hfo1234yf vs r1234yf、価格と性能の徹底比較

hfo1234yf vs r1234yf、価格と性能の徹底比較

hfo1234yf vs r1234yf、価格・性能・安全性を徹底比較

新型車に乗り換えただけで、エアコンガス補充代が来の7倍以上になる場合があります。


🔍 この記事でわかること
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hfo1234yfとr1234yfは「同一物」

名称の違いで混乱する人が多いが、HFO-1234yfとR-1234yfはまったく同じ冷媒。表記ルールの違いにすぎない。

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補充費用は最大15倍の衝撃

旧冷媒R134aの200g缶が約1,000円に対し、R1234yfは同量で約15,000円。ガス補充の総額でも最大7倍の差が出ることがある。

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自分の車の冷媒はボンネットで確認できる

エンジンルーム内のコーションラベルを見れば、どの冷媒が使われているかすぐにわかる。事前確認で余計な出費を防げる。


hfo1234yfとr1234yfの「名称の違い」とは何か





「hfo1234yf」と「r1234yf」を別物だと思って検索している方は少なくありません。結論からいうと、この二つはまったく同一の冷媒です。


「R-1234yf」は冷媒の国際的な識別番号(ASHRAEによる命名ルール)による呼び名で、「HFO-1234yf」はその化学的分類名(ハイドロフルオロオレフィン:HydroFluoroOlefin)を頭に付けた表記です。どちらも同じ物質、化学名「2,3,3,3-テトラフルオロプロペン」を指しています。つまり、メーカーや整備書によって使い分けられているだけです。


混乱が生じやすいのは、ガスボンベのパッケージや整備マニュアルによって表記が異なるためです。たとえば、日本ハネウェル社の製品名「ソルスティスyf」も同一物質です。


覚えておくべきことは一つ。「HFO-1234yf」=「R-1234yf」=「R1234yf」は、すべて同一の新冷媒だということです。旧冷媒「R-134a(HFC-134a)」の後継として、環境配慮を目的に開発・普及が進んでいます。


これが基本です。





























表記 意味 同じ物質?
R-1234yf ASHRAE冷媒番号による標準表記 ✅ 同一
HFO-1234yf 化学分類(ハイドロフルオロオレフィン)付き表記 ✅ 同一
ソルスティスyf ハネウェル社の製品名 ✅ 同一
R-134a / HFC-134a 旧冷媒(代替フロン) ❌ 別物


日本冷凍空調学会によると、HFO-1234yfはHFC-134aと物性が似ており、冷却性能・エネルギー効率の違いも5%以内と報告されています。つまり実用上、ほぼ同等の性能です。


参考:HFO-1234yfの物性・GWPや冷却性能についての技術解説(日本冷凍空調学会)
HFO-1234yf|日本冷凍空調学会 用語集


hfo1234yfが搭載されている車種と確認方法

「自分の車はどっちのガスを使っているのか?」という疑問は非常に重要です。間違ったガスを補充すると、エアコンシステムが損傷するリスクがあるためです。


確認方法はシンプルです。ボンネットを開け、エンジンルーム内またはエンジンフード裏に貼ってある「コーションラベル(注意ラベル)」を見てください。そこに「R-1234yf」または「R-134a」の表記があります。どちらの冷媒が使用されているか、一目でわかります。


車種別の傾向として、おおよそ以下のように整理できます。



  • 🟢 R1234yf搭載が多い車種:2018年以降に発売または一部改良された新型乗用車(トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツ、マツダなど多くの国産メーカーが順次切り替え済み)

  • 🟡 混在している車種:同一車名でも年式により冷媒が異なるケースがある(例:スズキ・ジムニーは2022年7月改良モデルからR1234yfに変更)

  • 🔴 R134aのままの車種商用車(バン、トラック)は2029年度まで移行猶予があり、HiAce(バン)・NV200バネット・エルグランドなど一部旧世代モデルはまだR134aを使用中


