

黒のセルシオ、とくに202ブラックは、光の当たり方で洗車傷・磨き傷(オーロラ、スワール)が強調されやすく、同じ年式・同じ距離でも「手入れの差」が一目で出ます。中古車情報でも「202ブラック」と明記されることが多く、色番そのものが売り文句になりやすい一方、艶が落ちた個体は印象が急落します。
整備士の立場で重要なのは「見た目の話」で終わらせず、塗装状態から作業リスクと見積に落とし込むことです。
次のポイントを、入庫時の初見チェックとしてルーティン化するとクレーム予防になります。
黒は「汚れが目立つ」と言われがちですが、実際は“粗が目立つ”色です。だからこそ、下地処理不足の部分補修、拭き上げの雑さ、ポリッシャー焼けが目立ちます。作業受けの段階で「外装は整備では直らない領域がある」「磨きで改善できる範囲と再塗装が必要な範囲」を線引きして説明できると、後からの不満が減ります。
30セルシオ(UCF30/UCF31)の“あるある”として、パワステポンプからのオイル漏れが挙げられ、漏れたオイルがオルタネーターにかかって同時交換になり修理費が膨らむ、という注意点が共有されています。現場目線では、にじみ段階で止めるか、すでに垂れて二次被害が出ているかで、提案内容が変わります。
点検の勘所は「漏れの発生源の特定」と「電装への波及確認」です。
黒のセルシオは見た目が綺麗な個体ほど「下回りの汚れが少ない=漏れに気づきにくい」ことがあります。オーナーは駐車場のシミで気づくより先に、ハンドルの重さや鳴きで来店するケースもあるため、試運転で据え切り時の異音・抵抗感を取りに行くのが安全です。
30セルシオのトラブルとして、エアサス故障(オイル漏れやハイアップ現象など)が挙げられ、社外エアサスコントローラーで頻繁に車高調整すると故障が早まる可能性がある、という指摘もあります。さらに、エアサスは1か所あたり10万円以上になることがあるため、費用面から「バネサス化」を選ぶ提案も語られています。
整備士としては、次の順で切り分けすると判断が速くなります。
黒のセルシオはローダウンやホイール交換が多いジャンルなので、「過去にどんな車高操作がされてきたか」を聞き出せるかが勝負です。見積では、(1)純正同等で直す、(2)社外で更新する、(3)バネサス化して維持費を落とす、の3案を並べると話がまとまりやすく、オーナーも判断しやすくなります。
30セルシオでは、ドアミラー格納不良(左側が多いという声もある)や、チルト・テレスコを含むステアリングモーター系の不具合が“よくある故障”として挙げられています。オーナー視点では走行不能にならないため後回しにされがちですが、車検・売却・乗り換えのタイミングで一気に不満として噴き出しやすい項目です。
点検・提案のポイントは「症状の再現性」と「部品供給・修理手段の提示」です。
黒のセルシオは「高級感を買っている」ユーザーが多く、こうした快適装備が壊れたままだと満足度が急落します。足回りやエンジンが元気でも、電装がヨレている車は“疲れて見える”ので、点検結果を写真付きで説明し、優先度(安全・法規・快適)を分けて提案すると通りやすいです。
検索上位で語られやすいのは「持病」「故障」「カスタム」ですが、現場で意外に効くのが“写真の撮り方”です。黒のセルシオは、入庫写真・作業記録写真・納車写真の出来で、オーナーの納得感や、次回来店(紹介)の確率が変わります。これは整備品質そのものとは別軸ですが、工場の信頼を積み上げる実務ノウハウになります。
黒ボディは反射が強く、工場内の蛍光灯や背景が写り込み、細かな線傷や拭きムラが写真で誇張されがちです。次の工夫をするだけで「作業の丁寧さ」が伝わりやすくなります。
さらに査定や売却相談に発展したとき、整備記録の写真があると「何を直してきた車か」が伝わり、黒のセルシオのように外装印象が価値に影響しやすい車では説得力が増します。整備士が撮る写真は“映え”ではなく証拠性が重要なので、日付入りで残し、交換部品の品番ラベルや走行距離メーターもセットで撮っておくと後々役立ちます。
パワステ漏れやエアサス不良のような「放置すると高くつく系」は、写真と一緒に“放置時のリスク”を短く添えると、提案が通りやすく、トラブルも減ります。
パワステ漏れやエアサス等の「30セルシオのトラブルあるある」整理の参考(症状例と注意点)。
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