

シルビア系(特にS15)で「高回転で失火」「アイドリングが不安定」「ボボボ…と被ったような音」が出る場合、まず点火系を疑うのが定石です。S15ではダイレクトイグニッションの動作不良で高回転失火やアイドリング不調が起こり、コイルが熱を持ちやすい点も指摘されています。
現場での手順は、いきなり部品交換に入らず、(1)失火の気筒特定→(2)プラグ・コイルの入れ替えテスト→(3)ハーネス/カプラの保持力と焼け確認、の順で「再現性」を取りに行くと効率が上がります。S15ではプラグハーネス(配線・コネクタ)が熱の影響を受けやすく、爪が折れて固定できないと走行中に抜けて重大なトラブルになり得る、と具体例つきで語られています。
意外と見落とされるのが「プラグカバーの扱い」です。S15は熱がこもりやすいので、熱対策としてプラグカバーを外す/通電性の高い製品へ交換する、といった方向性が紹介されています。整備士としては、車両状態・使用環境(サーキット/街乗り)と合わせ、熱害が再発しない状態を作るのがゴールです。
SR20系で有名なトラブルの一つがロッカーアームの脱落・破損です。サーキット走行などで酷使されがちなSR20で、ロッカーアームが摩耗したり飛んで交換が必要になるケースがあり、放置して走行を続けるとエンジンブローの原因にもなるとされています。
診断の入口としては「突然の失火」「圧縮の偏り」「メカノイズ」「回転上昇不良」などで疑い、ヘッドカバー開封までの意思決定を早めると重症化を防ぎやすいです。対策として、ロッカーアームストッパーの装着やバルブクリアランス調整が挙げられており、修理後に再発しやすい個体では“予防整備”として組み込む価値があります。
また、吸気系の汚れ(ブローバイ由来の油汚れ等)がアイドリング不調を引き起こすことがあるため、失火=点火系と決め打ちせず、吸気の汚れ・バキューム系の状態も同時に確認すると手戻りが減ります。吸気系は汚れが蓄積しやすく、定期的な清掃が必要だとされています。
旧年式シルビアで「最優先で潰すべき走行不能リスク」として、クランクプーリー(ラバーダンパー)の劣化は外せません。クランクプーリーのゴムダンパーが劣化・剥離して外側プーリーが暴れる事例があり、エンジンブロックに干渉して削れるケースまで報告されています。
しかもここが厄介なのは、壊れ方が“突然”になり得る点です。S15の例では、クランクプーリー破損が走行中の油圧低下や走行不能につながった、という体験談があり、整備側としては「異音が出てから」では遅い場合があります。
点検の実務ポイントは、ひび割れ、ガタ、振れ、締結状態を地道に確認し、少しでも違和感があれば予防交換(または状態の良い中古等も含めた代替案)を提案することです。実際に、チェック方法として締め付けトルク確認、ひび割れ、手で動かした際のガタ確認が挙げられています。
ドリフトやスポーツ走行歴がある個体ほど、足まわりの“見えにくい劣化”が整備コストを押し上げます。リアメンバーはねじれ等で安定性が失われる場合があり、全交換が必要になる前に走行スタイルに合わせた剛性化を検討すべき、とされています。
S13/S14系ではテンションロッドブラケットの強度不足も注意点です。縁石ヒットなどで変形・破損し、ブレーキング時の安定性に影響するため、補強バーや補強済みブラケットなどで強化する考え方が示されています。
ここは「車高調が入っているから大丈夫」ではなく、取付部の板金・クラック・ボルト穴の楕円化まで確認して初めて整備品質が担保されます。足回りは症状が曖昧(直進性が落ちる、タイヤが片減りする等)になりやすいので、試運転とリフトアップ点検を必ずセットにしてください。
検索上位の“定番故障”はエンジン・足まわりに寄りがちですが、現場の満足度を左右するのは快適装備の不具合だったりします。S15ではエアコンのモードドアアクチュエーター動作不良が「弱い」とされ、壊れると吹出口が切り替わらなくなる、と具体的に説明されています。
ここでの独自視点は「問診テンプレ化」です。入庫時に「足元に風は出るか」「モード切替時に反応があるか」「オーディオ奥からカチカチ音はあるか」を先に聞くと、内装分解の要否や見積の精度が上がります(作業そのものより“段取り”が効きます)。バイレベルドアアクチュエーター破損でオーディオ奥からカチカチ音が出る、といった症状の結びつきが整理されているため、問診→症状→部位特定が組みやすいです。
さらに、こうした電装・小物系は「直らないと走れない」ではない分、後回しにされがちで不満が残りやすい領域です。だからこそ、重整備(クランクプーリーやオイル漏れ等)と同時入庫になったときに、作業のついでで改善できる項目として提案できると、工場の評価が上がります。
故障ポイントの網羅(エンジン・足まわり・ボディ・その他チェック)に役立つ参考。
CARTUNE:シルビアの故障ポイント(ロッカーアーム、吸気汚れ、タービンガスケット、ダイレクトイグニッション、リアメンバー等)の整理
S15でよくある故障(プラグハーネス、アクチュエーター、イグニッションコイル、クランクプーリー、フロントカバーのオイル漏れ等)を入庫点検のチェック表に落とし込む参考。
とっとこランサー:S15シルビアでよくある故障箇所(写真付きの現場目線)

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