ブレーキパッドセンサーの仕組みと交換時期の見極め方

ブレーキパッドセンサーの仕組みと交換時期の見極め方

ブレーキパッドセンサーの仕組みと警告を正しく理解する

警告音が止まったら、センサーが壊れてローターを削り始めているサインです。


ブレーキパッドセンサーの基本まとめ
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センサーには2種類ある

「機械式(音)」と「電気式(警告灯)」の2タイプ。国産車は音で知らせ、輸入車はインパネの警告灯で知らせる方式が主流です。

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警告音が消えても安心NG

機械式センサーは鳴り始めから約1,000km走ると音が消えることがあります。これはパッドがさらに削れた危険なサインです。

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放置すると修理費が跳ね上がる

パッドだけの交換なら1〜2万円程度ですが、ローターまで傷がつくと4万〜8万円以上の追加費用が発生することもあります。


ブレーキパッドセンサーとは何か・PWIの基本的な役割





ブレーキパッドセンサーは、正式名称を「PWI(Pad Wear Indicator=パッド摩耗警報装置)」といいます。名前の通り、ブレーキパッドがすり減って交換の時期が来たことをドライバーに伝えるための装置です。


普通に運転していると、ブレーキパッドの残量を目視で確認するのは簡単ではありません。タイヤを外してキャリパーの点検窓から覗かないと残量がわからない構造になっているからです。そのため、何もなければドライバーは残量に気づかないまま走り続けてしまいます。これが危険につながる。


ブレーキパッドは新品時で約10mmの厚さがあります。走行するにつれてすり減り、残量が約2mmになると、センサーが働いてドライバーに警告を出す仕組みです。残量2mmというのは、はがきの厚みの約4〜5枚ぶん程度、かなり薄くなった状態です。


センサーが働くタイミングが「残量2mm」に設定されている理由は、ここから先はパッドの性能が急激に落ちるリスクがあるからです。この段階を超えてしまうと、パッドが台座(バックプレート)の金属面を直接ローターに押し付けることになり、ブレーキの効きが著しく低下します。つまり2mmは余裕ではなく、警告の最終ラインです。


センサーは安全装置の一つですが、「センサーが反応するまでは大丈夫」と過信しないことが前提条件です。センサーが正常に動作していない場合や、社外品のブレーキパッドにセンサーが付属していない場合もあるためです。


ブレーキパッドセンサーの仕組み・機械式(可聴式)の構造

機械式センサーは国産車の多くに採用されている方式で、仕組みはシンプルです。パッドの裏側(バックプレート)に、厚さ0.5〜0.8mmのステンレス製の薄い金属片が取り付けられています。この金属片がセンサーの本体です。


通常の状態では、パッドの摩擦材(ブレーキをかけるときにローターに当たる部分)が厚みを保っているため、金属片はローターに触れません。しかし摩擦材が削れて残量2mm程度になると、金属片がローターの表面に接触し始めます。金属同士が擦れると「キーキー」「キュルキュル」という甲高い音が発生し、これがブレーキパッドの交換を知らせるサインです。


音の出るタイミングに特徴があります。機械式の場合、ブレーキを「踏んでいないとき(走行中)」に音が出て、ブレーキを「踏んだとき」に音が消えるという逆のパターンが多いです。これは意外ですね。ブレーキを踏むとパッドがローターに強く押し付けられ、センサー金属片の角度や位置が変わって一時的に音が消えるためです。


一方、「ブレーキを踏んだときだけキーキー鳴る」場合は、パッドの材質による「ブレーキ鳴き」と呼ばれる別の現象のケースもあります。これはパッドとローターの摩擦によって共振が発生するもので、必ずしもパッドの摩耗を意味しません。両者を混同しないようにするのが重要なポイントです。


機械式センサーには大切な落とし穴がひとつあります。それは「一定の距離を走ると警告音が鳴らなくなる」という性質です。これはセンサーが修復されたわけではありません。センサーの金属片がさらにローターに削られていき、接触面の形状や位置が変わることで音が出にくくなるだけです。音が消えた=異常解消、という誤解が一番危険です。



ブレーキ鳴きの種類と原因については、こちらの情報も参考になります。


摩耗センサーのしくみ|ADVICS(アドヴィックス)公式サイト ― 機械式・電気式の詳細な動作説明と注意点が記載されています


ブレーキパッドセンサーの仕組み・電気式センサーの構造と警告灯

電気式センサーは、一部の高級国産車と、BMW・メルセデスベンツ・アウディ・VWゴルフなどの輸入車に多く採用されています。インパネ(インストルメントパネル)のブレーキ警告灯が点灯することでドライバーに知らせる仕組みです。


電気式の基本的な構造を説明します。ブレーキパッドの内部には、U字状に成形された細い電線がモールド(樹脂で固定)されています。パッドが規定厚み(通常2mm前後)まで摩耗すると、ローターとの接触によってこのU字電線が切断されます。電線が切れることで電気回路に変化が生じ、車両のコンピューターがそれを検知してブレーキ警告灯を点灯させる仕組みです。


さらに、近年の高年式輸入車ではより高度な仕組みが採用されています。センサーが「切れる前から徐々に削れることで発生する抵抗値の変化」や「オドメーターの走行距離データ」を組み合わせて、交換時期を自動計算するタイプも存在します。これが条件です。このタイプでは、警告灯が点灯していなくても、一度でもセンサーがローターと接触して削れた状態になったら、そのセンサーは再利用不可となります。


