

自作ゴムシートを5mm厚にすると、車高が想定以上に変わり車検に落ちる場合があります。
スプリングシートとは、サスペンションに組み込まれたコイルスプリングの上端と下端を支える「台座」のことです。上側をアッパーシート、下側をロアシート(ロアスプリングシート)と呼び、スプリングの位置を固定しながら路面からの衝撃を受け止める役割を担っています。走行中に「コトコト」「ギシギシ」という異音が足回りから聞こえてきたら、このシートが劣化しているサインである場合が多いです。
純正のスプリングシートがゴム素材であるケースは多く、年数が経つにつれてゴム部分にひび割れや亀裂が入り始めます。交換の目安は製品によって異なりますが、走行距離10万kmまたは10年が一般的な目安とされています。ただし、スプリングシートを業者に交換依頼した場合の費用は1カ所あたり2万〜3万円(部品代と工賃の合計)が相場で、前後4カ所すべてを頼むと8万〜12万円に達することもあります。これは痛いですね。
そこで注目されているのが「自作」です。ホームセンターで数百円のゴムシートを購入し、自分でドーナツ型に切り出して取り付けるDIY手法で、材料費だけなら1台分を200〜500円程度でまかなえます。みんカラなどのカーライフSNSでも自作スプリングシートの整備手帳が多数公開されており、一定数のDIYユーザーに支持されている方法です。つまり、正しい知識と手順さえあれば、コストを大幅に抑えながらシートを自作・交換できるということです。
参考:スプリングシートの役割と交換時期の詳細はこちら
車高調のスプリングシートとは?選ぶポイントや交換方法をわかりやすく解説|グーネットピット
スプリングシートの自作に使われる素材は、大きく分けて「ゴムシート」「PTFE(テフロン)シート」「ウレタンゴムシート」の3種類が主流です。それぞれに異なる特性があり、目的に応じて使い分けることが大切です。
| 素材 | 厚さの目安 | 特徴 | 向いている用途 |
|------|-----------|------|----------------|
| 天然ゴム・合成ゴムシート | 2〜5mm | 柔軟性が高く、振動吸収性が良い。耐熱性はやや低め(〜80℃程度) | 乗り心地改善・異音対策 |
| ウレタンゴムシート | 3〜5mm | 引張強度が高く、耐摩耗性に優れる。長期使用でへたりにくい | 長期的な耐久性を重視する場合 |
| PTFEシート(テフロン) | 0.5〜2mm | 摩擦係数が非常に低く、スプリングの回転方向への逃げがスムーズ。耐熱・耐薬品性が高い | 摩擦音・ねじれ対策・スラストシート用途 |
一般的なDIYユーザーがまず試しやすいのは、ホームセンターで1枚200〜500円から入手できる汎用ゴムシートです。厚さは2〜3mmが扱いやすく、カッターナイフで比較的簡単に切り出せます。これが基本です。
一方、「足回りのきしみ音」や「スプリングのねじれ感」が気になる場合は、PTFEシート(テフロンシート)が有効です。PTFEは摩擦係数が0.04〜0.1程度と非常に低く、スプリングにかかる回転方向の力(ねじれ)をスムーズに逃がしてくれます。車高調のガレージSAKUMAをはじめ、自作スラストシートとしてPTFEシートを活用した事例がDIYコミュニティで紹介されています。
素材の選定に加えて重要なのが「厚さの選択」です。ゴムシートの厚みは、そのままロアシート位置の変化に直結し、実際に車高が変わります。5mm厚のゴムシートを使った場合、レバー比が1:2のサスペンション形式(マルチリンク式など)では、実際の車高変化が10mm前後になる可能性があります。これは使えそうです。ただし、4cm以上の車高変化が生じると構造等変更検査の対象となるため、厚さは2〜3mmの範囲で選ぶのが安全です。
参考:PTFEとゴムの素材特性の違い
PTFEとゴム:主な違いを解説|RubberAndSeal
実際の自作手順を、採寸・材料準備・切り出し・取り付けの4段階に分けて解説します。
① 採寸(必要な寸法を測る)
まずノギスを使って、以下の3つの寸法を計測します。
- 📏 スプリングのID(内径):ゴムシートの内径の基準になります(例:ID60mmなら内径も60mm前後に合わせる)
- 📏 スプリングシート座面の外径:ゴムシートの外径の基準になります
- 📏 中央の逃し穴の径:ショック本体やアジャスターの突起部分の直径
内径は「コイルバネの内側に通る鉛筆がすっと入るか」程度のイメージで確認できます。ただしミリ単位の精度が仕上がりに影響するため、ノギスによる計測が基本です。
② 材料の準備
ホームセンターのゴム・パッキン売り場で、汎用ゴムシート(厚さ2〜3mm、A4サイズ前後)を購入します。追加で用意するものは以下の通りです。
- ✂️ カッターナイフ(替え刃つき)
- 🔵 コンパスカッター(円形カットに使用)
- 🔩 ソケットレンチ(中央の逃し穴のガイド用)
- 🖊️ 油性マーカー(切り取りラインの下書き用)
