
パーキングブレーキの配線色は、カーナビゲーションやディスプレイオーディオを取り付ける際に必ず確認が必要な重要な項目です。一般的に、ナビゲーション本体側のパーキングブレーキコードは「若草色」と呼ばれる薄い緑色の配線が使用されていますが、車両側の配線色は車種やメーカーによって大きく異なります。
参考)http://car.panasonic.jp/support/manual/navi/data_t/fnd71frd_tk/fnd71frd_tk4.pdf
主要なパーキングブレーキ配線色として、若草色(薄緑色)、灰色、緑色、橙色、緑/赤色などが存在します。パナソニック製のカーナビゲーションでは、車両側パーキングブレーキ信号コードが橙色で表示されている事例があり、これにナビ側の若草色のサイドブレーキコードを接続する必要があります。また、日産やスズキの一部車種では、緑/赤色の配線がパーキングブレーキ信号線として使用されているケースも確認されています。
参考)カロッツェリア車種別JUST FIT
配線色の識別で最も注意すべき点は、コネクター内に類似色の配線が複数存在することです。特に黄色系統の配線や緑系統の配線は、車速信号やその他の信号線と混在しているため、必ずテスターを使用して正しい配線を特定する必要があります。若草色とは白に限りなく近い薄い緑色のことを指し、濃い緑色の配線と間違えないよう注意が必要です。
参考)カロッツェリア車種別JUST FIT
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各自動車メーカーは独自の配線色規格を採用しており、同じメーカーでも年式や車種によって配線色が変更される場合があります。トヨタ車では、オプションコネクター内の配線としてパーキングブレーキ信号が用意されており、車種によって接続方法が異なります。一部のトヨタ車では、純正デッキ奥の5Pコネクターから出ているパーキングブレーキ信号線が黒色で表示されている事例もあります。
参考)https://pivotjp.com/download/pdf/wiring/3DR-L-signal.pdf?date=20251001
ホンダ車の場合、Honda SENSING非装備車のパーキングブレーキ信号は「若草」色となっていますが、SENSING装備車では異なる配線色が使用されることがあります。ダイハツ車では灰色の配線がパーキングブレーキ信号として使用されている車種が存在します。日産車やスズキ車では、緑/赤色の配線がフット式パーキングブレーキの信号線として採用されているケースが多く見られます。
参考)https://www.denso-ten.com/jp/eclipse/support/justfitguide/pdf/da-thor-202009-2304r1s.pdf
カロッツェリア(パイオニア)の適合情報によると、ニッサンNV100クリッパーリオやスズキエブリイワゴンなどでは、パーキング信号配線色としてAP(P)コネクターの緑色または赤/黒色が指定されています。これらの配線は、純正デッキ奥のオプションコネクターに接続されており、フット式パーキングブレーキのスイッチ部分から信号が送られてきます。
配線色の規格は時期によっても変更されることがあるため、取付作業を行う際は必ず車両の配線図や適合情報を確認することが推奨されます。特に中古車やマイナーチェンジ後の車両では、公開されている情報と実際の配線色が異なる可能性があるため、実車での検電確認が不可欠です。
パーキングブレーキ配線の取り出し位置は、車種やパーキングブレーキの方式によって大きく異なります。一般的な接続位置として、純正デッキ(オーディオ)取付位置の奥にあるオプションコネクターから信号を取り出す方法が最も多く採用されています。このコネクターは、通常6P(6ピン)コネクターや5Pコネクターの形状をしており、灰色や白色のコネクターケースに収められています。
参考)http://car.panasonic.jp/support/manual/navi/data_t/l800sed_ts/l800sed_ts09.pdf
フット式パーキングブレーキを採用している車両の場合、パーキングブレーキスイッチが運転席足元のブレーキペダル付近に設置されており、そこから配線を引き出すことができます。一方、レバー式サイドブレーキの車両では、運転席サイドのブレーキレバー根元部分にスイッチが配置されています。ステッキ式の場合は、ハンドル下部やダッシュボード内部に配線が通っていることが多く、アクセスには内装パネルの取り外しが必要になる場合があります。
