
2025年現在、日本の車リセール市場はSUVとミニバンが圧倒的な強さを誇っています。トヨタのランドクルーザー70は5年経過後も新車価格の104%前後という驚異的な残価率を記録しており、購入価格以上で売却できる稀有な存在です。ランドローバーのディフェンダーも89%前後と高い水準を維持し、輸入車でも高リセールバリューが期待できる時代になりました。
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特筆すべきは、ハイブリッド車と電気自動車の需要が引き続き増加している点です。燃費性能や環境負荷を重視する消費者の傾向が強まり、これらのモデルはリセールバリューが高まる傾向にあります。トヨタ車が大半を占めるランキング上位には、カローラクロス、アルファード、ヴェルファイアなど、実用性とブランド力を兼ね備えた車種が並びます。
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日本市場独自の特徴として、商用バンのハイエースが常に高値で取引される点も見逃せません。走行距離が多くても商用需要があるため、安定した買取価格を維持しています。ただし盗難リスクが高いことでも知られており、セキュリティ対策が必須です。
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2025年最新のリセールバリューランキングでは、トヨタ勢が圧倒的な存在感を示しています。
順位 | 車種 | メーカー | 5年後残価率 |
---|---|---|---|
1位 | ランドクルーザー70 | トヨタ | 104%前後 |
2位 | ディフェンダー | ランドローバー | 89%前後 |
3位 | ランドクルーザー250 | トヨタ | 82%前後 |
3位 | ランドクルーザー | トヨタ | 82%前後 |
5位 | カローラクロス | トヨタ | 81%前後 |
5位 | アルファード | トヨタ | 81%前後 |
5位 | レクサスLM500h | レクサス | 81%前後 |
5位 | レクサスLBX | レクサス | 81%前後 |
9位 | ヴェルファイア | トヨタ | 80%前後 |
10位 | ハイエースバン | トヨタ | 78%前後 |
ランドクルーザー70が1位を獲得した理由は、圧倒的な国内外需要と希少性にあります。SUVカテゴリーでは、ジムニーも特筆すべき存在で、2018年発表以降も新規オーダーで1.5年以上の納期がかかる状況が続いています。この納期遅延により中古車価格が高騰し、新車より高値で取引されるケースも珍しくありません。
ミニバンではアルファードが安定した人気を誇り、特にフルモデルチェンジ後は入手困難な状況が続いています。黒や白のアルファードは345万円で販売されるのに対し、その他の色は283万円と大きな価格差が生じており、カラー選択の重要性が際立ちます。
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スポーツカー部門では、トヨタGRヤリスが驚異的なリセール実績を記録しています。3年落ちで82.8%、5年落ちでも85.1%という残価率を維持し、限定モデルのファーストエディションは新車価格を上回る取引も多数報告されています。
リセールバリューを最大化するには、購入時から戦略的な選択が必要です。最も重要なのは「自分が乗りたい車」ではなく「売れる車」を選ぶ視点です。人気ブランド(トヨタ、ホンダ、スバルなど)、人気ジャンル(SUV・ハイブリッド・軽自動車)、ベーシックなボディカラー(白・黒・シルバー)、実用性の高さが「売れる車」の条件となります。
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グレード選択においては、中古車市場では上級グレードの人気が高く希少価値があることから、高いグレードの方がリセールバリューが高くなります。充実した装備、こだわったデザイン、上質な素材使用が評価されるためです。新車のグレードは真ん中の流通量が多いですが、売却時を考えると上級グレードへの投資は合理的な選択といえます。
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購入タイミングも重要な要素です。モデルチェンジ直前の購入は避けるべきで、特にフルモデルチェンジの場合は下取り価格に大きな影響が出ます。おすすめはフルモデルチェンジ直後で、市場価値が高くしばらくは値崩れしにくい特性があります。決算時期(3月・9月)やボーナス時期(6月・12月)は値引きが期待でき、購入コストを抑えられるメリットもあります。
人気のボディタイプとして、ミニバンは車内サイズが広く乗車人数が多いことからファミリーカーとして高い人気を維持し続けています。SUVはスタイリッシュなデザインや利便性、優れた走行性能が魅力で若い層からの人気が高く、リセールバリューも高水準です。ただし注意点として、人気のボディタイプすべてがリセールバリュー高いわけではなく、中古車市場への供給が過多になっている車種もあります。
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ボディカラーは車のリセールバリューに数十万円の差を生み出す重要な要素です。白と黒は常に高い人気を誇る色として知られ、シンプルで万人受けしやすいという特性があります。これらのスタンダードカラーは流行の影響を受けにくく、好き嫌いが少ない定番色として市場での需要が高く、下取り価格がプラスになる傾向があります。