特に注意が必要なのは、同じ車名・同じシリーズでも製造年月によって冷媒の種類が変わっている点です。中古車を購入した場合も、年式だけで判断せず、必ずコーションラベルで確認するのが原則です。


意外ですね。


参考:R-1234yf適合車種一覧(メーカー・型式・年式別)
R-1234yf適合車種一覧(福田潤滑油・京都)


hfo1234yfとR134aの価格差は最大15倍、補充費用の実態

「少しくらい高くなるかな」では済まない価格差がここにあります。


自動車専門誌「モーターファン」の実態調査(2024年8月)によると、旧冷媒R134aの200g缶単価が約1,000円なのに対し、R1234yfの同サイズ缶は約15,000円。単純計算でガス単価が15倍です。さらに工賃も、専用充填機(約100万円の設備投資が必要)の回収コストが上乗せされるため、R134aに比べて約1.7倍に膨らみます。


スズキ・ジムニーで具体的に比較すると、以下のような差が生まれます。




























項目 旧型ジムニー(R134a) 現行ジムニー3型~(R1234yf)
ガス単価(200g) 約1,000円 約15,000円
工賃(充填作業) 標準工賃 約1.7倍
ガスフル充填の総額目安 約5,500円 約38,500円
差額 ⚠️ 約7倍(33,000円の差)


これは補充だけの話です。ガス漏れ箇所の修理を含めると、さらに費用は膨らみます。ベストカーWEB(2023年)によると、R-1234yf車の工賃込みガス補充は「3万〜5万円程度」という整備現場の声もあります。


痛いですね。


さらに見落とされがちなのが中古車購入時のリスクです。「ガス漏れあり」の状態で売られている中古車を安値で買った場合、修理費用が想定以上になるケースがあります。購入前にエンジンルームのコーションラベルを確認し、R1234yf搭載車かどうかを把握しておくことが、出費を防ぐ一番シンプルな対策です。


参考:HFO-1234yf補充コストとジムニー新旧の費用比較(モーターファン記事、2024年)


hfo1234yfの可燃性と安全性、R134aとの決定的な違い

多くのドライバーが見落としているのが、R1234yfの「可燃性」という特性です。


旧冷媒R134aは不燃性でした。一方、R1234yfはASHRAEの分類で「A2L」(微燃性)に区分されます。これは「通常の使用条件下では燃えにくいが、一定の条件下では燃焼する可能性がある」ことを意味します。高圧ガス保安法では「特定不活性ガス」に分類されており、取り扱いには専門的な注意が必要です。


日本冷凍空調学会が公表している安全評価研究によると、微燃性冷媒が漏洩した場合、特定の条件下(高温環境、点火源の存在)では燃焼リスクが高まるとされています。このため、R1234yf対応の専用充填機はガス漏洩センサーを内蔵しており、作業安全に配慮した設計になっています。


これを受けて、整備現場での作業ルールも変わっています。



  • 🔧 R1234yf専用の充填機(R134a用とは別機種)が必要

  • 🔌 充填ポートの形状がR134aとは異なり、誤接続を物理的に防止する仕組みになっている

  • 🚫 DIYでの補充はR134a以上に危険であり、専門業者への依頼が必須


つまり「DIYで安く済ませよう」という発想は、R1234yf車には当てはまりません。可燃性ガスを扱うリスク、専用機器が必要なこと、誤充填のリスク(後述)を考えれば、ディーラーまたは認定整備工場への依頼一択です。


これは必須です。


DIYでガス補充を試みようとしている場合は、まずエンジンルームのコーションラベルで冷媒種類を確認し、R1234yfと書いてあれば速やかに専門業者に連絡することをおすすめします。


