ランエボ9mr 違い GSR RS MIVEC AYC

ランエボ9mr 違い GSR RS MIVEC AYC

ランエボ9mr 違い

ランエボ9mr 違い:整備士向け早見
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数字は同じでも中身は別物

最高出力・最大トルクのカタログ値が同じでも、MIVEC最適化とターボ周り変更で「踏み始めの立ち上がり」が変わります。

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足回りとAYCが走りの核

EIBACHスプリング+BILSTEIN減衰最適化、スーパーAYC制御量約10%増で旋回中の姿勢とトラクションが変化します。

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GSR/RSで「整備の前提」が違う

6MTのGSR、5MTのRSという基本構成に加え、RSはメーカーオプション前提の装備が多く、個体差を前提に点検・見積りが必要です。

ランエボ9mr 違い:MIVEC と ターボ レスポンス


ランエボ9MRは、最高出力206kW(280PS)/6,500rpmというカタログ値自体は従来モデルから変更がありませんが、MIVEC(連続可変バルブタイミング)の最適化が入っています。
この「最適化」は整備現場の感覚で言うと、フルブースト領域のピークよりも、発進〜中速の“つながり”や“踏み始めの返り”に効いてくる性格の変更です。
さらに9MRではターボチャージャーのタービンホイール材質をインコネルからチタンアルミ合金へ変更し、あわせてコンプレッサーホイール入口径を縮小することでレスポンス向上を狙っています。
一方で注意したいのが、従来モデルの一部で標準だった「より高性能なターボチャージャー」(チタンアルミ合金タービン+マグネシウム合金コンプレッサーの組み合わせ)は、9MRではGSR/RSとも“メーカーオプション設定”になった点です。


参考)http://autoinfo.jp/release/060829_Lancer_Evolution_IX_MR.pdf

つまり「9MR=必ず上位ターボが入っている」と決め打ちすると、現車確認で外す可能性があります(見積り作成や仕様説明で揉めやすいポイント)。

また、試乗記事でも“スペックの数字では従来と同じだがアクセルレスポンスが違う”という言い回しで、体感差が強調されています。


整備士目線の実務メモとしては、同じ“9MR”でもオプション装着の有無で、過給の立ち上がり感・制御の入り方の印象がズレます。

問診(何速何回転からどんな症状か)と合わせて、改造歴(吸排気・ブースト制御)と「オプションターボの有無」を先に潰すと、診断がショートカットできます。

エンジン・AWC思想(オンロードのスポーツドライビングに特化した第3世代の集大成)という位置づけも公式資料で語られており、「同じ4G63でもMRは“まとめの仕上げ”」として理解すると顧客説明が通りやすいです。

エンジンとMRの位置づけ(公式発表の一次資料)。
三菱自動車:ランサーエボリューションIX MR 発表資料(MIVEC最適化、タービン材質変更、AYC制御量10%増など)

ランエボ9mr 違い:GSR RS ミッション 最大トルク

9MRのセダンは6速MTの「GSR」と5速MTの「RS」の2グレード設定で、ここがまず“整備の前提条件”になります。
最大トルクは、6MTのGSRが400N・m(40.8kg-m)/3,000rpm、5MTのRSが407N・m(41.5kg-m)/3,000rpmで、数値上は従来モデルと同じ扱いです。
この時点で、同じ「9MR」でも駆動系の強度余裕・使われ方(競技ベースか、ストリート寄りか)を推測しやすく、作業提案の組み立てが変わります。
RSは「モータースポーツ競技に必要な装備のみ標準装備としてメーカーオプションを充実」という立て付けが明確で、装備の有無が個体で大きく違います。

例えば足回りも、9MRではEIBACHスプリングをBILSTEINショックと組み合わせたチューニングが説明されていますが、RSは“メーカーオプション設定”という扱いです。

つまり、RSで“MRっぽい足”を期待して試乗したのに、実車は別仕様だった、というズレも起き得ます。

実務でありがちなトラブルは「GSR前提の情報でRSを語る」「RS前提の耐久運用でGSRを扱う」ことです。

見積り・点検では、車検証上のグレード確認に加え、現車でミッション型式・デフ/AYC周りの仕様、オプションの有無をチェック項目として固定化するのが安全です。

ランエボ9mr 違い:EIBACH BILSTEIN ローダウン 足回り

9MRのシャシー変更は、しなやかな特性のEIBACH製コイルスプリングを従来品より高めのスプリングレートで採用し、BILSTEIN製ショックと組み合わせて減衰力を最適化した、という説明が公式にあります。
これにより「穏やかな挙動と優れた接地性」「操作に忠実で素直なハンドリング」を狙い、さらに車高を約10mmローダウンして走行安定性とコーナリング性能を向上させた、とされています。
つまり9MRの足は“単に硬い”方向ではなく、接地の作り方(減衰+レート+車高)をまとめ直して、オンロード旋回の質を上げにいった仕様です。
試乗記事でも、アイバッハ製スプリングとビルシュタインのセッティングが接地性向上に貢献し、ピッチングレートを減らして高速道路のフラット感、安定性、乗り心地にも寄与する、という趣旨が述べられています。


