

サブフレームをエンジンガード代わりに付けても、転倒時にバイクはほぼ守れません。
バイクのサブフレームとは、メインフレームを補助する形でエンジン周辺やシート周辺に取り付ける骨格パーツのことです。自動車にも同じ「サブフレーム」という名前のパーツが存在しますが、目的が大きく異なります。車のサブフレームはサスペンションやエンジンをボディ下部に固定する骨格そのものですが、バイク用のサブフレームはあくまで「後付けの補強パーツ」です。
バイクのフレームは走行中に常にねじれや撓みが発生しています。一見カチカチに見えますが、実際にはコーナリング・加速・制動のたびに微細な変形を繰り返しているのです。その変形をコントロールするために取り付けるのがサブフレームの本来の役割です。
大きく分けると2種類のタイプがあります。
| タイプ | 取り付け位置 | 主な効果 |
|---|---|---|
| 🔩 フレーム型(エンジン周辺) | エンジンマウントボルト周辺 | 剛性向上・振動抑制・ドレスアップ |
| 💺 シートフレーム型 | リアシート・フェンダー周辺 | シート交換の自由度アップ・着座位置の変更 |
フレーム型は特にZ900RS・CB1300SF・ゼファー750などネイキッドバイクユーザーに人気です。シートフレーム型はカスタムの自由度を上げるために使われるケースが多く、どちらも目的と用途が明確に異なります。
なお、自動車に乗り慣れているライダーほど「サブフレーム=車体構造の一部」というイメージを持ちがちです。バイク用は後付けのカスタムパーツです。この違いを頭に入れておくと選び方がぐっとクリアになります。
参考:バイクのサブフレームの役割と効果について詳しく解説されています。
バイクのサブフレームとは?効果や取り付け方法 – グーバイク
サブフレームを装着することで期待できる効果は、主に4つです。それぞれの中身を具体的に見ていきましょう。
① 剛性バランスの向上
フレーム型のサブフレームはメインフレームのエンジンマウント部を直接繋ぎます。その結果、コーナリング中や急ブレーキ時にフレームがねじれにくくなり、車体の挙動が安定します。サーキット走行やワインディングを楽しむライダーにとって体感しやすい効果です。
② 振動の抑制
これが意外と大きな効果です。たとえばZ900RSは高速走行時にハンドルに強い振動が出ることで知られています。サブフレーム装着後に「90km/h以上での激震がほぼ消えた」「長距離ツーリングで手が疲れなくなった」という声も多く、振動対策として選ぶライダーも少なくありません。振動抑制が目的なら問題ありません。
特にアルミ合金の中でもマグネシウムを含む素材は実用金属中最大の振動吸収性を持っており、素材選びも重要なポイントになります。7N01アルミ合金(7000番台)はアルミ合金の中でも最高クラスの強度を誇り、アクティブやオーバーレーシングが採用しています。
③ ドレスアップ効果
中でも一番目に見えてわかりやすいのが外観の変化です。バフ仕上げのアルミが光る見た目は、エンジン周りに力強さを加えます。ネイキッドバイクの「エンジンが見える」という特性を最大限に活かすカスタムのひとつです。
④ エンジン周辺のわずかな保護
ただし、ここが重要です。サブフレームはエンジンガードと「ほぼ同じ位置に装着される」ため混同しやすいですが、転倒時の保護を主目的とはしていません。エンジンガードは転倒衝撃を「受け止める」設計であるのに対し、サブフレームはフレーム同士を繋いで「剛性を保つ」設計です。
つまり転倒対策です。という目的でサブフレームを選んでしまうと、期待していたほどの保護効果が得られず後悔することになります。
参考:サブフレームとエンジンガードの違いを詳しく比較しています。
バイクのエンジンガードとは?メリットやデメリット、選び方 – Bike Life Lab
気になる費用の話です。サブフレームは「ちょっとしたカスタム」の中では比較的高額な部類に入ります。パーツ代と工賃の目安を表にまとめました。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 🛒 サブフレーム本体(エントリー) | 約37,000〜45,000円 | オーバーレーシング・アクティブなど |
| 🛒 サブフレーム本体(ハイエンド) | 約60,000〜140,000円 | PMC、ナイトロレーシングなど |
| 🔧 取り付け工賃(2りんかん) | 11,000円(一般車)/22,000円(カウル付き) | カウル脱着・加工は別途 |
| 🔧 取り付け工賃(ナップス) | 7,700円〜(ボルトオン) | 車種により異なる |
| 💴 スライダーとのセット購入 | 60,500円〜62,400円 | オーバーレーシングの場合 |
合計するとパーツ代+工賃で5〜6万円前後が現実的な出費ラインです。カウル付きの車種や作業難易度の高いモデルでは8万円を超えることもあります。
工賃が高いと感じる場合は、ボルトオン取り付けができる製品を選ぶのが重要なポイントです。多くのメーカー品は既存のエンジンマウントボルトを流用するため、工具と整備書があれば自力での取り付けも不可能ではありません。ただしトルク管理が必要な作業なので、整備の経験が浅い方はショップへの依頼をおすすめします。
海外製の格安サブフレームは5,000円以下で販売されているものもありますが、設計精度が低いと取り付け後に振動が逆に増すケースも報告されています。これは痛いですね。国内メーカー品を選ぶのが原則です。
参考:工賃の実際の金額が掲載されています。
