オイルクーラー サーモスタットの役割と取り付けメリット

オイルクーラー サーモスタットの役割と取り付けメリット

オイルクーラー サーモスタットの役割

オイルクーラーとサーモスタットの基本機能
🌡️
適切な油温管理

エンジンオイルを90℃~100℃の理想的な温度範囲に保ち、エンジン性能を最大限に引き出します

⚙️
自動温度制御

サーモスタットが70℃~80℃で作動し、オイルクーラーへの流量を自動的にコントロールします

🛡️
エンジン保護機能

オーバーヒートとオーバークールの両方を防ぎ、エンジンの寿命を延ばします

オイルクーラーとサーモスタットは、エンジンオイルの温度を適切に管理する重要なパーツです。エンジンの最も良い状態は、良質でクリーンなオイルが流れているとき、オイルの温度が90℃~100℃で維持されることが理想とされています。オイルの温度が高すぎると、オイルが分解分離し、油膜が薄くなり、油圧が危険なレベルまで低下します。逆に冷えすぎていると、オイルの温度が上がらず、結露によるオイルの希釈や粘度が適切でないため、これもエンジンにダメージを与えます。
参考)誰も教えてくれない         オイルクーラーの話し 8…

サーモスタットは温度に反応してスイッチが自動的に入ったり切れたりする装置のことで、エアコンやコタツなどで一定の温度に達すると作動する仕組みと同じです。バイクや車の場合は、エンジンの温度管理のために使用されており、温度が高すぎても低すぎてもエンジンは性能を発揮することができません。
参考)サーモスタット - ヤマハ バイク ブログ|ヤマハ発動機株式…

オイルクーラーに使用されるサーモスタットは、形状記憶合金を利用したタイプが主流となっています。この形状記憶合金は一定の温度に達するまで弁が開かないため、バイメタル式よりも早くエンジンオイルの温度を上昇させることができます。​

オイルクーラー サーモスタットの仕組みと構造


オートバイエンジンオイルクーラー、17PCSオートバイオイルクーラーラジエーターセット、モンキー125cc‑140cc用4列エンジンオイル冷却キット、ダートバイクオイルクーラー冷却エンジンラジエーターキット (青)

 

オイルクーラーサーモスタットは、オイルクーラーのオイルラインに装着され、エンジンオイルの温度によってコアへの流量をコントロールする役割を担っています。サーモスタットの作動開始温度は70℃前後で、サーモスタット全閉温度は80℃前後に設定されています。
参考)https://www.acv.co.jp/02_support/howto/1343116.pdf

エンジンを始動した後や冬場など、早くエンジンを温めたいときには、サーモスタットの弁が閉じた状態になっています。このサーモスタットは約90°から100°になるまで弁が閉じており、エンジンが温まりそれ以上の温度になると、やっと弁が開いてオイルクーラーにオイルが流れて冷やされるわけです。youtube​
サーモスタットは、オイルクーラーへの循環経路を閉じ、エンジンへの戻りを早め、オイルを素早く温度上昇させることができるようになります。その後、設定温度でサーモスタットが開き、適切な油温を維持するためにクーラーへ可変的に循環します。​
HKS製のオイルクーラーなど多くの製品では、サーモスタットバルブ作動開始温度が70℃(±3℃)、サーモスタットバルブ全閉温度が80℃(±3℃)に設定されています。この温度設定により、エンジンに適した油温を維持することが可能になります。
参考)オイルクーラーキット / 製品情報 / 株式会社HKS

オイルクーラー サーモスタットの作動温度と制御

サーモスタットの作動開始温度は70℃からとなり、75℃を超えるとオイルクーラーにオイルが循環するようになります。サーモスタット本体の温度には誤差がなく、正確な温度制御が行われます。
参考)Works Izumi - 製品−バイクサーモスタット(コン…

