

Rクラス(W251系で多い印象)の相談で、現場がいちばん時間を取られるのが「車高が落ちる」「片側だけ上がる/下がる」といったエアサス系です。一般論としてエアサスは経年・走行距離で故障が増え、原因はエアスプリング(ショック一体のエアバッグ)・コンプレッサー・バルブブロック周辺が定番です。とくにエアバッグ側のシールやゴム劣化→エア漏れ→コンプレッサー過負荷→焼き付き、という“連鎖”が起きやすいので、最初に漏れを見つけるのが勝ち筋です。
症状の切り分けは「止めている間に落ちるか」「走行中に車高制御が暴れるか」「左右差が出るか」で考えると分かりやすいです。止めている間に数日で車高が下がる症状は、エア漏れの典型で、バルブブロックの密閉不良やエアバッグ自体の劣化を疑う流れになります(経験談の記録も多い)。
参考)ベンツエアサス故障修理はタカコーポレーション | ベンツ修理…
意外に見落とされがちなのが、車高センサー(ハイトセンサー)リンク機構の固着・破損です。リンクが目視でズレていたり、ボール部の動きが渋いだけで、制御が誤学習して「片側だけ上がり続ける」挙動になることがあります。実例として、ハイトセンサーのボール部の動き不良が車高調整不良に効くため、潤滑と動作確認を行う、という整備レポートもあります。
参考)テックプラス
また、エアサス不具合は“足回り単体”で完結しないことがあります。車高異常の相談で、車高センサー、リンク破損、基準点のキャリブレーションずれをDASで確認できる、という指摘があり、初動で「診断+現物確認」を同時に回すのが合理的です。
参考)『メルセデス・ベンツR350についての質問です。誰か詳し..…
Rクラスに限らず、ベンツ整備で外せないのがオイル漏れです。タペットカバーパッキン、オイルパン、リアクランクシール、車種によってはオイルクーラーなど、定番ポイントがあり、放置するとハーネス/コネクターへの波及、ゴム部品の劣化、さらにはマフラー付着による白煙や臭い・最悪火災リスクまで広がり得る、という現場目線の注意喚起もあります。
Rクラス(W251)のユーザー記録でも、オイルクーラー由来を疑うような「盛大なオイル漏れ→ガスケット交換」という整備メモがあり、漏れ箇所の特定に“清掃→再発箇所の追跡”が効く典型例です。現場ではパーツ交換前に、リークの起点(上から垂れるのか、ケース合わせ面から滲むのか)を押さえないと、直したのに再来店、が起きます。
参考)オイルクーラーからのオイル漏れガスケット交換(メルセデス・ベ…
整備士向けに実務のコツを書くなら、次の順が事故りにくいです。
✅ まず洗浄して新旧の漏れを分ける(エンジン外周~アンダーカバー周り)。
✅ 走行後の熱が入った状態で再チェック(滲み方が変わる)。
✅ 漏れが電装へ回っている場合は、コネクター内への浸入も確認。
この「二次災害を止める」優先順位は、費用説明の説得力にも直結します。
参考)『メルセデス・ベンツR350についての質問です。誰か詳し..…
Rクラスは車格的に電装負荷が高く、バッテリー起点の不具合が「症状の見え方」を難しくします。整備現場の作業実績としても、R350(W251)のバッテリー交換の入庫例が普通に出てくるため、弱ったバッテリーは“前提条件”として疑う価値があります。
加えて、ベンツはサブバッテリー(非常用電源/バックアップ電源)を持つ車種が多く、W251が適合表に載っていることからも、メインだけでなくサブ側の状態も視野に入れるのが安全です。メイン電圧は正常でも、サブ系の劣化で警告や誤作動の火種になるケースがあるため、「電源の健全性」を最初に固めると診断が早くなります。
参考)ベンツ・サブバッテリー適合表
現場の段取りとしては、電装トラブルっぽい車両ほど、いきなり部品交換に走らず、
の順が再現性を作りやすいです。テスターだけでなく、基本測定で“電源がまとも”を証明できると、上司や顧客説明も通ります。
参考)https://www.goo-net.com/pit/blog/list?selectBrand=2025amp;selectCar=20251519amp;p=1
Rクラスは7速AT(7G-TRONIC)系の世代が多く、AT不調は「高額化しやすいのに、初期症状が曖昧」なのが怖いところです。一般論として7Gトロニックではフロントポンプ不良で大きな異音が出るケースがあり、対策として回転部分が真鍮製からベアリングへ変更された、というトラブル事例の整理もあります。
また、7Gトロニックはバルブボディがコンピュータ一体で、稀に故障し、パーツ代が30万円以上になることがある、という指摘もあり、「変速ショックが出た=即オイル交換」では片付かない領域です。だからこそ、整備側は“症状のログ化(いつ、何速付近、油温、負荷)”と“テスターの故障コード/実測値”をセットにして、作業の妥当性を積み上げる必要があります。
参考)メルセデス・ベンツ
とはいえ、予防整備の観点で言うと、ATFの管理は重要です。7G-TRONIC PLUS用ATFの注意として「従来の7G-Tronicには適合しない」旨が明記されている販売情報もあり、銘柄・規格の取り違えは現場で起こりうる事故ポイントです。ATF作業は「適合確認(ミッション型式/規格)→油量管理→学習/適応の扱い」まで含めて一つの作業だと割り切るのが安全です。
参考)Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ) 純正品 A…
検索上位の多くは「よくある故障」「修理代」へ寄りますが、整備士目線で一段深いのは“故障データの扱い”です。Rクラスの取扱説明書には、車両が故障時や異常時のデータを保存する機能があること、読み取られたデータは故障診断機で読み取られ使用後に消去されること、過去の移動経路を調べる用途ではないことが明記されています。
この記述が現場で役立つのは、顧客説明で「たまたま出た警告灯」か「繰り返し出ている異常」かを、診断機ログと合わせて冷静に話せる点です。さらに、同説明書には「日ごろと異なる音やにおい」「駐車場所に水やオイルの跡」があったら指定サービス工場で点検、という趣旨も書かれており、軽微な異常の段階で介入する重要性が示されています。
そして二次災害の代表が、オイル漏れ→ハーネス汚損→電装不調の連鎖です。ベンツ整備の注意点として、漏れ放置がコネクターや電装関係に波及しダメージが広がる、走行風で飛散したオイルがゴム部品を傷める、という現場の具体が語られています。点検入庫の段階で「漏れの起点を止めるのが先」「その後に電装修理を評価」ができると、修理総額を抑えやすく、結果として信頼も残ります。
参考:取扱説明書(故障データの保存、点検の考え方の根拠)
https://www.mercedes-benz-service.jp/myservice/home/info/manual/pdf/R_MBJCSD32420-100900060H.pdf
参考:オイル漏れ放置による二次災害(ハーネス、ゴム部品、火災リスク)と定番修理箇所の考え方
メルセデスベンツよくある故障整備箇所5選