
2025年現在、国産マニュアル車は新車で約40車種以上が購入可能です。オートマ車が主流となった現在でも、各メーカーはマニュアル車の魅力を理解し、スポーツカーから軽自動車まで幅広いラインナップを展開しています。
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トヨタからは、GR86(293万6,000円〜)、GRヤリス(349万円〜)、ヤリス(169万9,500円〜)など、スポーツ走行を楽しめる車種が揃っています。特にGRヤリスは1.6L直列3気筒ターボエンジンを搭載し、304馬力と40.8kgmのトルクを発揮するWRC直系の市販車として人気を集めています。レクサスブランドからもLBX(650万円〜)にMT設定があり、プレミアムブランドでもマニュアル車の選択肢が用意されています。
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マツダは国内メーカーの中で最もマニュアル車に力を入れており、普通乗用車9車種のうち6車種にMT設定があります。ロードスター(289万8,500円〜)は2シーターオープンスポーツの代表格として、マニュアル車好きから絶大な支持を受けています。MAZDA2(176万8,800円〜)やMAZDA3(291万3,900円〜)といったコンパクトカーにもMT設定があり、日常使いでも運転の楽しさを味わえます。
スズキは軽自動車を中心に豊富なマニュアル車を展開しています。ジムニー(165万4,400円〜)は本格的な4WD性能とMTの組み合わせで、オフロード走行を楽しみたいユーザーに最適です。スイフトスポーツ(216万4,800円〜)は1.4Lターボエンジンと6速MTの組み合わせで、手頃な価格でスポーツ走行を満喫できます。
ホンダからはシビック タイプR(439万8,900円〜)が、本格的なホットハッチとして国内外から高い評価を得ています。N-ONE RS(216万400円〜)は軽自動車ながら6速MTを搭載し、日常での取り回しの良さとスポーツ性を両立させています。
ダイハツのコペン(198万3,300円〜)は軽オープンスポーツとして独自のポジションを確立し、低価格でオープンエアドライビングとマニュアル操作の楽しさを提供しています。日産フェアレディZ(549万7,800円〜)とスバルBRZ(332万2,000円〜)も、伝統あるスポーツカーとしてマニュアル車の選択肢を残しています。
輸入車のマニュアル車は国産車よりも選択肢が限られますが、高性能なスポーツカーを中心に魅力的なラインナップが揃っています。2024年時点で日本で新車購入できる輸入マニュアル車は、BMW、ポルシェ、アバルト、ルノー、ケータハムの5メーカーから展開されています。
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ポルシェは最も豊富なマニュアル車ラインナップを誇り、718ケイマン(840万円〜)、718ボクスター(879万円〜)、911シリーズなど多彩な選択肢があります。特に911カレラT(1,757万円〜)やGT3(2,628万円〜)は、ポルシェのスポーツカー哲学を体現する6速MTを搭載しています。最上級の911 S/T(4,118万円〜)まで、マニュアル車の選択肢が用意されているのは驚きです。
BMWはMシリーズのM2クーペ(972万円〜)とM4クーペ(1,358万円〜)に6速MTを設定しています。BMWらしい3.0L直列6気筒ツインターボエンジンとマニュアルトランスミッションの組み合わせは、「シルキーシックス」と呼ばれる滑らかな吹け上がりとダイレクトな操作感を楽しめます。
イタリアのアバルトからは、F595(448万円〜)と695コンペティツィオーネ(480万円〜)が5速MTで展開されており、コンパクトなボディに情熱的な走りを詰め込んだイタリアンホットハッチの魅力を味わえます。
フランスのルノーはメガーヌ ルノー・スポールのトロフィー(589万円〜)とウルティム(659万円〜)に6速MTを設定し、FF最速を目指した本格的なスポーツハッチを提供しています。
イギリスのケータハムは、セブンシリーズの複数モデルでマニュアル車を展開しています。SEVEN170からSEVEN 620まで、軽量ボディとマニュアルトランスミッションの組み合わせで、純粋な運転の楽しさを追求した車作りが特徴です。
ヨーロッパでもオートマ車へのシフトが進んでおり、以前に比べてマニュアル車の選択肢は減少傾向にあります。しかし、スポーツカーを中心に根強い支持があり、特にポルシェのような伝統的スポーツカーメーカーは今後もマニュアル車の提供を続けると期待されています。
マニュアル車最大の魅力は、車を操る楽しさを存分に味わえることです。クラッチ操作とギアチェンジを自分の意思で行うことで、車との一体感が生まれ、ドライバーとしての満足度が大きく高まります。アクセル、ブレーキ、クラッチ、シフトレバーを使い分けることで、車を思い通りにコントロールする感覚は、運転好きにとってかけがえのない体験となります。
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燃費性能の良さもマニュアル車の大きなメリットです。オートマ車よりも構造がシンプルで動力損失が少ないため、同じ車種で比較した場合、マニュアル車の方が燃費が良い傾向にあります。また、ドライバーの運転技術次第でさらに燃費を向上させることが可能で、エコドライブの実践にも適しています。
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メンテナンスのしやすさと維持費の安さも見逃せないポイントです。マニュアル車はトランスミッションの構造がシンプルなため、オートマ車に比べて修理や整備が容易で、コストも抑えられる傾向があります。クラッチの交換が必要になる場合もありますが、総合的な維持費はオートマ車よりも安くなることが多いです。
