

エアコンが効いているのにオイルを足すと、かえって冷えが悪くなり修理代が5万円超になることがあります。
カーエアコンの中心部品であるコンプレッサーは、冷媒ガス(フロンガス)を圧縮することで冷たい空気を作り出しています。このコンプレッサーの内部を潤滑し、密閉性を保つために必要なのが「コンプレッサーオイル」です。エンジンにエンジンオイルが必要なのと同じ関係だと考えると分かりやすいでしょう。
エアコンオイルはクーラーガスと混ざり合った状態でサイクル内を循環しているため、本来は大きく減るものではありません。しかし新車から5年以上経過した車では、配管の継ぎ目に使われているゴム製のOリングがヘタリ始め、ガスと一緒にオイルが少しずつ漏れ出ることがあります。特に低い位置にあるコンプレッサーや高圧フレキシブルホースのカシメ部分からガス漏れが起きると、コンプレッサーオイルが大量に流出するケースもあります。
オイルが不足するとどうなるでしょうか?まず、コンプレッサー内部から「キリキリ」「ゴロゴロ」といった異音が発生します。それを放置し続けると「ガラガラ」という激しい音に変わり、最終的にはコンプレッサーが焼き付きを起こして内部が破損します。これが整備士が「コンプレッサーがロックした」と言う状態です。コンプレッサー単体の交換費用は、新品で5〜10万円、リビルト(再生品)でも2〜4万円はかかるため、見逃せないサインです。
つまり、エアコンオイル補充が必要な主なタイミングは「エアコン修理の工程で部品交換をするとき」か「ガス漏れと一緒にオイル漏れが起きているとき」です。これが基本です。
| 補充が必要なケース | 補充が不要なケース |
|---|---|
| コンプレッサーやエバポレーターを交換した | エアコンが正常に冷えている |
| ガス漏れと一緒にオイル漏れが判明した | 新車・購入して間もない車 |
| コンプレッサーから異音がしている | 定期メンテナンスとして「なんとなく入れる」 |
エアコンオイルのDIY補充は、手順を守れば難しい作業ではありません。ただし、フロンガスを大気中に放出することは法律で禁止されているため、必ず「低圧側からガスと一緒に吸い込ませる」方法で行います。以下に基本的な手順を示します。
まず、準備するものを確認しましょう。
次に、作業の流れを確認します。
⚠️ ここで重要な注意点があります。「缶を逆さにするのはオイル補充のときだけ」です。ガス缶(冷媒のみのもの)を逆さにして充填すると液体冷媒がコンプレッサーに流れ込み、故障の原因になります。オイルは逆さ、ガスは正立(上向き)、これは絶対に守ってください。
自分でできるエアコンオイル補充方法の詳細手順(三富鈑金・整備士監修)
エアコンオイルは「多ければ多いほど良い」と思いがちです。しかし現実はまったく逆で、入れすぎはエアコンの冷え不良や部品破損を招く深刻なリスクがあります。
エアコンが冷える仕組みを簡単に言うと、圧縮・液化されたフロンガスが「エキスパンションバルブ」という霧吹きのような部品を通る際に急激に気化し、気化熱で周囲の熱を奪うことで冷気を作ります。ここにコンプレッサーオイルが過剰に流れ込むと、エキスパンションバルブの通路が油で邪魔をされ、ガスの流れが乱れます。冷えにムラが出て圧力も不安定になる。これが「入れすぎ」の正体です。
さらに悪化すると、エキスパンションバルブ本体が想定外の圧力を受けて変形・破損することもあります。ガスの圧力が高圧側に偏り、低圧側が異常に低くなるという現象も発生します。整備士でさえ「なんか数値が変だな」と悩むくらい症状がわかりにくいのも特徴です。
コンプレッサーオイルの入れすぎが起きやすいのは、複数のガソリンスタンドや整備工場で「エアコンメンテナンス」を重ねてしまったケースです。どの店でどれくらい入れたかが積み重なり、気づいたときには過充填になっています。工賃は安くても、その結果コンプレッサー交換が必要になれば5〜10万円の修理費が発生します。痛いですね。