参考)パーキングブレーキの仕組みは?サイドブレーキとは別物?解除で…
接続方法としては、圧着式コネクターやエレクトロタップを使用する方法が一般的です。圧着式コネクターは、車両側配線コードを切断せずに接続できるため、車両の保証を維持したい場合に適しています。パナソニック製ナビの取付説明書によると、圧着式コネクターをストッパーに当たるまで差し込み、反対側から車両側コードを通してから金具部分をプライヤーで締め付ける手順が示されています。
参考)https://www.clarion.com/jp/ja/pdf/NX712-INST.pdf
エレクトロタップを使用する場合は、車両側のパーキングブレーキ信号線とナビ側の若草色コードを並べて配置し、エレクトロタップで挟み込んで接続します。この方法は工具が少なくて済む反面、確実な接続を得るためには正しい位置での圧着が重要です。接続後は必ずテスターで導通確認を行い、パーキングブレーキを操作した際に信号が正しく伝わっているかを確認する必要があります。
参考)https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001008908/SortID=21993937/
パーキングブレーキ配線の色を正確に確認し、安全に接続作業を行うためには、適切な工具と正しい手順が必要です。最も重要な工具はテスター(回路計)で、配線の導通確認や電圧測定に使用します。デジタルマルチメーターがあれば、DC12V系統の信号電圧を正確に測定でき、パーキングブレーキのON/OFF状態による電圧変化を確認できます。
検電作業の基本手順として、まずイグニッションスイッチをONにした状態で、パーキングブレーキを解除した状態とかけた状態でそれぞれの配線電圧を測定します。正しいパーキングブレーキ信号線は、ブレーキをかけた状態でアース(0V)または電源電圧(12V)のいずれかの状態になり、解除すると反対の状態に変化します。車種によって信号の極性(プラス信号かマイナス信号か)が異なるため、両方のパターンを想定して確認する必要があります。
参考)『aun-r7のナビのパーキングブレーキの配線についてで..…
配線の取り出し作業には、内装パネルを外すための内張り剥がし工具や、プラスチックパネルを傷つけずに外せるソフトな工具が推奨されます。特にダッシュボード周辺やセンターコンソール内部にアクセスする場合、無理な力を加えるとパネルやクリップが破損する恐れがあるため、慎重な作業が求められます。また、圧着式コネクターやエレクトロタップを使用する際には、プライヤーや専用の圧着工具があると確実な接続が可能になります。youtube
参考)DIY 走行中にナビ操作を可能にするための配線加工(日産 キ…
配線色の確認では、コネクター内に複数の類似色線が存在することを念頭に置く必要があります。例えば、車速信号線(黄色系統)とパーキングブレーキ信号線が同じコネクター内に配置されている場合、色だけで判断すると誤接続のリスクがあります。そのため、車両の配線図や適合情報を参照しながら、コネクターの形状、ピン配置、線色を総合的に確認することが重要です。作業前には必ずバッテリーのマイナス端子を外し、ショートによる車両の電気系統トラブルを防ぐ安全対策も忘れてはいけません。
近年普及している電動パーキングブレーキ(EPB: Electric Parking Brake)搭載車両では、従来の機械式パーキングブレーキとは異なる配線構造と接続方法が必要です。電動パーキングブレーキは、スイッチ操作や自動制御によって電動モーターでブレーキケーブルを牽引するシステムで、配線も電子制御回路を通じて信号が送られています。
参考)https://patents.google.com/patent/JP2007045224A/ja
電動パーキングブレーキ車両の場合、パーキングブレーキスイッチから直接信号を取り出すのではなく、車両のコントロールユニット(ECU)から出力される信号線に接続する必要があります。この信号線は、パーキングブレーキランプ(PKBランプ)への配線と共通になっている場合が多く、ランプが点灯している状態でブレーキがかかっていることを示します。配線色は車種により異なりますが、トヨタ車の一部では灰色の配線がパーキングブレーキ信号として使用されている例があります。
