

カウンタック中古は、一般的な量販車のように「相場=市場平均」で判断しにくい車種です。理由は単純で、掲載台数が少なく、同じ車名でも年式・仕様・履歴で価値が振れやすいからです。例えばグーネットでは、カウンタックの掲載が「6台」、価格帯の表現も「7558万円~」のように実質ワンプライスに近い見え方になるタイミングがあります。こういう時は「安い/高い」ではなく「市場に出ている個体がどういう仕様・整備条件か」を読むのが先です。掲載ページの車両説明には、5速MT/6速MT、法定整備の有無、保証の有無、さらにエンジンO/Hやブレーキキットなどの改修履歴が書かれることがあり、これが価格を大きく左右します。実際に同ページには「エンジンフルO/H済み(クランクシャフトバランス取り)」「ピストン、リング、メタル新品」「APレーシングブレーキキット」など、整備・改造要素が価格説明の中心として記載されています。こうした“中身の差”が大きい車ほど、相場は「年式×走行距離」だけでは決まりません。相場把握に使うなら、カーセンサーの相場表のように、掲載車の価格帯分布を見て「どのレンジが厚いか」を掴むのが実務的です。カーセンサーの相場表では、掲載台数が「合計11台」と明示され、価格帯も「8500万円以上」が多いなど分布が確認できます。整備士として現場で役立つのは、相場表を“結論”にしないことです。相場表は「この条件だとこの辺に集まっている」という地図であって、目の前の個体が地図のどこにいるかを決めるのは、整備記録・現車状態・部品事情です。
✅相場チェックの手順(整備士向け・現実的)
参考:掲載台数や支払総額・整備条件の見方(中古車情報の基礎データ)
グーネット:カウンタック中古車掲載(支払総額・整備/保証表記)
参考:価格帯分布と掲載台数の把握(相場表の読み取り)
カーセンサー:カウンタック中古車 相場表(台数・価格帯分布)
カウンタック中古で最初に疑うべきは「走行距離が少ないのに状態が悪い」ケースです。旧車スーパーカーは、走らないことで劣化する部位が多く、低走行=安心とは直結しません。そこで鍵になるのが整備記録で、特にエンジンO/H表記は“言葉”ではなく“範囲と根拠”で評価します。グーネット掲載例でも「エンジンフルO/H済み(クランクシャフトバランス取り)」「ピストン、リング、メタル新品」「バルブすり合わせ」など、比較的踏み込んだ作業内容が列挙されています。ここまで書ける個体は、少なくとも実施したショップが作業を説明できる可能性が高い一方で、購入側(または整備受け側)が確認すべきは「いつ」「どこまで」「何が新品で何が再使用か」「慣らしと再調整は済んだか」です。エンジンO/Hは“直った”ではなく“新しいリスクが発生する工程”でもあります。例えば初期なじみの段階でのオイル漏れ再発、熱サイクルでの締結部の緩み、キャブや点火系の再同調など、納車後に仕上げが必要なパターンもあり得ます(ここを「保証なし」で受けるのか、「整備付」で詰めるのかは大きい差です)。整備士として提案したいのは、整備記録を“請求書の束”として見るのではなく、時系列のストーリーとして再構成することです。何年に何を直し、次に何が出て、どう潰したか。これが筋が通っていれば、古い車でも怖くありません。
🧾O/H表記で最低限そろえたい確認物
修復歴の有無は入口として重要ですが、カウンタック中古ではそれだけで結論を出さない方が良いです。なぜなら、古い車は軽微な接触修理・再塗装・外装パネル調整が入っていることが珍しくなく、また車両価値の中心が「オリジナル度」と「直し方」に寄るからです。中古車サイトでも「修復なし」といった表記がある一方で、実車ではチリ、ドア開閉、シザードアの保持、ウインドウの上がり方、冷却の安定など“構造の歪み”が運転感覚に出ます。整備士が現車確認に同行できるなら、試乗でまっすぐ走るか以上に「ブレーキング時のヨー」「段差での異音の出方」「ドアの左右差」を観察したいところです。さらに、カウンタックは全高が極めて低い設計として紹介されることが多く、路面入力を受けやすい条件で使われてきた個体も想定すべきです。グーネットの車種解説でも、初代カウンタックの全高は1070mmとされています。低い車は“当てやすい”のではなく、“当てたときの影響が出やすい”面もあります。フロア下や前後オーバーハング周り、ジャッキアップポイントの潰れや修正痕は、整備リフトで見られるなら必ず見たいポイントです。
🔍修復歴より優先したい観察ポイント
カウンタック中古を“買って走らせる”前提なら、エンジンだけ見て終わりにしないことが重要です。中古車サイトの掲載情報でも「MT5速」「MT6速」のようにミッション情報が明示されることが多く、個体によって仕様が異なります。ミッションは本体の状態に加えて、クラッチ、油脂、リンク機構、マウント、周辺の熱害まで含めて総合点で決まります。実務としては、ギア鳴きや入りにくさを“旧車だから”で片付けず、再現条件(油温、回転数、シフト操作、クラッチ切れ量)を切り分けて評価します。電装も油断できません。旧車スーパーカーは、接点不良やアース不良が症状を増幅させ、結果として「原因不明」扱いになりがちです。ここは整備士が一番差を出せる領域で、配線図の有無、ヒューズボックスの状態、増設機器(点火強化、セキュリティ、オーディオ)による負荷の増え方まで踏み込みます。冷却はさらに現実的で、真夏の渋滞・低速走行での安定性が“所有できるか”を決めることがあります。グーネットのレビュー欄にも「エアコンは年中使い続ければ問題ないが、使わないと…」のように、使い方と状態が絡む記述が見られます。つまり、点検は部品単体ではなく「使われ方」込みで考えるべきです。
🛠️納車整備で現実的に提案しやすいメニュー例
検索上位の記事は、相場・スペック・見た目の魅力に寄ることが多い一方で、整備士として刺さるのは「情報の取り方」です。ここでの独自視点は、現車の前で“答えが曖昧だと危ない質問”を先に用意しておくことです。カウンタック中古は、部品の入手性や作業経験が価格以上のボトルネックになりやすく、購入後に「任せられる店がない」が最大の失敗要因になりがちです。実際、専門店の作業レポートでは、分解時のクリーニングやサポートブッシュのリフレッシュなど、通常整備より手間のかかる工程が写真付きで紹介されており、“時間をかけて正しく整える”こと自体が価値になる世界観が見えます。こうした車は、ユーザー(オーナー)と工場のコミュニケーション品質が、そのままコンディションに反映されます。よって「買う前」に質問を投げ、相手の回答の具体性でリスクを測るのが合理的です。答えが詰まるテーマは、だいたい納車後に詰まります。
🗣️買う前に必ず聞きたい質問(整備士向け)
参考:分解整備の現実(ブッシュ分解や清掃など、作業の手間と質が分かる)
中村エンジニアリング:カウンタック整備レポート(分解・清掃・ブッシュ等)