cfrp frp 違いと自動車カスタムで知るべき選び方

cfrp frp 違いと自動車カスタムで知るべき選び方

CFRPとFRPの違いを自動車カスタムの視点で徹底解説

カーボンパーツに付け替えたのに、思ったより軽くならず5万円をムダにするドライバーが続出しています。


CFRPとFRPの違い:3つのポイント
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素材の違い

FRPはガラス繊維、CFRPは炭素繊維を使った強化プラスチック。CFRPはFRPの一種で、繊維の種類が異なるだけでなく、強度・重量・価格が大きく変わります。

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強度と重量の差

CFRPはFRPより引張強度が約2〜3倍高く、重量は約20%軽い。ただしその差は製品形状や樹脂量によって変わるため、必ずしも劇的な軽量化になるとは限りません。

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価格の差

炭素繊維の原料単価はガラス繊維の約20倍。カーボン(CFRP)パーツはFRPの数倍〜数十倍の価格になることもあり、用途に合った選択が必要です。


CFRPとFRPの基本的な違い:繊維と樹脂の構造から理解する





FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは「繊維強化プラスチック」の略称で、何らかの繊維をプラスチック樹脂と組み合わせた複合材料の総称です。つまりFRPは特定の1素材を指すのではなく、幅広いカテゴリーの名称になります。


自動車のカスタムパーツ店や整備士が「FRP」と言うとき、ほぼ100%の確率でGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)、つまりガラス繊維強化プラスチックを指しています。これが重要な前提です。


一方のCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は「炭素繊維強化プラスチック」です。炭素繊維(カーボンファイバー)をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と組み合わせた素材で、FRPの一種に位置づけられます。つまり「CFRPはFRPの仲間」というのが正確な分類です。


なぜCFRPがFRPより優れているのかというと、炭素と元素が持つ性質そのものに理由があります。ガラス繊維の主成分(CaNaO4P)に対し、炭素(C)は単一元素で構成されているため密度が低く、かつ原子間結合が非常に強固です。この特性が「軽くて強い」という性能に直結しています。


引張強度を比べると、FRP(GFRP・Eガラス)が約300MPaなのに対し、CFRP(PAN系230GPa)は約650MPa、ハイグレード品では2,400MPaにも達します。コンクリートの引張強度が約3〜5MPaですから、いかにこれらの素材が高性能かが分かります。


強度が原則です。ただし、この数値はあくまで素材単体の比較であり、実際の製品強度はパーツの形状・厚さ・積層方向・製法によって大きく変わる点は覚えておきましょう。


CFRPとFRPの違いを専門メーカーが解説(スーパーレジン工業)


CFRPとFRPの強度・重量を数字で比べる

自動車カスタムで「カーボンボンネットに変えたら軽くなる」と考える方は多いでしょう。実際のところ、どれくらいの差があるのか数字で確認してみます。


重量比較では、同形状のパーツを同じ製法で作った場合、FRPに比べてCFRP(カーボン)は約20%軽くなります。具体的には、あるメーカーのリアウイングでFRP製が約2kgのところ、CFRP製は約1.6kgと報告されており、重量差は400g程度です。


これはペットボトル1本分未満の差です。意外ですね。


しかし、ボンネットのように面積が大きなパーツになると話が変わります。インテグラ(DC5)の純正スチールボンネットが約16kgなのに対し、CFRP製カーボンボンネットは約5〜8kgになるケースがあります。8kg以上の軽量化は、走行時のフロント荷重と操縦性に明確な影響をもたらします。


ただし「同じDC5でもタイプRはアルミ製ボンネット(約8kg)が純正装備」という事実を知らないと、高額なカーボンボンネットを購入しても1kgも軽くならないという事態が起こります。購入前に純正ボンネットの素材を調べることが条件です。


引っ張り強度についてもまとめておきます。


































素材 引張強度(目安) 比重
鉄(スチール) 400〜800MPa 7.8
アルミ合金 200〜500MPa 2.7
FRP(GFRP) 約300MPa 2.0前後
CFRP(ウェットカーボン 約650MPa 1.5前後
CFRP(ドライカーボン 900〜2,400MPa以上 1.5以下


スチールと比べるとCFRPは比重が約1/5、アルミと比べても約1/2の軽さです。そのうえで強度がスチールを上回る性能を持っていることが分かります。つまり「軽くて強い」は正確な表現です。


CFRPの物性データ一覧(スーパーレジン工業)


CFRPのドライカーボンとウェットカーボンの違い:実は別物

カーボンパーツに興味を持ったとき、必ず「ドライカーボン」と「ウェットカーボン」という言葉に出合います。どちらもCFRPの一種ですが、性能・価格ともに大きな差があります。


ドライカーボン(正式名称:ECC=エポキシ・カーボン・コンポジット)は、あらかじめ樹脂を含浸させたシート状の「プリプレグ」を積層し、真空バッグで空気を抜いたうえでオートクレーブ(加圧・加熱炉)で成形した素材です。樹脂量が最小限に抑えられているため繊維密度が高く、軽量・高強度・高耐熱という特性を最大限に引き出せます。F1マシンのモノコックや航空機の構造材に使われているのがドライカーボンです。


ウェットカーボン(正式名称:PCC=ポリエステル・カーボン・コンポジット)は、カーボン繊維の織物に液状の樹脂を手作業で染み込ませて積層する手法です。ドライカーボンと違い高圧設備が不要なため製造コストが低く、市販のドレスアップ用カーボンパーツの大半がこれに該当します。


