面の3つです。とくに縁石乗り上げ時は、ハンドルを切った拍子にサイドステップがガリっと地面に接触するケースが多く、気づかないうちに深い傷になっていることもあります。
修理費用の相場は業者によってかなり異なります。
| 依頼先 | 修理費の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ディーラー | 20,000円〜50,000円 | 品質は高いが割高になりやすい |
| 板金業者 | 5,000円〜30,000円 | 3業者の中で最も安価なことが多い |
| カー用品店 | 10,000円〜40,000円 | 予約・見積もりがしやすい |
軽い擦り傷であれば、カー用品店で売っているコンパウンド(研磨剤)やタッチアップペンを使ってDIYで対応できるケースもあります。ただしこれは、クリア層の浅い傷に限った話です。深い傷やひびには対応できないため、逆に傷を広げるリスクがある点は注意が必要です。
修理するかどうか迷ったときは、まず傷の深さを確認することが先決です。爪を傷に引っかけてひっかかりがある場合は塗装まで達している可能性があるため、専門業者への相談をおすすめします。傷が軽いうちなら問題ありません。
参考:イエローハット公式コラムでは、修理費の相場と修理の緊急性についてわかりやすくまとめられています。
サイドステップに付いた傷の修理代の目安を知ろう! - イエローハット
サイドステップの傷を「たかが擦り傷」と放置していると、後々とんでもない出費につながることがあります。これが最も見落とされがちなリスクです。
サイドステップ(エアロパーツ)の傷が深く、内側にある「サイドシル」まで達している場合、金属製のサイドシルに錆が発生し始めます。樹脂製のサイドステップとは異なり、サイドシルは鉄でできているためです。放置した時間に比例して、錆はみるみる広がります。
錆が広がると、腐食した部分を切り取って新しい鉄板を溶接する「切り貼り」という大がかりな作業が必要になります。費用は10万円、場合によっては20万円を超えることもあります。
放置のリスクを整理します。「サイドステップ(樹脂)の傷」→「サイドシル(鉄)まで傷が到達」→「錆の発生・進行」→「大掛かりな修理が必要」という順番でダメージが拡大していきます。傷が浅いうちに修理してしまうほうが、長期的にはお金の節約になります。傷の早期対処が条件です。
この段階でのリスク管理として活用できるのが、透明な保護フィルム(PPF)の貼り付けです。プロに施工してもらうことで、細かい傷から塗装面をしっかり守れます。剥がすときに塗装が一緒にはがれないよう、粘着力が適切なフィルムを選ぶことが重要です。
参考:池内自動車のコラムでは、サイドシル修理の費用相場と放置した場合のリスクについて詳しく解説されています。
縁石でこすったサイドシル!修理費用相場と傷を防ぐ対策・放置リスク - 池内自動車
社外品のサイドステップを後付けする際、または中古車を購入した際に「このサイドステップは車検に通るのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。実際、保安基準を満たさないサイドステップをつけたまま車検に持ち込むと不合格になります。
保安基準上のポイントは主に2つです。
① ボディ幅の拡幅が片側1cm以内であること
サイドステップを装着することで車幅が広がる場合、片側10mm(1cm)以内の拡幅であれば車検証の変更は不要とされています。これを超えると「構造変更検査」の対象になります。見た目が少し出ているだけでも、計測すると基準を超えている場合があるため注意が必要です。
② 最低地上高が確保されていること
サイドステップは「エアロパーツ」に分類されるため、車体本体の最低地上高(9cm)とは異なり、5cm以上の地上高があれば通常は問題ないとされています。ただし金属製や樹脂以外の素材の場合は基準が異なります。樹脂製かどうかの確認が先決です。
社外品のサイドステップを取り付ける前に、車種専用品かどうかを確認するのがいちばんの近道です。汎用品を無理に取り付けると、幅や高さが基準を超えるリスクがあります。車検対応と記載されている製品を選ぶのが原則です。
参考:国土交通省の保安基準に基づいたサイドステップ取り付けの注意点が解説されています。
ここからは、一般的な記事ではあまり取り上げられない実践的な傷防止の考え方を紹介します。
多くのドライバーは「縁石に当てないように気をつける」という意識を持っています。しかし実際には、縁石よりも「駐車場の車止めブロック」や「駐車場からの出口段差」でダメージを受けるケースが目立ちます。高さ5〜10cm程度(はがきの高さの半分〜同程度)の段差を普通のスピードで乗り越えるだけで、低めのサイドステップは地面に接触することがあります。
意識すべきポイントは「ゆっくり斜めに入る」です。段差を正面から垂直に乗り越えるのではなく、斜め方向(30〜45度の角度)から進入することで、片輪ずつ段差を越えられます。これにより車体が傾いた状態での段差通過になり、サイドステップへの接触リスクが大きく下がります。
傷防止アイテムとしては以下のような選択肢があります。
乗降時の靴によるキズも見落としがちな原因のひとつです。とくにビジネスシューズのような革底・金属ソールのある靴を履いているときは、乗り込む際に足先がサイドステップをこすりやすくなります。乗り込むときに少し大きくまたぐ意識を持つだけで、日々の小傷の蓄積を減らせます。意外ですね。
また、洗車時にサイドステップ下面を定期的にチェックする習慣も大切です。傷があっても自分では気づかないことが多く、錆が始まる前に発見できれば修理費を最小限に抑えられます。傷の早期発見が条件です。