

白く明るいバルブを選んだはずが、交換後のほうが暗くなって車検まで落ちた人が続出しています。
カー用品店でH4ハロゲンバルブのパッケージを見ると、「6000K」「3200lm」「6400cd以上」など様々な数値が並んでいます。これらを正しく理解しないと、見かけ上のスペックに振り回されて失敗します。
まず「ケルビン(K)」は光の色温度を表す単位です。数値が低いほど黄色みが強く、高くなるほど青白い光になります。純正のH4ハロゲンバルブは3,000〜3,150Kが標準的な値で、いわゆる「電球色」の白熱灯に近い色合いです。6,000Kを超えると青白くHIDのような見た目になります。ここが重要な落とし穴で、ケルビン数はあくまでも「光の色」を示すだけであり、明るさとは無関係です。
次に「ルーメン(lm)」は光源が発する光の総量を示します。一般的なH4ハロゲンノーマルバルブはバルブ1個あたり約1,000lm程度で、車両に2個装着した状態での合計は約2,000lmとなります。これがスペック表に記載される基準値の目安です。ルーメン数が高いほど光量は多くなりますが、配光特性(光の広がり方)が悪ければ実際の視認性は向上しないこともあります。
「カンデラ(cd)」は特定の方向への光の強さ(光度)を示します。車検でヘッドライトの明るさをチェックする際に使われる単位がこのカンデラで、法律上は1灯につき6,400cd以上が必要とされています。ルーメンの数値が高くても、光軸がずれていたり配光が不均一だったりするとカンデラ値は下がります。
つまり明るさの順番は「カンデラ=車検で使われる実質の明るさ基準」が原則です。
| 単位 | 意味 | 車検との関係 |
|---|---|---|
| ケルビン(K) | 光の色温度(色合い) | 直接関係なし。ただし高すぎると光量が落ちる |
| ルーメン(lm) | 光の総量 | 直接関係なし。配光特性との組み合わせが重要 |
| カンデラ(cd) | 特定方向への光の強さ | 1灯につき6,400cd以上が保安基準の要件 |
バルブパッケージの大きな数字は「見た目の訴求力」に最適化されているケースが多く、実際の夜間視認性とは必ずしも一致しません。これが基本です。
ルーメン・カンデラ・ケルビンの違いをわかりやすく解説(GAZOO.com)
カー用品店を訪れると、青白く輝くパッケージの「ホワイトバルブ」がズラリと並んでいます。見た目がLEDやHIDに近いため、「白い=明るい」と感じる人がほとんどです。これが非常に危険な思い込みです。
実は、ハロゲンバルブにおいて白い光を出すためには、ガラス管の内側に赤・緑の光成分を遮断するための青いコーティング(フィルター)を塗布しています。このフィルターが暖色成分をカットすることで青白く見えるわけですが、同時に光の透過率が大きく低下します。結果として、同じワット数のバルブでも「白いバルブ」は「透明なバルブ」に比べて光量が明確に落ちてしまいます。
実際に市販H4バルブを測定した比較データでは、標準ハロゲン(小糸製作所製ノーマル品)が415hcdを示した一方、透明ガラスの高効率タイプ(レーシングギア製)は613hcdを記録し、約1.5倍の差がありました。一方、青いコーティングのホワイトバルブは光量が純正を下回る製品が少なくありません。
白いバルブに変えた途端に「なんか暗くなった気がする」というのは、多くのドライバーが実際に体験していることです。これは気のせいではなく、物理的な現象です。
さらに、ケルビン数が高くなるほど車検での光量不足リスクも上がります。車検のヘッドライト検査では光量(カンデラ)が基準を満たしているかを測定しますが、白いバルブにしたことで光量が落ち、6,400cd を下回って不合格になるケースが実際に起きています。白くて「車検対応」と書かれていても、劣化した状態や特定のヘッドライトユニットとの組み合わせでは不合格になる可能性があります。
「純正色のハロゲンバルブが一番明るい」というのが原則です。夜間の安全性を本気で高めたいなら、ケルビン数の高さより光量(ルーメン・カンデラ値)が高い透明ガラスのバルブを選ぶことが先決です。
ハロゲンバルブのメーカーはLEDの普及で数を減らしていますが、IPF・PIAA・小糸製作所・OSRAM・フィリップスといった老舗メーカーは今もラインナップを維持しており、それぞれ明確な特徴があります。
