

高速走行中にスポイラーが脱落すると、過失でも10万円以下の罰金が科されます。
ホームセンターに並ぶ両面テープのコーナーを見ると、「強力」「超強力」といった表示がずらりと並んでいます。しかし、すべてのテープがトランクスポイラーに適しているわけではありません。選ぶべき基材は「アクリルフォーム」タイプです。
アクリルフォーム基材の両面テープは、柔軟性が高く、ボディの塗装面のわずかな凹凸や曲面にもしっかりなじむのが特徴です。耐候性・耐熱性・防水性に優れており、夏の炎天下でも、雨の日でも安定した粘着力を保持します。実際に自動車メーカーの製造ラインでも同タイプのテープが採用されており、その信頼性は市販品の中でも群を抜いています。
ブチルゴム系の両面テープも強力ですが、熱に弱い性質があります。真夏にボディが高温になると粘着力が低下しやすいため、トランクスポイラーへの使用には向きません。
テープの厚みは「接着面の形状」で選ぶのがポイントです。
つまり「とにかく強力なもの」を選ぶより、「貼る面の形状に合った厚みを選ぶ」が基本です。
製品選びでは、パッケージに「自動車外装用」または「車外用」と明記されているものを必ず選びましょう。3M(スリーエム)やエーモン(amon)は、自動車外装向けのラインナップが豊富で実績も高く、多くのDIYユーザーと整備現場で使われています。なお、同じ3M製でも「内装用」と「外装用」では粘着剤の耐候性が大きく異なります。外装用と書かれていないものは、たとえ「超強力」と書いてあっても選ばないことが重要です。これだけ覚えておけばOKです。
「きれいに洗車した直後だから、そのまま貼っても大丈夫だろう」と思っている方は要注意です。洗車後のボディには、ワックスやコーティング剤の油分が残っているため、そのまま両面テープを貼り付けると粘着力が大幅に低下してしまいます。
脱脂が最重要工程です。
脱脂に使用するのは「シリコンオフ」専用スプレーが最適です。これをきれいなウエスに吹き付け、取り付け面を軽く拭き上げるだけで完了します。注意点が一つあります。TRDの公式取り付け説明書にも明記されているとおり、「パーツクリーナー」や「ブレーキクリーナー」などの強溶剤は塗装を傷める危険があるため、脱脂には使用しないでください。シリコンオフを選ぶのが安全です。
脱脂が終わったら、絶対に素手で接着面を触らないことが必要です。人間の指先にはわずかな皮脂があり、これだけで脱脂の効果がほぼ無意味になってしまいます。作業中は使い捨てのポリエチレン手袋を着用することを強くおすすめします。
FRP製スポイラーの場合、「プライマー」の塗布が効果的です。プライマーは粘着剤の密着性を格段に向上させる液体で、特に素材の表面が滑らかなケースで大きな差が出ます。両面テープを貼る前に薄く塗布し、10分程度乾燥させてから作業に進みましょう。プライマーはホームセンターやカー用品店で入手できます。
位置決めも大切な工程です。仮合わせをしてバランスを確認し、マスキングテープで取り付け位置のガイドラインをボディ側に貼っておきましょう。両面テープは一度貼ったら位置の修正が非常に困難です。この一手間が仕上がりの差を生みます。
両面テープを貼り、スポイラーを押し付けたあとで「これで完成」と思っていないでしょうか。実はここからが重要な工程です。
圧着の力は、TRDの公式マニュアルでは「49N(約5kgf)以上」、つまり車両が軽く揺れる程度の力で全面を均等に押し付けるよう指定されています。5kgfとは、5kgの米袋を乗せたときの重さに相当します。端の部分は特に浮きやすいため、念入りに圧着しましょう。
貼り付けから24時間が、接着力を決める勝負どころです。
両面テープは貼り付け直後ではなく、時間をかけて粘着剤が被着体に完全になじむことで本来の強度に達します。メーカー各社の説明書には「取り付け後24時間は洗車や水濡れを避けること」と記載されており、TRDの取り付けマニュアルにも同様の注意が明記されています。
また、気温が低い日の作業には特別な注意が必要です。外気温が15℃以下になると両面テープの粘着力が大幅に低下します。トムスやTRDの公式マニュアルには「気温15℃以下では、ドライヤー等で接着面を温めてから作業すること」と明記されています。冬場のDIY作業は意外と多いですね。気温が10℃を下回る環境での施工はとくに注意が必要で、十分に温めた屋内での作業が理想的です。温度が確保できない場合、養生期間を通常より長くとることも有効な対策です。
養生期間が終わったあとも、初期の数週間は高速道路の長距離走行は様子を見ながら行うのが安心です。これが原則です。
「両面テープで貼るだけだから、最悪剥がれても大したことはない」と考えているなら、それは大きな誤解です。
両面テープの固定が甘いまま高速道路を走行し、スポイラーが脱落した場合、道路交通法第75条の10(高速自動車国道等運転者遵守事項)違反に該当します。罰則は「3か月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金」で、過失の場合でも「10万円以下の罰金」です。さらに違反点数2点と、普通車で9,000円の反則金が加算されます。痛いですね。
