

ネットで買ったスピーカーを持ち込むと、工賃が1.5倍になって結局お店で買うより高くつくことがあります。
セパレートスピーカーの取り付け工賃は、どの店に依頼するかによって大きく変わります。同じ作業でも、店舗の方針や地域差によって数千円から数万円の開きが生じるため、依頼前に相場感を掴んでおくことが非常に重要です。
主要なカー用品店・専門店の工賃をまとめると、以下のような価格帯になっています。
| 依頼先 | 店内購入の工賃(税込) | 持ち込みの工賃(税込) |
|---|---|---|
| オートバックス | ¥8,800〜 | ¥17,600〜 |
| イエローハット | ¥6,600〜 | ¥19,800〜 |
| ジェームス | ¥13,200〜 | ¥22,000〜 |
| カーオーディオ専門店 | ¥26,400〜(コミコミ型も多い) | 要相談 |
| 整備工場(ピット) | ¥4,000〜 | 店舗による |
オートバックスはセパレートスピーカーの取り付けに際して、店頭購入品であれば¥8,800〜という比較的手頃な工賃を設定しています。これはコアキシャルスピーカーの工賃¥4,400〜と比べると2倍程度になりますが、ツイーターの設置場所が増える分だけ作業量も増えるため、妥当な価格帯といえます。
注目すべき点は「持ち込み工賃」の差です。オートバックスは持ち込みで¥17,600〜に上がるのに対し、イエローハットは¥19,800〜、ジェームスは¥22,000〜と、持ち込む場合の金額がより高くなります。つまり持ち込み工賃は、定価工賃の約2倍に膨らむケースもあるということです。
持ち込みが割高になる理由は明快で、カー用品店は「商品の販売+取り付け」をセットで収益を得るビジネスモデルを前提としているからです。持ち込み品の場合は商品利益がゼロになるため、工賃で補填する必要が生じます。これはお店側の事情としては理解できますが、消費者にとっては知らないまま持ち込むと「ネットで安く買ったはずが総額では損をした」という結果になりかねません。
これが原則です。持ち込む場合は事前に工賃を確認するのが鉄則です。
カーオーディオ専門店の場合はやや事情が異なり、工賃表に¥26,400〜と高めに見えても、スピーカー本体・インナーバッフル・各種加工費用・音質調整をすべて含んだ「コミコミ価格」を提示しているケースが多くあります。一見高そうに見えても、後述する追加費用を含めると専門店のほうが最終的に割安になることも珍しくありません。
参考情報:オートバックスのセパレートスピーカー取り付け工賃と各種作業費用の詳細
工賃表に書かれた金額だけ見て予算を立てると、実際の請求額で驚くことになります。これは数字だけの問題ではなく、取り付けに必要な部品費用が別途かかるケースが多いからです。
セパレートスピーカーはコアキシャルスピーカーとは構造が根本的に異なります。ウーファー(ドアに設置)とツイーター(ダッシュボード上や純正位置に設置)が別体になっているため、それぞれに取り付け作業が必要です。そのため、以下のような追加費用が発生することがほとんどです。
- インナーバッフル(スピーカー取り付けキット):ドアの開口部にスピーカーを固定するために不可欠な部品。¥2,200〜¥3,300程度が相場で、車種専用品ではなくオリジナルのMDFバッフル制作を依頼すると¥21,990〜になることもあります。
- ツイーター取り付け加工費:純正位置以外にツイーターを設置する場合、加工工賃が¥4,400〜別途かかることがあります。
- パッシブクロスオーバーネットワーク収納:ツイーターとウーファーへの音域を振り分ける「クロスオーバー」がシート下などに設置されますが、大型の場合は収納場所の確保に追加作業が生じることがあります。
- 追加スピーカーケーブル費用:配線ルートや必要な長さによってはケーブル代が別途発生します。
これらをすべて合算すると、「セパレートスピーカー本体」+「工賃」+「インナーバッフル」+「ツイーター加工費」で、トータルのコストは5〜8万円前後になることも十分ありえます。これは使えそうな知識です。
特に盲点になりやすいのが「インナーバッフル」の存在です。これがないとスピーカーが正しく固定できず、音質への悪影響や最悪の場合は脱落のリスクもあります。カー用品店での取り付け見積もりを取る際は、インナーバッフルの代金が工賃に含まれているかどうかを必ず確認するのが条件です。
また、デッドニング(ドアパネルの防振処理)については工賃とは完全に別料金となっています。ジェームスではデッドニング(ドア1枚)だけで¥22,000〜かかります。デッドニングはスピーカー交換の効果を最大化するために推奨されることが多い作業ですが、予算管理上は「セパレートスピーカー交換とは別の話」として予算を分けて考えることが大切です。
参考情報:追加費用の内訳が詳しく記載されているカーオーディオ専門店の工賃ページ
スピーカー取り付け(セパレートタイプ)の詳細料金と作業内容(カーオーディオ専門店トーン)
DIYで取り付けると工賃がゼロになる。確かにその通りですが、セパレートスピーカーは「コアキシャルスピーカーの交換」と比べると作業の難易度が明確に上がります。工賃が節約できる反面、失敗した場合のリカバリー費用も自己負担になる点は理解しておく必要があります。
コアキシャルスピーカーのDIY交換がレベル1だとすると、セパレートスピーカーはレベル2〜3程度にあたります。具体的には以下の作業が必要になります。
- ドアの内張りを外し、純正スピーカーを取り外す
- インナーバッフルを取り付けてウーファーを固定する
- ツイーターの設置場所を決めて固定する(ダッシュボード上へのマウント固定や、純正位置への加工取り付けなど)
- パッシブクロスオーバーネットワークを隠れた場所に設置する
