
ナンバープレートは単なる識別番号ではなく、公道を走行するための法的要件です。道路運送車両法によると、ナンバープレートが破損した状態での走行は違法行為とみなされます。具体的には、ナンバープレートが見えにくい状態や一部でも判読できない状態での走行は、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
破損したナンバープレートをそのまま放置することのリスクは非常に大きいと言えます。警察の取り締まりで発見された場合、その場で運転を中止させられるだけでなく、罰則を受けることになります。また、事故を起こした際に車両の特定が困難になるため、様々なトラブルの原因となります。
ナンバープレートは「見やすく表示する」ことが義務付けられており、以下のような状態は違反となります。
ナンバープレートの修理が可能かどうかは、破損の程度によって判断します。修理可能かどうかの基準は以下の通りです。
専門家によると、ナンバープレートの修理は基本的に「見た目の問題を解消する」ことが目的であり、法的要件を満たすための最低限の基準は「すべての文字が明確に判読できること」です。したがって、文字の判読性に問題がある場合は、修理ではなく交換を検討すべきでしょう。
軽度の破損であれば、自分でナンバープレートを修理することも可能です。ただし、リアのナンバープレートには封印があるため、フロントのナンバープレートのみ自分で修理できることに注意が必要です。
自分で修理する際の手順:
自分で修理する際の注意点として、過度な力を加えるとプレートが破損する可能性があります。また、文字部分を傷つけないよう細心の注意を払いましょう。修理後も文字が判読できない場合は、専門業者への依頼や交換を検討してください。
ナンバープレートの修理を自分で行うことが難しい場合や、リアのナンバープレート(封印があるため自分では取り外せない)の修理が必要な場合は、専門業者への依頼が適切です。
業者に依頼する際の費用相場:
修理内容 | 費用目安 |
---|---|
フロントのみの修理 | 約3,000円 |
リアのみの修理 | 約3,000円 |
前後両方の修理 | 約5,000~6,000円 |
出張修理サービス | 追加1,000~2,000円 |
業者依頼の流れ:
業者選びのポイントとしては、板金修理の実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。また、封印の取り扱いが可能な指定工場かどうかも確認しましょう。修理期間は通常1~3日程度ですが、繁忙期は長くなる可能性があります。
ナンバープレートの破損が著しく修理が難しい場合は、交換または再交付の手続きが必要になります。車種によって手続き先が異なるため注意が必要です。
普通自動車の場合:
手続き先:運輸支局または自動車検査登録事務所
必要書類。
軽自動車の場合:
手続き先:軽自動車検査協会
必要書類。
再交付と再作成の違い:
交換・再交付にかかる費用:
車種・タイプ | 費用目安 |
---|---|
普通自動車(通常) | 約1,500~2,000円 |
普通自動車(図柄入り) | 約7,000~9,200円 |
軽自動車(ペイント式) | 約750円 |
軽自動車(字光式) | 約2,400円 |
軽自動車(希望ナンバー) | 約2,100円 |
なお、再交付・再作成の手続き中に車を使用する必要がある場合は、仮ナンバーを取得することも可能です。仮ナンバーの取得には別途手数料がかかり、使用期間も限られていることに注意しましょう。
ナンバープレートの破損修理や交換費用は、状況によっては自動車保険で補償される可能性があります。これは多くのドライバーが見落としがちなポイントです。
保険適用の可能性がある状況:
保険を使う際の注意点:
保険適用を検討する場合は、まず加入している保険会社に問い合わせ、補償範囲と手続き方法を確認しましょう。ナンバープレートの修理費用は数千円程度であることが多いため、免責金額や翌年の保険料上昇を考慮して判断することが重要です。
多くの場合、ナンバープレートのみの破損であれば保険を使わずに自費で修理・交換した方が経済的です。ただし、他の部位も同時に破損している場合は、まとめて保険を使用することで効率的に修理できる可能性があります。
※中古車の場合は、修理・交換よりも車を買い直したほうが安いケースもあります。