参考:R1234yfを使用した自動車の取扱い上の注意事項(経産省関連・ELV研究所)
HFO-1234yfをカーエアコン用冷媒として使用する自動車の取扱いに関するガイドライン(ELV研究所)


hfo1234yfとR134aの「混入・誤充填」リスク、知らないと修理代が数万円

「R134aとR1234yfは、どうせ似たようなガスなんだから混ぜても大丈夫だろう」という思い込みは非常に危険です。


この二つの冷媒は混用・誤充填が絶対に不可です。物性が異なるため、誤って混入させると圧縮機(コンプレッサー)の異常摩耗や過熱、最悪の場合はコンプレッサーの破損につながります。冷媒ガスはシステム内の潤滑油とも密接に関係しており、R134a用の油(PAGオイル)とR1234yf用の油(ND-OIL11/12など)も別物です。混入すれば内部で化学反応が生じ、システム全体の交換が必要になるケースもあります。


海外の整備フォーラム(Reddit)では、「R1234yf車にR134aを混入させてしまい、除染(コンタミ除去)作業だけで$450以上かかった」という報告が複数存在しています。日本円換算で6万円超えの出費です。


では、誤充填を防ぐためにどうすればよいか。物理的な誤充填防止機構が設けられています。R1234yf用の充填ポートはR134a用と形状が異なり、専用カプラーでなければ接続できない設計になっています。これが条件です。


しかし問題なのは、インターネット上では「変換アダプター」が流通していることです。こうしたアダプターを使って間違った冷媒を補充することは、システム損傷だけでなく、R1234yfの可燃性リスクの観点からも極めて危険な行為です。絶対にやってはいけない操作です。



  • ❌ R134a車にR1234yfを入れる → エアコンシステムが壊れる可能性あり

  • ❌ R1234yf車にR134aを入れる → コンプレッサー損傷・除染で数万円超えの修理費

  • ✅ 必ずコーションラベルで確認してから補充依頼を専門業者に


車のエアコンのガス補充を依頼する際は、「この車に使っている冷媒は何ですか?」と整備士に口頭で確認し、作業前に認識を合わせるだけで大きなトラブルを回避できます。メモしておくだけで十分です。


参考:R1234yfとR134aの誤充填リスクと冷媒の互換性に関する解説
R134aとR1234yfの違いとは?新旧冷媒を徹底比較


hfo1234yfが普及した本当の理由、フロン排出抑制法と地球温暖化係数GWPの関係

なぜ突然こんなに高い冷媒に切り替わったのか、腑に落ちない人もいるでしょう。背景には法的な義務があります。


「フロン排出抑制法」(正式名称:フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)の中に「指定製品制度」という仕組みがあり、自動車用エアコンも指定対象となっています。この制度では、各自動車メーカーが年間出荷台数の加重平均GWP(地球温暖化係数)を「150以下」にすることを求めています。達成目標年度は乗用車が2023年度、商用車(トラック・バス)が2029年度です。


GWPとは「地球温暖化への影響の大きさを示す数値」で、CO₂を基準の「1」として表します。R134aのGWPは1,430。これはCO₂の1,430倍の温暖化効果があることを意味します。対してR1234yfのGWPはわずか「1以下(IPCC AR5基準)」。差はなんと1,430倍です。


これが基本です。


経済産業省によると、2024年時点でも一部乗用車にR134aが残っているケースがありますが、これは加重平均で「150以下」を達成していれば法的問題はなく、全台数が即切り替え必須というわけではありません。10台に1台程度なら混在しても基準内という計算になります。ただし、2025年以降の新型乗用車においては実質的にR1234yfへの切り替えがほぼ完了している状況です。


GWPに関するもう一つの特徴として、R1234yfは大気中での寿命がわずか「11日」です。対してR134aは大気中に500年以上滞留するとされています。つまり、仮にガスが漏れたとしても、R1234yfは短期間で分解されるため、環境負荷が圧倒的に低いのです。いいことですね。


この観点から、今後さらなる車種への普及が続く可能性が高く、ドライバーにとってR1234yfの知識は「知っていて当然」の基礎情報になっていきます。補充コストの高さは避けられませんが、定期的なエアコンの点検によってガス漏れを早期発見し、大量補充を防ぐことが現実的な節約策となります。


参考:R1234yfとGWPの関係、フロン排出抑制法の概要
R1234yf冷媒 特長とセンサーの紹介|NISSHAエフアイエス




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