- 純正スピーカーカプラー経由の接続、または直接配線接続を行う
- ツイーターの音量レベル(アッテネーター)を調整する
ウーファーの固定とカプラー接続は、慣れた方なら比較的スムーズにできます。難しいのはツイーターの設置とパッシブネットワークの配線経路です。特に「車の配線はプラスとマイナスの極性を間違えると音が出ない」「ツイーターの向きが左右で対称になっていないと音の定位が崩れる」といった細かいポイントで失敗する例が多く報告されています。
DIYの難所は配線が原則です。車種によって純正配線の仕様が異なるため、変換コネクターが使えないケースや、ボディとドアをつなぐグロメット部分への配線引き回しで苦労するケースがあります。
DIYに挑戦する前に確認すべきこととして、まず自分の車の「スピーカー配線図」を確認することが挙げられます。カロッツェリアやKENWOOD、アルパインなどの主要メーカーは、車種別取り付け情報を取扱説明書に記載しており、これを活用するだけで作業難易度が大きく下がります。また、DIY前にみんカラなどのSNSで同車種のセパレートスピーカー交換事例を調べておくことも、大きな失敗を防ぐための有効な手段です。
参考情報:DIYスピーカー交換の配線作業の詳細解説
スピーカーを交換しようと考えたとき、セパレートとコアキシャルのどちらを選ぶかは「工賃を含めたトータルコスト」と「音質向上の期待値」のバランスで決まります。工賃単体の話だけで決めると、後悔につながりやすいポイントです。
まず構造の違いを整理します。コアキシャルスピーカーはウーファーとツイーターが同軸上に一体化された設計で、純正スピーカーの穴にそのまま取り付けられるため交換が簡単です。工賃もオートバックス基準で¥4,400〜と安く、取り付け工数も少なく済みます。
一方、セパレートスピーカーはツイーターを別の場所(ダッシュボードなど耳の高さに近い位置)に設置できるため、音の定位が自然になり、臨場感が出やすいという音質上の優位性があります。ただしその分、工賃は¥8,800〜と高くなり、インナーバッフルやツイーター加工費も追加されます。
コストで見るとコアキシャルが条件です。しかし、より本格的な音質改善を求めるならセパレートに軍配が上がります。
実際にどちらを選ぶかの判断基準は以下が目安です。
- 🎵 コアキシャルがおすすめのケース:初めてのスピーカー交換、総費用を3〜4万円以内に抑えたい、純正スピーカーがセパレートでない、取り付け手間を最小化したい
- 🔊 セパレートがおすすめのケース:音楽の聴こえ方に強いこだわりがある、ツイーターを耳の高さに配置したい、将来的にデッドニングやDSP追加も検討している
注意が必要なのは「純正でセパレートスピーカーが装着されている車」です。この場合にコアキシャルへ変更すると音質が下がる可能性があるため、基本的にはセパレートで統一することを推奨します。これは意外ですね。
また、輸入車・レクサスの場合はセパレートスピーカーの取り付け工賃が国産車の約1.5倍になるのが一般的です。専門店では国産車¥21,600に対して輸入車¥32,400、という工賃設定も存在します。輸入車にお乗りの方はセパレートスピーカーを選んだ場合、工賃だけで3〜5万円台になることも想定しておく必要があります。
工賃を適切に管理するための方法は複数あります。ただし「安さだけ」を追求するのではなく、「費用対効果の最大化」を目標にするのが正しいアプローチです。
まず最も効果的な節約方法は、スピーカーを購入する店舗で同時に取り付けも依頼することです。オートバックスなら持ち込み工賃¥17,600〜のところ、店頭購入品なら¥8,800〜と半額程度になります。「ネットで安いスピーカーを買って持ち込む」という作戦は、スピーカーの値引き額と工賃の差額を比較してからでないと、かえって損をすることがあります。¥5,000のスピーカー値引きを得ても、工賃が¥8,800アップすれば差し引きマイナスです。これが基本です。
次に検討したいのが「工賃コミコミセット」の活用です。オートバックスやイエローハットなどでは、スピーカー本体と取り付け工賃をセットにしたパッケージが用意されており、個別に購入・依頼するよりも割安になっていることが多くあります。特にカーオーディオ初心者にとっては、スピーカーの選択から取り付けまで一括で任せられるため、手間のかかる比較検討の時間も節約できます。
カーオーディオ専門店への依頼は「高い」という印象を持たれがちですが、実態はそうとは限りません。専門店では取り付け後の音質チューニング(ツイーターのアッテネーター調整・イコライザー設定)までを工賃に含んでいるケースが多く、これをカー用品店でオプション追加すると同等以上の費用になることがあります。音質にこだわりたい方にとっては、専門店のほうがコストパフォーマンスが高い選択肢になりえます。
DIYに関しては、内張り剥がしや簡単な配線交換の経験があれば、ウーファーの取り付けだけDIYで行い、ツイーターの配線引き回しや加工だけプロに依頼する「部分依頼」という方法もあります。作業を分担することで工賃全体を抑えながら、難しい部分だけ確実にプロに任せることができます。
最後に、見積もりを複数店舗から取ることも重要です。同じセパレートスピーカーの取り付けでも、店舗によって「インナーバッフル込みかどうか」「ツイーター加工費が含まれるか」「音質調整が含まれるか」の条件が異なります。工賃の数字だけを比べるのではなく、「何が含まれているか」を確認してから判断するのが節約の鉄則です。
オートバックスのスピーカー工賃コミコミセット公式ページ(工賃込み価格の参考に)

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