ブレーキパッド残量の見方と交換時期の正しい判断基準

ブレーキパッド残量の見方と交換時期の正しい判断基準

ブレーキパッド残量の見方と交換時期を正しく知る方法

警告灯が出ていなくても、ブレーキパッドが2mm以下でそのまま走っている人が実際に多くいます。


この記事でわかること
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ブレーキパッド残量の正しい見方

ホイールの隙間や点検窓を使った目視確認の手順を、ステップごとにわかりやすく解説します。

⚠️
交換すべき残量の目安

残量3mm・2mm・1mmでそれぞれどんな危険が起きるか、具体的な数字で理解できます。

💰
放置するとどれだけ損するか

ブレーキパッドの交換を先延ばしにすると、ローター交換まで必要になり修理費が数万円単位で膨らむ理由を解説します。


ブレーキパッド残量の見方|ホイール越しの目視確認手順





ブレーキパッドの残量を自分で確認するのは、難しそうに感じるかもしれません。しかし正しい手順を知っていれば、特別な工具がなくても大まかな状態を把握することは十分に可能です。


まず確認しておきたいのが「点検窓(点検孔)」を使った方法です。ブレーキキャリパー(ブレーキパッドをディスクに押しつける装置)には、点検用の小さな窓が設けられており、そこからブレーキパッドの厚みを目で見ることができます。ホイールを外さずに確認する場合は、タイヤとホイールの隙間からキャリパーの方向を覗き込みます。スポークタイプのホイールやメッシュデザインのホイールであれば、隙間からある程度見えることも多いです。ただし、ホイールのデザインによっては全く見えない場合もあります。


より確実に残量を知りたい場合は、ホイールを外すのが基本です。


手順はざっくりと以下の通りです。


  • 🔧 車をジャッキアップし、ホイールを取り外す(必ずエンジンを止め、安全な場所で作業すること)
  • 🔎 ブレーキキャリパーの点検窓(中央付近にある穴)から、パッドの厚みを目視で確認する
  • 📏 定規やノギスがあれば、パッドの摩擦材部分の厚みを実測する
  • 🚗 前輪はハンドルを左右に切ると、キャリパーが見やすい角度になる


新品のブレーキパッドの厚みはおよそ10mm程度あります。残量が5mm程度であれば「名刺2枚重ね」くらいの厚さのイメージで、まだ余裕がある段階です。残量が3mmを下回ると、交換を本格的に検討すべき時期です。2mm以下はJAFも「使用限度」と定義しており、速やかな交換が必要な状態です。


目安が数字だとピンとこないかもしれません。3mmは「消しゴムの角」くらいの厚さ、2mmは「クレジットカードの厚み2枚分」に相当します。日常の感覚に照らし合わせると、その薄さが実感できるはずです。


自分でホイールを外すことに抵抗がある場合は、ガソリンスタンドやカー用品店でも気軽に点検してもらえます。


ブレーキパッドの残量確認について、JAFの公式情報も参考にしてください。


JAF|ブレーキパッドの磨耗状態はどこで分かりますか?(公式Q&A)


ブレーキパッド残量の交換時期サイン|音・警告灯・フルードで判断する

目視で確認するのが一番確実ですが、日常的なドライブ中にも交換時期を教えてくれるサインが3つあります。これを知っておくと、気づかないまま放置するリスクを大幅に減らせます。


① ブレーキ時の異音(キーキー・シャー・ゴー音)


多くの国産車には「パッドウェアインジケーター」という金属製の小さな部品がブレーキパッドに取り付けられています。残量が少なくなると、この部品がブレーキディスクに直接触れ、「キー」「シャー」という金属音を発生させます。これが交換のサインです。


さらに放置すると「ゴー」という低い音が出てきます。これはパッドの摩擦材がほぼなくなり、金属プレートがディスクに当たっている状態で、ディスクローター(ブレーキの金属円盤)が削れ始めているサインです。ここまでくると、パッドだけの交換では済まなくなります。


② ブレーキ警告灯の点灯


ダッシュボードのメーターパネルに赤い「!」や「P」マークが点灯した場合、ブレーキパッドの残量低下が原因のひとつである可能性があります。ただし、警告灯が出る仕組みはブレーキフルードの液面低下と連動しているため、すべての車種・状況でパッド残量を直接感知するわけではありません。また、センサーが搭載されていない車種では警告灯が出ないケースもあります。これが重要なポイントです。


つまり「警告灯が出ていないから大丈夫」は間違いです。


③ ブレーキフルードの液面低下


ブレーキパッドが減ると、ブレーキキャリパーのピストンが多く押し出された状態になり、ブレーキフルード(ブレーキオイル)がリザーバータンクから引き込まれます。エンジンルームのリザーバータンクを見て、液面が「MIN」ラインを下回っていたら要注意です。


これは液漏れが原因の場合もあるため、液面が下がっていたらブレーキパッドと合わせて専門店での点検をすることが安心です。


3つのサインのうち、どれか1つでも当てはまったら早めに確認することが原則です。


ブレーキパッド残量ごとの状態|3mm・2mm・1mmで何が起きるか

残量によって「リスクの大きさ」は大きく変わります。数字と状況を対応させて理解しておくと、いざというときの判断が早くなります。


残量の目安 状態・リスク 対応
5mm 新品の約半分。制動力は十分だが、摩耗ペースが加速し始める時期 引き続き定期チェックを継続する
3mm ⚠️ 交換推奨ライン。警告灯が点灯し始める車種もある 早めに整備工場・カー用品店で交換を検討する
2mm以下 🚨 使用限度(JAF基準)。ブレーキの効きが著しく低下する可能性 速やかに交換が必要。走行を極力控える
1mm以下 💥 ディスクローターへの金属接触が始まる。異音・制動不能のリスク 即時入庫が必要。ローター交換も視野に入れる


