

リフトアップは「何で上げるか」で、後工程(車検・構造変更・耐久性)が大きく変わります。スペーサーやブロックなど“指定外部品”扱いになりやすい方式で、かつ増加量が大きい場合は構造変更(車検の取り直し相当)が絡むため、ユーザーが想定する予算・納期・合法性を最初にすり合わせるのが整備士の仕事になります。
構造変更そのものは「全高が変わった」程度なら検査場で申告して実測し、手数料が少し増える程度で済むケースがある一方、方式によっては事前申請や資料が必要になり、同じ“上げ”でも負担が段違いになります。特に2インチ(約50mm)級以上のリフトでは、シャフト角度補正(メンバーダウン等)やロングショックなど部品点数が増える理屈があり、結果的に工賃も含めてコストが上がりやすい点は、見積段階で明確に説明すべきです。
(参考:リフトアップ後の構造変更の扱い、2インチ以上で部品点数が増える理由)
リフトアップしたら車検証の記載が変わる? 構造変更ってどうい…
整備の現場で意外と効くのが「構造変更=新規車検扱い」という考え方です。継続車検の感覚で通りそうなパーツでも、構造変更の検査フェーズではアウト寄りになる例があるため、ガード類や外装の追加部品は“同時にやるのか、後でやるのか”まで段取りに含めるとトラブルが減ります。
cx5のオフロード寄せカスタムは、見た目の変化が大きい「タイヤ・ホイール」が最短ルートです。純正のタイヤサイズは225/65R17(グレードにより225/55R19も)として語られることが多く、ここを基準に外径と幅をどう増やすかで“オフ感”が決まります。
一方で、サイズアップは「干渉」と「誤差」を連れてきます。たとえば16インチへインチダウンして245/70R16を入れる事例は実際に紹介されており、外径アップで迫力が出る反面、装着前のブレーキ干渉チェックが必須とされています。つまり、見た目だけでサイズを決めると、キャリパー逃げ不足・スポーク形状・バランスウェイト位置で詰む可能性があるため、現車合わせ(もしくは確実な適合実績のある組み合わせ)で安全側に寄せるのが整備士的には正解です。
(参考:245/70R16装着、装着前にブレーキ干渉をチェックしている事例)
https://www.craft-web.co.jp/blogs/urban_hamamatsu/デルタフォースオーバルにリフトアップ!cx-5をオフ系/
さらに、見落としがちなのが「車両個体差」と「当たりの自覚が遅い干渉」です。別車種の話ですが、245幅のサイズでは個体差でインナーに干渉することがある、気付かないまま様子見になる例がある、といった指摘もありました。cx5でも同様に、据え切り・段差進入・フルバンプ時にだけ当たるケースがあるので、納車前点検で下記をルーチン化すると事故が減ります。
・干渉点検チェック(おすすめ)
✅ ハンドル左右据え切り+ゆっくり前後移動でインナー/フェンダーライナー擦り確認
✅ 斜めに段差へ進入してストロークを使い、接触音とタイヤ表面の擦れ跡を確認
✅ 砂利道で小石噛み→ライナー削れの進行を早期に見つける(初期だけ一気に進む)
リフトアップ後の“走れるオフロード仕様”を作るなら、アライメントを後回しにすると一気に破綻します。見た目は上がっていても、実務上の敵は「直進性の悪化」「偏摩耗」「制動時の不安定感」で、これらはアライメントのズレが原因になりやすいからです。
現場記事でも、スペーサー式のリフトアップに合わせてキャンバーボルトを取り付け、リフトアップでポジティブキャンバー方向に起きるのを抑制する、さらに3Dアライメントで数値を整える、という流れが紹介されています。整備士としてはこの順序が重要で、単に“上げて終わり”ではなく、補正部品→計測→試乗→ハンドルセンター確認までがワンセットになります。
(参考:ACCイージーアップ+キャンバーボルト+3Dアライメントの流れ)
https://www.craft-web.co.jp/blogs/urban/【cx-5】リフトアップとあわせておすすめのタイヤホイールは?/
ここで“意外と効く”のが、オフロード系タイヤのブロック剛性とアライメントの相性です。ブロックが大きいA/TやM/Tは、路面入力でステアリングに微振動が出やすく、トーやキャンバーがズレていると症状が増幅して「ハブベアリング?」「タイロッドエンド?」のように誤診しやすくなります。先に数値を作り込んでおくと、異音・振動の切り分けが急に楽になります。
検索上位が「タイヤ・ホイール・リフトアップ」に寄りがちな一方で、整備士目線でトラブルが出やすいのが“外装アクセサリーの誤解”です。とくに純正風に見える装備でも、実は純正設定が無い(市販品)組み合わせがあり、ユーザーが「ディーラーで付くと思った」「純正だから車検も大丈夫」と誤認しやすいのが落とし穴です。
マツダのCX-5「プロ・クロススタイル」のページでも、撮影車に付いているルーフバスケット(THULE市販品)やオールテレーンタイヤ(ヨコハマ GEOLANDAR A/T G015 225/65R17)は、マツダ純正品としての設定はない、と明記されています。つまり“メーカー公式の写真に写っている=純正部品”とは限らず、見た目の近さで判断すると発注や適合確認で事故ります。ここは整備受付の段階で、品番・取付要領書の有無・積載状態での風切り音や燃費悪化の説明まで含めて、クレーム予防線を張る価値があります。
(参考:プロ・クロススタイル撮影車のルーフバスケットとA/Tタイヤはマツダ純正設定なし)
https://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/accessories/pro-xross-style/
さらに実務的には、ルーフバスケットやルーフラックは「荷重」と「取付けの緩み」が事故要因になります。オフロード用途だとキャンプ道具やリカバリーギアを載せがちですが、荷物の前後荷重で車体ピッチングが増え、ブレーキング時に“普段より”ノーズダイブしやすくなり、結果的にフロントタイヤの干渉が出る(または出やすくなる)ことがあります。足回りだけ見て問題がないのに、積載状態でだけ当たるなら、この線を疑うと原因に早く辿り着けます。
最後に、作業を「工程」に落とすと失敗しにくいので、整備メニューの形にしておきます。cx5のオフロードカスタムは、やること自体は定番でも、順番を間違えると二度手間(再アライメント、再加工、買い直し)になります。
・推奨の作業順(現場で強い)
・納車前チェック(短時間で効く)
✅ ABS/DSCの警告灯点灯の有無(センサー線の張り・取り回し)
✅ フェンダーライナーの固定クリップ欠損(擦りの進行を早める)
✅ ホイールナット座面の一致(テーパー/球面の取り違い防止)
✅ 空気圧の運用ルール(A/T系は空気圧で乗り味が激変しやすい)
このあたりを押さえておくと、「見た目はオフロード、走りは不安」という中途半端な仕上がりを避けやすくなります。整備士としては、パーツ選びの相談を“作業性・保安・再現性”に変換して提示できると、ユーザー満足と安全性を同時に上げられます。

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