

ジープxjチェロキーの冷却トラブルは、単純に「ラジエーターが古い」だけではなく、渋滞や低速時に水温が上がるパターンかどうかをまず押さえるのが近道です。特にアイドリング中に水温計が急上昇する、エアコンが効かないなどが同時に出る場合、電動ファン周り(ファンモーター、温度を拾うセンサー系、配線)を疑うのが基本線になります。ファンは水温が上がるとスイッチが入って回り、下がると止まる仕組みなので、「回るべき条件で回っていない」ことを確認できれば診断が一段進みます。
現場で役立つのは「水温上昇の速度感」です。JAFの再現テスト例として、ファンが止まった状態だと水温が1分ごとに5度以上上がり、数分で115度を超えた頃からリザーバーに冷却液が噴き出す、さらに進むと異音や回転の滑らかさ低下が出た、という具体的な挙動が紹介されています。こういう“短時間での急上昇”は、循環不良(サーモスタット固着、ウォーターポンプ、詰まり)よりも、放熱側(ファン不作動、ラジエーター能力不足、外気流不足)で起きやすいので、問診で「止まっている時に上がるのか」を必ず拾ってください。
一方で、年式の古い個体はクーラント管理が悪いと錆が回り、冷却系の水路が詰まり気味になる話も出ています。冷却水のメンテ不足が原因で錆が発生し、水路が詰まり気味→夏場に不安、という指摘は中古購入相談でも語られています。整備士目線では、ラジエーター交換だけで決め打ちせず、抜いた液の状態(錆色、固形物)と、ヒーターの効き・温度ムラなど“循環品質”も一緒に評価すると、再発クレームを避けやすいです。
冷却系の見積りでは「ついで交換」を説明できると納得が取りやすいです。ファンモーター系の交換と同時に、サーモスタット、ウォーターポンプ、ホース、シール、LLCなどを同時に検討する例が挙げられており、結果として工賃の重複を減らしつつ、二度手間を避ける方向で提案しやすくなります。
冷却系(ファン・水温上昇・同時交換の考え方)の参考。
パーツスペシャリスト山口:オーバーヒート時の症状・電動ファンの仕組み・JAFテストの具体例
ジープxjチェロキーで「セルは回るのに始動しない」「突然かからない」という相談が来たら、クランクポジションセンサー(CPS)を疑うのは定番です。整備事例として、CPS不良でクランク位置が取れず始動できない→交換で完治、という記載があり、診断ロジックとしても筋が通っています。ここは点火系・燃料系を闇雲に追うより、まずは“回転信号が見えているか”を押さえた方が時間を短縮できます。
さらに、意外にハマりやすいのが「点検のために外したCPSを、そのまま戻して壊す」パターンです。4.0LのCPSは取り付けにクセがあり、再装着時に注意しないと砕け散る、という注意書きが整備事例に明記されています。つまり、CPSを疑って外すなら、再使用前提の脱着を避ける(新品同時手配、もしくは取り外し前にできる確認を最大化する)という段取りの方が、結果的に安く済むことがあります。
現場の会話で効くポイントは「症状の出方」です。CPSは完全に死ぬと始動不能ですが、熱で症状が出る個体もあるため、入庫時に“冷間ではかかるか”“熱間再始動だけ悪いか”を聞き分けると、再現走行や暖機放置の必要性を判断しやすいです。オーナーは「たまに」「気まぐれ」と表現しがちなので、整備側が条件を言語化してあげると、診断の精度が上がります。
始動不能(CPSの原因と、取り付け注意)の参考。
CJD-SRT:クランクポジションセンサー不良で始動不能、4.0Lの取り付け注意点
ジープxjチェロキーの始動系で、もう一つ“整備士が先回りしておきたい”のがインヒビタースイッチ(シフトポジションスイッチ/ニュートラルセーフティスイッチ)系です。症状の典型は「PではかからないがNならかかる」「シフトを揺するとかかる」「バックランプが不調」などで、海外の整備系解説でも“悪いNSSのサイン”として挙げられています。こういう症状はバッテリーやスタータに見えて、実はレンジ認識の接触不良だった、という展開になりやすいので注意が必要です。
整備事例としても、DTCは出ないがスタータが動かない→インヒビタースイッチ動作不良→分解清掃で完治、という記載があります。ここがポイントで、電子制御が薄い世代ほど「コードが出ない接触不良」があります。現場では、スタータ系の電圧降下測定やリレー確認の前に、問診で“PとNで差があるか”を必ず聞くと、診断が一気に短縮します。
分解清掃で復帰するケースがある一方で、固着や腐食が強い個体は、取り外し自体が難航することもあります。整備提案としては「まずは分解清掃で復帰を狙う」「ダメなら交換」「交換時はハーネス側やコネクタも同時に点検」と段階を切って説明すると、費用の納得が取りやすいです。
インヒビタ(NSS)の症状例の参考。
NSS不良の典型症状(Pでかからない、シフターを揺するとかかる、バックランプ不良など)の解説
検索上位の“故障あるある”は冷却系・センサー系に寄りがちですが、現場で地味に効く独自視点は「配線とアースを先に疑う」ことです。整備事例では、NO BUS表示が出て診断機が作動しないケースで、3番・4番アースの導通不良があり、エンジンブロック後側のアースポイント(G102)の緩みを直して復旧した、という記載があります。つまり、ECU不良やハーネス総交換に飛ぶ前に、アース1点で直ることが実際にある、ということです。
さらに、インジェクタハーネスのショートや、配線の取り回しによる干渉が原因で不調・ストールに至る例も同じページに載っています。こうした“当たり前だけど深追いされにくい”領域は、車齢が進むほど優先度が上がります。XJはカスタム(リフトアップ、補機追加)も多く、後付け配線が増えるほど、圧着・アース・ヒューズボックス周りの品質がブレます。
実務での手順はシンプルです。
ここを押さえると、原因不明で時間が溶けるケースが減り、結果的に利益も守れます。オーナー説明でも「旧車は部品そのものより接点が弱る」という言い方にすると、過剰整備ではなく妥当な点検として通りやすいです。
アース不良・配線ショートの整備事例の参考。
CJD-SRT:NO BUSでアースポイント緩み、ハーネス干渉やショートによる不調事例

1.5インチ リアシャックル再配置キット 1984-2001 ジープ チェロキー XJ 2WD/4WD ジープ コマンチ MJ 1986-1992用