

サビを放置した車は、フレーム腐食修理だけで50,000円以上かかることがあります。
アンダーコートとは、車のシャーシ(車体を支えるフレーム)や下回りに特殊な防錆塗料を塗布して保護するサービスのことです。路面に近い下回りは、走行中に跳ね上げられた石・泥・水・塩分が絶えず当たる過酷な環境にさらされています。見た目には気づきにくい部分ですが、放置すると金属が腐食し、深刻なダメージへと発展します。
アンダーコートの主な目的は4つです。まず「防錆効果」で、水分・塩分が金属面に直接触れるのを防ぎます。次に「傷防止」で、飛び石から下回りを守ります。そして「制振効果」として、走行中の衝撃を被膜が吸収して乗り心地を改善します。さらに「防音効果」として、ロードノイズや振動音を軽減します。つまり錆止めだけではないということですね。
施工対象となる部位は、フレーム・マフラー周辺・ブレーキ周辺・足回りのアーム類など、車両の床下全体が基本です。ただしマフラーや排熱部品など、高温になる部位は塗布を避ける必要があります。これは必須の知識です。
特に融雪剤が散布される降雪地域や、海沿いの塩分が多い沿岸部に住んでいるドライバーにとって、アンダーコートの効果は顕著です。北海道や東北、北陸、新潟などの雪国では、冬季に道路へ塩化ナトリウムや塩化カルシウムが大量に散布されるため、施工しない車は数年でフレーム腐食が始まるケースも報告されています。
ENEOSウイング:アンダーコートの効果・種類・施工頻度を詳しく解説しているページ
アンダーコートの料金は、依頼する場所によってかなり幅があります。これが意外と知られていない点です。大まかに言うと、安いところでは7,700円〜、高いところでは50,000円以上になることもあります。
以下に主要な施工場所ごとの料金目安をまとめます。
| 施工場所 | 軽自動車 | 普通車(5ナンバー) | 大型車(3ナンバー) |
|---|---|---|---|
| オートバックス | 10,780円〜 | ||
| イエローハット | 7,700円〜 | 8,800円〜 | 9,900円〜 |
| ディーラー(Honda等) | 14,850円〜 | 17,600円〜 | 29,700円〜 |
| ENEOSウイング(KeePerコート) | 16,780円〜 | 20,080円〜 | |
| 専門店(ノックスドール等) | 30,000円〜 | 50,000円〜 | 80,000円〜 |
料金の差には理由があります。カー用品量販店(オートバックス・イエローハット)は価格競争があるため比較的リーズナブルですが、使用する塗料の性能や施工の丁寧さはお店によってバラツキがあります。一方、ディーラーは車種専用の知識と施工環境が整っていますが、その分費用は高めです。
専門店で使われる「ノックスドール」はスウェーデン発祥の高耐久防錆剤で、浸透性と密着性が非常に高く、新車施工なら6年耐久・施工保証5年がつく業者もあります。費用はかかりますが、長期的なコスパは高いと評価されています。これは使えそうです。
施工場所を選ぶときは、価格だけでなく「使用する塗料の種類・耐久年数・保証の有無」も必ず確認しましょう。相見積もりを2〜3社から取ることが、賢い選択への近道です。
若林自動車工業:車検時の防錆施工方法と費用を詳細比較しているページ
アンダーコートはいつ施工するのがベストなのでしょうか。答えは「なるべく早い段階」です。
新車の場合、納車直後が最適なタイミングです。まだ下回りにサビや汚れがない状態で塗料を密着させることができ、防錆効果が最も高くなります。新車には「どうせメーカーが防錆加工してある」と思っている方も多いのですが、メーカーの出荷時処理は基本的なもので、融雪剤や塩害の多い地域では不十分なことが多いです。特に降雪地域では納車直後の施工が推奨されています。
中古車の場合は、購入後できるだけ早く下回りの状態を確認し、サビが軽度なうちに施工するのが鉄則です。サビが進行してからでは、アンダーコートの前にサビ取り処理が必要になり、費用が追加でかかります。サビが深刻になるとフレーム修理・部品交換が必要になり、修理費が30,000円〜100,000円以上に膨らむことも珍しくありません。早めの施工が原則です。
車検のタイミングで施工する方も多いです。2年に一度の車検ごとにアンダーコートを再施工するサイクルが、費用と効果のバランスとして無理なく継続しやすいと言われています。車検見積もりの際に「アンダーコート」の項目が含まれているか確認し、必要であれば追加を依頼しましょう。
一方で、都市部に住んでいて雪道も海沿いも走らない方や、すでに高耐久のコーティングが施工済みの場合は、必ずしも毎年の再施工は不要なこともあります。自分の使用環境に合わせて判断することが大切です。
炎賀新潟:新車・中古車の施工時期や防錆の必要性について解説しているページ