③ 切り出し(ドーナツ型に成形する)
コンパスカッターで外径の円をカットし、次に中心の逃し穴をソケットレンチをガイドにしながら切り抜きます。5mm以上の厚みがある場合は一度で切り切ろうとせず、2〜3回に分けて切り進めるとズレが防げます。外径・内径ともに「ジャストサイズより気持ち大きめ」に仕上げるのがコツで、実際に取り付けた際の干渉を防げます。
④ 取り付け(位置ズレ防止が重要)
切り出したシートをアジャスターまたはロアシートに乗せた後、位置ズレ防止のために両面テープまたはアロンアルファで軽く固定します。走行中の振動でシートがずれると異音の原因になるため、この固定は省略しないほうがよいです。これが条件です。取り付け時の詳細な分解・組み立て手順については、車種別の整備手帳(みんカラ等)を合わせて参照することをおすすめします。
参考:実際のゴムシート取り付けと異音解消の事例
【車高調】アジャスターからの異音対策にゴムシート取り付け|send-freedom
自作シートを取り付けた後の変化について、よくある疑問が「本当に乗り心地が良くなるのか?」という点です。結論から言うと、劣化して薄くなったゴムシートを新品に交換するだけでも乗り心地の改善を実感するケースが多いです。
YouTubeに公開された実証動画(初年度登録から10年以上の車両でスプリングシートを交換)では、「想像以上に乗り心地が改善した」という結果が報告されています。これは、ひび割れたゴムが本来の振動吸収性を失っていたためで、新しいゴムシートを1枚入れ替えるだけで、ゴムが緩衝材として機能し直す効果があります。いいことですね。
一方で、注意が必要なのが「プリロードへの影響」です。ゴムシートを追加する(厚みを増やす)と、スプリングに加わる初期張力(プリロード)が変化します。プリロードが増加するとスプリングが縮みやすくなり、乗り心地が硬くなる方向に変化します。逆に言えば、意図的に薄いシートを追加することで、プリロードの微調整ができる場合もあります。
また、サスペンション形式によって「レバー比」が異なる点にも注意が必要です。たとえばマルチリンク式のサスペンションではレバー比が1:2になる場合があり、3mmのゴムシートを追加した場合でも実際の車高変化が6mm前後になることがあります。トーションビーム式であればレバー比の影響は小さいため、それほど気にする必要はありません。レバー比を知っておくのが基本です。
プリロードと車高の関係は、車高調メーカーのBLITZやTEIN、RS★Rなどが公式サイトやFAQページで詳しく解説しています。自作作業の前に一度確認しておくと、思わぬトラブルを回避しやすくなります。
参考:車高調のプリロード調整と車高の関係
車高調のプリロード調整とは?目的や方法、業者に依頼する際の費用相場|グーネットピット
DIYで自作する際に陥りやすい失敗を把握しておくことで、手戻りや余計な出費を防げます。実際にみんカラや整備ブログで報告されている事例をもとに、主な注意点を挙げます。
❌ 失敗① ゴムシートを厚くしすぎて車高が上がる
異音対策のつもりでゴムシートを5mm厚にしたところ、レバー比の影響で車高が想定以上に変化してしまったというケースです。前述のとおり、ゴムシートの厚みは2〜3mmが安全域で、5mm以上は車高変化のリスクが高まります。車高変化が4cm以上に達すると構造等変更検査が必要となるため、2〜3mmに収めておけば問題ありません。
❌ 失敗② 内径が大きすぎてシートがズレる
採寸を大まかにしてしまい、内径が大きくなりすぎた結果、走行中にシートがズレて異音が再発するパターンです。切り出しの際は外径・内径ともにノギスで採寸し、「実寸より1mm程度大きめ」を目安に仕上げましょう。最低でも実寸より小さくなることは避けてください。これが原則です。
❌ 失敗③ 位置固定をせずに取り付ける
位置ズレ対策の両面テープやアロンアルファを省略した結果、1〜2週間でシートが動いてしまったという報告もあります。固着させる必要はなく、あくまで「走行中に動かない程度の仮固定」で十分です。薄い両面テープ1枚が、大きな安定をもたらします。
❌ 失敗④ 純正に戻せなくなる
自作シートをアロンアルファでがっちり固定しすぎた結果、取り外し時に部品を傷めてしまうケースがあります。接着は最小限にとどめ、再取り外しが可能な状態にしておくことが重要です。強固に接着してしまった場合、場合によっては純正部品ごと交換が必要になり、逆に費用が嵩む可能性があります。つまり、「軽く固定する」が最適解です。
💡 まとめて覚えておきたい自作チェックリスト
- ✅ ゴムシートの厚さは2〜3mm以内
- ✅ 内径・外径はノギスで正確に計測
- ✅ 切り出しは「気持ち大きめ」を目安に
- ✅ 固定は両面テープ程度の軽い仮固定にとどめる
- ✅ 取り付け後は短距離で動作確認してから通常走行へ
参考:車高調の保安基準と車高変化の注意点

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