オイルクーラーを通ってオイルがエンジンに戻ると、温度は10°から20°低くなります。この冷却効果により、エンジンオイルは適切な温度範囲内に保たれます。youtube​
サーモスタットには、コアの潰れやラインのツマリなど、油圧が異常に上昇した場合にオイルをリリーフさせ、コアをバイパスしてエンジンを保護するリリーフ機能も組み合わされています。これにより、非常時の安全対策も考慮された設計となっています。​
形状記憶合金を採用したサーモスタットは、エンジンオイルの温度が低いとき、エンジンを始動してからエンジンが温まるまでは、オイルクーラーコアへオイルが流れることなく、すばやく暖機が行えます。走行中に外気温が低く油温が下がった場合には、サーモスタットが作動しオーバークールを防ぎます。​

オイルクーラー空冷式と水冷式のサーモスタット違い

オイルクーラーには空冷式と水冷式の2種類が存在し、それぞれサーモスタットの使い方が異なります。空冷式オイルクーラーは、冷却水用ラジエーターと同様に、熱伝導率の高い銅などを用いた配管にオイルを循環させ、配管に取り付けたフィンで放熱することでオイルの冷却を行います。
参考)冷却でオイル性能を保つ?オイルクーラーの仕組みと主な故障原因…

空冷式の場合、オイルの温度が低い状態でオイルクーラーが作動すると、エンジン始動時の暖機に時間がかかったり、走行中にオーバークールに陥ることがあります。そのため、オイル循環回路の中にサーモスタットが組み込まれているものが多く存在します。​
一方、水冷式オイルクーラーは、基本構造は空冷式と同じですが、冷却回路に直接オイルを循環させるのではなくクーラント(冷却水)を循環させて2次的にオイルの冷却を行います。空冷式よりも熱交換効率が高く冷却性能に勝るため、同等の冷却能力を持つ空冷式よりも小型化することができます。​
水冷式オイルクーラーの大きな特徴は、冷却限度が冷却水温度であることからサーモスタットを搭載する必要がなく、外気温が低い場合はウォーマーとしての効果が期待できる点です。また、オイルラインが必要ありませんので、オイル漏れや油圧低下の心配が少ないのもメンテナンスの上での大きなメリットになります。
参考)https://www.pro-service.jp/COOL.html

純正部品として販売されている水冷式オイルクーラーユニットは、常時循環しているヒーターラインの冷却水を使用しているため、油温よりも水温が常に下回っていれば確実にエンジンオイルを冷却してくれます。ストリートでの使い勝手は非常に良好で、水温と油温がシンクロしてくれますからエンジンのウォームアップが早くできることもメリットのひとつです。​

オイルクーラー サーモスタットの取り付けと選び方

オイルクーラーサーモスタットを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。基本的には、風通しの良い場所に設置できる大きさのオイルクーラーと、オイルの温度を適正に保つためのサーモスタットを追加するのが一般的です。
参考)誰も教えてくれない         オイルクーラーの話し 3…

オイルクーラーの重要なポイントの1つは、オイルが流れる入口と出口のサイズです。小さすぎると油圧が低下するので、抵抗のないサイズを選ぶようにしてください。多くの場合、軽自動車なら#8AN、普通車なら#10ANサイズのフィッティングやホースが一般的です。​
サーモスタット本体には固定用穴が新設されており、ユニオンにワッシャーを通してサーモスタット本体に取り付けます。ユニオンのテーパー部にオイルを少量塗布して締付けることが推奨されています。オイルホース締め込み時には、ユニオンを固定して締め込む必要があります。​
サーモスタットとオイルクーラーホースは、マフラー・エンジン・キャブレター等へ接触しないように取り付けを行う必要があります。接触する場合は、断熱・保護材等を使用してください。振動によりサーモスタット・エンジン等が破損する恐れがあるためです。​
油温計のセンサー取り付け位置によっては、サーモスタットと10℃以上差がある場合があります。サーモスタット取り付け後は、エンジンを始動してオイル漏れ等ない事を確認してください。​
ただし、競技車両に限って言えばサーモスタットはオイルの流れを阻害する場合があるので必須とは言えません。サーキット走行など高負荷走行が中心の場合は、サーモスタットなしでの使用も検討されます。​

