

アフターファイアが「音だけ」なら自然に収まると思っていませんか?実は放置し続けると、マフラー交換だけで純正品なら6〜10万円の出費になることも珍しくありません。
アフターファイアとは、エンジンのシリンダー内で燃焼しきれなかった未燃焼ガスが排気管(エキゾーストマニホールドやマフラー)に流れ込み、そこで着火・爆発する現象です。マフラーの出口から「パンッ」「バラバラバラッ」という爆発音が聞こえたり、炎が噴き出したりします。
正常なエンジンであれば、燃料と空気の混合気はシリンダー内で完全に燃焼し、燃えカスだけが排気管へ排出されます。しかし何らかの理由で不完全燃焼が起きると、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの未燃ガスがそのまま排気管へ流れ出してしまいます。この未燃ガスは非常に燃えやすく、排気管内の高温部分(ホットスポット)や、次のエンジン行程で排出される高温排気ガスと触れた瞬間に引火します。つまりアフターファイアは、エンジンの外側で二度目の燃焼が起きているわけです。
よく混同されるのがバックファイアとの違いです。アフターファイアはシリンダーの後ろ(排気側)で爆発が起きるのに対し、バックファイアはシリンダーの前(吸気側)に混合気が逆流して爆発する現象です。バックファイアはエアクリーナー付近から「ボフッ」という音がして発生し、燃料タンク近くで着火する危険性があるためアフターファイアよりもさらに危険とされています。
アフターファイアは音だけのケースもあります。炎が出るか出ないかは、排気管内に溜まった未燃ガスの量によって変わります。
参考:アフターファイアとバックファイアの違いを専門家が詳しく解説
アフターファイヤーとは?マフラーから炎が出る原因と対策 | MOTA
アフターファイアの原因として、最も多いもののひとつが点火プラグの劣化です。プラグは混合気に点火する役割を担っており、これが正常に機能しないと不完全燃焼が起きます。
プラグが劣化すると、混合気への着火がうまくいかず、燃え残った未燃ガスが大量に排気管へ流れ込みます。また、混合気が濃すぎる状態が続くと「プラグかぶり」という状態になります。これは燃料が燃え切らずにシリンダー内で液化し、プラグが濡れてしまう現象です。プラグかぶりが発生すると燃えカス(カーボンスラッジ)がプラグ電極に付着し、さらに正常な点火が妨げられる悪循環に陥ります。
カーボンスラッジの蓄積はエンジンオイルを適切に交換しないことでも加速します。エンジンオイルが劣化すると、燃焼室のカーボン堆積を清浄・洗浄する効果が落ちるからです。つまりオイル交換をさぼるほど、アフターファイアの発生リスクが上がるということですね。
一般的にプラグの交換サイクルは、普通プラグで約2万km、イリジウムプラグで約10万kmが目安です。東京から大阪を往復すると約1,200kmなので、普通プラグは16〜17往復分が目安と考えるとイメージしやすいです。走行距離に応じたプラグ交換が、アフターファイアの予防に直結します。
参考:プラグ劣化やカーボン蓄積と不完全燃焼の関係を詳しく解説
エンジンの失火・不完全燃焼する原因と対処方法 | YMワークス
現代の車は電子制御燃料噴射システム(インジェクション)を採用しており、ECU(エンジンコントロールユニット)が各種センサーの情報をもとに燃料噴射量を精密に制御しています。この仕組みがあるため、現代の市販車では昔ほどアフターファイアは発生しにくくなりました。
しかし問題なのはECUやセンサーが故障したときです。たとえば水温センサー・O2センサー・スロットルポジションセンサーなどが誤作動すると、ECUが誤った情報をもとに燃料を噴射してしまいます。混合気が必要以上に濃くなったり、逆に薄くなったりすることで不完全燃焼が発生し、アフターファイアに至るのです。
ECUやセンサーの修理費用はそれなりにかかります。センサー類の交換は3万〜8万円程度、ECU本体の交換に至ってはディーラーでの新品交換で7万〜18万円程度になることもあります。これは痛いですね。
さらにECUの故障は前兆がないまま突然起きることもあり、自己診断も難しいです。エンジン警告灯が点灯したり、アイドリングが不安定になったりしたら早めに専門店で故障診断(2,000〜5,000円)を受けることをおすすめします。問題の早期発見が基本です。