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エンジンブレーキを効果的に使えることも、マニュアル車ならではの利点です。下り坂や減速時にギアを落とすことで、ブレーキへの負担を減らし、より安全な運転が可能になります。この操作感覚が、運転技術の向上にもつながります。
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マニュアル車の購入を検討する際は、いくつかのデメリットも理解しておく必要があります。最も大きな課題は操作の複雑さで、クラッチペダルの操作やギアチェンジのタイミングを習得するまでに時間がかかります。特に坂道発進では、ハンドブレーキとクラッチを絶妙にコントロールする必要があり、慣れないうちは車が後退してしまうリスクもあります。
渋滞時の運転はマニュアル車にとって大きなストレスとなります。停止と発進を繰り返す状況では、クラッチペダルを何度も踏み込む必要があり、左足への負担が大きくなります。長時間の渋滞では、この操作の繰り返しがドライバーの疲労を著しく増加させます。
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車種選択の制限も重要な考慮点です。現在、国内で販売される新車の98〜99%がオートマ車となっており、マニュアル車の設定がある車種は限られています。特にファミリーカーやミニバン、SUVといったカテゴリーでは、マニュアル車の選択肢がほとんどないのが現状です。
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免許取得の際も、マニュアル車を運転するにはMT免許が必要です。AT限定免許に比べて、MT免許の取得には追加の教習時間と費用がかかります。教習所での学習時間が長くなり、技能試験の難易度も上がるため、免許取得までの期間が長くなる傾向があります。
中古でマニュアル車を購入する場合、クラッチやトランスミッションの状態確認が不可欠です。クラッチペダルの踏み具合や切れ具合、ギアシフトのスムーズさを試乗時に必ずチェックしましょう。クラッチが摩耗している場合、購入後すぐに交換が必要となり、追加費用が発生する可能性があります。
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予算150万円以下で購入できるマニュアル車として、スズキ ジムニー(165万4,400円〜)が最もコストパフォーマンスに優れています。本格的な4WD性能と5速MTの組み合わせで、日常使いからオフロード走行まで幅広く対応できます。同価格帯では、ダイハツ コペン(198万3,300円〜)も魅力的で、軽自動車規格ながらオープンスポーツカーの楽しさを低価格で味わえます。
200万円台の予算では、選択肢が大きく広がります。トヨタ ヤリス(169万9,500円〜)は、世界トップレベルの低燃費性能と爽快な走りを両立したコンパクトカーで、6速MTとの組み合わせで日常使いの楽しさを提供します。スズキ スイフトスポーツ(216万4,800円〜)は1.4Lターボエンジンと6速MTを搭載し、手頃な価格で本格的なスポーツ走行を楽しめます。ホンダ N-ONE RS(216万400円〜)は、軽自動車で唯一の6速MT搭載車として、取り回しの良さと走る楽しさを両立しています。
300万円台になると、本格的なスポーツカーが視野に入ります。トヨタ GR86(293万6,000円〜)とスバル BRZ(332万2,000円〜)は、2.4L水平対向4気筒エンジンと6速MTの組み合わせで、FR駆動ならではの運転の楽しさを存分に味わえます。マツダ ロードスター(289万8,500円〜)は、軽量ボディと自然吸気エンジン、6速MTの組み合わせで、オープンエアドライビングの爽快感と正確なハンドリングを提供します。
400万円以上の予算があれば、さらに高性能な車種を選択できます。トヨタ GRヤリス(349万円〜)は、WRC参戦マシンの技術をフィードバックした1.6Lターボエンジンと6速MTで、304馬力の強力なパワーを4WDで路面に伝えます。ホンダ シビック タイプR(439万8,900円〜)は、FF最速を目指した本格的なホットハッチで、サーキット走行も視野に入れた高性能を誇ります。
輸入車では、アバルト F595(448万円〜)がエントリー価格として魅力的です。イタリアの情熱を感じさせるコンパクトなボディに5速MTを組み合わせ、独特の走りを楽しめます。予算1,000万円以上になると、ポルシェ 718ケイマン(840万円〜)やBMW M2クーペ(972万円〜)など、世界トップクラスのスポーツカーを6速MTで堪能できます。
マニュアル車を選ぶ際、多くの人が見落としがちなのが将来的な希少価値です。国内の新車販売におけるマニュアル車の比率はわずか1〜2%まで減少しており、今後さらに減少することが予想されます。この傾向は、現在販売されているマニュアル車が将来的に希少車となる可能性を示唆しています。特にスポーツカーやライトウェイトスポーツのマニュアル車は、コレクターズアイテムとしての価値が高まる可能性があります。
電動化の波がマニュアル車の未来に大きな影響を与えています。ハイブリッド車やEVの普及により、マニュアル車の設定はさらに縮小していく見込みです。現在マニュアル車を設定している車種も、次期モデルチェンジでMT設定が廃止される可能性が高く、「今が買い時」という状況になっています。特にヨーロッパメーカーの車種では、環境規制の強化に伴いマニュアル車の廃止が加速しています。
通勤や日常使いを想定する場合、渋滞の頻度を考慮することが重要です。都市部で頻繁に渋滞に巻き込まれる環境では、マニュアル車の運転が大きなストレスとなる可能性があります。一方、郊外や地方在住でスムーズな道路環境が多い場合は、マニュアル車の楽しさを存分に味わえます。
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