最も深刻なリスクは、脱落したパーツが後続車に直撃して死傷事故を引き起こした場合です。このケースでは自動車運転過失致死傷罪に問われ、「7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金」が科される可能性があります。高速道路での落下物は、後続車がよけきれずに追突事故や多重事故につながるリスクが非常に高く、被害者への民事上の損害賠償も求められます。
MOBYの記事でも「両面テープでしっかりと固定されていれば車検は通るが、経年変化で粘着力が落ち脱落すれば道路交通法違反になる」と指摘されています。
車検については、正しく取り付けられたトランクスポイラーは基本的に通過できます。ただし、保安基準として「最低地上高9cm以上」「全長・全幅・全高が規定範囲内」「尖った突起がないこと(エッジ部分は半径5mm以上の丸み)」「灯火類を遮らないこと」などを満たしている必要があります。社外品を選ぶ際はこれらの基準を確認しておきましょう。これだけが条件です。
高速道路の落下物による罰則と対処法(JAFトレーニングセンター)
スポイラーを外したいとき、力任せに引っ張るのは絶対に避けてください。塗装が剥がれたり、パーツが割れたりするリスクがあります。正しい道具と手順を使えば、塗装を傷つけることなく取り外せます。
準備するもの
手順の流れ
まずドライヤーをスポイラーの端から当て、全体を均一に温めます。指で触れて「温かい」と感じる程度(40℃前後)が目安です。熱しすぎると塗装にダメージを与えるため、一箇所に集中させないことが重要です。
温まったら、プラスチック製ヘラを慎重にスポイラーの端に差し込み、わずかな隙間を作ります。その隙間に釣り糸を通し、両端を持って左右に小刻みに動かしながらテープを切断していきましょう。切れにくい部分は再度温めながら進めると作業がスムーズです。
全体のテープが切れたら、ゆっくりとスポイラーを持ち上げて取り外します。急いで引っ張ると残ったテープが塗装ごと剥がれる恐れがあるため、最後まで慎重に進めましょう。
糊残りの除去は、天然オレンジオイルを主成分とした「シール剥がし剤」が塗装への攻撃性が低く安心です。糊残りに塗布し2〜3分なじませてから、ウエスで拭き取ります。それでも残る場合は、細目のコンパウンド(1,000〜2,000番相当)で軽く磨くと跡がきれいに消えます。
車に使われている強力両面テープを剥がす方法・素材別の注意点(グーネット)
糊残りを放置すると、紫外線で硬化して取り除くのが一段と難しくなります。取り外し作業後は早めに処理することが大切です。早めに対処すれば問題ありません。
インターネットで検索すると「脱脂して貼るだけ」という簡単な解説が目立ちますが、実際には見落としやすい細かいポイントがいくつかあります。ここでは、一般的な記事ではあまり取り上げられない視点から、失敗しやすいポイントをまとめます。
🔲 チェック1:スポイラー自体の素材を確認したか
社外品のトランクスポイラーはFRP製、ABS樹脂製、ウレタン製など素材が異なります。素材によって両面テープの密着度が変わるため、FRPにはプライマーが必須です。購入時に素材を確認しておきましょう。
🔲 チェック2:付属の両面テープをそのまま使っていないか
台湾や中国製の安価なスポイラーに付属している両面テープは、品質にばらつきがある場合があります。みんカラの複数のユーザーが「付属テープは信頼できないため、3M製に交換した」と報告しています。付属品をそのまま使うのではなく、信頼性の高い3M製またはエーモン製のテープに交換することをおすすめします。これは使えそうです。
🔲 チェック3:コーキングで水の侵入をブロックしたか
長期間使用していると、スポイラーとボディの隙間から雨水が侵入し、両面テープが内側から劣化するケースがあります。施工後にスポイラーの縁をシリコンコーキング剤(クリアまたはボディ同色)で軽く埋めておくと、耐久性が大幅にアップします。この処理をしているDIYユーザーは少数派であるため、知っているだけで長持ちさせる差が生まれます。
🔲 チェック4:冬に施工した場合の追加養生をしたか
外気温15℃以下で施工した場合は、通常の24時間ではなく、少なくとも48時間以上の養生期間をとることが推奨されます。さらに施工後の最初の洗車は48時間以上経過してから行いましょう。
🔲 チェック5:テープの幅はスポイラーの接着面積に合っているか
幅が細すぎると接着面積が不足し、風圧への耐性が下がります。接着面の幅に合わせて10mm〜20mm幅のテープを複数列で貼るか、広幅のものを1列で貼るのが理想です。テープの長さが「はがきの横幅(14.8cm)」未満しか貼れていない箇所は、接着不足とみなして補強を検討しましょう。
これらを一つひとつ確認すれば、走行中の脱落リスクをぐっと下げることができます。大切なのは「貼ったあとの24時間と、縁のコーキング処理」の2点です。結論はこの2点が肝です。
両面テープで固定するパーツを上手く取り付けるためのコツ(MAZPARTS)

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