

DB9の中古で現場が困るのは、エンジン本体の破損よりも、電装・補機・内装まわりの「直ったと思ったら次が出る」タイプの故障です。実際に、DB9で注意したい弱点としてエアコンコンプレッサーやオルタネーター(水漏れ含む)が挙げられており、季節要因(夏前にエアコン)で一気に顕在化しやすい点が整備計画に効いてきます。
また、経年車ではオイル漏れや電気系の細かい故障が起きやすい、という整理のされ方も多く、購入時点で「不具合ゼロ前提」で見積もるとほぼ外れます。
整備士目線での“症状→当たり”の例(問診・試運転で拾う)
「意外と効く」現場の小技:オーナーに“いつ壊れたか”ではなく“いつ警告が出たか”を聞く
DB9は警告表示が出てから挙動が変わるケースがあり、ユーザーが「一時的に直った」と表現することがあります(特に電装系)。オルタネーター故障でリンプモード(2速固定で速度が出ない保護モード)に入った体験談もあり、ヒアリングで警告表示の文言や状況を具体化すると診断が早くなります。
参考)「バッテリー オフ スイッチ テンケンヒツヨウ」初期型アスト…
DB9は購入価格が中古で落ち着いて見えても、税金・保険・点検・車検・消耗品の層が厚く、年間コストが読めないと不満が整備工場に向きやすい車種です。維持費の一例として、自動車税88,000円、任意保険200,000円~(車両保険込み)、車検100,000~500,000円(消耗品込み)、12ヶ月点検100,000円~といった目安が紹介されています。
さらに、12ヶ月点検は整備費用だけなら10万円弱でも、年数が経つと消耗品が重なり50万円ほどになることがある、という言い方もされており、「点検で何を同時交換するか」が請求の山場になります。
ユーザー説明でトラブルを減らす言い回し(整備受付の台本例)
ここでのポイントは、維持費を脅し文句にしないことです。DB9は“納得して乗る車”なので、整備側が数字の根拠を出して先回りすると、信頼とリピートに変わります。
DB9/DBS/ヴィラージュ系には、タッチトロニックⅡ(ZF製6速トランスミッション)が採用され、トランスミッションがリヤ配置でエンジンとトルクチューブで繋がる構成だと説明されています。
このレイアウトでは、ATFをフロントバンパー内のオイルクーラーまで運ぶ必要があり、オイルラインが長くなる点が構造的な特徴です。
初期型で「意外に危ない」ポイント:ジョイントホースの劣化
初期のDB9で、ゴムホースが油圧で収縮を繰り返すうちにひび割れ→オイル漏れに至る事例が述べられており、最悪は破裂して走行不能になり得るため早めの交換が賢明、という注意喚起があります。
さらに、2007年から対策された旨も書かれているため、年式・対策品への更新履歴(部品番号/請求書)確認が「中古点検の価値」を上げます。
実務チェックリスト(入庫時に最初にやる)
DB9は電装トラブルが軽視されがちですが、「警告が出る=すでに車両側が保護動作に入る」ケースがあり、整備側が主導してリスクを言語化する必要があります。実例として、オルタネーターの故障で「バッテリー オフ スイッチ テンケンヒツヨウ」と表示され、リンプモードに入り2速固定・60km/h以上出ない状態になった体験が語られています。
つまり、オーナーが「走るけど遅い」「突然パワーがない」と言った場合、単なるエンジン不調扱いにせず、充電・電源系の診断を優先すると再現性の低い案件で時間を失いにくくなります。
電装系でハマらないための段取り
参考:電装系トラブルの実体験(警告表示やリンプモードの経緯、応急的に回復させる話題も含む)
「バッテリー オフ スイッチ テンケンヒツヨウ」初期型アスト…
ここは検索上位が「壊れやすい・維持費が高い」で終わりがちな部分なので、整備士向けに“予防整備の組み立て”を独自視点でまとめます。DB9のような車は、単発修理での最安を狙うより、「同時作業で工数を圧縮して、再入庫回数を減らす」ほうが総額が下がりやすいです(ユーザー満足も上がります)。根拠として、DB9は消耗品交換が重なると点検費用が跳ねる、といった説明がされており、まとめ整備の合理性が出ます。
おすすめは“3レイヤー見積もり”
「意外と効く」整備提案:夏前と車検前でメニューを分ける
最後に、DB9の中古は「壊れるかどうか」ではなく、「壊れ方を想定した上で、点検と予防整備で波を小さくできるか」が勝負です。弱点として挙げられている補機・電装・冷却・ATFラインを、履歴と現物で潰していけば、整備工場にとっても“読みやすい”輸入車になります。