この2つは別物と覚えておくだけでOKです。


市場に流通しているカーボンパーツの98%以上はウェットカーボンと考えてよいでしょう。値段もドライカーボンと比べれば圧倒的に安いですが、性能も大きく異なります。例えばレクサスRC F純正のドライカーボンボンネットは新品価格が約83万円と高額ですが、一般向けのウェットカーボン製ボンネットは5万〜20万円台で購入可能です。


見分け方の目安としては、「平織り模様(縦横の格子状)=ドライカーボンの可能性が高い」「綾織り模様(斜め格子のハウンドトゥース状)=ウェットカーボンの可能性が高い」とされています。ドレスアップ向けの綾織りデザインはウェットカーボンに多い傾向があるためです。



  • 🏁 ドライカーボン:平織り多い・軽量最優先・高コスト(F1・ハイパーカー向け)

  • 🚗 ウェットカーボン:綾織り多い・ドレスアップ向け・手が届く価格

  • 🔰 FRP(GFRP):ガラス繊維・最安価・修理しやすい・エアロパーツの主流


ドライカーボンとウェットカーボンの違いを詳しく解説(モーサイ)


FRPとCFRPの価格差と修理コスト:知らないと出費が倍になる

自動車パーツとして選ぶ際、性能と同じくらい重要なのが「購入後のトータルコスト」です。FRPとCFRPには価格だけでなく修理コストでも大きな差があります。


まず購入価格を見ると、炭素繊維の原料単価はガラス繊維の約20倍とされており、この差がそのままパーツ価格に影響します。市販のFRP製エアロバンパーは1〜5万円台が相場であるのに対し、ウェットカーボン製では3〜10万円台、さらにドライカーボン製になると数十万円に達することも珍しくありません。


CFRPボンネットの修理費用は特に注意が必要です。FRPなら破損部分に同素材のFRPシートを貼り付けてパテで補修するだけで外観を修復でき、材料費・工賃を合わせても比較的安価に済みます。これはFRPのホームセンターで入手できるような素材でも補修可能という利点があるためです。


痛いのはCFRPです。カーボンボンネットが破損した場合、基本的に修復が難しく、新品交換が前提となります。製品代が高い上に、カーボン素材の塗装・仕上げには専門技術が必要で、修理総額が新品購入価格を超えるケースも出てきます。


具体的な場面を想像してください。駐車場でボンネットに買い物カートをぶつけてしまい、ひびが入ったとします。FRPなら板金補修や中古品への交換も選択肢に入りますが、カーボンボンネットは同等品を探すのも難しく、数十万円の出費になりかねません。


これは使えそうな情報です。


また、カーボン素材には「導電性がある」という特性も見逃せません。FRP(ガラス繊維)は絶縁性があるのに対し、CFRPは炭素繊維が導電性を持つため、電装部品の近くに取り付ける際はアース処理などの絶縁対策が必要です。知らずに装着すると電気系統トラブルの原因になる可能性があります。



  • FRPが向くケース:コスパ重視・大胆なエアロデザインを楽しみたい・修理のしやすさを優先したい

  • CFRPが向くケース:軽量化を突き詰めたい・カーボン柄の高級感が欲しい・サーキット走行を楽しむ


FRP・CFRPの自動車への活用事例と今後の普及動向

FRPとCFRPはどのような車種・パーツに実際に使われているのでしょうか。具体的な事例を把握しておくと、素材選びの判断基準が明確になります。


FRP(GFRP)は、主にアフターマーケットのエアロパーツとして広く普及しています。フロントバンパー、リアバンパーサイドスカート、ウイングなど、ドレスアップ目的のパーツに採用されることが多く、日産シルビアやS2000、マツダロードスターといったチューニングベース車のアフターパーツ市場では圧倒的なシェアを誇っています。製造コストが低く形状の自由度も高いため、メーカーが設定しないような大胆なエアロデザインも実現しやすいのが強みです。


CFRPの自動車への本格採用は、レーシングカーから始まりました。1970年代後半にF1マシンがカーボンモノコックを採用し始め、クラッシュ時のドライバー生存性が飛躍的に向上しました。量産乗用車での採用事例としては、BMW i3/i8のカーボンボディシェル、レクサスLFAのボディ約65%をCFRPで構成した例、プリウスPHVの燃費改善目的でのCFRP部品採用などが挙げられます。


2020年には日産自動車が「C-RTM(Compression Resin Transfer Molding)工法」を発表し、従来2日かかっていたCFRPパーツの成形を2分で完成させる量産技術を実証しました。CFRPの価格は現状で1500〜7000円/kgと鋼の10倍以上ですが、こうした製造技術の革新によりコスト低下が期待されています。


100kgの軽量化で燃費が7〜9%向上するというデータがあります。CFRPで車体構造材を置き換えると車重を3割削減できると試算されており、燃費換算で2割の向上が見込めます。電動車(EV)においても、バッテリー重量を補うための軽量化素材としてCFRPへの関心が高まっており、今後10年でアフターパーツにとどまらない普及が進むと見られています。


炭素繊維は日本発の素材です。東レ・帝人・三菱ケミカルが世界の3大炭素繊維メーカーとして知られており、世界市場の約7割を日本企業が供給しているという点も覚えておくと、素材への理解が深まります。



  • 🏎️ FRP主要採用パーツ:エアロバンパー、サイドスカート、ウイング(アフターマーケット品)

  • 🚘 CFRP主要採用パーツ:ボンネット、ルーフドア(高性能車・スポーツモデル)

  • 🔬 今後の注目トレンド:熱可塑性CFRP(CFRTP)・CFRPのリサイクル技術開発


CFRPで車を3割軽く・2割燃費向上の技術動向(日経クロステック)


CFRPと自動車産業の関係・市場規模を解説(三和メッキ工業)




図解CFRPによる自動車軽量化設計入門