
2010年に登場したアイサイト ver.2は、スバルの安全技術を一般に広めた記念すべきバージョンです。世界初のステレオカメラのみによるプリクラッシュブレーキと全車速追従機能付きクルーズコントロールを実現し、高級車でしか設定されていなかった運転支援システムを10万円という価格で提供しました。
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基本機能として、プリクラッシュブレーキ(自動ブレーキ)、全車速追従機能付クルーズコントロール、AT誤発進抑制制御、警告&お知らせ機能を備えています。完全停止まで可能な自動ブレーキアシストの登場により、アイサイトはスバルの代名詞として広く普及しました。
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実際の事故低減効果も実証されており、アイサイト ver.2搭載車の追突事故発生率は0.09%、つまり1万台あたり9台の発生率にまで抑えられています。スバルの独自調査によると、アイサイト装着車は非装着車に比べて車両同士の追突事故では約8割、対歩行者事故では約5割、全体では約6割も事故発生率が低いことが証明されました。
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2014年に発表されたアイサイト ver.3は、カメラ性能の大幅な向上とステアリング制御の導入が特徴です。ステレオカメラの視野角と視程がver.2から40%向上し、より広範囲を正確に認識できるようになりました。
参考)301 Moved Permanently
新たに追加された機能として、後退時ブレーキアシスト、AT誤後進抑制制御、アクティブレーンキープ機能があります。アクティブレーンキープは車線中央維持機能や車線逸脱抑制機能など、ステアリング制御を導入した画期的な機能です。
2017年には「アイサイト・ツーリングアシスト」が追加され、停止状態からの発進までサポートするようになりました。この機能は0km/hからの全車速対応で、先行車や車線、渋滞時の割り込み車両を認識しながら速度やステアリング操作、ペダル操作をアシストしてくれます。渋滞時の運転負荷を大幅に軽減し、より自然な運転感覚を追求した技術です。
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2020年10月発表の2代目レヴォーグに初採用された新世代アイサイトは、「進化の度合いが違い過ぎる」としてver.4とは命名されませんでした。ハードウェアの刷新により予測安全性能を強化すると同時に、いわゆる自動運転性能をより高めています。
参考)EyeSight - Wikipedia
新世代アイサイトの最大の特徴は、2022年から導入された3眼カメラシステムです。従来のステレオカメラに加えて、広角単眼カメラを国内スバル車で初めて採用し、フロントウインドウの内側に合計3眼のカメラが装着されました。広角単眼カメラの視野は従来の新世代アイサイトよりもさらに広く、前側方レーダー、後側方レーダー、リアソナーなども併せて装着され、車両の周囲をすべてセンサーでチェックしています。
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新開発のステレオカメラで視野をver.3から約2倍に拡大し、レーダーによるカメラの死角カバーで360度センシングを実現しました。特に注目されるのが前側方プリクラッシュブレーキで、事故件数の多い交差点の右左折における歩行者や自転車との衝突を防ぐことが可能になりました。
アイサイトXは、新世代アイサイトの技術に加えて高度運転支援機能を搭載したオプションシステムです。GPSや準天頂衛星「みちびき」からの情報と3D高精度地図データの組み合わせにより、極めて高精度な運転支援を実現しています。
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アイサイトXテクノロジーの主要機能として、渋滞時ハンズオフアシスト、渋滞時発進アシスト、アクティブレーンチェンジアシスト、カーブ前速度制御、料金所前速度制御、ドライバー異常時対応システムの6種類があります。渋滞時ハンズオフアシストは、高速道路上で渋滞が発生した場合に一定の条件を満たすとハンドルから手を離すことが可能になる機能です。
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カーブ前速度制御では、カーブの曲率に合わせて速度を自動調整し、カーブに入る前から曲がり具合に合わせて最適な速度まで減速します。アイサイトXは3D高精度地図データに収録された自動車専用道路で、かつ片側2車線以上の道路を走行中にのみ機能し、通信機能により事故やトラブル時のサポートも提供します。
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2023年12月現在、スバルの新車における搭載状況は車種によって異なります。インプレッサとクロストレックは新世代アイサイト(2眼)を搭載し、フォレスターも新世代アイサイト(2眼)を採用しています。
新世代アイサイト(3眼)を搭載するのはレヴォーグ、レイバック、レガシィアウトバック、WRX S4で、これらの車種はアイサイトX(3眼)もオプションで選択可能です。SUBARU BRZにはアイサイト ver.3が搭載されていますが、MT車は一部機能が非搭載となっています。
車を選ぶ際のポイントとして、安全性を最重視するなら最新型の3眼アイサイトを搭載した車種がベストです。高速道路を頻繁に利用する方や長距離運転が多い方には、アイサイトXの渋滞時ハンズオフアシストやアクティブレーンチェンジアシストが大きなメリットになります。予算を抑えたい場合は、中古車市場でアイサイト ver.3搭載車を探すのも選択肢の一つです。
参考)https://rakunori.idex.co.jp/column/column_68.html
スバル公式サイト - アイサイト機能の詳細説明や最新情報、各バージョンの比較が確認できます
スグダス(スバル中古車)- アイサイトの歴史とバージョン別進化の詳しい解説が掲載されています