
ホンダのnボックスは、日本の軽自動車市場で長年トップセールスを誇る人気モデルです。しかし、「nボックス1000cc」という検索ワードが多いことから、排気量について誤解されていることが多いようです。
結論から言うと、nボックスに1000cc(1リットル)エンジンを搭載したモデルは存在しません。nボックスは日本の軽自動車規格に準拠した車両であり、その規格では排気量は660cc以下と定められています。nボックスに搭載されているエンジンは、全モデルで660ccのエンジンとなっています。
2023年10月に発売された最新の3代目nボックスも、自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類が用意されていますが、どちらも660ccの排気量です。自然吸気エンジンは最高出力58馬力(43kW)/7300rpmを発揮し、日常使いには十分なパワーを持っています。
「1000cc」という表現が使われる理由としては、軽自動車よりも大きな排気量を持つ普通自動車との比較や、海外モデルとの混同が考えられます。また、nボックスの走行性能が良いため、「660ccとは思えない走り」という印象から、より大きな排気量を想像する人もいるかもしれません。
nボックスは軽自動車ですので、通常は黄色のナンバープレート(軽自動車ナンバー)が取り付けられます。しかし、「白ナンバーにしたい」という要望も少なくありません。
白ナンバー(普通自動車ナンバー)を取得する方法としては、以下の特例があります。
ただし、これらの方法には重要な注意点があります。構造変更は車両の基本構造に関わるため、素人が行うと車検に通らなくなるリスクがあります。また、字光式ナンバーは取り付け位置や配線などの規定があり、専門的な知識が必要です。
さらに、白ナンバーにすることで軽自動車としての税制優遇が受けられなくなる可能性もあります。nボックスの軽自動車としてのメリットを考えると、見た目だけのために白ナンバーにすることは慎重に検討すべきでしょう。
nボックスのエンジン性能と燃費は、軽自動車の中でもトップクラスの評価を得ています。2023年10月モデルの燃費性能を詳しく見てみましょう。
WLTCモード燃費データ:
これらの数値は、実際の走行環境に近い条件で測定されたものです。特に郊外モードでの21.8km/Lという数値は、軽自動車として優れた燃費性能を示しています。
nボックスには2種類のエンジンが設定されています。
燃料タンク容量は27リットルで、燃費性能と合わせると満タンで約500〜600kmの走行が可能です。これは日常の通勤や買い物はもちろん、週末のドライブにも十分な航続距離と言えるでしょう。
2023年10月に登場した3代目モデルでは、前モデルと比較してJC08モードで0.9km/Lほど燃費性能が低下しているものの、静粛性や走行安定性が向上しており、総合的な乗り心地は大きく改善されています。
nボックスが多くの人に選ばれる理由の一つに、税金や維持費の安さがあります。軽自動車であるnボックスの税金と維持費について詳しく見ていきましょう。
税金面でのメリット:
その他の維持費メリット:
これらを合計すると、nボックスは普通自動車(1000cc以上)と比較して、年間で約5〜10万円の維持費節約が期待できます。特に都市部での使用や、セカンドカーとして考えている方には大きなメリットとなるでしょう。
nボックスが10年以上にわたって日本の軽自動車販売台数トップを維持している理由は、その魅力的な特徴にあります。2025年4月には一部改良モデルも登場し、さらに進化を遂げています。
nボックスの基本的な魅力:
2025年4月の一部改良モデルの進化点:
2025年4月18日に発売された一部改良モデルでは、以下の点が強化されています。
これらの進化により、nボックスはさらに魅力的な軽自動車となっています。特に、外観デザインの高級感向上は、「軽自動車らしくない質感」という評価につながっており、普通車(1000cc以上)と比較しても見劣りしない存在感を放っています。
2023年10月に登場した3代目モデルでは、外観の大きな変更に加えて、静粛性や乗り心地も大幅に向上。特に静粛性については「誰が乗っても気付くレベル」と評価されており、遮音材と吸音材の見直しが効果を発揮しています。
また、サスペンションの取り付け方法を「1G締め」と呼ばれる手法に変更したことで、同じ部品を使いながらもドライブフィールが向上している点も特筆すべき進化です。
nボックスは軽自動車でありながら、その完成度の高さから「軽自動車とは思えない」という評価を多く受けています。1000ccクラスの普通車と比較しても、室内空間や走行性能、装備の充実度において引けを取らない点が、多くのユーザーから支持される理由となっています。
まとめ:nボックスの真の価値
nボックスに1000ccエンジンは搭載されていませんが、660ccエンジンでも十分な走行性能と快適性を備えています。軽自動車としての税金や維持費のメリットを享受しながら、普通車並みの使い勝手を実現している点がnボックスの真の価値と言えるでしょう。
白ナンバー取得よりも、nボックスが持つ本来の魅力を活かす方が、賢い選択かもしれません。2025年最新モデルでは、さらに魅力が増しているnボックス。軽自動車を検討中の方は、ぜひ一度試乗してその価値を体感してみてください。