整備の現場で言い換えるなら、「段差で跳ねる/収束が遅い」などの相談で、9MRは“純正状態の完成度が高い”前提で診断を始めた方がよいです。

社外サスの話に飛ぶ前に、純正BILSTEINの抜け、ブッシュのヘタリ、アライメント、タイヤの状態で“MRの狙い”が消えていないかを確認すると、提案が筋の良いものになります。

またRSはこの足回りがメーカーオプション扱いなので、「RS=足もMR」という思い込みは禁物です。

同じCT9Aでも、足回りの部品取りや流用、減衰の組み合わせで“見た目は同じでも挙動が違う”個体が出るので、型番確認と現車採寸(車高・バネ自由長・ショック品番)を手順に入れると事故が減ります。

ランエボ9mr 違い:スーパーAYC 制御 10% と 旋回

9MRではサスペンション改良に合わせて、電子制御4WDシステム「スーパーAYC」の制御をよりスポーティにチューニングし、左右後輪の駆動力制御量を約10%増大させた、と公式に明記されています。
この変更により「違和感なくオンロードの旋回性能をさらに向上」させたほか、リヤのインリフトや左右で路面状況が異なる場合のトラクション性能も向上させた、という狙いです。
試乗記事でも、タイトコーナーでアクセルオンすると“ぐいぐい曲がってくれる”感覚があり、左右輪トルク配分の移動範囲が10%広くなったことが効いている、という説明がされています。
整備士向けの現実的なポイントは、「AYCの効き」は単純なデフオイル交換だけでは語れず、センサー/油圧/制御の複合系として状態が出るところです。

9MRを“ただの9のマイチェン”として扱うと、コーナリング相談(曲がり方の違和感、立ち上がりの挙動)で、足回り・タイヤだけを追ってAYC系の診断が後手になりがちです。

問診では「旋回中にアクセルを入れた瞬間どうなるか」「左右で症状差があるか」を具体化し、9MRの“制御量10%増”という仕様を踏まえて、正常時のフィーリングを基準に組み立てると説明力が上がります。

ランエボ9mr 違い:フロントバンパー エアダム 空力(独自視点)

9MRの外装変更は見た目の好みで語られやすい一方、公式資料ではフロントバンパー左右下部のエアダム形状を若干下方に延長し、車体下面へ流入する気流を減らして空気抵抗低減とフロントリフト低減を狙った、と説明されています。
さらに左右両側面の凹形状で側面気流を意図的に剥離させ、ホイールハウス内にこもる空気を排除する、とされており、空力の“狙い”がかなり具体的です。
このあたりは検索上位でも「足」「ターボ」「AYC」に比べて軽く触れられがちですが、整備士視点では“意外と診断に効く”領域です。
独自視点として強調したいのは、フロント周りの補修歴(バンパー交換、アンダーカバー欠品、クリップ脱落、インナーフェンダーの変形)があると、9MRが狙った「下面流入の抑制」や「ホイールハウス内の排気」が崩れ、直進安定性や高速域のフロントの落ち着きに影響が出やすいことです。

つまり「9MRらしくない」「高速でフロントが軽い」という相談が来たとき、足回りやアライメントの前に、アンダーカバーの欠品・隙間・取り付け状態を点検すると、短時間で改善に繋がるケースがあります。

また、ホイールハウス内の空気の抜けを狙っている構造上、インナーの破れやタイヤハウス内の泥詰まりなど、板金整備や下回り洗浄の品質差が“フィーリング差”として出ることもあります。

ここは単なるドレスアップ論ではなく、メーカーが「フロントリフト低減」「ホイールハウス内の空気排除」と目的を書いている以上、現車がその前提を満たしているかを確認するのが、整備士の価値になります。

  • 点検のコツ:アンダーカバーとインナーの固定点を左右同条件で確認する(クリップ欠品・ネジ違い・浮き)。
  • 確認のコツ:フロントバンパー下部の形状が左右で歪んでいないか(縁石ヒットの痕跡)。
  • 説明のコツ:高速域の安定性は「サスだけでなく、空気の通り道の欠損」でも変わると伝える。




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