サブフレームを選ぶ際のポイントは大きく3つあります。素材・メーカー・車種適合の順で確認していきましょう。
素材の違いで効果が変わる
バイク用サブフレームの主な素材はアルミ合金とスチール(STKM材)の2種類です。
- アルミ合金(7N01など):軽量でドレスアップ効果が高く、振動吸収性にも優れる。ほとんどの主要メーカーがこれを採用。
- スチール(STKM材):強度と耐久性に優れコストが低い。PMCのダウンチューブキットはスチール製でコスパ重視のライダー向け。
- ジェラルミン(アルミとの複合材):ナイトロレーシングが採用する最高峰素材。価格は13万円超えと高額だが振動抑制効果は突出している。
国内主要3メーカーの特徴
| メーカー | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|
| 🔷 アクティブ(ACTIVE) | バフ仕上げの美しい光沢。対応車種が豊富で定番中の定番。 | 約45,000円〜 |
| 🔶 オーバーレーシング(OVER RACING) | エンジンスライダーとの同時装着が可能。年式別適合に注意。 | 約41,600円〜 |
| 🟡 PMC(ピーエムシー) | 削り出しビレット加工で立体的なデザイン。シリンダーマウントとの併用でさらに効果アップ。 | 約37,600円〜 |
車種適合の確認は最重要
オーバーレーシングのZ900RS用はモデルイヤーによって適合が分かれています。2018〜2020年式と2021年式以降で別品番が存在するケースがあるので、購入前に年式の確認が条件です。型番を間違えると取り付けできない場合もあるため、Webikeや公式サイトで必ず確認するようにしてください。
参考:Z900RS向けサブフレームの詳細比較。各メーカーの特徴がわかります。
Z900RSサブフレーム6選比較!見た目だけじゃない効果とは? – とっちゃんラボ
実際にサブフレームを装着したライダーが感じる変化は、走行シーンによって異なります。これは選ぶ際の大切な視点です。
日常・ツーリング用途
ツーリングライダーにとって最もわかりやすいのが「手のしびれ・疲れの軽減」です。たとえば高速道路を90km/h以上で走り続けると、ハンドルの振動が蓄積して手首や肩が疲弊します。サブフレーム装着後に「高速走行での激振が発生する速度が3〜5km/h延びた」「長距離でも全く疲れなくなった」という声がユーザーから寄せられています。1日200kmを超えるロングツーリングでこの差は大きいですね。
ただし振動対策目的なら、素材の選択が重要です。アルミ合金の中でもマグネシウム含有量が多い素材や、ジェラルミン系の製品が振動抑制効果で優位になります。単なるスチールパイプ製ではこの効果はほぼ得られないので注意が必要です。
スポーツ・サーキット用途
ワインディングロードやサーキット走行ではコーナリング時の挙動安定が体感できます。フレームのねじれが抑えられることで、旋回中にバイクの動きがシャープになります。
「リアの流れ方が変わった」「ブレーキングポイントで安心感が増した」という声も多く聞かれます。ただし、効果の感じやすさはバイクの素性によっても変わります。Z900RSのようにフレーム剛性が課題として知られているモデルでは効果が出やすく、元々剛性が高い車種では体感が薄いこともあります。
装着直後に気をつけること
フレーム型サブフレームを装着すると車体の横幅がわずかに広がる場合があります。バンク角が浅いアメリカン系バイクでは、ワインディングでのバンキング時にサブフレームが路面に接触するリスクが生まれることも。装着直後は慣れるまでコーナリングのリーンアングルに注意しながら走ることをおすすめします。
参考:バイクサブフレームのインプレッションが多数掲載されています。
ホンダ レブル250 サブフレーム 口コミ・インプレッション – Webike
「サブフレームって結局見た目のパーツでしょ?」という声は多いです。確かにドレスアップ効果はわかりやすく、SNSでも外観重視で購入するライダーは少なくありません。しかし、実際には機能面の恩恵を受けながら見た目も得られる、非常にコストパフォーマンスの高いパーツと言えます。
たとえば振動によるライダーの疲労は、走行距離が長くなるほど積み重なります。高速道路を1時間走り続けた場合と、サブフレームで振動を抑えた状態で走った場合では、目的地に着いたときの疲れ方が変わってきます。これは時間の節約と、疲労による判断ミスのリスク低減につながる、安全面のメリットでもあります。
一方で「見た目だけ」と割り切って安価な海外製品を選ぶと、フレームとの寸法が微妙に合わず、取り付け後にガタつきや異音が生じるケースもあります。こうなると工賃を二重に払う羽目になるため、結局国内メーカー品より高くつくことも珍しくありません。これは使えそうです。
また格安品は設計自体に不備があると振動が逆に増す場合があることも確認されています。「安く済ませよう」と選んだパーツが、快適性を損なう原因になってしまうのは避けたいところです。
選ぶ際は「何を解決したいのか」を明確にしておくことが大切です。振動対策が目的なら素材と構造を重視する。ドレスアップが目的なら仕上げとカラーを重視する。予算が限られているならオーバーレーシングやアクティブのスタンダードモデルから入るのが安全です。
参考:車検対応の範囲でバイクをカスタムする際の注意点。
そのカスタム、車検は大丈夫?意外なパーツが違法に! – Webike Moto

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