

ダットサンD22のカスタムは、まず「基準となる純正タイヤサイズ」を決めると話が速いです。GC-LFMD22(4WD・ダブルキャブ・AX LIMITED・4AT)の純正標準設定は前後255/70R15、外径738mmとして整理されています。
この“外径738mm”は、メーター誤差や最終減速感(回転数の落ち方)を議論する時の基準点になり、サイズアップしても「外径差はどれくらいか」を数字で説明できるのが整備士側の強みです。
サイズアップの現場でよくあるのが「太さを上げるのか、外径を上げるのか」を曖昧にしたまま進めてしまい、結果として干渉と操舵感悪化の両方を招くパターンです。特にD22は用途がピックアップで、荷台積載も想定されるため、同じ外径でも銘柄や負荷条件でフェンダー内の動き方が変わります(沈み込み量が変わる)。
目視のカッコよさだけで決めず、次の順に確認すると失敗が減ります。
意外に見落とされがちなのが「外径が上がる=常にオフロード向き」ではない点です。外径アップは最低地上高や段差乗り越え性に寄与しますが、街乗りでの制動距離や、雨天のグリップ、ステアリングの戻り感は銘柄・重量・剛性で真逆の評価にもなります。タイヤはカスタムパーツの中でも“走りの安全側”に直結するので、サイズと銘柄は分けて検討するのが安全です。
参考:純正タイヤサイズ(255/70R15)と外径、互換適合サイズ一覧(外径差・メーター誤差の考え方)
https://cars-japan.net/tire/n002101220.html
ダットサンD22をリフトアップする時に、車検・構造変更で揉めやすいのは「4cm以上は全部アウト」みたいな雑な理解が広がっていることです。実務的には、部品が“指定部品か指定外部品か”で扱いが変わり、指定外部品で4cmを超える場合は構造等変更検査が必要になる、という整理がされています。
さらに重要なのは、リーフスプリングやシャックルは“改造自動車審査が必要な部品”として扱われ、車高変化量に関係なく純正交換時点で審査が絡む、と明記されている点です。
D22は構成やグレードによって前後の足回りが異なる前提で、やり方(ボディリフト、ブロック、シャックル、ショック等)の選択で手続きコストとリスクが大きく変わります。よって「どれだけ上げたいか」より先に「どの方式で上げるか」「方式が指定部品の範囲か」を先に確定させるのが、整備士として現実的です。
参考)間違った解釈に要注意!4cm以上の車高変化でも車検は合格しま…
現場での段取りとしては、次の順がトラブルを避けます。
意外な落とし穴は、リフトアップ後にホース・配線・ブリーザの余裕が足りなくなることです。外から見えにくいのに、切れ・引っ張り・擦れが起きると一発で整備不良に直結します。作業後はロードテストでフルロック時の異音と、段差通過での当たりを必ず確認し、問題が出たら「切る」より先に“逃がす(位置変更・固定変更)”を検討してください。
参考:車高変化と構造変更、指定部品・指定外部品、リーフスプリング車の注意点
間違った解釈に要注意!4cm以上の車高変化でも車検は合格しま…
ダットサンD22は搭載エンジンの幅があり、少なくともQD32(3,153cc)やKA24E(2,388cc)などが同系列に存在します。
カスタム車両は「見た目の仕様」が先行しやすい反面、点検・整備はエンジン型式が違えば要領が変わるため、入庫時点で型式を確実に押さえることが重要です。
整備士向けの実務で効くのは、次の“ブレない確認項目”です。
ここでの“意外なポイント”は、タイヤ外径アップや重量増により、エンジンそのものより先に「冷却・駆動・制動」が先に悲鳴を上げるケースがあることです。見た目のカスタムとトラブルの因果が分かりにくいので、問診では「いつから」「何を替えた直後か」を時系列で聞き出すと診断が速くなります。
ダットサンD22は、グリルガードやフォグランプといったフロント周りのカスタムが人気で、実際に「D22用グリルガード+CIBIEフォグランプ」のようなセット品も流通しています。
ただし整備目線では、点灯確認が未実施の中古品があるなど状態にバラつきが出やすく、見た目パーツほど“電装の手戻り”が起きがちです。
取付で押さえるべきは、ドレスアップ以上に保安と信頼性です。
意外な実務ポイントとして、リフトアップと同時にフロント周りを重くすると、姿勢変化でヘッドライト光軸調整の必要性が増します。見た目の完成度を上げるほど、最後は“光”と“配線”が品質を決めるので、点検記録(配線取り回し写真、ヒューズ容量メモ)を残すと次回整備が楽になります。
検索上位のカスタム記事はパーツ紹介に偏りがちですが、整備現場で効く独自視点は「車台番号・型式情報の確認を作業の最初に固定する」ことです。日産の車台番号打刻位置一覧では、ダットサントラックは“エンジンルーム”と“フレーム右側面”が打刻位置として整理されています。
この確認が効くのは、部品発注ミスと適合違い(年式・仕様差)を早期に潰せるからで、カスタム車ほど現車情報がすべての起点になります。
入庫時のルーチンを次のようにすると、見積もり精度が上がります。
参考)車台番号の打刻位置一覧|日産
“意外性”として、車台番号確認を丁寧にやるほど、オーナー側の信頼が上がりやすい点も挙げられます。カスタム車は「どこがどう変わっているか」をオーナー本人も把握しきれていないことがあるため、整備側が情報を整理して見せるだけで、後々のトラブル(言った言わない)を減らせます。