
中古のBRZを購入する際、最も重要なのが修復歴の確認です。修復歴のある車両は、事故や損傷からの修理履歴を持っており、特にフレームや重要な構造部分の修復が行われている場合、車両の安全性や走行性能に影響を及ぼす可能性があります。
修復歴を自分でチェックする方法としては、以下のポイントに注目しましょう。
通常、これらの隙間は均一になっているはずです。もしズレがある場合は、車の骨格部分がゆがんでいる可能性があります。
塗料が剥がれている場合、工具でいじった形跡があり、修理された可能性が高いです。
クリアランスのバランスがおかしい場合は、事故などでフレームがずれた可能性があります。
修復歴のある車両を購入する場合は、修復箇所や修理の質を詳細に確認し、信頼できる専門家に点検を依頼することをおすすめします。価格が安いからといって安易に購入すると、後々大きな出費につながる可能性があります。
BRZに搭載されている水平対向エンジンには、いくつかの注意すべき点があります。特に中古車を購入する際は、以下のポイントを重点的にチェックしましょう。
1. 直噴インジェクターの不良
BRZのエンジンルームで特に注意が必要なのが、シリンダーにガソリンを噴出する直噴インジェクターです。これが経年劣化などの原因から作動不良を起こす可能性があります。主な症状は。
症状がひどくなると走行ができなくなる恐れもあります。また、水平対向エンジンなのにドロドロ音がする場合は、シリンダーに燃料が噴射されずに一気筒が死んでいる状態の可能性があります。
2. スパークプラグとイグニッションコイルの劣化
走行距離によっては、スパークプラグとイグニッションコイルの劣化によるパワーダウンが起こることがあります。早い場合は7万km、平均的には10万km前後でこの症状が発生します。
日常走行レベルではほとんど気づかないかもしれませんが、放置して乗り続けるとどんどん症状が表面化し、吹け上がりが悪くなったり、エンジンがばらついたりするリスクが高まります。BRZの前期モデルは既に10年以上経過しているため、購入時にスパークプラグとイグニッションコイルを同時交換することをおすすめします。
3. オイル漏れのチェック
水平対向エンジンは、シリンダーヘッドやタイミングチェーンのあたりからオイル漏れする可能性があります。エンジンルームをよく確認し、オイルの滲みや漏れがないかチェックしましょう。特にタイミングチェーン付近とシリンダーヘッド周辺は重点的に見ておくべきです。
4. 補機ベルトの状態確認
Vベルト(補機ベルト)の劣化も確認しておきましょう。ゴム部分にヒビが入っていないか、異音がしていないかなどをチェックし、劣化している場合は交換を依頼するとよいでしょう。
中古車購入時には、これらのポイントを確認するために、できれば信頼できる整備工場や専門家に同行してもらうことをおすすめします。また、整備記録簿があれば、定期的なメンテナンスが行われていたかどうかも確認できます。
BRZの中古車を選ぶ際、走行距離とカスタム状況は車両の状態や将来的な維持費に大きく影響します。以下のポイントに注意して確認しましょう。
走行距離のチェックポイント
走行距離が多い車両は、エンジンや主要部品の劣化が進行している可能性があります。特にBRZはスポーツカーであるため、スポーツ走行に使用されることが多く、通常の車よりも高負荷がかかっている場合があります。
カスタム状況の確認ポイント
中古のBRZは、前オーナーによってカスタマイズやチューニングが施されている場合があります。
カスタム車を選ぶ際は、どのようなパーツが使われているか、それらが適切に取り付けられているか、そして車検に通るかどうかを確認することが重要です。信頼できる専門店でのカスタムであれば問題ないことが多いですが、素人によるDIYカスタムには注意が必要です。
BRZを中古で購入する際、前期型(2012年~2016年)と後期型(2016年~2020年)の違いを理解しておくことは重要です。モデルによって特徴や注意点が異なるため、自分の好みや予算に合わせて選ぶことができます。
外観の違い
内装の違い
見分け方
助手席ドアを開けたBピラー部分にあるコーションプレートに記載されたアプライドモデル(アルファベット)で詳細なモデル年式を特定できます。例えば、「A」は初期型、「D」は後期型を示します。
購入時の注意点
中古車市場では、前期型の方が価格が手頃なため、予算を抑えたい方には選択肢になりますが、その分メンテナンス費用がかかる可能性も考慮する必要があります。一方、後期型は価格は高めですが、装備や性能が向上しており、比較的新しいモデルのため不具合のリスクは低めです。
BRZの中古車を購入する際、書類上のチェックだけでなく、実際に試乗して車の状態を確認することが非常に重要です。試乗時には以下のポイントに注目しましょう。
1. エンジン始動時と走行中の音
BRZの水平対向エンジンは、正常であれば特有のサウンドを奏でますが、異常な場合は明らかに違和感のある音がします。特に一気筒が死んでいる場合は、明らかに不調を感じるはずです。
2. クラッチの操作感とシフトフィール
BRZはスポーツカーなので、クラッチやミッションの操作感は重要です。特に中古車の場合、前オーナーの使い方によって摩耗度合いが異なります。
3. サスペンションとブレーキの状態
サスペンションやブレーキの劣化は安全性に直結するため、しっかりチェックしましょう。特にスポーツ走行が多かった車両は、これらの部品の摩耗が進んでいる可能性があります。
4. 電装系統の動作確認
電装系統のトラブルは修理に高額な費用がかかることがあるため、すべての機能が正常に動作するか確認しましょう。
5. テールランプの水漏れチェック
BRZは特にテールランプに水が溜まる「水槽化」という現象が知られています。テールランプの内部が湿っていないか、水が溜まっていないかをチェックしましょう。この問題が進行すると、テールランプ自体が故障する可能性があります。
試乗時には、できるだけ様々な道路環境(市街地、高速道路、坂道など)で走行し、様々な状況での車の挙動を確認することが理想的です。また、試乗前後にエンジンルームをチェックし、試乗後に異常なオイル漏れなどがないかも確認するとよいでしょう。
信頼できる販売店であれば、十分な試乗時間を提供してくれるはずです。もし試乗を制限されるようであれば、それは車に何らかの問題がある可能性を示唆しているかもしれません。
BRZの中古車を購入した後、愛車をより長く楽しむためには適切なカスタムとメンテナンス計画が重要です。特にスポーツカーであるBRZは、適切なケアによってパフォーマンスを維持・向上させることができます。
購入直後に検討すべきメンテナンス
特に10万km以上走行している車両では、これらのフルード類を全て交換することで、車両の状態を大幅に改善できることがあります。
効果的なカスタム計画
BRZは多くのオーナーがカスタマイズを楽しむ車種ですが、計画的に進めることが重要です。以下は段階的なカスタム計画の例です。
実際のカスタム例として、約40万円の予算で以下のようなチューニングが可能です。
これらのパーツ交換により、エンジンのレスポンスが向上し、コーナリング性能が大幅に改善されます。特にLSDとファイナルギアの変更は、BRZの走りの楽しさを引き出す効果的なカスタムです。
定期的なメンテナンススケジュール
BRZを長く楽しむためには、以下のような定期メンテナンススケジュールを組むことをおすすめします。
カスタムを行う際は、信頼できるショップに依頼することが重要です。また、過度なチューニングは車両の耐久性に影響する可能性があるため、バランスの取れたカスタムを心がけましょう。適切なメンテナンスとカスタムにより、BRZの走る楽しさを最大限に引き出すことができます。