「費用を抑えたいから自分でやりたい」という方も少なくありません。ホームセンターやカー用品店では1,000〜3,000円程度で缶スプレー型のアンダーコート剤が販売されており、DIY施工は理論上は可能です。
ただし、失敗リスクは想像以上に高いです。まず車体を安全に持ち上げるジャッキアップ作業が必要で、これ自体に転倒リスクがあります。次に、塗布前に下回りを高圧洗浄してしっかり乾燥させないと、汚れや水分が残った状態で塗料が密着せず、数ヶ月で剥がれてきてしまいます。乾燥が不十分だと効果はほぼ半減します。
特に注意が必要なのが「可動部への誤施工」です。ブレーキディスク・キャリパー・ドライブシャフトのブーツ・排気管など、塗料が付着してはいけない部位が多数あります。これらの部位に誤ってアンダーコートが付くと、ブレーキ不良や部品の固着といった深刻な不具合が発生することがあります。マスキング作業は非常に細かく、経験がないと確実に行うのが難しいです。厳しいところですね。
プロの施工との差は「使用機材」にもあります。専門業者は圧力の強い専用ガンを使って、フレームの裏側・袋状になった部位・細かい隙間の内部まで塗料を届かせることができます。一方、缶スプレーでは届かない部位が生まれやすく、その部位から錆が発生します。
費用を抑えることでサビが進行し、結果的に高額な修理が必要になるリスクを考えると、初回施工はプロに任せ、その後の定期メンテナンスで費用を管理する方が合理的です。
せっかくアンダーコートを施工しても、施工後の扱いを間違えると効果が大幅に低下します。知らないと損する情報です。
まず施工直後の洗車は厳禁です。アンダーコートが完全に硬化するまでの時間は製品によって異なりますが、多くの場合24〜48時間程度かかります。硬化前に水分が当たると塗膜が流れてしまいムラができるため、この期間は洗車・雨中走行を避けることが推奨されます。施工翌日にすぐ洗車してしまうと、効果が半減します。
施工後の日常ケアとしては「月に1回程度の下回り洗浄」が効果を長持ちさせる基本です。特に雪道を走行した後は、融雪剤が付着したまま放置するとアンダーコートの劣化が早まります。高圧洗浄やコイン洗車場の下回り洗浄機能を積極的に活用しましょう。
アンダーコートの耐久年数は使用する製品によって大きく異なります。一般的なアンダーコートで1〜3年、KeePerアンダーコートで1年、ノックスドールなど高耐久製品では新車施工で6年程度が目安です。雪国や沿岸部では劣化が早まるため、定期的な点検が必要になります。これだけ覚えておけばOKです。
また、アンダーコートが部分的に剥がれてきた場合は、その部分だけを補修する「部分再施工」も可能です。全体を施工し直すより費用を抑えられるため、年に一度の車検や定期点検の際に下回りの状態を確認してもらう習慣をつけると安心です。施工業者や整備工場に「下回りの状態を確認してほしい」と一言伝えるだけで確認してもらえます。
ゴーマル:塩害に強い車にするためのアンダーコート施工と注意点を解説しているページ
「とりあえず今は施工しなくていいか」と後回しにしてしまう方も多いですが、これが長期的に最もコストがかかる選択になることがあります。意外ですね。
サビの進行を放置した場合の修理費目安は以下の通りです。
| 損傷の内容 | 修理費用の目安 |
|---|---|
| 下回り錆び修理(軽度) | 約30,000円〜 |
| フレーム腐食修理 | 約50,000円〜 |
| 部品交換(マフラー等) | 約100,000円〜 |
| フレーム貫通・溶接修理 | 数十万円〜 |
フレームや構造部に穴が開くほどサビが進行した場合、車検に通らなくなることがあります。フレームに亀裂・穴・著しい腐食が確認されると保安基準不適合として不合格になるため、修理しなければ公道を走れなくなります。これは痛いですね。
一方で、1回のアンダーコート施工にかかる費用は10,000〜30,000円程度です。2〜3年に1回施工したとしても、10年間で3〜5回の施工費は30,000〜150,000円程度に収まります。対して、フレーム腐食の修理は1回で50,000円以上かかるケースが多く、場合によっては車両の乗り換えを余儀なくされることもあります。計算すると防錆施工の方がトータルで安くなることが多いです。
特に10万km以上を走る長期乗用や、中古車を購入して長く乗り続けたい方にとって、アンダーコートは「修理費の保険」として機能します。「見えない部分だから」とついつい後回しにしてしまいがちですが、下回りのサビは確実に車の寿命を縮めます。施工を迷っているなら、まずは下回りの状態確認だけでも依頼してみることをおすすめします。
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