抜き取るにはガスを全量回収したうえで専用のエアコンガスチェンジャーを使うか、コンプレッサーを取り外して物理的にオイルを排出する必要があります。DIYでは到底難しい作業です。オイルは抜き取りすぎてもコンプレッサー焼き付きの原因になるため、専門業者に依頼するのが確実です。
エアコンコンプレッサーオイル入れすぎの症状と抜き取り方法(くるまライフハック)
エアコンオイルを補充するとき、ガス缶と同様に「車の冷媒の種類に合ったオイル」を選ぶことが絶対条件です。これを間違えると、コンプレッサーが破損する可能性があります。
日本の車に使われているエアコン冷媒は大きく2種類に分けられます。2013年以前の多くの車には「HFC-134a(R134a)」が使われており、これに対応するオイルが「PAGオイル(ポリアルキレングリコール系)」です。一方、2013年以降の欧州規制を受けて新型車を中心に普及してきた「HFO-1234yf(R1234yf)」搭載車には、専用のPAGオイル(YF-PAG)またはPOEオイルを使う必要があります。
特に注意が必要なのが電動コンプレッサー搭載のハイブリッド車・EV車です。電動コンプレッサーには絶縁性が必要なため、通電してしまうPAGオイルは使えません。POEオイル(ポリオールエステル系)を使わなければならず、もし誤ってPAGオイルを入れた場合、コンプレッサー内部の絶縁性が低下してコンプレッサー自体が破損します。これは非常に高額な修理になります。
また、「R134a用PAGオイル」と「R1234yf用PAGオイル」は混用禁止です。見た目は似ていますが、化学特性が異なります。専門的な知識がないとどれを選べばいいか迷うため、メーカーの適合表を確認するか、ディーラーや電装系の整備工場に問い合わせるのが安心です。
オイルの種類が条件です。自分の車の冷媒種別は、エンジンルーム内のエアコン配管周辺やガス注入口キャップ付近にステッカーで記載されていることが多いため、まずそこを確認しましょう。
コンプレッサーオイルの見分け方と種類の解説(GOO NET MAGAZINE)
エアコンオイルのDIY補充は市販のオイル入りガス缶を使えばある程度できますが、正直なところ「補充作業だけでは根本解決にならない」ケースも多くあります。プロへの依頼が適切な状況を知っておくことは、長期的なコスト削減に直結します。
まず、コンプレッサーやエバポレーター・コンデンサーなどの大きな部品を交換するときは、プロの作業が不可欠です。エバポレーターはダッシュボードの奥に収まっており、取り出すだけでも専門工具と数時間の作業が必要です。しかも交換後には抜けた分のオイルを適量補充する必要があり、量の計算を誤ると再びトラブルの原因になります。これは専門業者が望ましいです。
次に、DIY補充を繰り返した結果、冷えが悪くなった場合もプロへの相談が先決です。複数の場所でガスやオイルを補充した履歴がある車では、オイルが過充填気味になっていることがあります。こういった場合、整備工場でエアコンガスクリーニングを行い、ガスとオイルを一旦全量抜き取ってから規定量を再充填する方法が有効です。
費用の目安を確認しておきましょう。
エアコンの修理・メンテナンスに詳しいのは、電装業者や整備工場です。ガソリンスタンドや量販店では「ガスチャージ」はできても本格的なエアコン修理の知識と経験を持たない場合があります。毎回同じ業者に依頼しておくと作業履歴が蓄積され、「前回どのくらいオイルを入れたか」が把握しやすくなります。結論はできるだけ同じ業者に依頼するのが賢明です。
カーエアコンのオイル不足の症状と補充タイミングの解説(くるまライフハック)

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