特に注意が必要なのは「3mmを下回ってから急激に薄くなる」という点です。5mmから3mmに達するまでよりも、3mmから0mmに達するまでの方が、走行距離あたりの減りが体感的に速く感じられます。


3mm以下になると、急ブレーキや坂道走行でパッドに大きな熱と圧力がかかるため、一気に消耗が加速しやすくなります。「まだ3mmある」と安心するのは危険です。


また、残量1mm前後になるとパッドが割れるリスクも出てきます。割れたパッドの破片がディスクローターを傷つけ、ブレーキ系統全体が大きなダメージを受けることがあります。


残量が0mmに近い状態は「ブレーキパッドの厚みがゼロ=ブレーキが存在しない」状態と同義です。これは文字通り命に関わります。


ブレーキパッド残量の放置でローター交換まで必要になる理由

「ブレーキパッドの交換を後回しにしたら、修理代が3倍以上になった」というケースは珍しくありません。その理由を知っておくと、早めの交換が「節約」であることが理解できます。


ブレーキパッドが限界まで減ると、パッドの摩擦材がなくなり、金属プレートが直接ブレーキディスクローターに接触します。ディスクローターは金属円盤ですが、パッドの金属部分が当たると傷がつき、溝が入り、最終的には交換が避けられなくなります。


費用の差を見ると、次のようになります。


  • 💴 ブレーキパッドのみ交換(前後1セット):約1万2,000円〜2万7,000円が相場
  • 💴 ブレーキパッド+ディスクローター交換(1輪):部品代1万〜2万円+工賃4,000円〜5,000円=1輪で最大2万5,000円前後、前後4輪分だと10万円以上になるケースも


パッドだけで済むはずの修理が、ローター交換まで必要になると費用が一気に跳ね上がります。これは痛いですね。


さらに見落とされがちなのが「前後のパッドの減り方の差」です。一般的にフロント(前輪)のブレーキパッドは、リア(後輪)より大きな制動力を担うため、摩耗が速くなる傾向があります。つまり、後輪の残量が問題なくても、前輪は先に交換時期を迎えているケースが多いです。前後を別々に確認することが条件です。


ローターへのダメージを防ぐには「残量3mm以下になったら交換を前向きに検討する」ことが、結果的に最も安く済む方法です。費用を抑えたいなら、車検や定期点検と同時にブレーキパッドも確認・交換してもらうと、工賃を節約できます。


ブレーキパッドとローターの交換費用について詳しくは、以下の記事も参考になります。


ベストカーWeb|ケチるとかえって高額出費に!寿命を縮める手抜きメンテナンスの実態(ブレーキローター交換費用の目安も掲載)


ブレーキパッド残量の見方と走行距離・独自視点|「音が出る前に気づく」ための習慣

多くのドライバーは「キーキー音が出たら交換すればいい」と考えています。しかしこの考え方には、実は大きな落とし穴があります。


音が出る=パッドウェアインジケーターがディスクに接触している状態です。これはつまり「残量がほぼゼロに近い状態になってから初めて気づける仕組み」です。音が出始めてから数百km走ればディスクローターへのダメージが始まります。異音が出るまで待つのはダメ、ということです。


また、パッドウェアインジケーターが搭載されていない車種や、センサーが摩耗・断線しているケースでは音が出ない場合があります。「音が出ないから大丈夫」という思い込みが、最も危険な状態を招くことがあります。


では、音が出る前に気づくためにどうすればよいのか。有効なのは「走行距離を基準にした定期チェック」です。一般的に10,000km走行でブレーキパッドが約1mm減ると言われています。新品(10mm)から交換目安(3mm)まで、消耗する量は約7mmです。


走行距離の目安として考えると、おおよそ7万km走ったらパッドが交換ゾーンに入る計算です。ただしこれはあくまで平均値で、山道や坂道が多い環境・急ブレーキが多い運転スタイルでは、同じ距離でも2〜3倍速く消耗することがあります。


「走行距離5万kmを超えたらブレーキパッドを確認する」というルーティンを持つことが、音が出る前に異常に気づける最も現実的な習慣です。


  • 🗓 車検・定期点検のタイミング(通常2年ごと)に必ず確認してもらう
  • 📋 点検整備記録簿に前回のパッド残量が記録されているので、次回の交換時期を予測できる
  • 🛞 タイヤ交換のついでに、カー用品店でブレーキパッドの目視チェックをお願いする(多くの店で無料対応)
  • 🗺 山道・峠道を頻繁に走る場合は、通常の半分の走行距離(約2万5,000km〜3万km)を目安に早めの確認を


ブレーキパッドは「安全を支える消耗品」です。タイヤの空気圧や油脂類と同様に、定期的な確認を習慣にすることが、結果として出費も事故リスクも減らすことにつながります。これが条件です。


点検整備記録簿の見方や記録の確認方法については、以下のグーネット記事が参考になります。


グーネット|ブレーキパッドの残量確認方法と、寿命の目安・交換タイミング(点検整備記録簿の説明あり)




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