電気式センサーには「差し込み式」と「埋め込み式」の2種類があります。差し込み式はメルセデスやBMWに多く、センサー本体をパッドから抜き差しできる構造です。埋め込み式はアウディやVWゴルフなどに多く、製造段階でパッドの摩擦材にセンサーが埋め込まれているため取り外しは不可能です。これは1個あたり数百円〜数千円のパーツですが、ブレーキパッド交換のたびに新品交換が必要になります。


電気式のメリットは、音では気づきにくい室内騒音の大きいシーン(高速道路・ロードノイズが大きい車)でも確実に警告を届けられる点です。機械式は窓を閉めた状態だと音に気づかないこともあります。これは使えそうです。



電気式センサーの詳細な種類と構造については以下も参考になります。


パッドセンサーについて|DIXCEL(ディクセル)公式サイト ― 差し込み式・埋め込み式の違いと再利用条件が詳しく解説されています


ブレーキパッドセンサーの仕組み・警告を無視したときに起こる費用リスク

警告音が鳴り始め、または警告灯が点灯してからの放置は、修理費用の観点からも大きなリスクです。ここを理解しておくと損をしません。


ブレーキパッドだけを交換する場合の費用相場は、軽自動車で約1〜1.5万円、普通車で約2万円前後です。これは工賃込みの目安です。部品代と工賃を合わせてもそれほど大きな出費ではありません。


しかし警告を無視して走り続けると、パッドがゼロになりバックプレートの金属面がローターに直接当たるようになります。この状態で走行するとローター(直径が25〜30cmほどのブレーキの円盤)に深い傷や歪みが生じます。ローター交換が加わると、乗用車1台分(前後4輪)で4万〜8万円以上に跳ね上がることもあります。


機械式の場合、警告音が鳴り始めてから約1,000kmでインジケーターが削れ、音が鳴り止む段階になります。その後もローターを削り続けるため、早ければ数週間〜1ヶ月程度でローターへのダメージが深刻になります。痛いですね。


輸入車の場合、費用はさらに高額になります。BMWのケースでは、ディーラーでフロントのブレーキパッド+センサー交換だけで3〜5万円、ローター交換まで発生すると前後合計10万円を超えることもあります。電気式センサーを再利用しようとしても、すでに機能が失われているため別途センサー代もかかります。センサー代が別途かかるということですね。


放置によるリスクで見落とされがちな点がもう一つあります。ブレーキパッドが急激にすり減ると、ブレーキフルードの量がMINラインを下回ることがあります。ブレーキフルードが不足すると、ブレーキの油圧が正常に伝わらなくなり、制動力が突然低下するリスクが高まります。結論は「警告が出たら数日以内に整備工場へ」が原則です。


警告が出てから整備工場への予約が難しい場合、まず行動として「ブレーキフルードのタンクの目盛りを確認すること」だけでも実施しておきましょう。ボンネットを開けてタンクを目視するだけで5分もかかりません。


ブレーキパッドセンサーが検知できない盲点・センサーに頼りすぎる落とし穴

ここが検索上位の記事ではあまり触れられていない、独自の視点です。ブレーキパッドセンサーは「便利な安全装置」ですが、実は検知できないケースが複数存在します。これを知っているかどうかで、ブレーキ点検への意識が大きく変わります。


まず、社外品(純正品でないアフターパーツ)のブレーキパッドを使っている場合、センサー自体が付属していないことがあります。スポーツ向けやコストを抑えた社外パッドには、インジケーターが省かれているケースが少なくありません。この場合は走行距離(目安:3〜5万kmごと)や定期点検での目視確認が唯一の方法になります。


次に、センサーの取り付け位置の問題があります。一般的にセンサーはパッドの「最も摩耗が進む箇所」(車両内側・前進方向に接触する側)に取り付けられます。ところが、左右を取り違えたり向きを逆にしたりして組み付けると、センサーが正しいタイミングで反応しません。DIYで交換した場合に起きやすいミスです。センサーの向きが条件です。


さらに、4輪のうちセンサーが1か所にしか付いていない車種もあります。フロント左のみ、またはフロント左とリア右にそれぞれ1つずつ直列で配線されているタイプです。この場合、センサーが付いていない側のパッドが先に摩耗しても警告が出ません。つまり「警告灯が出ていない=4輪すべて安全」とは限らないわけです。意外ですね。


また、電気式センサーは電気系統のトラブルで誤作動や無反応を起こすことがあります。断線・接触不良・コネクタの腐食などによって、実際にはパッドが残っているのに警告灯が点灯したり、逆に本当に摩耗しているのに点灯しなかったりするケースです。センサーに頼りきることはNGです。


これらの盲点をカバーするために有効なのが「走行距離と目視のダブル管理」です。車検(2年ごと)や12ヶ月点検のたびに整備士に目視確認を依頼すること、そして走行距離が3〜4万kmを超えたら一度確認を依頼することが、最も確実な方法です。整備工場では、タイヤを外さなくても点検窓から残量を目視できます。確認するだけなら無料の場合も多いため、まず整備工場に問い合わせるだけでOKです。



パッドウェアインジケーターの注意点や過信しないことの重要性については以下も参照ください。


パッドウェアインジケーターとは?足回りの異音が聞こえたときの対処法|クランツ ― センサーの誤信が引き起こすリスクと点検の必要性を解説しています




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