参考:ECU・センサー故障の症状と修理費用の目安
車のコンピューターが故障した場合の症状は?修理費用についても解説 | Goo-net
意外と見落とされがちな原因が、排気管(エキゾーストパイプ)とサイレンサー(マフラー)の接合部からの二次エア(余分な空気)の混入です。この箇所のガスケットやシールが劣化・損傷して隙間ができると、外部の空気が排気管内に侵入します。
排気管内に外気が入り込むと空燃比(空気と燃料の比率)が乱れ、未燃ガスが着火しやすい状態が作り出されます。空気量が多くガソリンが薄い環境では、着火した際の温度が特に高くなります。これがアフターファイアを誘発する、というわけです。
特に社外マフラーに交換した後にアフターファイアが出始めた場合、この接合部の二次エア混入が原因であるケースが非常に多いとされています。社外マフラーは排気の抜けが良くなるぶん、純正よりも接合精度が落ちることがあるからです。
接合部の確認はパーツクリーナーを吹き付けることで行えますが、修理そのものは高温対応のシール材を使った専門的な処置が必要です。「バンドだけで締め直せばOK」と思っている方もいますが、それだけでは再発します。シール材を使った処置が条件です。
参考:二次エア混入によるアフターファイアの原因と接合部の対処法
バックファイアとアフターファイアの原因と解決法 | ハーレーエンジニアリング
「たまにしか起きないから大丈夫」と思っているなら、それは危険な判断です。アフターファイアを放置すると、エンジンや排気系に深刻なダメージが蓄積し続けます。
まず排気管やマフラー・触媒が繰り返しの異常燃焼にさらされ、内部が焼損します。頻繁にアフターファイアが起きるとオーバーヒートを引き起こし、最終的にマフラー交換が必要になります。純正品でのマフラー交換費用は部品代だけで6〜10万円程度、工賃を含めると総額はさらに高くなります。
エンジン本体へのダメージもあります。混合気が薄い状態での燃焼温度は異常に高くなり、ピストンやバルブが過熱状態にさらされます。これが長期間続くと溶解・穴あきといった深刻な内部損傷につながることも。エンジンのオーバーホールともなれば、数十万円単位の修理費用になります。
最悪のシナリオは車両火災です。マフラーから噴き出した炎がバンパーや車体下部の樹脂パーツに延焼する可能性があります。さらに状況次第では車両全体への燃え広がりも起こり得ます。つまり財産損失だけでなく、命に関わる問題に発展するリスクがあるということですね。
エンジン警告灯が点灯している場合や、アクセルを戻すたびにパンパンという爆発音が続く場合は、放置せずに早急に整備工場やディーラーへ持ち込むことが大切です。早期診断で問題を見つけることが、大きな出費を防ぐ唯一の方法です。
参考:アフターファイア放置による危険性・マフラー交換費用の目安
マフラーが故障したら交換は必要?トラブルの対応法や概算の費用 | G'ZOX
アフターファイアが発生したら、まず原因を特定することが先決です。一般のドライバーが自己判断で修理するのは難しいため、プロによる診断を受けるのが最善です。ここでは整備工場で行われる主な対処法と、日常的にできる予防策を整理します。
アフターファイアへの主な対処法は次の通りです。
予防の観点から特に効果があるのは、定期的なオイル交換とプラグ交換、そしてエンジン警告灯が出たら即座に対処することです。これだけ覚えておけばOKです。
また、車を長期間放置した後に乗り始める場合も要注意です。燃料系や点火系の劣化が一気に出やすく、アフターファイアが起きやすい状態になっています。長期保管後の最初の乗り出し前に、プラグや燃料系の簡易点検を行っておくと安心できます。
なお、OBD2対応の自己診断ツールは市販品でも5,000〜1万円程度から入手可能です。エンジン警告灯が点いたとき、整備工場に行く前にエラーコードを自分で読み取れると、見積もりの妥当性が確認しやすくなります。これは使えそうです。
参考:エンジン不完全燃焼の点検手順と修理費用の詳細
エンジンの失火・不完全燃焼する原因と対処方法 | YMワークス

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