

ツイーターをダッシュ上に貼るだけでは、実は出費が2〜3万円分無駄になっている可能性があります。
ツイーターとは、スピーカーシステムの中で高音域(一般的に約2,000Hz〜20,000Hz)を専門に担当する小型スピーカーユニットのことです。ドアに取り付けられている通常のドアスピーカー(ミッドバス)は、低音から中音を得意としていますが、高音域の再現には限界があります。純正状態でツイーターが装備されていない車では、すべての音をドアスピーカー1個でまかなっているため、どうしても高音がこもった印象になりがちです。
マスクをした人の声をイメージしてください。マスク越しだと高音域がカットされ、くぐもって聞こえますよね。ツイーターのない状態の車内音はまさにあの状態です。
ツイーターを取り付けると、音楽の解像度が上がり、ボーカルが明瞭に前に出るようになります。また、ドアスピーカーだけでは足元から音が来ていた音場が、ツイーターを高い位置に取り付けることで目線の高さまで上がり、まるでコンサートホールの最前列で聴いているような立体的なサウンドステージが形成されます。これがツイーター取り付けの最大の魅力です。
効果は大きいです。特に、カロッツェリア「TS-TT440」のようにコンセプトが「純正スピーカーへの追加」に特化したモデルなら、5,000円台〜という低コストで導入できます。セパレートスピーカーに丸ごと交換するのと比べて出費を大幅に抑えながら、音質向上の実感を得やすいのが「ツイーター単体追加」の大きな特徴です。
つまり、コスパ重視の音質アップに最適な手段です。
| アップグレード方法 | おおよそのコスト | 音質向上度 |
|---|---|---|
| ツイーター単体追加(DIY) | 5,000〜15,000円 | ★★★☆☆ |
| セパレートスピーカー交換 | 20,000〜60,000円 | ★★★★★ |
| ツイーター埋め込み加工(プロ) | 加工工賃のみ20,000円〜 | ★★★★☆ |
ツイーターの取り付け位置は、音質に直結する最重要ポイントです。主な取り付け場所は「ダッシュボード上」「Aピラー(フロントガラス横の柱)」「純正ツイーター位置(ドアミラー裏や純正グリル内)」の3パターンに分かれます。それぞれに明確なメリット・デメリットがあります。
まずはダッシュボード上への両面テープ固定から見ていきましょう。これは最もポピュラーな方法です。加工不要で取り付けが手軽なうえ、角度の調整自由度もある程度確保できます。音質的には「ダッシュボードにポン付け」でも、実は純正位置に埋め込むより音が良いケースがあるほどです。ただし、夏場の車内は60℃を超えることがあり、両面テープが剥がれてくるリスクは避けられません。これは想定内として、剥がれたら貼り直すという割り切りが必要です。
次にAピラー埋め込みについてです。Aピラーはドアミラーの付け根、フロントガラスの両サイドに位置するパネルです。ここにツイーターを埋め込むと、ダッシュボードより高い位置に設置できるため、音場がさらに上方向に広がります。まるで音がフロントガラスを飛び越えて前方から降ってくるような、立体的なサウンドステージが体験できます。一方でAピラーへの埋め込みはビス留めや加工が必要となり、プロに依頼する場合の工賃は左右で3万円〜が目安です。DIY派の方は、純正ピラーパネルを別途購入(安価に入手可能)して加工する方法もあります。
純正位置への取り付けは、見た目を純正と変えたくない人向けです。特定の車種向けに、アルパインやカロッツェリアから専用取り付けキットが発売されており、スピーカーグリルを戻せば外観は純正そのまま。ただし角度の自由度がなく音がこもりやすいというデメリットもあります。
取り付け位置は音質より先に決めるのが原則です。なぜなら位置によって選べるツイーターのサイズが変わり、後から「このツイーターは純正位置に入らなかった」という問題が起きやすいからです。
ツイーターを取り付けるうえで絶対に知っておかなければいけない知識があります。それが「パッシブネットワーク(クロスオーバー)」の存在です。
ネットワークとは何かというと、ツイーターに流れる信号を高音域だけに絞り込むためのフィルター部品のことです。なぜこれが必要かというと、低音信号をそのままツイーターに流すと、ツイーターの小さなコーンが過大振動して物理的に破損してしまうからです。ヤフオクやフリマアプリで安いツイーター単体を入手して純正スピーカー線に直接接続するのは最悪の選択です。購入した瞬間に壊れる可能性があります。
