フットブレーキ サイドブレーキ 違い｜仕組み・使い分け・種類を解説

フットブレーキとサイドブレーキの違い

フットブレーキとサイドブレーキの基本的な役割の違い

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車のブレーキには大きく分けて2種類があり、それぞれ異なる役割を持っています。フットブレーキは「常用ブレーキ」とも呼ばれ、走行中の減速や停止に使用するメインのブレーキです。右足で踏むペダルで操作し、走行中に最も頻繁に使われます。一方、サイドブレーキは「パーキングブレーキ」とも呼ばれ、駐車時に車両を動かないよう固定する補助的なブレーキです。
参考）フットブレーキは前輪・後輪どちフットブレーキの仕組みとは？前…
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サイドブレーキには手で引くレバー式のほかに、足で踏むペダル式や、最近ではボタン操作の電動式も増えてきました。正式名称が「パーキングブレーキ」とある通り、駐車中に車を動かないようにするのが主な目的です。フットブレーキは走行中の安全確保、サイドブレーキは停車中の安全確保という明確な使い分けがあります。​

フットブレーキの仕組みと制動力が作用する車輪

フットブレーキは車両の全ての車輪に制動力を伝えて減速させる仕組みです。ドライバーがブレーキペダルを踏み込むと、まず「ブレーキブースター（倍力装置）」によって踏力が数倍程度に増大されます。増大された踏力は「マスターシリンダー」でブレーキ油圧に変換され、油圧制御回路を経て4つの駆動輪のブレーキ装置へ伝達されます。
参考）車のブレーキとは？ 種類と仕組み、回生ブレーキ・ABSなどを…
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フットブレーキは油圧式を採用しており、小さな力で大きな制動力を得られるのが特徴です。一般的な乗用車では、前輪側に強い制動力がかかるように設計されています。これは、ブレーキをかけると車の重心が前方に移動し、前輪に荷重がかかるためです。ペダルの踏み込み加減で制動力を調節できるため、速度や状況に応じてなめらかに減速・停止できます。
参考）サイドブレーキの構造的特徴やレバー・電動式など種類の違い -…
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サイドブレーキの構造と後輪への作用の仕組み

サイドブレーキは装置の構造上、後輪の2輪のみをロックする仕組みになっています。多くの乗用車では4つの車輪すべてにブレーキが付いていますが、そのうちサイドブレーキが作用するのは後輪だけです。サイドブレーキはワイヤー式が主流で、後輪とワイヤーケーブルでつながっており、レバーを引くとワイヤーが引っ張られて後輪のブレーキが作動します。
参考）サイドブレーキを下げ忘れて走った時はどうなるのか
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油圧のフットブレーキに比べ、サイドブレーキのブレーキ力は小さくなります。これは人力（手や足）のみで作動させるため、レバーやワイヤーで後輪を機械的に固定する程度の力しかかけられないためです。走行中に使うブレーキではないので十分な制動力ですが、後輪だけしか止められない点は覚えておく必要があります。停止状態を維持するために必要な力が十分あるワイヤー式を導入しているのがサイドブレーキの特徴です。
参考）【種類別】フットブレーキの使い方・サイドブレーキとの違い -…
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フットブレーキとサイドブレーキの使い分けと注意点

フットブレーキとサイドブレーキは、その役割と操作方法が異なるため、使い分けが重要です。フットブレーキは走行中の減速・停止に使い、サイドブレーキは駐車時に車輪をロックするために使用します。走行中にサイドブレーキ（特にレバー式）を引いた場合、後輪がロックしてスピンする恐れがあり大変危険です。​
サイドブレーキを戻し忘れたまま走行すると、後輪に引きずり抵抗がかかって車の動きが重く感じられます。ブレーキ部品の焦げつきや破損などが生じ、燃費が悪化したり、大きな事故につながりかねません。サイドブレーキを引いている時は赤いブレーキ警告灯が点灯するので、発進前にブレーキ警告灯が消灯したのを確認する習慣をつけることが大切です。
参考）燃費を悪化させる「引きずり抵抗」とは？ - クルマの大辞典
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サイドブレーキの種類｜レバー式・足踏み式・電動式の特徴

パーキングブレーキには主に4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。レバー式サイドブレーキは運転席と助手席の間に設置されたレバーを上に引くことで作動するタイプで、最もオーソドックスな方式です。直感的な操作性が特徴で、引き上げた際の手応えから制動力の掛かり具合を体感できます。構造的にシンプルで、特に後輪にパーキングブレーキをかける車両では部品点数や重量を減らせる点がメリットです。
参考）パーキングブレーキの種類-サイドブレーキ・足踏み式・電動式に…
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足踏み式パーキングブレーキは運転席のペダルで作動し、一般的にペダルを1回踏むと作動し、もう1回踏むと解除する仕組みです。足元にペダルを設置するため、余分なスペースを必要としない点がメリットで、車内スペースに制限のある軽自動車やミニバンなどと相性が良いです。電動式パーキングブレーキは、ボタンを押すだけで誰でも同じ強さでブレーキをかけられるのが特長で、先進安全技術のACCとの連携や、デザイン性、利便性の観点から近年採用が増えています。
参考）パーキングブレーキの仕組み｜役割やメンテナンス方法を併せて解…
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フットブレーキの引きずりが燃費に与える影響と対策

フットブレーキの引きずりとは、ブレーキを踏んでいないのにブレーキの一部がわずかに効いた状態になっていて、それが抵抗となることを指します。引きずり抵抗があると、燃費が悪くなったり、ブレーキの部品が早く摩耗したりする可能性があります。ディスクブレーキの場合、ブレーキパッドがブレーキディスクにわずかに接触し続けることで抵抗が生まれてしまいます。​
ブレーキの引きずりを放置していると、ブレーキは消耗してしまうため、車体や燃費に悪影響を与えます。車がスムーズに走行するためには、エンジンが生み出すエネルギーの一部を使って引きずり抵抗を克服する必要があり、抵抗が大きければ大きいほど多くのエネルギーを消費し燃費が悪化します。ブレーキパッドの片側だけ異常に摩耗している場合は引きずりの可能性があるので、定期的な点検が重要です。
参考）【燃費悪化】原因はブレーキの引きずり　パッドの動きが悪い場合…
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坂道駐車でのサイドブレーキとフットブレーキの併用方法

坂道での駐車時は、パーキングブレーキをかけることが基本です。プロドライバーは、坂道で駐車する際、多重の防御壁を築くための手順を確実に行います。まず、サイドブレーキは確実に引くことが第一ステップです。AT車の場合は、サイドブレーキを引いてからシフトレバーを「P」に入れる順番が重要で、先に「P」に入れるとトランスミッションに負荷がかかります。
参考）https://www2.mazda.co.jp/carlife/owner/manual/cx-30/dm/edna/contents/22010405.html
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MT車の場合は、上り坂では「1速（ロー）」、下り坂では「R（リバース）」に入れます。これは、万が一車が動き出そうとした際に、エンジン内部の抵抗（エンジンブレーキ）が第二の防御壁として機能するためです。急な坂道ではさらに輪止めをする必要があり、輪止めをしないと車が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。坂道駐車では、ATの「P」レンジだけでは危険なため、必ずサイドブレーキを併用することが安全運転の基本です。
参考）【「P」レンジだけでは危険？サイドブレーキの必要性を解説】｜…
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