オイルクーラー サーモスタットのメリットとデメリット

オイルクーラーにサーモスタットを装着することには、多くのメリットがあります。最も重要なメリットは、オイルクーラーへの循環経路を閉じ、エンジンへの戻りを早め、オイルを素早く温度上昇させることができる点です。これにより、エンジン始動時の暖機時間が短縮され、エンジンへの負担を軽減できます。​
サーモスタット制御のオイルクーラを追加することは、エンジンを適切な温度に保つための最良の解決策となります。サーモスタットなしでオイルクーラーを使用する場合は、走行前にエンジンを暖めて、オイルが適切な温度になるまで時間をとるようにする必要があります。​
一方で、デメリットも存在します。部品点数やコスト増加、取付け工数や作業時間が必要になります。また、定期的な点検を行う必要があり、付けっぱなし・乗りっぱなしには出来ません。​
サーモスタットを設置しない場合、冬場や外気温が低い時にオイルが冷えすぎてしまい、オーバークールを起こす可能性があります。オイルが冷えすぎると粘度が高くなり、エンジン内部での抵抗が増加し、燃費の悪化やエンジンの摩耗につながります。
参考)サーモスタットの役割とは?寿命や交換方法について解説

オイルクーラー装着時の注意点として、想像以上に冷えない場合があることや、整備性が悪くなる可能性があります。また、ハンドル切れ角に制限が出ることもあるため、取り付け位置には十分な配慮が必要です。
参考)オイルクーラーと適正油温 - XJR乗りを応援する、バイク親…

水冷式オイルクーラーの場合、高温になる冷却水を使用するため空冷式に比べ冷却力は弱いです。また、オーバーヒート等で水温が著しく上昇した場合、油温にも影響を与えてしまうというデメリットもあります。
参考)オイルクーラーのメリットやデメリットを解説!ユーザーに人気の…

オイルクーラー サーモスタットの交換時期と故障症状

サーモスタットは消耗品であり、経年劣化によって正常に機能しなくなる可能性があります。一般的には、2~3年または4万~5万km毎の交換が推奨されています。また、タイミングベルトウォーターポンプと同様に、10年または10万kmを目安に交換が推奨されています。
参考)サーモスタットの寿命はどれくらい?交換時期の目安と故障サイン…

サーモスタットが故障すると、いくつかの症状が現れます。最も分かりやすい症状は、エンジンがオーバーヒートを起こすことです。これは、サーモスタットのバネが閉じたままになると発生してしまう症状で、エンジンの破損につながる危険な状態です。​
逆に、サーモスタットのバネが開いたままになってしまうと、低温の冷却水が循環し続けるため、エンジンが温まらない「オーバークール」という症状を起こします。オーバークール自体はエンジンの大きな故障にはつながりませんが、コンピューターがエンジンの温度が低いと判断し、燃料を濃く噴射するため燃費が悪くなってしまいます。​
正常なサーモスタットは、冷えている状態では弁がしっかり閉じています。一方、要交換のサーモスタットは冷えていても弁が開いたまま状態になっています。この状態は寿命のサインです。
参考)サーモスタットの交換目安と見分け方|旧車整備の基本知識│BO…

オイルクーラーが正常に機能しているかチェックする方法として、オイルクーラー本体が熱くなっているかを確認することができます。サーモスタットの不具合でオイルクーラーにオイルが回っていない場合、オイルクーラーが冷たいままになります。
参考)http://www.ohv-boxer.com/c-board-01/c-board.cgi?cmd=ntr%3Btree%3D12916%3Bid%3D

サーモスタット交換時には、冷却水のエア抜きを確実に行わないと、オーバーヒートの原因となることがあります。作業中は冷却水が高温になることがあるため、エンジンが完全に冷えてから作業を行うことが重要です。​
HKS公式サイト - オイルクーラーキット製品情報
HKS製オイルクーラーの詳細な仕様や、サーモスタットの作動温度などの技術情報が掲載されています。

 

アクティブ製サーモスタット取扱説明書(PDF)
サーモスタットの取り付け手順や仕様、注意事項について詳しく解説されています。

 

 


Murakush 13列 オイルクーラーキット オイルフィルター サンドイッチアダプター ナイロン ステンレス鋼 編組ホース 黒+6721