
車のピラーとは、フロントガラスやサイドウィンドウ、リアガラスの周りにある柱状の部分を指します。これらは車の骨格を形成する重要な部位であり、車の安全性に直結する部分です。ピラーは前から順にA、B、C、Dピラーと呼ばれ、車種によってピラーの数は異なります。
ピラーは車の安全性を確保するための重要な役割を果たしているため、傷や凹みが生じた場合は適切な修理が必要です。しかし、ピラーの修理は一般的な車体の修理と比べて難しく、費用も高額になることがあります。
ピラーの修理費用は、傷や凹みの程度によって大きく異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。
ただし、これはピラー単体の修理費用であり、事故などでピラーと同時に他の部分も損傷している場合は、修理費用が50万円を超えることもあります。また、特殊なカラーリングや傷の部分がサビている場合は、さらに費用が高くなる可能性があります。
修理費用は修理工場やディーラーによっても異なるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。また、保険を利用することで自己負担額を抑えられる場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
ピラーの修理方法は、損傷の程度によって異なります。主な修理方法は以下の通りです。
修理方法を選ぶ際は、安全性と費用のバランスを考慮することが重要です。特に安全性に関わる部分なので、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
ピラーの修理によっては「修復歴あり」となり、車の査定額に影響することがあります。修復歴となるケースは以下の通りです。
一方、以下のような修理は修復歴にならないケースが多いです。
修復歴ありになると、査定額が3万円〜7万円程度下がるといわれています。ピラーの修理が必要な場合は、修復歴になるかどうかも含めて専門家に相談することをおすすめします。
ピラーの修理費用が高額になる場合、自分で修理したいと考える方もいるでしょう。ピラーの材質によって修理に必要な材料は異なりますが、以下の方法で自分で修理することも可能です。
自分で修理する際のポイントは焦らないことです。最初から強い力でこすらず、優しくこすり、徐々に力を入れていくことで、きれいな状態に戻すことができます。ただし、深刻な損傷の場合は安全性に関わるため、専門家に依頼することをおすすめします。
デントリペアは、塗装を傷つけずに凹みを修理する方法で、ピラーの修理にも活用できます。特に小さな凹みや軽度の損傷の場合、デントリペアを利用することで費用を抑えつつ、短時間で修理することが可能です。
デントリペアには主に2つの方法があります。
デントリペアの利点は以下の通りです。
ただし、デントリペアにも限界があります。以下のような場合はデントリペアでの修理が難しいことがあります。
デントリペアを検討する場合は、専門店で実際に見てもらい、修理可能かどうか判断してもらうことをおすすめします。
ピラーを修理した後は、以下の点に注意して維持管理することが重要です。
ピラーは車の安全性に直結する部分であるため、修理後も定期的なチェックが重要です。特に事故などで大きな損傷を受けた場合は、修理後も車の挙動に違和感がないか注意深く観察しましょう。
また、ピラーの修理を行った場合、将来的に車を売却する際には修理歴として申告する必要があるケースがあります。修理内容や修理方法によっては査定額に影響することもあるため、修理記録は保管しておくことをおすすめします。
以上、車のピラー修理について解説しました。ピラーは車の安全性に関わる重要な部分であるため、損傷の程度に応じて適切な修理方法を選ぶことが大切です。軽度の損傷であれば自分で修理することも可能ですが、安全性に不安がある場合は専門家に相談することをおすすめします。
車のピラーの修理は一見高額に思えますが、車の安全性や将来的な価値を考えると、適切な修理を行うことが結果的に経済的にもメリットがあるでしょう。愛車を長く安全に乗り続けるためにも、ピラーの損傷は早めに対処することをおすすめします。
※中古車の場合は、修理・交換よりも車を買い直したほうが安いケースもあります。