電動パーキングブレーキ搭載車では、パーキングブレーキの状態がCAN通信などの車両ネットワークを通じて管理されているため、従来の単純なスイッチ信号とは異なる複雑な信号処理が行われています。そのため、ナビゲーションとの接続には専用のパーキングブレーキ接続ハーネスやアダプターが必要になる場合があり、車種専用の適合品を使用することが推奨されます。
参考)パークブレーキシステムの必須ガイド - ZF Afterma…
電動パーキングブレーキシステムには、プラス端子からコントローラへの配線が常時導通系統とイグニッションスイッチON時のみ導通する系統の2系統が設けられており、バッテリー直結の配線とアクセサリー電源の配線が使い分けられています。これは、エンジン停止状態でもパーキングブレーキの解除が可能となるよう設計されているためです。また、緊急時のブレーキ解除用として、強制解除電力供給ラインが別途設けられている車両もあります。
電動パーキングブレーキ車両にナビを取り付ける際の注意点として、パーキングブレーキ信号の極性確認が特に重要です。機械式ブレーキと異なり、電動タイプではスイッチ操作からモーター駆動までタイムラグがあるため、信号の変化タイミングを確認しながら接続作業を行う必要があります。不適切な配線接続は、パーキングブレーキシステムの誤動作や警告灯の点灯を引き起こす可能性があるため、専門知識を持つ整備士や取付店に依頼することも検討すべきです。
参考)電動パーキングブレーキとは?EPBの仕組みとメリットを解説
パーキングブレーキ配線の接続作業では、経験豊富な整備士でも見落としがちな意外なトラブルが存在します。最も多いトラブルの一つが、配線色の思い込みによる誤接続です。例えば、「ナビ配線について教えてください」という質問で、赤はプラス、黒はマイナス、黄色はプラスと理解していても、オレンジとピンク線がどちらもパーキング線になっているため映像が出ないという事例が報告されています。
参考)ナビ配線について教えてください。赤は+で黒は-黄色は+オレン…
配線図に記載されている線色と実際の配線色が微妙に異なるケースも珍しくありません。配線図上では「Dg(濃い緑)」と表記されていても、実際にはブレーキランプ配線の茶/赤色と見分けがつきにくい色合いだったり、照明条件によって色の見え方が変わることがあります。そのため、配線色だけでの判断は避け、必ずテスターでの確認を行うことが推奨されています。
一部のナビゲーション機種では、パーキングブレーキ配線を単純にアースに落とすだけで操作制限を解除できる「簡易接続」が可能な場合がありますが、これには注意が必要です。若草色の配線を近くの金属部分に確実にアースすることで一般的な機種では解除できますが、アース接続しても解除できない機種の場合、サイドブレーキから配線を引いてきて接続する必要があります。さらに、普通に接続してしまうと再度ブレーキを引いておかないとテレビが消えてしまうため、走行中の操作を可能にするにはサイドブレーキの配線にプッシュスイッチを付ける工夫が必要です。
参考)走行中にナビの操作をする方法(パーキングブレーキセンサーをア…
パーキングブレーキ配線の太さ(sq規格サイズ)選びも見落とされがちなポイントです。信号線は通常0.3sqや0.5sq程度の細い配線で十分ですが、誤って太すぎる配線を使用するとコネクター部分に収まらず、逆に細すぎると信号の減衰や接触不良の原因になります。また、配線コードの被覆色は経年劣化や紫外線により退色することがあるため、古い車両では配線色が当初と異なって見える場合があります。
参考)配線コード選び早見表|カー・バイク用品の配線加工
パーキングブレーキ信号線の接続位置を誤ると、ナビの機能が正常に動作しないだけでなく、車両の安全装置に影響を与える可能性があります。特に最近の車両では、パーキングブレーキ情報が横滑り防止装置や自動ブレーキシステムと連動している場合があり、不適切な配線接続が車両の制御システムに誤信号を送ってしまうリスクがあります。そのため、DIYでの取付作業に不安がある場合は、専門店に依頼することが最も安全な選択肢です。
参考)カロッツェリア車種別JUST FIT
カロッツェリア ワンポイント・アドバイス - 取付・接続の基礎知識
パーキングブレーキ信号の接続方法について、エレクトロタップの使用方法や接続時の注意点が詳しく解説されています。
ECLIPSE ジャストフィットガイド(ホンダ車)
ホンダ車の車種別パーキングブレーキ信号配線色と接続位置の詳細情報が記載されています。
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