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具体的な価格差を見ると、軽自動車のN-BOXでは黒や白が177万円で販売されるのに対し、その他の色は146万円と31万円もの差があります。コンパクトカーのアクアでは黒や白が179万円、その他の色が166万円、ミニバンのアルファードでは黒や白が345万円、その他の色が283万円という大きな差額が生じています。
黒色の車は高級感が出て購入した金額以上の車に見えることがメリットの一つです。白は飽きにくい色かつ視認性の高い安全な色として需要があり、特に商用車や業務用車両では白が圧倒的に選ばれる傾向にあります。シルバーも定番色として安定した人気を保っており、汚れが目立ちにくいという実用的なメリットもあります。
一方で、赤や青など原色系は顧客の好みに一致するのが難しいことや目立つという理由で、スタンダードな色よりも需要が低い傾向にあります。車種によっては特定のカラーが人気を集めることもありますが、基本的には無難な色選びがリセールバリュー向上の鉄則です。白・黒・シルバーの三色を選んでおけば、売却時に大きく損をするリスクを回避できます。
リセールバリューを維持するための最重要ポイントは、定期的なメンテナンスと丁寧な管理です。車の状態の良さは使用感や傷が少ない状態であるほど、リセールバリューは高まります。購入後は商品の手入れや管理を徹底的に行うことで、売却時の査定額を大きく向上させることができます。
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具体的なメンテナンス方法として、こまめな洗車が最も効果的です。屋根付き車庫で保管できない環境でも、洗車を頻繁に行うことできれいに保つことが可能です。最近はガラスコーティングなどの塗装を保護する商品が気軽に手に入るため、そういった商品で車をメンテナンスするのも良い方法です。最も重要なのは、汚れたらそのままにせず、なるべく早くきれいにすることです。
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汚れは長く付着していると外装の塗装表面を蝕むこともあるほか、内装に至っても変色する可能性があります。そのため汚れたらきれいにする習慣をつけることが大事で、高級車がいつまでもきれいな状態を保つのは、常に洗車を行いきれいにしているからです。実際に高級外車で野外駐車の車も、頻繁に洗車とワックスがけを丁寧に行うことで、非常にきれいな状態を保っている事例が多くあります。
メンテナンスノートの保管も査定額に影響します。定期点検や整備の記録が残っていることで、車が適切に管理されていたことの証明になり、買取業者からの信頼を得やすくなります。さらに売却タイミングも重要で、一般的に経過年数が大きいほど中古車の買取価格は下がるため、3年落ちや5年落ちといった節目のタイミングでの売却が推奨されます。
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定期的なメンテナンスの計画的実施は、車両の性能を最適な状態に保ち、故障を未然に防ぐことにつながります。エンジンオイル交換、タイヤのローテーション、ブレーキパッドの点検など、基本的な整備項目を怠らないことが、長期的なリセールバリュー維持の鍵となります。
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リセールバリューを損なう要因を事前に知っておくことで、無意識の失敗を防ぐことができます。まず大きな減額要因となるのが、過度なカスタマイズです。個性的なエアロパーツや社外品ホイール、内装の大幅な改造は、一般的な買い手にとって敬遠される要素となり、査定額を大きく下げる原因になります。
車内の臭いも深刻な減額要因です。特にタバコの臭いやペット臭は、専門的なクリーニングでも完全に除去することが困難で、数十万円単位での減額につながることもあります。喫煙者や車内でペットを乗せる機会が多い方は、こまめな換気と消臭対策が必須です。
走行距離の管理も重要なポイントです。一般的に年間1万キロが標準走行距離とされており、これを大きく超える場合は査定額に影響します。ただし商用車のハイエースなど、一部の車種では走行距離が多くても需要があるため例外的な存在です。通勤で長距離を運転する方は、購入時から走行距離の多さを想定し、それでもリセールバリューが高い車種を選ぶ戦略が求められます。
事故歴の有無は最も大きな減額要因の一つです。修復歴がある車は、たとえ見た目がきれいに直っていても、構造上の不安から大幅に価値が下がります。日常の運転では安全運転を心がけ、小さな接触事故でも修復歴として記録されることを認識しておくべきです。
モデルチェンジのタイミングを見誤ることも大きな損失につながります。新型が発表された直後は旧型の価値が急落するケースが多く、特にフルモデルチェンジの場合は下取り価格に大きな影響が出ます。購入前にメーカーの開発サイクルを調査し、モデルチェンジの時期を予測することで、このリスクを回避できます。
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