

⚠️ ブレーキフルードを2年以上交換していないと、下り坂でブレーキが床まで踏み抜けて止まれなくなります。
ベーパーロック現象とは、ブレーキ操作による摩擦熱でブレーキフルードが沸騰(ボイラー状態)し、配管内に気泡が発生することでブレーキが効かなくなる現象です。 英語の「vapor(蒸気)」と「lock(阻害)」を合わせた言葉で、蒸気が油圧の伝達をブロックするという意味を持ちます。sompo-direct+1
通常、油圧ブレーキはブレーキペダルを踏む力がフルードを介してブレーキパッドに伝わる仕組みです。 ところが、フルード内に気泡が発生すると、液体と違って気体は圧縮されてしまうため、踏力がブレーキパッドに届かなくなります。 つまり「ペダルを踏んでいるのにスカスカで止まれない」という最悪の状態になるということですね。zurich.co+2
「ボイラー」という言葉を使うのは、フルードが沸騰する様子が文字通りボイラーの動作に似ているからです。 ブレーキパッドとディスクの間で生じた摩擦熱がキャリパーを通じてフルードへ伝わり、沸点を超えると一気に気化します。 これが繰り返されると気泡がライン全体に広がり、最終的にブレーキは完全に無効化されます。detail.chiebukuro.yahoo+1
特に長い下り坂でフットブレーキを踏み続けるケースが最も危険です。 2022年10月に富士山麓で起きた観光バスの横転事故(死者1名、重軽傷者26名)も、フェード現象やベーパーロック現象が原因として推測されています。 急な下り坂でのフットブレーキ多用は、命に直結するリスクがあるということです。64159339+1
「ベーパーロック」と「フェード現象」は混同されがちですが、原因がまったく異なります。意外ですね。
参考)https://www.zurich.co.jp/carlife/cc-vaporlock-fade/
| 項目 | ベーパーロック現象 | フェード現象 |
|---|---|---|
| 原因 | ブレーキフルードの沸騰・気泡発生 | ブレーキパッド(摩擦材)の過熱 |
| 症状 | ペダルがスカスカ・底付きする | ペダルは踏めるが制動力が低下 |
| 発生場所 | 液圧系統(ブレーキライン内) | 摩擦面(パッド・ローター) |
| 対処法 | エンジンブレーキ+冷却待ち | エンジンブレーキ+冷却待ち |
| 予防策 | フルード定期交換 | 高性能パッドへの交換 |
フェード現象は「踏んでも効きが甘い」感覚なのに対し、ベーパーロックは「踏んでも全く手応えがない(床まで踏み抜く)」という点で区別できます。 フットブレーキを多用している状況では、まずフェード現象が起き、それをさらに悪化させるとベーパーロックへと移行します。 つまり「フェード現象はベーパーロックの前兆」と覚えておけばOKです。fujita-energy+2
フェード現象が起きた時点でブレーキパッドからやや焦げくさいにおいがすることがあり、それがサインです。 その段階でエンジンブレーキに切り替え、停車して冷却することが唯一の正しい対処になります。 ブレーキを無理に踏み続けることは禁物です。qsha-oh+1
ブレーキフルードは吸湿性が高く、使用しているだけで空気中の水分を少しずつ吸収し続けます。 これが問題の根本です。vw-dealer+1
新品のブレーキフルード(DOT3規格)の沸点は205℃以上ですが、2年ほど使用して水分を吸収すると、沸点は140℃程度にまで下がってしまいます。 通常走行時のブレーキ温度は100〜150℃程度になることもあるため、劣化したフルードでは容易にボイラー状態(沸騰)が起きてしまいます。これは怖いですね。
参考)ブレーキが効かない!…となる前に、ブレーキフルードは定期的な…
水分は沸点が100℃しかないため、少量でもフルード内に混入すると「局所的な沸騰点」を生み出します。 ブレーキが熱くなると、水分のある部分から先にバブル(気泡)が生じ、それが連鎖してベーパーロックを引き起こすわけです。 劣化が進めば進むほど、発生する気泡が増え、制動力の回復も難しくなります。2rinkan.blog+1
また、10年以上ブレーキフルードを無交換にしている車両も実際に存在しており、そのような車でも普段の平坦路では問題が出ません。 しかし長い下り坂でフットブレーキを多用した瞬間に初めてベーパーロックが発生するため、「今まで大丈夫だったから」という安心感が危険を招きます。detail.chiebukuro.yahoo+1
国土交通省もブレーキ液の劣化とベーパーロック現象について再現実験を行い、劣化したブレーキ液では制動距離が大幅に延びることを確認しています。
参考)https://www.mlit.go.jp/common/001021365.pdf
国土交通省によるブレーキ液劣化実験レポート(制動距離への影響データあり)。
ブレーキ液の劣化によるブレーキ性能の低下にかかる再現実験(国土交通省)
ブレーキフルードの交換は2年ごとに1回が基本です。 車検のタイミング(2年ごと)に合わせて交換するのが一番忘れにくく、実践的な管理方法です。jms-car+1
スポーツ走行をよくする方、峠道や山道を頻繁に走る方は、1年ごとの交換が推奨されています。 走行距離でいえば年間1万kmを超えるような使い方をする場合は早めの対応が原則です。 「見た目で黒く変色していないから大丈夫」は誤りで、色が透明でも沸点はすでに大幅に下がっている場合があります。yellowhat+2
交換費用の目安は1,000〜3,000円程度(工賃込み)で、車検整備の中でも比較的低コストで行えます。 これは使えそうです。年に何千円かの出費でブレーキ失陥という最悪の事態を防げるなら、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
ブレーキフルードの交換はDIYでも可能ですが、エア(空気)が混入するとそれ自体がベーパーロックの原因になるため、慣れていない場合はプロに依頼するのが安全です。 オートバックスなどのカー用品店でも対応しており、予約不要で受け付けているケースも多くあります。sompo-direct+1
ブレーキフルード交換の費用・手順について詳しく解説しているページ。
ブレーキオイルの交換時期の目安は?交換する方法や費用も解説(ブリヂストン)
走行中にベーパーロックが発生し、ブレーキペダルがスカスカになった場合、まず絶対にパニックブレーキを踏み続けてはいけません。 それ以上熱を加えても状況は悪化するだけです。
取るべき行動は以下の順番で実行します。
ギアを一気に下げると駆動輪がロックされトラブルの原因となるため、必ず1段ずつ下げることが重要です。 また、サイドブレーキの急な引きすぎも後輪がロックしてスピンする危険があります。少しずつ、が条件です。
そもそもベーパーロックが起きる前に予防することが最善であり、長い下り坂に入る手前でギアを落としてエンジンブレーキを効かせる習慣が最大の防御です。 「下り坂ではエンジンブレーキを先に使う」が原則です。sompo-direct+1
ベーパーロック現象の症状・対処法についての詳細解説。
ベーパーロック現象とは?仕組みや原因、また未然に防ぐための対策(損保ジャパン)
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