
車のヘッドライトには主に3種類あり、それぞれ特徴が異なります。
ヘッドライトの選択は、予算だけでなく、使用環境や車の使用頻度によっても変わってきます。夜間走行が多い方は、明るさと視認性を重視したHIDやLEDが適しています。一方、コスト重視の方や交換の手軽さを求める方には、ハロゲンライトが向いているでしょう。
最近の車種では、LEDヘッドライトが標準装備されているものも増えています。LEDは長寿命ですが、故障した場合はユニット全体の交換が必要になるケースが多く、その場合は費用が高額になることを覚えておきましょう。
ヘッドライトの修理費用は、故障の種類や車種、ライトの種類によって大きく異なります。ここでは主な修理パターン別の費用相場をご紹介します。
バルブ交換の費用相場
種類 | 部品代 | 工賃 | 合計(目安) |
---|---|---|---|
ハロゲン | 1,000〜2,000円 | 1,000〜3,000円 | 2,000〜5,000円 |
HID | 10,000〜20,000円 | 2,000〜5,000円 | 12,000〜25,000円 |
LED | 10,000〜30,000円 | 2,000〜5,000円 | 12,000〜35,000円 |
ヘッドライトユニット交換の費用相場
ユニット交換が必要な場合は、費用が大幅に上がります。
ヘッドライトユニットの交換では、バンパーの脱着が必要な場合が多く、作業工数が増えるため工賃も高くなります。また、最近の車種では先進安全装置のセンサーが組み込まれているケースもあり、交換後に「エーミング」と呼ばれる調整作業が必要になることもあります。エーミングには専用の設備と技術が必要で、追加で10,000〜30,000円程度かかることがあります。
修理費用を抑えるコツとしては、以下の方法があります。
ただし、安さだけを追求すると品質や安全性に問題が生じる可能性もあるため、バランスを考えた選択が大切です。
ヘッドライトの交換を依頼できる場所はいくつかあり、それぞれメリット・デメリットがあります。目的や予算に応じて最適な場所を選びましょう。
1. ディーラー
メリット。
デメリット。
2. カー用品店(オートバックス、イエローハットなど)
メリット。
デメリット。
3. 整備工場
メリット。
デメリット。
4. ガソリンスタンド
メリット。
デメリット。
選ぶ際のポイントは、修理内容の複雑さと予算のバランスです。単純なバルブ交換であればカー用品店やガソリンスタンドでも十分ですが、ヘッドライトユニットの交換や先進安全装置を搭載した車の場合は、ディーラーや設備の整った整備工場を選ぶことをおすすめします。
また、修理を依頼する前に電話やウェブで見積もりを取り、複数の業者を比較することで適正価格で修理することができます。
ヘッドライトのバルブ交換は、ある程度の知識と工具があれば自分でも行うことができます。ここでは基本的な手順をご紹介します。
準備するもの
バルブ交換の基本手順
注意点
自分で交換する場合のメリットは工賃を節約できることですが、不安がある場合や複雑な構造の車種では、無理せずプロに依頼することをおすすめします。特にヘッドライトユニット全体の交換は、バンパーの脱着など大掛かりな作業が必要になるため、専門知識と設備を持つ業者に任せるべきでしょう。
ヘッドライトの修理や交換が必要になるタイミングを知り、適切なメンテナンスを行うことで、安全性を保ちつつコストを抑えることができます。
修理・交換が必要なサイン
特に注意すべきは、片側だけが点灯しない状態での走行です。これは道路運送車両法違反となり、取締りの対象になります。また、車検時にはヘッドライトの光軸や光量のチェックがあり、基準を満たさない場合は不合格となります。
ヘッドライトを長持ちさせる予防策
特に最近増えているLEDヘッドライトは長寿命ですが、一度故障するとユニット交換が必要になるケースが多く、高額な修理費用がかかります。日頃からのメンテナンスで劣化を防ぎ、早期発見・早期対応を心がけましょう。
また、ヘッドライトの黄ばみは見た目だけでなく、光の透過率を下げて夜間の視界を悪化させる原因になります。市販の黄ばみ取りキットを使用するか、専門店でのクリーニングサービスを利用することで、ユニット交換せずに視認性を回復できることもあります。
JAF公式サイト:ライトのメンテナンス方法について詳しく解説されています
ヘッドライトの交換や修理を行う際に、あまり知られていない注意点や落とし穴があります。トラブルを避けるために、以下のポイントに注意しましょう。
1. エーミングの必要性
最近の車種、特に先進安全装置(衝突軽減ブレーキや車線逸脱警報など)を搭載した車では、ヘッドライトユニットを交換した後に「エーミング」と呼ばれる調整作業が必要になることがあります。エーミングとは、カメラやセンサーの位置を正確に調整する作業で、これを怠ると安全装置が正常に機能しなくなる可能性があります。
エーミングは専門的な知識と設備が必要なため、DIYでは対応できません。ヘッドライトユニットの交換を検討する際は、エーミングの必要性と追加費用についても確認しておきましょう。
2. 純正品と社外品の違い
ヘッドライトの交換部品には、純正品と社外品(互換品)があります。社外品は純正品より安価ですが、以下のような違いがあります。
特に重要なのは車検対応かどうかです。社外品を使用する場合は、必ず「車検対応品」または「ECE規格適合品」などの表記があるものを選びましょう。
3. バルブの規格と互換性
ヘッドライトバルブには様々な規格があり、車種によって使用できるバルブが異なります。主な規格には。
間違った規格のバルブを購入すると取り付けできないだけでなく、無理に取り付けると火災などの危険もあります。交換前に必ず車種に適合するバルブ規格を確認しましょう。
4. ハロゲンからHID・LEDへの変更時の注意点
ハロゲンヘッドライト装備の車にHIDやLEDバルブを後付けする「HID化」「LED化」は人気がありますが、以下のリスクがあります。
※中古車の場合は、修理・交換よりも車を買い直したほうが安いケースもあります。