壊れたら修理ではなく買い直しになります。
ツイーターを単体で追加するなら、ネットワーク(クロスオーバー)が付属しているモデルを選ぶことが大前提の条件です。パッシブクロスオーバー付きのモデルでは、多くの場合、ツイーターの音量(レベル)を「0dB / -3dB / -6dB」のように3段階で切り替えられる調整機能も内蔵されています。高音が刺さる感じがあれば-3dBや-6dBに切り替えることで、簡単にバランスを整えられます。
配線の接続先は「純正スピーカーの配線から分岐して取り出す」のが基本です。ただし単純な並列分岐では、インピーダンス(電気抵抗値)が変化して音質劣化やアンプへの負荷増大につながるリスクがあります。専用の「スピーカー信号取り出しケーブル」や「ハイローコンバーター」を経由させることで、純正配線を傷つけずに安全に信号を分岐できます。
配線は一度で正しく行うのが原則です。
参考情報:パッシブネットワークの仕組みと純正スピーカーへのツイーター追加配線方法の詳細はこちらをご覧ください。
DIYラボ|純正スピーカーにツイーターを追加するときの知識(ネットワークの重要性・配線方法を解説)
ツイーター取り付けで見落とされがちなのが「角度」と「位相」の2点です。この2つを間違えると、数万円かけてセパレートスピーカーに交換したのに「音が左右の壁に貼り付いたまま、センターにボーカルが来ない」という最悪の事態になります。
まず角度について解説します。ツイーターは高音域を担当しますが、高音は「指向性・直進性が非常に強い」という特性があります。これはスポットライトのように一方向に音をまっすぐ飛ばす性質です。そのためツイーターを真正面(耳に向けて)に設置すると、高音が耳に直撃して「サシスセソが刺さる」「キーン」という不快感が生まれます。逆に横向きにしすぎると今度は高音が届きません。
プロが推奨するのは、左右のツイーターをそれぞれ「運転席と助手席のヘッドレストの中間点に向ける」角度設定です。これにより左右対称の音場が形成され、音楽が車内の前方中央から聞こえる自然なサウンドステージが作られます。ほんの数度のズレで音の聴こえ方は大きく変わります。
次に位相(いそう)について。これがカーオーディオで最も誤りやすいポイントです。配線接続時のプラス・マイナスが逆になった状態(逆相)でもツイーターは壊れませんが、音のつながりが著しく悪化します。ドアスピーカーとツイーターが正相と逆相で接続されていると、クロスオーバー周波数付近で音が打ち消し合い、特定の音域だけが極端に聞こえなくなります。
確認方法はシンプルです。音楽を流しながら①通常接続で試聴→②プラスとマイナスを入れ替えて試聴、という2パターンを聴き比べて、ドアスピーカーとツイーターの音のつながりが自然に感じられる方を採用してください。左右は必ず同じ位相(両方とも正相、または両方とも逆相)に統一することが条件です。
意外ですね。でも、この確認作業だけで音質は激変します。
参考情報:ツイーターの角度・位相・音質調整についての詳細解説は以下をご参照ください。
カーオーディオ基礎講座 第21回|ツィーターの取り付け位置・角度・位相調整の知識(tone4022)
ツイーターの取り付けは、DIYでも十分に行えるレベルの作業です。基本的な工具と正しい知識があれば、1〜2時間で完了します。ただし「どこまでDIYにするか」の見極めが重要です。
DIYで挑戦しやすいのは「ダッシュボード上への両面テープ固定+配線接続」です。以下の手順で作業を進めます。
プロへの依頼が適しているのは以下のケースです。
「ピラー加工だけプロ、配線と取り付けはDIY」という分業スタイルも賢い選択肢です。実際に多くのプロショップがこのようなリクエストに対応しており、加工工賃だけを抑えつつ見た目も仕上がりも妥協しない方法として支持されています。
これは使えそうです。
コストを抑えつつ本格的な仕上がりを目指すなら、まず「ダッシュボード上にDIY取り付けで音を確認→気に入ったらAピラー埋め込みをプロに依頼」という2ステップのアプローチが現実的です。最初のDIY段階で音質の変化を確認してから判断できるため、無駄な出費なく理想のサウンドに近づけます。
参考情報:ツイーター埋め込みの費用感や費用対効果について以下の記事で詳しく解説されています。
DIYラボ|ツイーター埋め込みにかかる費用の目安と音質メリット(プロショップ・カーデン監修)

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