まず、現時点でハロゲンH4バルブの中で「一番明るい」と評価が高いのが IPF 超極太ハロゲンバルブ(3200K) です。前モデル「極栗バルブ」の後継品で、フィラメント周りの設計を見直すことで80Wクラス相当の光量を12V/60W系の配線系統のまま実現しています。メーカーは純正ユニットへのポン付けでも問題ないとしており、3年以上問題なく使用しているユーザーも多数います。透明ガラス採用で光量ロスがなく、照射範囲も純正より広い点が高く評価されています。
次に挙げられるのが PIAA ハロゲンバルブ H4 60W(HS604) です。レース現場でのフィードバックをもとに設計された耐久性と信頼性が特徴で、60Wクラスの高出力でありながら寿命が長く、他社の60Wバルブより交換頻度が下がるためトータルコストが抑えられます。
OSRAM ナイトブレイカー300 も要注目の製品です。純正比最大300%アップの明るさをうたっており、透明ガラス採用で光量ロスなし。欧州市場でも高い評価を受けており、特に暗い道での前方視認距離が体感で変わると評判です。
純正補修用途であれば フィリップス 自動車用バルブ H4(12342B1) がコスパ面で際立っています。1個あたり600円台から入手できる場合もあり、製品誤差が少ない品質管理の高さも魅力です。
光量で選ぶならIPF超極太かOSRAMナイトブレイカーが条件です。
H4ハロゲンバルブのDIY交換は比較的簡単な作業で、工具もほぼ不要なケースが多いです。ただし、いくつかの手順ミスが寿命を著しく縮める原因になるため、事前に知っておく必要があります。
最も多いミスが「素手でガラス管を触る」ことです。ハロゲンバルブはガラス管が点灯中に約250℃前後まで上昇する構造になっており、手の皮脂(油分)がガラスに付着すると、その部分だけ熱が局所集中して急激な温度差が生じます。結果として点灯後わずか数日〜数週間で熱割れや早期切れが発生することがあります。バルブを扱う際は必ず手袋を着用するか、布や紙でガラス部分を保護して持つことが基本です。
次に「エンジン停止直後の作業」も危険です。ハロゲンバルブの寿命は800〜1,000時間程度が目安とされていますが、熱を持ったまま取り外すとやけどのリスクがあるほか、コネクタ部分の熱による変形が起きやすい状態です。エンジンを止めて最低でも15〜20分は冷却時間を確保してください。
また、交換後に光軸(ヘッドライトの向き)がずれているケースも見落としがちです。バルブを新品に換えたのに夜間に暗く感じる場合、バルブ自体ではなく光軸のズレが原因のことがあります。タイヤ交換や重い荷物の積載後なども光軸がズレやすいため、違和感があったらガソリンスタンドや整備工場で光軸調整を依頼するのが得策です。費用は一般的に1,000〜3,000円程度で済みます。
バルブを取り付けた後は必ず点灯確認を行い、ハイビーム・ロービームの両方が正しく機能しているかチェックしてください。H4はハイ・ロー切り替え型のバルブなので、どちらか一方が点灯しない場合は取り付け不良の可能性があります。これで安心して走れます。
「LEDが明るくて正解」という空気が広まる中、それでもハロゲンにこだわるドライバーが一定数いる理由は、明確なメリットが存在するからです。
最も知られていない優位性が「雪道での安全性」です。ハロゲンバルブは光と同時に熱を大量に放出する仕組みのため、ヘッドライトレンズに積もった雪をそのまま溶かし続けます。一方LEDは熱をほとんど前方に出さず放熱を後方で行うため、レンズに雪が積もっても溶けず視界が塞がれることがあります。豪雪地帯で走る機会が多い場合は、純正ハロゲンのままでいることが実は最善策になる場面があります。
次に「対向車への眩しさ」の問題です。LEDは光が特定方向に強く集中する性質があり、ヘッドライトユニットがハロゲン設計のままLEDバルブを入れると、配光が崩れて対向車や歩行者に強烈なグレア(眩惑)を生じさせます。これは整備不良として指摘される可能性があり、車検でも不合格になるケースが実際に多く報告されています。ハロゲンは光が自然に拡散するため眩惑を起こしにくく、純正ユニットとの相性が高い点でも安全といえます。
また「コストと手軽さ」の観点も無視できません。ハロゲンH4バルブは1セット1,000〜4,000円程度から入手でき、DIYで5〜10分程度で交換できます。LEDバルブは高性能品になると1セット1万円を超えるものも多く、取り付けにアダプターが必要な場合もあります。切れたときにコンビニや量販店ですぐに入手できるのもハロゲンだけの特徴です。これは大きなメリットですね。
LEDよりハロゲンが正解になる状況も、確かに存在します。
H4ハロゲンからLEDへの交換時の注意点(日本ライティングBlog)

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